みんなはどうなの?うちは多いの?少ないの?データからみる「日本人の貯蓄事情、中央値と平均値」

日本の1世帯当たりの平均貯蓄額は、1,812万円と言われています。「そんなに?」「ホント?」と感じるかもしれません。大切なのは、自分自身のライフプランにあった準備をすることです。「いつまでに、いくら、どうやって貯めるのか」を考えてみましょう。そして、日本だけでなく、海外にも目を向けてみます。

この記事の執筆者
大竹 麻佐子
CFP・相続診断士 ゆめプランニング代表 証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経て、自分自身の家計管理に役立つかも…とFP資格取得。 「お金とむきあうこと」の大切さを知ってほしい、伝えたい想いから、現在は、ライフプランセミナー、相続セミナー等講師、個別相談、執筆活動をしています。「その方が、より豊かに、よりよくなるために、今できること」を考え、サポートし続けます。

日本人の貯蓄事情について

「貯蓄しなきゃ!!とは思うんだけど、なかなかできない。」「わが家の貯蓄額は、多いの?少ないの?妥当なの?」「みんなはどうしているの?」


気になりますよね。


多様性とか、人それぞれとか、自分らしさって言うけれど、基準となる数字は知っておきたい。ママ友にも聞けないお金のこと、そんな悩みにお答えします。

まず、日本人の貯蓄のデータをみてみよう

総務省の家計調査(2017年)によると、1世帯(2人以上世帯)当たりの平均貯蓄額は、1,812万円です。


今後の年金生活のために今まで資産形成をしてきた60歳以上の無職世帯、退職金として受け取った資金なども含まれています。


勤労者世帯(現役世代)に絞ってみると、平均貯蓄額は、1,327万円。

いかがでしょう。「そんなに?」と思う方、多いかもしれません。


さらにデータを詳しく見ていくと、貯蓄額の分布は、67.0%(全体の3分の2)の世帯が平均を下回っています。


中央値は、2人以上世帯で1074万円、うち勤労者世帯は792万円です。

貯蓄の平均値と中央値の違いは何?

中央値?? 平均値と何が違うの? と思われるでしょう。


下図ご参照ください。わかりやすくするため、データ数はA~Eさん5人です。




平均額は、5人の平均、つまり5人の合計2,600万円を計算した後に、5で割ります。平均値は、520万円。でも、5人のうち4人が平均を下回っています。「平均って言われても、そんなにないよ。」と感じるでしょう。Eさん(少数のデータ)が値を引き上げていることで、現実とかけ離れた感覚を持つのです。


次に、AさんからEさんの5人のデータを金額順に並べてみます。調査対象の真ん中に位置するデータが中央値となります。(この場合は、Cさんの150万円が中央値)「真ん中くらいに位置するんだな」という感覚は、よりリアルに感じると考えられています。


なお、年代別の貯蓄平均額は、以下の通りです。


年代
貯蓄平均額
40歳未満世帯602万円
40~49歳世帯1,074万円
50~59歳世帯1,699万円
60~69世帯2,382万円
70歳以上世帯2,385万円


出典:総務省家計調査報告(貯蓄・負債編)

平成29年(2017年)年齢階級別貯蓄(二人以上の世帯)


で、わが家はどうなんだろう。

さて、平均値にせよ、中央値にせよ、データから自分事として置き換えてみましょう。


「こんなものか」と思うか、「やばい!!」と思うか、それぞれかと思います。隣の家計を覗けないからこその数字であり、判断の基準です。一喜一憂する必要はありません。


このデータからは、家族構成、年収、こだわりや想いは読み取れません。貯蓄額が50万円の世帯でも、住宅購入後で頭金や諸費用を払った後の残高かもしれません。貯蓄額が多くても、来年春の大学入学準備として蓄えた資金かもしれません。貯蓄額以上の住宅ローン(負債)あるかもしれません。


大切なのは、自分自身の今後のライフイベントにあった準備をすること、またリスクに備えることです。


〇年後に住宅を購入したい。そのためには、いくら必要かを考えると、逆算して貯蓄計画をたてることができます。退職後の生活を考えるのであれば、早いうちから準備を始めると、無理せず貯めることができます。

では、どうやって貯めるの?

前述の総務省の家計調査(2017年)では、種類別貯蓄残高の調査結果も掲載されています。



通貨性預金とは、普通預金のように期間設定なく、出し入れ自由な流動性の預金です。通貨性、定期性合わせると、60%を超え、日本人の現預金優位の貯蓄傾向が理解できます。


ライフイベントのために「ためる」こと、大切ですが、「どうやって」についても考えてみましょう。


長引く不況、社会や経済の不安により、低金利が続いています。「お金」について知り、理解し、考える必要性があります。そのうえで、自分にあった方法を検討してみましょう。


たとえば、


  • 毎月決まった額の株式積立てをする。
  • 一定期間、銀行のキャンペーン金利を利用する。
  • 会社の財形貯蓄を利用して、住宅購入に備える。(住宅財形の非課税枠利用。)
  • 保険を利用する。(保障を確保しつつ、毎月引落しで長期的に貯蓄性もある。)
などの方法もあります。

世界に目をむけてみると…

金融庁資料によると、アメリカやイギリスの家計金融資産をみると、株式等への投資比率が高く、運用による資産残高の増加が見られます。






①②いずれも、出典: 金融庁「家計金融資産の現状分析」


自分自身(家族)のライフイベント、ライフスタイルについて考え、いつまでに、いくら、どうやって、を考えていきましょう。そして、運用リスク等の金融知識(金融リテラシー)を高めることで、「貯める」だけでなく、「ふやす」ことについても考えていきたいですね。


参考:総務省 家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成29年(2017年)平均結果(二人以上の世帯))

ランキング