更新日:2021/06/16
小規模企業共済は年払いで前納できる!前納する2つのメリット
内容をまとめると
- 小規模企業共済は前納することで控除額が増やせる
- 12月に前納する場合は11ヶ月分までにし、翌年にも前納できるように調節する
- 前納減額金を受け取った場合、確定申告には掛け金から差し引いて申告する
- 申請期限は前月の20日まで
- 手続きには一括納付申請書が必要
- 節税対策には小規模企業共済もいいけれど法人保険もおすすめ
- 法人保険を利用する際にはプロに相談
- マネーキャリアでは法人保険のプロに無料相談が可能!この機会に利用してみてください!
目次を使って気になるところから読みましょう!
小規模企業共済の掛け金を前納するメリットと注意点を解説
中小企業を対象に、退職金の準備などの活用できる小規模企業共済。掛け金は全額所得控除の対象となっていることから、節税効果も高くなっています。
しかし、その節税効果をさらに高める方法として「前納」というシステムがあるのですが、どのようなメリットがあるのか気になりますよね?
また、前納を行う際の注意点なども気になるポイントです。
ここでは、
- 前納のメリット
- 注意点
- 手続き方法や申請期限
- 手続き時の必要書類
についてご紹介します。
メリットばかりに気を取られ、デメリットとなる注意点を確認しておかないと損をしてしまう可能性もあります。ぜひ最後までお読みください。
小規模企業共済の掛け金を前納するメリット
中小企業の方が退職金などの準備をするために活用できる小規模企業共済ですが、すでに掛け金が余得控除になると言う大きなメリットがあります。
しかし、「前納」を利用することでさらなるメリットを得ることができるのです。
- 前納減額金
- 所得控除額の増加
があるのですが、それぞれいくらなのか、どれくらいの範囲なのか気になると思います。それぞれについてご紹介していきます。
①前納減額金がある|前納減額金はいくら?
前納減額金があることがメリットとして挙げられます。
前納利用時にもらえるキャッシュバック金で、小規模企業共済の前納を行うことで掛け金が割引されると考えると分かりやすいかもしれません。
キャッシュバックされる金額を算出する計算式があり、
掛け金月額×(0.9/1000)×前納月数の累計
で計算されます。
掛け金が5万円で11ヶ月分の前納を行った場合、
50,000円×0.0009×66=2,970円
が割引されることになるのです。
これは毎年3月末に計算され、合計金額が5,000円以上になると6月に口座に振り込まれることになります。
「前納月数の累計」がなぜ66なのか分からない方も多いと思います。11ヶ月分の前納ならば、この部分の数値が11になると考えますよね。
しかし、このような考えではなく、
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11=66
と期間に応じて累計されるのです。
また、金額は前納を行った時期によっても変わってきます。詳しくはこちらを参考にしてください。(参考:中小企業基盤整備機構「加入者のしおり」)
②所得控除額が増える |最大いくらまで控除できる?
小規模企業共済の所得控除は、その年の掛金と翌年1年分の掛金までが控除対象になります。
最大で24ヶ月分の控除が同じ年に行えることになるのです。
掛け金は最大で7万円ですので、
7万円×24=168万円
小規模企業共済を利用して最大で168万円の控除を受けることができるのです。
ここで心配なのが月掛け金の変更ですよね。掛け金の設定を3万円にしていた場合、このままでは72万円までしか控除されません。最大控除額の半分以下となってしまうため、もっと増やしたいと感じる方も多いと思います。
このような場合は掛け金の変更を行います。
小規模企業共済の掛け金は手続きを行えば途中で変更することが可能なのです。そのため、控除額を増やすために途中で最大掛け金の7万円に変更して所得控除額を増加させ、節税効果を高めることができるのです。
掛け金を前納する際の注意点
前納を利用することでさらに大きな節税効果の期待できる小規模企業共済ですが、注意しておきたいポイントがいくつかあります。
- 12月の前納は11ヶ月分
- 前納減額金は申告時に掛け金合計から差し引く
の2点です。
より多くの控除が目的ならば、翌年1年分全てを前納する方が効果が高くなりますが、なぜ1か月分残しておく必要があるのでしょうか?以下でそれぞれの注意点を解説していきます。
12月の口座振替で前納する場合は11ヶ月分の前納をする
最大1年分の掛金が前納できるのならば、全て前納した方がその年の所得控除が増えるのでは、と考えるかもしれません。確かにこの年の控除額は最大まで増やすことができます。
しかし、翌年には振り込む掛け金が残っていないため、口座振替を行う機会が無くなってしまうのです。
口座振替をする機会が無ければ、次の年の掛金を前納することはできません。12月に翌年の分全てを払ってしまうと、翌年は前納できる機会すらなくなってしまうのです。
そのため、1ヶ月分残しておき、翌年の12月に次年度分の前納をするかどうか、検討する機会を残しておくことをおすすめします。
12月に翌年11ヶ月分の前納を行う場合、口座振替金額は12月分と翌年11ヶ月分の合計12ヶ月分となります。11ヶ月と勘違いしてしまうと残高不足となり、所得控除が受けられなくなってしまうので注意しましょう。
前納減額金は掛金合計額から差し引いて申告する
前納減額金は5,000円以上になると口座に振り込まれることになります。このときに気をつけたいのが処理方法です。
戻ってきた分は控除の対象外となるため、確定申告などの際には前納減額金があったことを報告する必要があるのです。
では、どのような方法で申告すればいいのでしょうか?保険料が返ってきているため利益となり、雑所得として処理することを考えるかもしれません。
しかし、小規模企業共済の掛け金合計額から差し引いて申告することになっています。
少額なので忘れてしまうかもしれませんが、振り込みがあった年には忘れずに申告しましょう。
前納をする際の手続き方法 |申請期限はいつまで?
小規模企業共済の前納では手続きが必要です。
- 一括納付申請書など必要書類を準備
- 必要事項を記入
- 窓口で確認・押印
- 書類を送付
となっています。
書類記入後に窓口で確認印をもらう作業があることに注意しましょう。窓口は小規模企業共済の業務委託をしている場所で、委託機関や金融機関で行う必要があります。
一旦窓口に持ち込み、印を押してもらってから中小機構へ書類を送付することになります。
送付後手続きが完了すると、「掛け金の請求についてのおしらせ」が届きます。
12月に前納をしたい、という方が多いと思いますが、12月の前納を行うにはいつまでに申請を行えばいいのでしょうか?
11月20日です。前納の申請は前月の20日までと決まっているため、12月に前納を行いたい場合には、11月20日までに申請を行う必要があるのです。
前納の手続きをする際に必要な書類
前納の手続きに必要な書類が、
- 一括納付申請書
です。
入手方法としては、
- ダウンロード
- 電話
- FAX
などが利用できます。
一番早く入手できる方法としてはダウンロードが挙げられます。
印刷したものをそのまま利用することができるので、郵送などに時間が割かれる心配がありません。(参考:一括納付申請書)
記入する際には通常の掛金の支払いが月払い・半年払い・年払いで記入する場所に違いがあるので気を付けるようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?ここでは小規模企業共済についてご紹介しました。
この記事では、
- 小規模企業共済は前納を利用すると所得控除額を増やすことができる
- 最大で168万円まで増やすことが可能
- 12月に前納を行う場合、11ヶ月分までにするのがおすすめ
- 前納減額金を受け取った場合は、掛け金から差し引いて確定申告時に申告する
- 手続きは、一括納付申請書の準備、記入・窓口で確認・送付
をご紹介しました。
小規模企業共済は掛け金全てが所得控除の対象になるため、大きな節税効果の期待できる共済です。
前納を利用することでさらに所得控除額の増額が可能なので、利益が増えて節税対策に悩んでいる、という方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
小規模企業共済で節税対策するのもいいですが、節税効果の期待できるものとして法人保険もあります。マネーキャリアでは法人保険のプロに相談が可能なため、節税・法人保険について知りたいことがあったら気軽にご利用ください。
▼この記事を読むべき人
▼小規模企業共済の掛け金を前納するメリット
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