国民年金基金とはどんな制度?iDeCoや付加年金とどっちがお得?

自営業、フリーランス等の方のための公的な年金制度、国民年金基金。この記事では、国民年金基金の加入・脱退方法や貰える年金額やデメリットを解説します。また、iDeCoや個人年金制度、付加年金制度との比較・解説も!豊かな老後を過ごしたい方必見です。

国民年金基金とは?入った方がいい?

先日、「老後資金2000万円」というニュースが話題となりました。それ以前から年金制度を不安視する声は上がっており、年金だけに頼らない老後資金作りの必要性が叫ばれています。


とはいえ、貯金だけで老後資金をまかなうことは簡単ではありません。そこで、個人年金保険iDeCo(イデコ)などへの加入を視野に入れている人も増えていると言われています。


ここで気になるのが「私的年金として、自分に合っているものはなにか?」ということではないでしょうか。私的年金の制度には、個人年金保険やiDeCoのほかに、付加年金や国民年金基金など、様々なものがあります。


そこで本記事では、

  • 国民年金基金とはどのような制度なのか
  • 国民年金基金のメリットとデメリット
  • 個人年金保険やiDeCo、付加年金との違い
  • 国民年金基金の脱退方法
について、詳しく見ていきます。


国民年金基金への加入を考えている人はもちろん、老後資金形成のための手段に悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください!


国民年金基金とは?自分も入れる?

そもそも国民年金基金とはどのような制度で、どのような場合に加入することができるのでしょうか?ここでは、国民年金基金の基本的な制度について解説していきます。


国民年金基金とは?


国民年金基金とは、国民年金基金によって維持・運営される、個人事業主(自営業やフリーランス)などの国民年金の第1号被保険者の年金確保の役割を担う公的年金制度です。


国民年金基金には「全国国民年金基金」と「職能型国民年金基金」の2種類が存在しており、そのどちらかに加入することができます。


国民年金基金について理解するにはまず、年金制度について正しく理解する必要があります。まずは年金制度の仕組みについておさらいしていきましょう。


年金制度の仕組みのおさらい


年金にはいくつか種類があります。その最も基礎的なものと言えるのが「国民年金(老齢基礎年金)」です。


これは、国民が20歳になったときに強制的に加入することになる年金制度です。そのため、職業を問わず20歳以上の人が全員加入している(保険料を支払っており、将来年金として受け取ることができる)のが、国民年金(老齢基礎年金)です。


さらに、就職し企業に勤めることになると加入するのが「厚生年金(老齢厚生年金)」です。そのため会社員は、国民年金だけでなく厚生年金の保険料も毎月支払っているため、個人事業主(自営業やフリーランス)よりも多く年金保険料を支払っていることになります。


年金保険料を多く支払えば、将来受け取ることができる年金の金額も多くなります。つまり、会社員と個人事業主(自営業やフリーランス)では、将来受給することができる年金額に大きな開きがあると言えます。


そこで、こういった差をなくすために1991年に生まれた公的年金の制度が「国民年金基金」です。


加入できるのは厚生年金の加入者およびその被扶養配偶者以外


このように、国民年金基金が生まれたのは厚生年金との差を埋めるためです。そのため、厚生年金に加入していたり、その扶養配偶者であったりすると、国民年金基金に加入することはできません。


つまり、国民年金基金に加入できるのは、

  • 国民年金の第2号被保険者でない
  • 国民年金の第3号被保険者でない
ことが条件となります。


より具体的に言えば、

  • 20歳以上60歳未満の国民年金の第1号被保険者
  • 60歳以上65歳未満の人
  • 海外に居住しているが国民年金の任意加入している人
が対象となります。


ただし、国民年金の第1号被保険者であっても、国民年金の保険料を免除・猶予されていたり、農業者年金に加入している場合には加入することができません。

国民年金基金に入ると老後いくら貰える?

国民年金基金に加入し保険料(掛金)を納めると、将来年金(老齢年金)として受け取ることができるだけではなく、遺族一時金として受け取ることもできます。遺族一時金とは、被保険者が年金を受け取る前や保障期間中に死亡した場合に遺族に支払われる一時金です。


国民年金基金の老齢年金は加入年齢と加入内容で変わる


国民年金基金への加入は「口数制」になっており、加入する口数によって受給年金額が変わります。掛金に関しては、加入した年齢ごとに金額が決まっており、生涯その掛金額が変わることはありません。


掛金自体の金額を変えることはできませんが、加入する口数を増減させることができます。ただし、加入口数にかかる掛金は毎月最大6万8000円までとなっています。


1口目は終身年金A型かB型から選択


1口目は終身年金A型または終身年金B型から選んで加入します。どちらも65歳から年金支給が開始され、死亡するまで年金として受け取ることができます。


A型は15年間保証期間があるため、年金を受け取る前および年金受給開始後15年以内に万が一死亡した場合は、掛金や支給年金額に応じた遺族一時金が支払われます。B型の場合は、年金受給が開始する前に死亡してしまった場合にのみ、1万円の遺族一時金が支払われます。


1口目は、A型からB型へまたはB型からA型へ変更することができない点に注意が必要です。


掛金および支払われる年金額は「加入年齢」と「加入型」によって異なります。ここで加入年齢と加入型による年金額と掛金を見てみましょう。

A型B型
20~35歳
までに加入
毎月2万円
(掛金男性)
7,100円~12,870円
(掛金女性)
8,280円~14,980円
毎月2万円
(掛金男性)
6,370円~11,580円
(掛金女性)
7,940円~14,400円
35~45歳
までに加入
毎月1.5万円
(掛金男性)
10,140円~17,430円
(掛金女性)
11,790円~20,280円
毎月1.5万円
(掛金男性)
9135円~15,795円
(掛金女性)
11,340円~19,545円
45~50歳
までに加入
毎月1万円
(掛金男性)
12,550円~18,150円
(掛金女性)
14,600円~21,100円
毎月1万円
(掛金男性)
 9,135円~16,510円
(掛金女性)
14,080円~20,380円
50~60歳
までに加入
年金額は
加入月で変わる
(掛金男性)
18,150円
(掛金女性)
21,100円
年金額は
加入月で変わる
(掛金男性)
16,510円
(掛金女性)
20,380円
60~65歳
までに加入
年金額は
加入月で変わる
(掛金男性)
20,500円
(掛金女性)
23,750円
年金額は
加入月で変わる
(掛金男性)
19,070円
(掛金女性)
23,150円


50歳以降に加入した場合の年金額は、加入月によって変動します。ホームページに掲載されている「国民年金基金パンフレット」を参考するようにしましょう。


2口目は7つのタイプから選んで加入する


2口目以降は、①終身年金A型、②終身年金B型、③確定年金Ⅰ型、④確定年金Ⅱ型、⑤確定年金Ⅲ型、⑥確定年金Ⅳ型、⑦確定年金Ⅴ型から選択して加入することができます。それぞれの内容は以下の通りです。


年金支給期間保証期間
(遺族一時金支給期間)
終身年金A型65歳支給開始
終身年金支給
15年の保証あり
終身年金B型65歳支給開始
終身年金支給
保証期間なし
確定年金Ⅰ型65歳支給開始
15年間年金支給
15年の保証あり
確定年金Ⅱ型65歳支給開始
10年間年金支給
10年の保証あり
確定年金Ⅲ型60歳支給開始
15年間年金支給
15年の保証あり
確定年金Ⅳ型60歳支給開始
10年間年金支給
10年の保証あり
確定年金Ⅴ型60歳支給開始
5年間年金支給
5年の保証あり


終身年金は年金支給開始から一生涯年金が支給されますが、確定年金では決まった期間にのみ年金が支給されます。


支給される年金額は、加入年齢によって変わります。掛金は、加入年齢と加入型で変わりますが、終身年金の場合は、性別によっても異なります。


20~35歳までに加入35~50歳までに加入
年金支給額毎月1万円毎月5,000円
終身年金A型掛金男性
3,555円~6,435円
掛金女性
4,140円~7,490円
掛金男性
3,380円~9,075円
掛金女性
3,930円~10,550円
終身年金B型掛金男性
3,185円~5,790円
掛金女性
3,970円~7,200円
掛金男性
3,045円~  8,255円
掛金女性
3,780円~10,190円
確定年金Ⅰ型掛金
2,515円~4,540円
掛金
2,380円~6,375円
確定年金Ⅱ型掛金
1,735円~3,135円
掛金
1,645円~4,405円
確定年金Ⅲ型掛金
2,705円~4,885円
掛金
2,565円~6,865円
確定年金Ⅳ型掛金
1,870円~3,380円
掛金
1,775円~4,745円
確定年金Ⅴ型掛金
970円~1,750円
掛金
920円~2,460円


50歳以降に加入する場合、受け取ることのできる年金額は加入月によって変わりますが、掛金は一定になっています。年齢によっては、加入することができない型もあるので注意するようにしましょう。


50~60歳までに加入61~65歳までに加入
終身年金A型掛金男性
9,075円
掛金女性
10,550円
掛金男性
10,250円
掛金女性
11,875円
終身年金B型掛金男性
8,255円
掛金女性
10,190円
掛金男性
9,535円
掛金女性
11,575円
確定年金Ⅰ型掛金 6,375円掛金   7,130円
確定年金Ⅱ型
掛金 4,405円――――
確定年金Ⅲ型掛金 6,865円――――
確定年金Ⅳ型――――――――
確定年金Ⅴ型――――――――


2口目以降に確定年金を選択する場合、1口目を含めた「終身年金の年金額」以上の加入はできないことに注意が必要です。また、1年分の掛金を前払い(前納)すると、掛金が割引されます。

国民年金基金は破綻しないの?

このように、将来の年金として魅力的な国民年金基金ですが、気になるのは「国民年金基金は破綻するのか?」ということではないでしょうか。国民年金にも、破綻するのではと疑問視する声も存在しており、同じ公的年金である国民年金基金に対しても、不安を感じている人もいるかもしれません。


国民年金基金は、加入者から納められた掛金を積み立て、資産運用することで、将来の給付をまかなっています。その財政の健全性を表すひとつの指標である「責任準備金に対する積立度合(将来支払う年金額に対する保有積立金の割合)」は現在82%程度となっています。


現存加入員数の推移からもわかるように加入している人は年々減少しており、2003年度末の78万人を最高値に、2017年度末には37万人になっています。


このように見てみると不安な要素が大きいようにも見えますが、国民年金基金のホームページによると、2017年度末には366億円の積立金を保有しており、直近の運用実績もプラスとなっているため、すぐに破綻をするということはありません。しかし、今後の資産運用によっては、受給額が減額になる可能性もあります。


これから解説するメリット・デメリットや、国民年金基金以外の私的年金との比較をよく吟味した上で、加入するようにしましょう。



国民年金基金のメリット・デメリット

このように、個人事業主(自営業やフリーランス)にとっては味方である一方で、メリットだけでなく、デメリットも存在しています。ここでは国民年金基金のメリット・デメリットを解説していきます。


国民年金基金のメリットは

  1. 決まった金額が終身給付される
  2. 所得税と住民税が控除される
です。お金に関わるメリットが多くなっています。


一方、国民年金基金のデメリットは

  1. インフレに完全に対応できない
  2. 破綻や給付金減額の可能性
です。


それぞれ詳しく見ていきましょう。

国民年金基金のメリット:決まった金額を終身給付

国民年金基金のメリットのひとつが「決まった金額が終身給付される」という点です。給付開始の時期がはっきりしており、決まった金額を一生涯受け取ることができるのは、非常に大きなメリットです。


また、終身年金B型以外では年金受取前や年金受給開始後保証期間内であれば、死亡した際に遺族一時金を受け取ることができます。


全国民が加入する国民年金は賦課方式といって、現役の年金保険料納税者が年金受給者の年金を支払っている方式です。そのため、世代による不公平が存在していると言われています。


(年金についてはコチラを参照してください。)


一方、国民年金基金は積立方式です。自分が支払った保険料を運用してもらい、その積立金を受け取ります。


そのため、世代による不公平が存在しないのは、国民年金にはないメリットと言えるでしょう。

国民年金基金のメリット:所得税と住民税が控除

国民年金基金のもうひとつのメリットが「所得税と住民税が控除される」という点です。


私たちが給与を受け取る際、所得税・住民税・社会保険料などを支払っています。扶養配偶者や扶養家族がいたり、生命保険などに加入していると「控除」といって、支払う税金が安くなります。


国民年金基金に関しても、社会保険料控除の対象となります。そのため、支払った掛金が全額、所得控除として税金から控除されます。


控除額は以下の通りに決められます。


掛金額(月)×12ヶ月×税率=概算の軽減額


なおここでの税率は、国民年金基金パンフレットでも確認することができますが、課税所得金額によって算出されます。課税所得金額は、所得から各種控除を引いた額になります。


課税所得金額所得税
住民税
税率
(合計)
~195万円5.105%
10%
15.105%
~330万円10.21%
10%
20.21%
~695万円20.42%
10%
30.42%
~900万円23.483%
10%
33.483%
~1800万円33.693%
10%
43.693%
~4000万円40.84%
10%
50.84%
4000万円~45.945%
10%
55.945%


例えば、30歳・課税所得金額500万円の男性が1口目A型10,740円に加入している場合は、以下のような計算になります。


10740円×12ヶ月×30.42%=39,205円


つまり、毎年3万9205円が控除されるため、30年続けた場合には約117万6150円の節税をすることができます。さらに、国民年金基金を年金として受け取る際にも税制上の優遇を受けることができ、遺族一時金に関しても非課税とされてます。


国民年金基金は公的年金制度なので、こういった税制上の優遇は手厚いと言えます。私的年金にはこういったメリットがないこともある点に注意しましょう。

国民年金基金のデメリット:インフレ対応が不完全

国民年金基金にはデメリットもあります。そのひとつがインフレ対応が不完全であることです。


国民年金基金は、国民年金が採用している「物価スライド方式」、つまり物価の上昇下降に合わせて年金を支給する方式ではありません。仮に、国民年金基金の掛金を支払っているときに物価が急上昇してしまった場合でも、受け取る年金額は変わりません。


将来受け取ることができる金額が確定しているのは国民年金基金のメリットと言えますが、個人年金保険やiDeCoのように運用実績によって将来受け取る金額が変動しないのは、万が一の物価変動を考えるとデメリットとも言えます。

国民年金基金のデメリット:破綻・貰える金額が少なくなる可能性が

国民年金基金は、公的年金制度です。そのため、破綻する可能性や将来受け取ることができる年金額が少なくなる可能性もあります。


個人年金保険やiDeCoを運用している証券会社・信託銀行などが破綻してしまった場合でも、資産は確保されます。証券会社や信託銀行は、万が一の経営破綻に備えて「顧客資産の分割管理」が法律で義務付けられており、経営破綻後に顧客に資産が戻るように設定されています。


国民年金基金はこういった保護は存在していないため、破綻する可能性がないとは言い切ることができません。また、破綻を避けるために将来の受け取る年金額が減額となる可能性もあります。


税制上の優遇がある分、こういった部分のリスクを抱えているのは加入の際に考慮すべきデメリットでしょう。

国民年金基金と個人年金、付加年金の違いを解説

ここまで、国民年金基金の特徴や、メリット・デメリットを解説してきました。将来受け取る年金額が確定されており、万が一の際でも遺族一時金を受け取ることができたり、税制上の優遇を受けることができたりするため、加入するメリットも大きいように思えます。


一方で、将来の老後資金形成のための制度にはiDeCo(イデコ)個人年金保険付加年金なども存在しており、自分に合ったものを選びたいですよね。そこでここからは、国民年金基金とこれらの制度の違いについて見ていきましょう。

国民年金基金とiDeCoを比較

2001年に始まった個人型確定拠出「iDeCo(イデコ)」は、個人的に任意加入する私的年金制度です。


iDeCoと国民年金基金の大きな違いは、資産運用方法です。国民年金基金の資産運用方法は選択することができませんが、iDeCoは定期預金や保険商品、投資信託などから選択して資産運用していくことになります。


開始当初は会社員と自営業者しか加入できなかったiDeCoも、2017年の改正後には専業主婦(夫)や公務員でも加入することができるようになり、2019年7月には加入者が125万人にまで到達しました。


iDeCoは、掛金を積み立てて将来年金として受け取る仕組みになっています。この掛金は、国民年金の被保険者区分によって年間の掛金上限が決められていますが、掛金自体は、月々5000円以上1000円単位で自分で設定することができます。


iDeCo(イデコ)と国民年金基金の違い


このように近年人気になりつつあるiDeCoは、国民年金基金と異なる点も多く、それゆえのメリット・デメリットが存在しています。そこで、iDeCoと国民年金基金の違いをまとめました。


iDeCo(イデコ)
国民年金基金
加入対象国民年金
第1号被保険者
第2号被保険者
第3号被保険者
国民年金
第1号被保険者
のみ
運用方式自分で選択する
途中変更も可能
自分で
選択できない
掛金上限月額6万8000円
(第1号被保険者)
月額6万8000円
受取開始60歳~70歳
の間で申請
60歳または65歳
(加入型による)
受取方式年金
(分割または一括)
死亡一時金
(課税対象)
年金(分割)
遺族一時金
(非課税)
税制上の優遇掛金が所得控除
年金・一時金も
控除対象
掛金が所得控除
年金・一時金も
控除対象
加入先iDeCoを取り扱う
金融機関
国民年金基金
途中解約原則できない原則できない
手数料資産運用中の
手数料あり
手数料なし


iDeCoも国民年金基金も、途中解約は原則できませんが、税制上の優遇を受けることができる点では同じです。一方で、両者で異なるメリットとしては、iDeCoでは、資産運用方式を自ら選択することができたり、掛金を自ら設定することができますが、国民年金基金では、資産運用の手数料がかからない点が挙げられます。


会社員やその扶養配偶者、また、国民年金第1号被保険者で「自分で掛金を決めたい」「自分で資産運用方式を選びたい」という人は、iDeCoがおすすめと言えるでしょう。iDeCoについてより詳しく知りたい方は、「個人型確定拠出iDeCo(イデコ)を解説」をご覧ください!

国民年金基金と個人年金保険を比較

私的年金制度としての「個人年金保険」は貯蓄型の保険です。保険料払込期間に保険料を支払うことで、契約で決定している年齢から一定期間もしくは一生涯年金を受け取ることができます。


個人年金保険には、①確定年金、②保証期間付終身年金、③変額年金の3種類が存在しています。確定年金と保証期間付終身年金は、国民年金の「終身年金A型」および「確定年金Ⅰ~Ⅴ型」と同じ形式となっています。


確定年金や保証期間付終身年金は、将来受け取る年金額が決まっていますが、変動年金は資産運用の結果に応じて年金額が増減します。また、掛金は所得控除として節税効果を受けることもできます。


個人年金保険と国民年金基金の違い


より保険性の強い個人年金保険は、多くの点で国民年金基金と異なっています。そこで、個人年金保険と国民年金基金の違いをまとめました。


個人年金保険国民年金基金
加入対象だれでも加入できる国民年金
第1号被保険者
のみ
運用方式様々な商品から
選択できる
自分で
選択できない
掛金上限特になし月額6万8000円
受取開始契約による
(60歳~が多い)
60歳または65歳
(加入型による)
受取方式商品による
(分割年金が多い)
年金(分割)
遺族一時金
(非課税)
税制上の優遇
掛金が所得控除
年金・一時金は
課税対象
掛金が所得控除
年金・一時金も
控除対象
加入先
個人年金保険を
取り扱う金融機関
国民年金基金
途中解約可能
原則できない
手数料手数料なし手数料なし


個人年金保険は、生命保険や医療保険のように誰でも加入することができます。その分、商品も多く、簡単に選ぶことができない点がデメリットと言えるでしょう。


個人年金保険に加入する際には、その商品のメリット・デメリットにも注目して商品を選ぶようにしましょう。個人年金保険の選ぶポイントを知りたい方は「個人年金保険とは何か、そして自分に合うものを選ぶポイントとは?」を併せてご覧ください。

国民年金基金と付加年金を比較

iDeCoや個人年金保険は私的年金制度ですが、公的年金制度を活用して老後資産を形成することもできます。そのひとつに付加年金があります。

付加年金とは、国民年金第1号被保険者または任意加入被保険者が活用できる制度です。毎月支払う年金保険料に上乗せした保険料を支払うと、将来受け取る年金額を増やすことができます。

付加保険料の月額は400円となっており、受け取る金額は

200円×付加年金の保険料を納めた月数

となっています。

例えば、20歳~60歳まで付加年金の保険料を納めた場合は、

200円×40年×12ヶ月=年間9万6000円

を年金として受け取ることができます。

この場合、納めた年金は

400円×40年×12ヶ月=19万2000円

なので、2年間で元を取ることができると言えます。

加入には、市区町村役所での手続きが必要になりますが、少額から老後資金を蓄えておきたいと言う人にはおすすめの制度と言えます。ただし、国民年金基金との併用ができない点に注意が必要です。

付加年金まとめ


  • 国民年金第1号被保険者または任意加入被保険者が加入できる
  • 保険料は毎月400円
  • 受け取る年金額は200円×付加年金保険料納付月数
  • 申し込みは市区町村役場窓口にて
  • 国民年金基金との併用は不可

詳しくは、日本年金機構ホームページ「付加保険料の納付のご案内」を参照してください。

国民年金基金の脱退方法

国民年金基金の脱退方法ですが、個人的な都合で任意脱退することはできません。国民年金基金後、以下のいずれかに該当するようになると「脱退」という扱いになります。


  1. 60歳になった
  2. 国民年金に任意加入しており、65歳になった
  3. 国民年金第1号被保険者でなくなった
  4. 国民年金の任意加入者でなくなった
  5. 国民年金の保険料が免除・猶予になった
  6. 職能型基金に加入していたが、その事業・業務に従事しなくなった
  7. 農業者年金の被保険者になった
  8. 加入員本人が死亡した

「加入員死亡」以外の理由で脱退になった場合、解約返戻金などの一時金として掛金を受け取ることはできませんが、将来掛金の納付状況に応じた年金として受け取ることができます。


加入期間が15年未満の場合、将来の年金支払いや遺族一時金の支払いは、国民年金基金連合会によって行われます。(国民年金基金連合会は、国民年金基金の資産運用等を一括で行う機関です。)

まとめ:国民年金基金制度の解説と比較

国民年金基金の特徴やメリット・デメリット、またiDeCo(イデコ)や個人年金保険、付加年金との違いについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

この記事のポイントは
  • 国民年金第1号被保険者は国民年金基金に加入できる
  • 国民年金基金は公的年金制度なので、税制上の優遇が手厚い
  • 国民年金基金は途中脱退できない
  • 自分で資産運用をしたいならばiDeCo個人年金保険がおすすめ
  • メリット・デメリットを比較した上で、自分にあった老後資金形成が大切
でした。

年金制度に対する不安がぬぐえない今、自ら老後資金を形成しようとする人も増えています。そのため、様々な制度も増えてきており、その違いを正しく理解するのは簡単ではないでしょう。

自分の老後ライフをどのように過ごしたいか、そのためにはいくらの資産形成が必要なのか、時にはお金のプロの力も借りながら、悔いのない資産形成をしていきたいですね。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険やマネーライフに関する記事が多数掲載されていますので、是非ご覧ください。
この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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