食中毒に備えるための保険とは?慰謝料や見舞金の相場などを解説!

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レストランや屋台などのイベントで提供した飲食物によって、お客様が食中毒を起こしてしまった場合、店はお客様への賠償金や利益損失、信頼喪失など多大なダメージを負うことにななります。そのため、食中毒対策としてPL保険などに加入し、万が一の時に備えておくと安心です。

内容をまとめると

  • 提供した飲食物により食中毒が発生すると、損害賠償金を支払うリスクや休業となるなどがある
  • 実際に飲食店で提供した飲食物により、約475万円の賠償金を支払った事例がある
  • 食中毒によるリスク対策として、PL保険や店舗休業保険、店舗総合保険がある
  • 事業のリスク対策や法人保険に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ

屋台イベントや料理教室などで食中毒が発生した際の4つの損害


イベントにおける屋台の出店や料理教室、レストランなど外の世界では食に関わるお店やイベントがたくさんあります。


料理を作るお店側も、作られた料理を食べる客側もおいしい料理に舌鼓を打ちながら楽しくイベントや料理を楽しめることが一番ですが、食べ物を提供しているということで材料や料理の手順などに不備や問題が潜んでいることも考えられます。


もしも料理を食べた人に健康被害が出てしまった場合、料理を提供した企業としては食中毒問題として大問題となってしまいますよね。


この場合、客側の健康を害してしまうことになりますが、意図せず企業として客側に問題のある料理を提供したどのような影響が出るのでしょうか。


  1. 食中毒を起こした方への損害賠償金
  2. 営業停止期間の収入分の損失・運転費用
  3. 他の食中毒の可能性がある商品のリコール費用
  4. 店舗の信頼喪失
食中毒を出さないことが一番ではありますが、ここでは食中毒が発生してしまった場合の企業への4つの損害についてまとめました。

①食中毒を起こした方への損害賠償金

提供した料理が原因で客側は健康を害してしまい、日常生活に不便や苦痛を強いられるようになってしまったわけです。


客としては当然、その被害にあったことによってかかってしまった費用を請求するでしょう。


この場合、企業としては誠心誠意謝罪の意をこめながら生じてしまった損害を賠償していく必要があります。


料理を口にしたことで食中毒を起こした方へ損害賠償金を支払い、被害者の生活や治療を補償することがまずは第一なので、損害賠償のためのお金として以下のものを支払うべきです。


  • 入院や通院に必要な治療費
  • 治療のための病院へ行くための交通費
  • 慰謝料

提供されたものによって食中毒を起こしてしまい、入院や通院が必要となった場合にかかった治療費はもちろんですが、病院への交通費も病院への通院や入院のためにかかった費用として支払う必要があります。

また、客側が「店が問題のある料理を客に提供した」ということを不法行為として、客個人が受けることになった精神的な苦痛に対しての慰謝料も支払わなければなりません。

体を休め治療に専念する必要があるばかりでなく、金銭的な問題、つまり治療のための費用も請求することが考えられるため、店側が負担すべき費用として治療費も発生してきます。

 仕事を休まざるを得なくなった期間に応じて、被害を受けた客が本来得ることができた収入、つまり食中毒にならずにその後も働いていたら手に入れることができていた収入(逸失利益)を補償することも必要となります。

店側としては自分たちが提供した料理が原因で罪のない客が苦しむことになってしまったという部分について謝罪の気持ちと一緒に損害賠償金を支払い、償いをしていかなければなりません。

②営業停止期間の収入分の損失・運転費用

店側が提供した料理が原因で食中毒が発生したという疑いがある場合、保健所の調査や食中毒被害の認定が行われることになります。


保健所から連絡が入り、調理に関わる人の細菌検査や料理場所の調査が行われ、それらの調査の結果店側に食中毒の原因があると認められた場合、行政から多くの場合は3日ほどの営業停止処分を受けてしまうことになります。


行政から営業停止処分を受けてしまうと、店側としては営業し、客に料理を提供することができなくなります。これを営業停止期間といい、当然ですがその期間中は店には1円も売上は入りません。


売上が入らないばかりではなく、店の運転費用の問題もあります。


閉店中だとしても、必然的に店を運営していくにあたって食材費や人を雇う人件費、そして店を借りている場合には家賃も必然的にかかってきます。


店を休業しているからといって雇っている従業員に対して給料を支払わなくていいというわけでもなく、家賃も払わなくていいという理由にはなりません。


仕入れてストックしている食材も無駄にしてしまうこともあるでしょう。


これらの店にとって入るはずだった売上を失うばかりでなく、店を維持し経営していく上で欠かすことができない運転費用もかさむため、店を営業停止にしている期間の損失は大きいと言えます。

③他の食中毒の可能性がある商品のリコール費用

レストランなどで食中毒を出してしまった場合、体調不良を訴えた客のみが食中毒の被害にあったと考えるのは早計でしょう。


なぜなら数多くの飲食物を提供していることを考えた場合、その料理を注文した人は他にもいると考えられます。


また、同じ料理ではないにしても、他の料理で食中毒の原因となった同じ食材を使用し、客に提供しているということも十分に有り得る話です。


客から食中毒の訴えがあった場合、それ以上の食中毒被害を拡大させないためにも食中毒の原因となった商品を責任持って回収する必要があります。


商品の回収にかかる費用としては下の通りです。


  • 郵送・通信費
  • 食中毒トラブルについての調査費用
  • 食中毒が起こってしまったことをお詫びし、回収する旨を伝えるための広告掲載料
  • 回収した商品の一時保管・廃棄費用

郵送・通信費としては商品を購入した客に食中毒が発生したこと、リコールすることを知らせるためにかかる費用です。

また、なぜ食中毒のトラブルが起こってしまったのか、今後同様のことが起こらないようにするために原因を知る必要があるため調査費用もかかります。

店を利用した客に対しては、店で提供したものが原因で食中毒被害が起こってしまったという旨とそのことについて迷惑をかけてしまったことの謝罪、それと同時に商品は責任もって回収するという内容を伝えるための広告掲載料がかかる場合もあります。

食中毒が起こってしまったことを伝え、回収するという旨を客に伝えた後に客個人の元から返品された商品が送られてきます。それらの回収した商品を一時的に保管した後、廃棄する必要があるためその費用もかかります。

食中毒が起こってしまった場合、1つだけ回収し、謝罪すれば終了というわけにはいきません。


責任持って問題の商品を回収し、これ以上の被害が出ないように食い止めるまでが仕事と言えます。

④店舗の信頼喪失

上記で食中毒を起こしてしまった場合の店や会社が被ることになる4つの被害について挙げましたが、今回挙げる「店舗の信頼喪失」が一番会社や店にとってダメージが大きいと言っても過言ではないでしょう。


お客様に安心・安全な食事を提供することは義務であり、当たり前のことと言えます。


客として利用する人は安心・安全が保証された食べ物が提供されるものとして店を信頼し、利用しています。


それが、「店から食中毒が出た」となるとどうなるでしょうか。


「あの店は食中毒が出た店」というレッテルが貼られると同時に、当然ですが「また同じようなことが起こるかもしれない」「あの店の料理を食べると体調不良を起こすらしい」というイメージが定着します。


つまり店から客に対しての裏切り行為といってもいいでしょう。


これまでコツコツと長年積み上げてきた安心・安全のイメージや客から店への信頼は一気に崩れ去ることとなります。


信頼とは築き上げるのは長い時間を要しますが、崩れてしまう場合は一瞬です。


信頼して足を運んでくれている客を裏切ることがないよう、しっかりとした対策をとる必要があります。

食中毒に関する事例


先ほどまで、食中毒が起こったことでどのような損害が企業に発生するのか解説してきました。


ここからは実際に食中毒が起こった事例をいくつか紹介していきます。事例を見ることで、実際にどのような費用を支払う必要があるのかなどを理解することができると思います。


今回紹介する事例は以下です。

  • 生食用の牡蠣で集団食中毒が発生
  • 提供した弁当により食中毒が発生

それでは詳しく解説していきます。

事例1:生食用の牡蠣で集団食中毒が発生

まず一つ目に紹介する事例は、提供した生食用の火器が原因で、集団食中毒が発生した事例です。こちらは裁判の結果も出ているため、判決についても紹介します。


概要

ある飲食店で、生食用の牡蠣を提供していたところ、提供していた牡蠣が食中毒の元となるウイルスに感染していました。それにより牡蠣を食べた人たちが、次々と食中毒を起こしました。


こちらの事故により飲食店の経営者は、加工販売会社と仕入販売会社に責任があるとして、損害賠償請求を求めました。


判決

裁判の結果、生食用の牡蠣が食中毒の原因であると認められました。また加工販売業が不法行為責任を負う必要があるとして、賠償責任の一部も認められました。


その結果、飲食店に対して、約475万円の損害賠償金を支払うことになりました。


参考:飲食業における訴訟と判例


解説

こちらの事例は飲食店が損害賠償責任があるのではなく、仕入れ先に損害賠償責任があると認められた事例です


食中毒となる原因は、飲食店だけではありません。仕入れ先で発生する可能性があるため、対策しておく必要があると言えます。

事例2:提供した弁当により食中毒が発生

続いて紹介する事例は、提供していた駅弁により食中毒が発生した事例を紹介します。


青森県八戸市の駅弁メーカーが提供している弁当を食べた人が、全国各地で食中毒の症状を発症しました。しかし最初の保健所の調査では、食中毒の原因となる菌が弁当から検出されないため、原因は弁当でないとされていまいした


ですが、2023年9月23日にこちらの駅弁メーカーで提供していた、弁当により下痢や嘔吐などの症状を訴えたことにより、食中毒と断定し、営業禁止処分をなりました。


保健所の調査によると、2023年9月25日までで、26都道府県で合わせて394人もの人が、食中毒となっていたようです。


また以前の調査では食中毒の原因となる菌が検出されていませんでしたが、その後の調査で回収した弁当の一部から食中毒の菌が検出されました


参考:弁当で食中毒

食中毒のリスクに対するおすすめの保険


ここまで食を提供する以上食中毒の問題は切っても切れないこと、食中毒によって店や会社が被る被害などについて複数挙げました。


そこでここからは食中毒のリスクで考えらえる賠償責任に関するリスクと休業による経済的損失に備えるための保険について解説していきます。


具体的な保険についても解説するので最後までご覧ください。

①賠償責任を補償する保険

まずは賠償責任を補償するための保険を紹介します。食中毒の賠償責任は、PL保険という損害保険で補償することができます。


PLとはProduct Liability、日本語に訳すと製造物責任という意味があります。


作り出したモノに不備や欠陥があった場合、それを使った人が被害を被る可能性も十分にあります。


モノの不備や欠陥によって身体に障害が残ってしまった、もしくは持ち物が壊れてしまったなど何かしらの被害や損害があった場合、モノを作り出したり販売に関係した事業者が、被害にあった人に対して損害を受けたことによる賠償をする責任を負うことになります。


つまり「モノを作った人が負うべき責任」ということですね。モノを作り生み出す以上、作る人には使う人が最後まで安心安全につかうことができるようにする義務があると言えるでしょう。


PL保険は生産物によって被害を受けた人に対して、生産物を作り出した会社が賠償金を支払う際に会社が被ることになる金銭的損害を保険会社が支払うという保険です。


PL保険は「生産物」という大きなくくりですが、幅広い業種に対応しているということでもちろん飲食に関わる企業や店も対象となっています。


保険のプランや特約によっては、被害者に賠償金を支払うことで会社が被ることになる金銭的損害以外にも営業停止期間における本来得られたはずの売上利益なども補償するものもありますので、加入の際は保険会社にご確認ください。


PL保険の補償内容や保険料など、詳しい内容を知りたい方は、以下の記事で解説しているのでそちらをご覧ください。

②休業補償のための保険

続いては食中毒により店舗を休業することになった場合の損害を補償するための保険を紹介します。


食中毒が起こってしまった場合、一定の期間営業を休止することになります。そうすると本来営業して、売上を立てることができたはずの期間に、1円も売り上げがたたないとなると事業を継続させることが難しくなります。


そこで以下の保険があります。

  • 店舗休業保険
  • 店舗総合保険

【店舗休業保険】

店舗休業保険とは、火災や自然災害、食中毒の発生により、営業活動が中止した際の休業損失を補償するための保険です

こちらの保険に加入しておくことで、食中毒のリスクが起こったとしても、休業期間中の損失を補償することができるので、その後も安心して事業を継続することができます。

【店舗総合保険】

続いては店舗総合保険です。店舗総合保険とは、先ほど紹介したPL保険や店舗休業保険、施設賠償責任保険などの補償が一つにまとまった損害保険です

そのためこちらの保険に加入しておくことで、店舗における賠償責任のリスクから休業リスクまで幅広く、補償することができます。

こちらで紹介した店舗休業保険と店舗総合保険については以下の記事でそれぞれ解説しているので、気になる方はそちらをご覧ください。

自分の店舗に最適な保険を探すならまずは法人保険のプロに無料相談!

自分の店舗を持ち客に飲食を提供するというのであれば、提供する飲食物に責任をもって安全を確保する必要がありますが、もし万が一なにかトラブルがあった場合に備えて飲食を提供する店や会社向けの保険に加入しておくと安心です。


自分の店に最適な保険に加入して、もしもの時に備えたいという思いがめばえたら、法人保険のプロに相談するのがいいでしょう。


マネーキャリアにはお金や法人保険のプロが多数在籍しているため、自分の店にとってぴったりの保険を紹介することができます。


マネーキャリアでの保険相談はZOOMなどを利用するため、スマートフォンやパソコン1台で申し込みから面談まで全て完結します。


また、相談につきましてはご納得いただけるまで何度でもわかりやすく無料で説明いたしますので保険の相談が初めてという方も、保険の相談に不安があるという方も安心してご相談いただけると思います。


ぜひとも一度、法人保険のプロが多数いるマネーキャリアにご相談ください。

参考:飲食物を提供する人が検討するべきその他の保険


上記で食中毒に備えて加入しておくべき保険について紹介してきましたが、飲食物を提供することを生業とする以上、食中毒対策の保険に加えて加入を検討するべき保険があります。


食中毒対策の保険と一緒に一緒に加入を検討するべき保険は以下の通りです。

保険の種類概要
火災保険 火災や自然災害などによって店に収容される設備や什器・商品・製品に被害があった場合、その被害に対する補償がある保険
施設賠償責任保険
床や看板など、店の備品などによって客に怪我させてしまったり、他人の所有物を破損してしまった場合に賠償責任を負担することで被る損害を補償する保険
テナント保険火災や風災、水災や盗難などに伴う、設備費用や第三者への賠償責任を補償してくれるもの。  


火災保険については避けることのできない自然災害や、調理中などの火の不始末や不注意で火事が起こってしまった場合に店の道具や設備に被害があった場合、その被害を補償するものです。


施設賠償責任保険は、滑りやすい床で客が足を滑らせて転んだ、店の看板が飛んできて客が怪我した、店の電飾が飛んで隣の店の壁を傷つけてしまったなど、他人や他人の所有物を傷つけてしまった場合の賠償責任を負担する保険です。


テナント保険は内容としては火災保険と重複する部分もありますが、設備什器等補償、費用補償、借家人賠償責任補償、施設賠償責任補償など補償範囲が広がるというメリットもあります。


飲食物を提供するという責任ある立場である以上、「心配しすぎる」ということはありません。


トラブルや問題が発生してからでは遅いので、発生する前に保険に加入し備えておくということが大切です。


それぞれの保険の補償内容や保険料などについて詳しい内容を知りたい方は、以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。

まとめ:飲食物を提供するなら食中毒に対するリスク対策は必須!


以上が食中毒が発生した場合の店としての損害、そして飲食物を提供する以上加入しておくと補償をうけることができるという保険の紹介でした。


食中毒が発生してしまった場合、店としての損害は


  1. 食中毒を起こした方への損害賠償金 
  2. 営業停止期間の収入分の損失・運転費用 
  3. 他の食中毒の可能性がある商品のリコール費用 
  4. 企業の信頼喪失
がありました。これらによって店は多額の費用を必要とすることになり、非常に大きなダメージを受けることが考えられます。

食中毒が発生してしまった場合、これらによって店側として金銭的なダメージを受けることになりますが、保険に加入し、万が一の場合に備えていた場合には被害は最小限に抑えることも可能です。

飲食物を提供する方々が加入するべき保険としては、食中毒に備えて
  1. PL保険(生産物賠償責任保険)
  2. 店舗休業保険
  3. 店舗総合保険
が挙げられますが、その他にも食中毒以外のトラブルや問題も考慮し、

  1. 火災保険 
  2. 施設賠償責任保険 
  3. テナント保険 
があります。

店として客に飲食物を提供する以上、安心安全に気を配ることはもちろんですが、もしも万が一ということも避けられない場合もあります。

そのような場合に備えて保険に加入しておくと安心でしょう。

保険の新規加入や見直しを検討している方は「マネーキャリア」にて相談してみてはいかがでしょうか。「マネーキャリア」は法人の方も無料で相談可能な為、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。

ほけんROOM」は保険に関する記事を多数掲載しておりますので、興味のある方は合わせてご覧ください。

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