更新日:2024/03/08
中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは?
中小企業倒産防止共済は取り引き先の企業が倒産となった際に共倒れとなるのを防ぐための共済です。それだけでなく税効果が期待できるのです。ここでは中小企業倒産防止共済がどのようなものなのか、デメリットなどについてもご紹介していきます。
内容をまとめると
- 中小企業倒産防止共済は取引先の倒産で共倒れになることを防ぐための共済
- 倒産理由が法的整理・取引停止処分など決まっている
- 加入できる会社の資本金や従業員数は上限設定があるが、個人事業主でも加入可能
- 活用の裏技は、利益の多い年に掛け金を積み立てる、利益が少ない年に解約、再加入がポイント
- 税効果・最大8,000万円の借入などのメリットの一方、開業1年未満は加入不可・40か月未満での解約時は元本割れなどのデメリットがある
- 掛け金は5,000円~20万円で設定・変更可能
- 仕訳は資産計上がおすすめ
- 税金対策に関しては法人保険の利用もおすすめ
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目次を使って気になるところから読みましょう!
中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは?
中小企業倒産防止共済は取引先企業の倒産などで、共倒れを回避するための制度です。「中小企業」となっていますが個人事業主も含まれます。
仮に自分の会社の経営に問題は無くても、取引先が倒産をしてしまうと資金の回収などが滞り、取引先の後を追う形で倒産してしまう可能性もあります。
このような事態を避けるために利用するのが中小企業倒産防止共済です。
共済金の借り入れを行うことで共倒れになることを回避できるメリットだけではなく、税制優遇措置などが受けられるため、中小企業の方は加入がおすすめな共済です。
中小企業倒産防止共済で共済金がもらえるケース
中小企業倒産防止共済では取引先の企業が倒産した場合に共済金が支払われることになります。
借入れできる金額は決まっており、
- 支払共済掛金×10
- 回収不能となった額
のどちらか少ない方になります。
掛け金は800万円までときまっているため、借入金の上限額は8,000万円までとなります。
この金額を無担保・無保証人で利用することができるのです。
取引先企業の倒産には様々な理由があるかと思います。共済金が貰えるケースとしては、
- 法的整理
- 取引停止処分(でんさい含む)
- 災害による不渡り(でんさい含む)
- 私的整理
- 特定非常災害による支払い不能
などが挙げられます。
注意したいケースが、
- 夜逃げ
です。
このケースでは共済金が支払われることが無いため、注意しましょう。
中小企業倒産防止共済の加入条件は?個人事業主でも入れる!
中小企業倒産防止共済には誰でも加入ができるのでしょうか?加入できるのは会社でも個人事業主でも可能なため、幅広い方が対象となっています。
しかし、名称からも分かるように、「中小企業」が対象となっているため、そのことに関する条件がいくつか提示されています。参考:中小機構・加入条件
業種 | 資本金・出資の総額 | 従業員数 |
---|---|---|
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
製造業 建設業 運送業 | 3億円以下 | 300人以下 |
また、特定の組合への参加も条件になっており、
- 企業組合
- 協業組合
- 共同事業を行っている事業組合
- 事業協同組合
- 商工組合
に加入していることが条件です。
中小企業倒産防止共済で税金対策ができるという裏ワザの仕組み
法人税対策として利用すると言う裏技があることをご存知でしょうか?
仕組みとしては
- 利益の多い年に掛け金を積み立てる
- 利益が少ない年に解約
- 解約後再び積み立てる
事で、利益の多い年に掛け金の積み立てを行います。また、解約時の手当金は益金となるため、利益が少ない年度に解約をするなどタイミングが重要となります。
その後、再加入することも可能です。
再加入した際には貯めている間にもしものことがあった場合、共済を最大限利用することができなくなってしまいます。
このような事態を避けるためにも、税金対策として倒産防止共済と併せて、他の方法を利用することも検討してみましょう。おすすめは法人保険です。
法人保険の相談はマネーキャリアで受け付けています。ぜひご利用ください。
中小企業倒産防止共済のメリットとデメリット
万一の備えや税金対策としての利用など、メリットの方が大きいイメージがあるかもしれません。しかし、メリットがある一方デメリットも必ず付いてくるため事前にしっかりと理解しておきましょう。
メリットとしては、
- 税金対策として利用できる
- 最大8,000万円まで借り入れができる
が挙げられます。
一方デメリットは、
- 開業1年目は加入不可
- 12ヶ月未満は解約手当金が出ない
- 40ヶ月以下で解約すると元本割れを起こす
などです。
メリットだけを見て加入を決定することは避けなくてはいけません。デメリットをしっかりと調べ、納得してから加入するようにしましょう。
中小企業倒産防止共済の掛金はいくら?
中小企業倒産防止共済は月々の掛金を自分で設定することができます。
- 最小:5,000円
- 最大:20万円
の範囲で設定することができるのです。
また、途中で増減することも可能です。しかしいくつか条件があるため、会社が当てはまっている状況なのかを調べてから申請しましょう。
しかし、積立できる上限額が決まっており、800万円以上は積み立てができません。
納付方法は口座振替のみのため、前納を利用しようと考えている際には銀行の残高に気を付けるようにしましょう。
中小企業倒産防止共済の解約方法と解約の際の注意点
中小企業倒産防止共済に加入していても、何らかの理由で解約をすることもあります。
しかし、タイミングをしっかりと見極めないと損をしてしまう可能性が高くなるのです。
解約手当金は「益金」であるため、
- 利益が圧縮できる年
- 赤字の年
などタイミングを見極めないと多額の法人税が課税されてしまう事になります。
また、タイミング以外にも
- 加入後12ヶ月未満は解約手当金が無い
- 40か月未満の場合元本割れ
という注意点もあるため、解約時にはこれらのことにも気を付けるようにしましょう。
中小企業倒産防止共済に加入する際に知るべき仕訳方法
中小企業倒産防止共済加入後には掛け金を仕訳する必要が出てきます。
全額損金処理が可能となることから、費用計上として損金算入する方法が思い浮かぶかもしれません。
しかし、損金にはなりますが積立保険金として資産計上する方がメリットが大きくなる方法になります。
損金にしてしまうと会社の利益が少なく見えてしまいますが、資産計上することで会社の利益を多く見せ、銀行融資などに有利に働くのです。
また、法人税申告時には書類の添付が必要になることも忘れないようにしましょう。
▼この記事を読んで欲しい人
また、法人保険でも税効果は期待できます。どちらの相談もマネーキャリアに任せてみましょう!