経営セーフティ共済を活用した"税金対策の裏ワザ" は難易度が高い!

経営セーフティ共済には税効果があり、そのために加入している経営者や個人事業主も多いでしょう。しかしこの税金対策の「裏ワザ」には注意すべき点があります。この記事では経営セーフティ共済の裏ワザで気を付けなければならない点をとりあげて、ご紹介していきます。



▼この記事を読むべき人

  • 経営セーフティ共済について知りたい人
  • 経営セーフティ共済の税の仕組みについて知りたい人
  • 経営セーフティ共済の裏ワザで、注意すべき点について知りたい人


▼経営セーフティ共済を活用した裏ワザ

  1. 利益が大きい年に掛金を積み立てて損金算入する
  2. 経費(損金)が大きい年(利益が少ない年)に解約する
  3. (解約して再加入する)

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内容をまとめると

  • 経営セーフティ共済とは、取引先が倒産したときに連鎖倒産を防ぐための共済制度
  • 経営セーフティ共済を活用する方法は3STEP①利益が大きい年に積み立てる②利益少ない年に解約する③解約して再加入する
  • 経営セーフティ共済の裏ワザを使う注意点は3つ①税金を繰延しているだけにならないように考慮する②出口戦略を考える④40ヶ月未満の元本割れに注意

経営セーフティ共済を活用した裏ワザスキームを解説

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)中小企業や個人事業主が、取引先企業が倒産したときに連鎖倒産しないよう、資金の貸し付けを受けられる制度です。


しかし、この制度は税効果が得られることでも知られており、税金対策として活用する企業や個人事業主も多いでしょう。


この記事では


  • 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)とはどのような制度なのか
  • 裏ワザの仕組みとは
  • 経営セーフティ共済の裏ワザを利用するときの注意点


といった内容で、ご紹介していきます。


経営セーフティ共済の活用を検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。


ほけんROOMでは、他にもさまざまな法人保険に関する記事を掲載しておりますので、あわせてご覧ください。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)とは?

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、中小企業や個人事業主のための、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)の運営する制度です。


取引先が倒産をした場合の連鎖倒産を防ぐため


  • 取引先が倒産して資金繰りに困ったときは、預けていた共済金の10倍の資金をすぐに借りることができる


という内容となっています。


預け入れることができる資金は800万円までとなっていますので、借りられる資金は最大8,000万円までとなります。


加入の条件は以下のようになっています。


  • 資本金が3億円以下であること(法人・個人事業主)
  • 事業を1年以上継続していること(法人)
  • 個人事業を1年以上続けていること(個人事業主)
  • 従業員数900人以下


掛金は月額最大20万円となっており、積立てた掛金は全額損金として計上できることが特徴です。


小さな会社や個人事業主にとって取引先の倒産の影響は大きく、自社の資金繰りが悪化し、連鎖倒産していまいかねません。


経営セーフティ共済はそのような状況を救済することが目的の制度ですが、税効果もあり、税金対策として活用されることがあります。

裏ワザの仕組み

税金対策として活用されることも多い経営セーフティ共済。


ここでは、経営セーフティ共済が税金対策として使われる仕組みについて


  • 経営セーフティ共済の裏ワザを3STEPでご紹介
  • 年間払いで前納すれば、より多くの金額を損金算入できる!


といった内容でみていきます。

経営セーフティ共済の裏ワザ3STEP

経営セーフティ共済の裏ワザを3STEPでご説明いたします。


  1. 利益が大きい年に掛金を積み立てて損金算入
  2. 経費(損金)が大きい年(利益が少ない年)に解約
  3. 解約して再加入する



1.利益が大きい年に掛金を積み立てて損金算入

 


経営セーフティ共済では掛金を全額、法人なら損金として、個人事業主なら経費として計上できます。


ですから、利益が大きくでた年に加入すれば、経営セーフティ共済に預け入れた共済金の全金額を損金として計上することができ、課税金額を減額することが可能となります。


2.経費(損金)が大きい年(利益が少ない年)に解約



解約するときには、利益が少ない年に解約するようにします。


なぜなら、経営セーフティ共済を解約して受け取った解約手当金は、退職金のように税制上の優遇はありません。


これまで預け入れた共済金のすべてが収入として扱われるので、なるべく利益の少ない年に解約するように、解約のタイミングを考慮することが必要です。


3.解約して再加入する



経営セーフティ共済は、解約しても再加入できます。


掛金の上限800万円まで預け入れると、それ以上は預け入れることができなくなりますし、損金や経費として計上することができなくなります。


そこで、さらに資金を経費として計上したいといった場合は、一度解約して解約手当金を受け取り、再度加入して共済金を預け入れます。

年間払いで前納をすれば最大240万円の損金算入ができる

経営セーフティ共済の掛金は全額損金算入できます。


掛金には上限があり月額20万円で年間では240万円ということになります。


経営セーフティ共済には、前納という仕組みがあり、月々預け入れる共済金を任意の月数分まとめて納付することができます。(前納できるのは12ヶ月分以内となっています。)


この仕組みを利用すれば、1年分の共済金の掛金全額(上限240万円)をその年の経費として損金算入できることになります。


もし、所得が500万円であれば、1年分の上限金額の240万円を経費として計上した場合は、所得税と住民税あわせて約65万円の税効果となります。


ただし、年払には手続きが必要で、年払した翌年は月払いに戻ってしまいますので、注意が必要です。

経営セーフティ共済の裏ワザを利用する際の注意点

ここまで、経営セーフティ共済の裏ワザについてご紹介してきました。


ですが、経営セーフティ共済での裏ワザについては注意点もあります。


ここでは、


  1. 経営セーフティ共済での損金計上は税の繰り延べをしてるだけという点に注意
  2. 出口戦略を考えておかないと解約時に税金が多くなってしまう点に注意
  3. 40ヶ月未満で解約すると解約手当金が掛金の総額を下回る点に注意


という内容で、ご説明していきます。

①税の繰延をしているだけ

経営セーフティ共済の共済金の掛金は、全額必要経費として計上できるということをお伝えしました。


ですが、解約して解約手当金を受けとるときには、すべて事業所得として収入になってしまうため、単に税金の繰り延べをしているだけとも言えます。


利益が多かった年、少なかった年のバラつきがでたときには、経営セーフティ共済の税効果を利用することで税金の平準化ができるという点では、効果があると言えるでしょう。


また、年間の共済金の掛金の上限が240万円であり、全て費用計上したとしても利益の大きかった年の対策としてはあまり得策ではないといった観点もあります。

②出口戦略を考えておかないと解約時に税金が多くなる

経営セーフティ共済では、出口戦略を考えておかないと、税効果どころか、より税金を多く支払うことになってしまうということがおこります。


経営セーフティ共済に加入して満額800万円を預け入れても、解約手当金として受け取るときには全額所得となり税制上の優遇はありません。


ですので、解約手当金を受け取るときの対策が必要となります。


具体的に、は解約するタイミングを


  • 退職金支払いの時期にあわせる
  • 収入の少なかった赤字の年にあわせる


といった調整をすることが必要でしょう。

③40ヶ月未満で解約すると解約手当金が掛金の総額を下回る

経営セーフティ共済で解約手当金を受け取るときには、掛金の納付月数によって支給率が変わってきます。


支給率が掛金の100%以上となるのは、共済金の納付が40ヶ月以上のとき。


つまり、40ヶ月未満で解約してしまうと、解約手当金として受け取る額が掛金の総額を下回ってしまう、ということになります。


しかも、12ヶ月未満で解約すると、掛け捨てとなってしまいますので、さらに注意が必要です。


また、共済金の納付月が40ヶ月を超えたとしても、資金が運用されるわけではなく、元本以上に増えることはありません。

裏ワザを最大限に活用したいなら法人の税金やリスクのプロと相談!

ここまでお伝えしてきたように、経営セーフティ共済を活用するためには、さまざまなことを考慮する必要があります。


税効果があることは確かですが、もし活用の仕方に迷ったら、お金や保険のプロに相談する方法もあります。


対策なら法人保険などを利用する方法もあり、経営セーフティ共済の他の方法で対策できる知識や情報も得られるでしょう。


そこで、マネーキャリアをおすすめします。


マネーキャリアなら、オンラインでプロのFP(ファイナンシャルプランナー)に無料相談が可能です。


ぜひ活用してみてください。

まとめ:税金対策で経営セーフティ共済を利用するのは難易度が高い

今回は、


  • 経営セーフティ共済とは、取引先が倒産したときに連鎖倒産を防ぐための共済制度
  • 経営セーフティ共済を活用する方法は3STEP①利益が大きい年に積み立てる②利益少ない年に解約する③解約して再加入する
  • 経営セーフティ共済の裏ワザを使う注意点は3つ①税金を繰延しているだけにならないように考慮する②出口戦略を考える④40ヶ月未満の元本割れに注意


といった内容でお伝えしてきましたが、いかがでしたか。


経営セーフティ共済を活用するためには、考慮しなければならない点も多く、難易度も高くなっています。


税効果をねらうなら、元本割れや解約のタイミングなどに気を付けて活用していきましょう。


ほけんROOMでは他にも法人保険に関する記事を多数掲載していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

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