中小企業倒産防止共済の掛金支払い時の仕訳方法!融資の審査に影響!?

中小企業倒産防止共済の掛け金は損金算入することができることを知っている方は多いと思いますが、仕分け方法までしっかりと把握しているでしょうか。記事では中小企業倒産防止共済の仕訳方法だけでなく解約手当金受取時の処理方法などについても詳しく解説します。

この記事を読むべき人

  • 仕訳方法が分からない人
  • 仕訳による銀行融資への影響を知りたい人
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内容をまとめると

  1. 中小企業倒産防止共済の掛け金は損金算入が可能
  2. 仕訳方法は2種類
  3. 資産計上で仕訳することで銀行融資などに有利に働く
  4. 解約手当金・前納減額金の仕訳は雑収入として益金処理する
  5. 損金算入するには確定申告時に特定の書類添付が必要
  6. 法人税対策は法人保険でもできる!
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中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の掛金支払い時の仕訳の仕方や注意点を解説


中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)
を利用している・検討している法人や個人事業主の方は多いと思います。この制度を利用するときに確認しておきたいのが掛け金の仕訳方法です。


保険料などで処理すればいいのでは?と考えるかもしれませんが、処理方法によっては銀行から融資を受ける際の審査に違いがあることはご存じでしょうか?


どのような処理で銀行の審査にどの程度の影響があるのか気になりますよね?


ここでは、

  • 中小企業倒産防止共済の仕訳方法2つ
  • 資産計上の方が融資の審査に有利
  • 解約手当金受取時などの仕訳方法
  • 全額損金として仕訳する際の条件

についてご紹介します。


中小企業倒産防止共済の仕訳方法はどうするのか、解約手当金受取時の処理方法などもご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の掛金は積立なのに全額損金算入できる!

中小企業倒産防止共済の掛け金は全額を損金算入できるため節税効果が大きいという特徴があります。


通常、積立保険金は資産となるため、資産計上しなくてはいけません。解約手当金があるため、貯蓄と同じような感覚で利用できるのです。


なぜ損金と認められているのでしょうか?


加入促進のためです。


取引先の会社が倒産してしまう事は自分の会社では避けることはできません。連鎖倒産とならないよう準備しておく必要があるのですが、共済を準備しただけではそこまで加入率が上がりません。


そこで加入促進のために損金算入することを国が認めているのです。これならば節税対策としてでも利用増加が見込めます。


ただし解約手当金などは益金となり、課税対象となっています。このときの税金対策として退職金などへの利用など、どのような事に利用するのかを前もって考えておく必要があります。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の掛金の経理処理方法は主に2パターン

処理の仕方としては、

  1. 費用計上
  2. 資産計上


の2つの方法のどちらかで処理するのが一般的です。


どちらの方法でも処理することはできますが、②の方法の方が会計処理上適切と言えます。


しかし、①をすすめる税理士もいます。資産計上する場合には最終的に減算処理を行うことになります。忘れてしまうと損金として処理されなくなってしまうリスクがあるため、責任を負いたくない税理士などが勧めることがあるのです。


また、②の方法で行った方が銀行の融資などで有利に働くことになるのです。

①「保険料」の勘定科目で費用計上

中小企業倒産防止共済の掛け金は全額損金として処理することが認められています。そのため、保険料などの勘定科目で費用計上する処理を行う会社が多く見られます。


勘定科目は「保険料」以外にも「倒産防止共済掛金」や「セーフティー共済掛金」などの名目でも大丈夫です。


掛け金が5万円だった場合の経理処理の例は以下のようになります。

借方貸方
勘定科目保険料現預金
金額50,000円50,000円
この処理方法では利益が減って見えることに注意が必要です。

銀行などの融資を受ける際には利益余剰金が多く見えた方が有利なのですが、この方法を利用すると少なく見えてしまうと言うデメリットがあるのです。

②「保険積立金」の勘定科目で資産計上

保険積立金として資産計上する方法もあります。先ほどと同様に掛け金が5万円の場合は以下のように処理します。

借方貸方
勘定科目保険積立金現預金
金額50,000円50,000円
中小企業倒産防止共済の掛け金は将来的に引き出すことが可能なため、保険積立金として処理をする方が妥当な処理と言えます。

また、この処理方法では積立金として資産計上を行うため、利益が増えている状態になっていることが特徴です。銀行の融資などに有利に働くことになるのです。


ここで気になるのが節税効果がないのでは?ということだと思います。損金として処理していないため効果を疑ってしまいますよね。


この場合は法人税申告時に減算処理を行うことになるため、税務上しっかりと損金算入されることになるのです。

資産計上した方が銀行融資の審査で有利!

中小企業倒産防止共済の仕訳方法は2つのパターンがあることをご紹介しました。損金算入の方が分かりやすいためこちらのパターンを選ぶ会社も多くあるかもしれません。


しかし、資産計上を行うことで銀行などの融資を受ける際に有利に働く、というメリットがあるのです。


損金算入する方法では会社の利益が少なくなってしまいますよね。


一方、資産計上する方法では営業利益が上がっていることになります。営業利益が上がると決算書も良くなり、融資の審査で有利になるのです。


どちらの場合も最終的には損金にすることが可能なため、融資などで有利に働く資産計上で処理を行うことがおすすめです。

そのほかの中小企業倒産防止共済に関する仕訳

中小企業倒産防止共済は掛け金を支払うことで積立金のようにお金を貯めておくことが可能です。


しかし、上限金額が設定されており、800万円までと決まっています。これ以上積み立てることができないのです。そのままにしておいても問題ありませんが、まとまったお金が必要な際には解約して利用することができます


このような場合にはどのような仕訳となるのでしょうか?


以下では掛け金以外の仕訳について、

  • 解約手当金
  • 前納減額金

を受け取った際の仕訳についてご紹介します。

解約時に解約手当金を受け取ったときの仕訳

会社では役員の退職時などに退職金として多額の金銭が必要になる場合があります。また、様々な理由で中小企業倒産防止共済の利用をすることになるかと思います。


中小企業倒産防止共済の積立金を利用する際には、解約して「解約手当金」を受け取ることになります。このときに受け取る金額は全て益金です。「雑収入」として処理することになります。


800万円の解約手当金を受け取った場合の処理方法は以下のようになります。

借方貸方
勘定科目当座預金(現預金)雑収入
金額800万円800万円
解約手当金の消費税は非課税です。


解約手当金を受け取った際に利用先が無いとそのまま会社の益金となり多額の法人税が発生してしまいます。このような事態を避けるためにも利用先を事前に考えておくようにしましょう。

前納減額金が発生したときの仕訳

掛け金を月払いで行っている場合には関係のないことですが、何ヶ月分かをまとめて支払う「前納」を利用することもあります。このときに特有なものが「前納減額金」の発生です。


前納した分の「割引」のようなもので、前納した期間に応じて割引料金が返還される仕組みです。


前納を行ったことで6,000円の前納減額金が発生した場合の処理方法は以下のようになります。

借方貸方
勘定科目当座預金(現預金)雑収入
金額6,000円6,000円
前納減額金を受け取る際の消費税は非課税です。


同じ中小機構が運営している小規模企業共済でも同じ割引制度があり、この場合は掛け金合計から差し引いて申告を行います。混同してしまいそうですが、中小企業倒産防止共済では雑収入として処理を行います。

掛金を全額損金算入するための条件:確定申告時に書類の添付が必須


中小企業倒産防止共済の掛け金は全額損金算入することが認められています。しかし、費用として計上しただけでは確定申告時に損金として認められません。書類の提出が必要になるのです。

  • 法人
  • 個人事業主

の場合でそれぞれ必要書類に違いがあるため、両方の書類について以下で解説していきます。

法人の場合

法人では、

  • 特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書
  • 適用額明細書

が必要になります。


特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書はどの様な形式でも良いわけではないことに注意が必要です。指定された書式のものを利用しなくてはいけないため、確定申告前には準備しておきましょう。


また、損金算入額の申告も必要なため、適用額明細書も必要です。こちらも専用のものが必要となります。(参考:国税庁・適用額明細書に関するお知らせ


決められた様式の書類となると入手の難易度が心配ですが、両方とも国税庁のホームページなどで入手が可能です。記入時にはミスをしないよう慎重に行いましょう。

個人事業主の場合

個人事業主の方が提出する必要のある書類が、

  • 中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書

です。


こちらは法人とは違い指定された形式の書類があるわけではありません。必要事項が記入してあるならば任意の形式でかまいません。


しかし、任意と言われてしまうとどのようなものが良いのか悩んでしまう方も多いと思います。どの様な項目を書く必要があるのか、以下では例をご紹介していきます。

「中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書」の例

中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書はどのような形式でも良いのですが、そういわれてしまうと困ってしまう方も多いと思います。


法人が利用する「特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書」を利用するのも一つの手段として挙げられます。


また、国税庁がサンプルとしてホームページに掲載しているものを活用するのも良いと思います。


記入する内容としては、

  • 事業者名
  • 住所
  • 基金に関する法人名
  • 名称
  • 当年に支出した掛け金の額
  • 必要経費に算入した額

などです。


記入する内容のそこまで多いわけではないため、自分で作ってしまってもそれほど手間の掛かる作業ではないかもしれません。記入内容に間違いが無いかはよくチェックするようにしましょう。

まとめ


いかがでしたか?ここでは中小企業倒産防止共済の仕訳についてご紹介しました。


ここでご紹介したことは、

  • 中小企業倒産防止共済の掛け金は損金算入が可能
  • 仕訳方法は2種類
  • 資産計上で仕訳することで銀行融資などに有利に働く
  • 解約手当金・前納減額金の仕訳は雑収入として益金処理する
  • 損金算入するには確定申告時に特定の書類添付が必要

です。


中小企業倒産防止共済の仕訳はそこまで難しいわけではありませんが、2パターンあるためどちらで行う方が良いのか、メリットがあるのはどちらなのかをしっかりと調べてから仕訳することをおすすめします。


また、そのままでは損金算入されないため、確定申告時には特定の書類を忘れずに提出するようにしましょう。


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ほけんROOMでは他にも法人保険に関する記事を多数掲載しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

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