小規模企業共済の貸付制度の限度額や金利は?デメリットはほぼない!

例えばご自身の体調面やあるいは昨今の新型コロナウイルス大流行という世情による経営難など…。資金繰りが厳しいという方へ向けて、この記事では小規模企業共済の貸付制度に関する基礎知識やメリット・デメリットなどを完全解説いたします!




▼この記事を読むべき人

  • 小規模企業共済に加入している人
  • 小規模企業共済の貸付制度の利用を検討している人
  • 経営面で新型コロナウイルスなどの影響を受けた人


▼小規模企業共済の貸付制度のメリットとデメリット

  • メリット:審査不要・返済期日に間に合わなくても借り換え可能・追加融資が受けられる など
  • デメリット:1年以上掛金を納付していなければ利用できないこと
このように、小規模企業共済の貸付制度にはデメリットよりはるかにメリットが多いです。

そんな小規模企業共済の貸付制度の利用を検討したいなら、マネーキャリアで無料相談してみましょう!

内容をまとめると

  • 小規模企業共済の貸付制度は、経営の立て直しとして有用な手段
  • 審査なしで利用できるため、緊急時でも融資を受けることができる
  • あくまでも借入金であるので、無理なく利用することが大切
  • どんなに些細なことでも企業リスクや法人保険、補助金などについて質問があるなら、いますぐマネーキャリアを利用するのがおすすめ!
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監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

小規模企業共済の貸付制度をわかりやすく解説


小規模企業共済の貸付制度について正しく理解していますか?


会社の経営を行う上で、金銭にまつわる知識や情報は必須。


貸付制度も例外ではありません。


今回は小規模企業共済の貸付制度を知っていただくべく、

  • 小規模企業共済の貸付制度には6種類ある?すべて解説!
  • 小規模企業共済の貸付制度、どんな利点があるの?
  • 小規模企業共済の貸付制度、デメリットはほとんどないって本当?
  • 実際に小規模企業共済の貸付制度をシミュレーションしてみよう!
  • 小規模企業共済でお金を借りた際の経理処理を解説!
  • 小規模企業共済の貸付制度を利用したい!手続き方法は?
  • 【参考】新型コロナウイルス感染症の蔓延による特別措置とは
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、小規模企業共済の貸付制度を利用するにあたって知っておきたい情報を身につけることが可能です。

経営者の方にとっては特に必見の記事ですので、最後までぜひご覧ください。

小規模企業共済の貸付制度は6種類!

まず小規模企業共済の貸付制度は、

  • 一般貸付
  • 特別貸付

この2つに分類されるようです。


なお特別貸付も用途別にわかれており

  • 傷病災害時貸付
  • 福祉対応貸付
  • 緊急経営安定貸付
  • 創業転業時・新規事業展開等貸付
  • 事業継承貸付
  • 廃業準備貸付

上記の6種類が存在しています。


各貸付制度の概要は以下の通りです。

概要
傷病災害時貸付傷病を患ったことによる入院、あるいは災害を理由に経営難に陥った際に安定させるための貸付制度。
福祉対応貸付福祉機器の購入費用や住宅の改造費用などを賄うための貸付制度。
緊急経営安定貸付一時的な売り上げの減少などにより経営難に陥った際に安定させるための貸付制度。
創業転業時・新規事業展開等貸付 
新しく事業を創設・展開あるいは転業などの際の貸付制度。
事業継承貸付株式などの取得や事業継承の費用のための貸付制度。
廃業準備貸付廃業やそれに伴う設備の処分、事業債務の清算などに必要な費用を賄うための貸付制度。

ここからは、利用にあたってのより詳しい説明を行っていきます。

それぞれの限度額や貸付利率(貸付金利)を表一覧でわかりやすく解説

利用するには

  • 限度額
  • 借入期間
  • 返済方法
  • 利率
  • 利子の返済方法
  • 延滞利子
  • 申込受付期間
これらを知る必要があります。

詳細は以下の通りです。

一般貸付特別貸付
限度額2,000万円1,000万円
借入期間6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月・36ヶ月・60ヶ月
(借入額次第)
36ヶ月・60ヶ月
返済方法・期限に一括で返済
・6ヶ月ごとに元利均等方式で返済
(借入期間次第)
6ヶ月ごとに元利均等方式で返済
貸付利率1.5%0.9%
利子の返済方法・借入時に前払い
・半年ごとの返済時に前払い
(借入期間次第)
借入時や半年ごとの返済時に前払い
延滞利子14.6%14.6%
申込受付期間即日融資可能種類により異なる
特別貸付は限度額が低く設定されているものの、低金利であることが特徴となっています。

特別貸付の種類による申込受付期間は
申込受付期間
傷病災害時貸付入院あるいは災害の発生から6ヶ月以内
福祉対応貸付
住宅の改築や機器類の購入予定日の6ヵ月前から
緊急経営安定貸付売り上げ減少と判定された最終月の翌月から3ヵ月以内
創業転業時・新規事業展開等貸付転業時:発生日の1年以内から再び共済契約を行って期間の通算を申し出る時までか、転業予告日の6ヵ月前から
新規事業:予定日の6ヶ月前から
事業継承貸付事業承継予定日の1年前、あるいは事業承継日から1年以内
廃業準備貸付廃業予定の1年前から
上記の通りです。

貸付限度額は掛金納付期間が長いほど多くなる

貸付限度額が

  • 一般貸付:2,000万円
  • 特別貸付:1,000万円
であることがご理解いただけたと思います。

しかしだからと言って、前述の上限枠内であればいくらでも借入られるというわけではないのです。

どういうことなのか。

実は貸付の上限額には、掛金額と掛金納付期間が関係しています。


これは一般貸付・特別貸付どちらの貸付制度でも同様です。


具体的には

  • 納付してきた掛金額
  • 掛金を納付した月数
に応じて、掛金の7〜9割程度の金額を上限として融資を受けることができます。

なお各々借入られる限度額は、年に2回設定されるようです。

要するに、掛金納付期間が長期間に及ぶかつ掛金額が高額になるほど、それに比例して貸付限度額も多くなる仕組みとなります。

小規模企業共済の貸付制度を利用するメリットは3つ!

せっかく小規模企業共済の貸付制度を利用するのであれば、メリットがあるほうが良いに決まっていますよね。


今回ご紹介するメリットは

  • 審査が必要でない
  • 返済期限に間に合わなくても大丈夫
  • 追加融資が受けられる
以上の3点です。

利用する前に、どのような魅力があるのかを一緒にチェックしていきましょう。

①審査不要

一般的に銀行で融資を受けようとすると、審査があります。


そのため、お金が必要となった際に実際に借入ができるまでには時間がかかってしまうという難点があるのです。


その一方で小規模企業共済の貸付制度であれば、審査は必要ありません。


即日あるいは2〜3日のうちに融資を受けられるのです。


さらに他で債務を抱えていたとしても、問題なく利用することができます。


企業経営を立て直すためには、早急にお金が必要となることもしばしばあるでしょう。


そんなときに審査なく融資を受けられるのは、かなり大きな魅力ですよね。

②返済期限に間に合わなくても借り換え可能

当然ですが、小規模企業共済の貸付制度には返済期限が設けられています。


しかし返済が間に合わないという可能性もきっとありますよね。


その場合でも利息を支払うことで、借り換えることが可能です。


新たに借入期間を設定することによって、返済に少し余裕を持たせることも叶います。


なお利息を支払えば、催告・督促の対象から外れる仕組みです。


そのため、経営が安定していなくても安心して利用できるのが貸付制度のメリットとなっています。


ただし借り換えを続けると、支払い義務のある利息がどんどん増え続けることに。


返済できるか心配になった際は、国に支払いを補助してもらえるという借り入れ方法を選択するのも1つの手段ではあります。

③追加融資は何回でも可能

小規模企業共済で納付してきた掛金の残高がある場合は、追加融資を受けることができます。


さらに魅力的なのは、その回数に制限がないという点です。


都度その際に必要な金額を、少しずつ借り入れることもできます。


借入金の用途に合わせて、一般貸付と特別貸付を併用することも可能です。


経営者自身や企業の様子に合わせて、自由に活用することができるのは大きなメリットなのではないでしょうか。

小規模企業共済の貸付制度のデメリット:1年以上の納付期間が必要

メリットもあればデメリットもあるのが実情。


ですが、小規模企業共済の貸付制度にデメリットはほとんど存在しません。


強いて挙げるのであれば、貸付制度の利用にあたっては掛金の納付期間が1年以上必要という点のみです。


小規模企業共済の貸付制度は

  • 納付した掛金の総額が10万円以上(貸付は10万円からであるため)
  • 掛金納付期間が1年以上
上記に該当する方のみが利用できます。

つまり小規模企業共済に加入したばかりの方は、貸付制度を利用することは不可能です。

この条件をクリアさえしていれば、貸付制度の利用によってどなたでもすぐに融資を受けられます。

メリットに対してデメリットが少ないため、利用しやすいことがご理解いただけるのではないでしょうか。

小規模企業共済の貸付制度の限度額を実際に計算してシミュレーション


さて、小規模企業共済の貸付制度を実際に利用する方がこのようなことを知りたいのではないでしょうか。


「自分が融資を受けられる限度額はいくらなの?」


この項目では、その目安を知るべく実際に計算をしてシミュレーションを行っていきます。


月額掛金ごとに

  • 3万円の場合
  • 7万円の場合
とご紹介しますので、一緒にチェックしていきましょう。

①掛金3万円の場合

早速、月額掛金が3万円の方の限度額をシミュレーションしていきます。


計算方法としては

貸付限度額=3万円×掛金納付期間(月換算)×0.7〜0.9

です。


では計算結果を見ていきましょう。

掛金納付期間納付総額貸付限度額
1年36万円25万2,000円〜32万4,000円
2年72万円50万4,000円〜64万8,000円
3年108万円75万6,000円〜97万2,000円
4年144万円100万8,000円〜129万6,000円
5年180万円126万円〜1,62万円
6年216万円151万2,000円〜194万4,000円
7年252万円176万4,000円〜224万8,000円
8年288万円201万6,000円〜259万2,000円
9年324万円226万8,000円〜291万6,000円
10年360万円252万円〜324万円
20年720万円504万円〜648万円
30年1,080万円756万円〜997万2,000円

最低でも、30万円前後は融資が受けられることがわかりますよね。


また事業継承などで前任者から引き継いで掛金を支払っている方は、納付期間が30年以上である可能性も。


その場合は、特別貸付の限度額である1,000万円近くまで融資を受けることが可能です。

②掛金7万円の場合

続いて、月額掛金が7万円の方の限度額をシミュレーションしていきます。


計算方法としては

貸付限度額=7万円×掛金納付期間(月換算)×0.7〜0.9%

です。


では計算結果を見ていきましょう。

掛金納付期間納付総額貸付限度額
1年84万円58万8,000円〜75万6,000円
2年168万円117万6,000円〜151万2,000円
3年252万円176万4,000円〜226万8,000円
4年336万円235万2,000円〜302万4,000円
5年420万円294万円〜378万円
6年504万円352万8,000円〜453万6,000円
7年588万円411万6,000円〜529万2,000円
8年672万円470万4,000円〜604万8,000円
9年756万円529万2,000円〜680万4,000円
10年840万円588万円〜756万円
20年1,680万円1,176万円〜1,512万円
30年2,520万円1,764万円〜2,000万円(上限)

掛金納付期間が30年まで及ぶと、一般貸付の上限額まで融資を受けることができます。

小規模企業共済で借入をしたときの経理処理の方法

小規模企業共済の貸付制度を利用して事業資金の融資を受ける上で、知っておかねばならないこと。


それは、借入金の経理処理の方法です。


端的に解説すると、

  • 借入金
  • 支払利息
で仕訳をしましょう。

小規模企業共済の貸付制度で借りた金額とみなされるのは

借入額=借入金総額ー返済期日までに課される利息

となるためです。

具体例を挙げてみましょう。
  • 借入額:100万円
  • 利息:2,465円
であったとします。

この場合の経理処理の仕方は下記の通りです。

借方貸方
普通預金 100万円借入金 100万円
支払利息 2,465円普通預金 2,465円

小規模企業共済の貸付制度を利用する際の必要書類と手続きの流れ

実際に小規模企業共済の貸付制度を利用するための

  • 一連の手続きの流れ
  • 手続きに際して必要となる書類
以上の内容をご紹介していきます。

貸付制度の利用を検討している方は、特に以下の内容をしっかり把握しておきましょう。

手続きの流れ

まずは、小規模企業共済の貸付制度利用の手続きの流れからご紹介していきます。


具体的な手続きは

  1. 中小機構あるいは商工組合中央金庫の申込窓口に向かう
  2. 窓口で貸付金借入申込書を受け取り、氏名や借入金額などの必要事項を記入する
  3. 必要な書類を提出する
  4. 借入金と貸付金計算書・金銭消費貸借契約証書を受け取る
このような流れです。

なお上記の3.で必要となる書類は後述いたします。

手続き当日中にお金を借りたいと言う方は、平日14時までに商工組合中央金庫にて手続きを行ってください。

またその際にも書類に不備があれば、即日中の融資は不可能ですので注意が必要です。

必要書類

小規模企業共済の貸付制度の利用手続きに必要な書類は、

  • 印鑑登録証明書発行から3ヶ月以内の原本に限る
  • 共済契約者の実印
  • 本人確認書類(例:健康保険証・運転免許証など)
  • 借入金額に対応した収入印紙
この4種類です。

上記にプラスして、
  • 貸付金借入申込書
  • 中小機構からの送付物(共済契約者番号が確認できるもの)
これらを用意しておく必要があります。

【参考】 新型コロナウイルス感染症の影響による特例措置

昨今の新型コロナウイルスの世界的大流行により、経営にも大きな打撃を受けている方も多いでしょう。


そんな皆さんに向けて、小規模企業共済の貸付制度でも特例措置が講じられています。


まず新型コロナウイルスにより、売り上げが減少した方は

概要
借入額50万円~2,000万円
(掛金の7割~9割)
借入期間借入額が500万円以下:4年
借入額が505万円以上:6年
利率0%
返済方法6ヶ月ごとに元利均等方式で返済

上記条件で融資を受けることが可能です。


その他にも

  • 契約者貸付けの延滞利子が免除される
  • 月額掛金を減額される
  • 分割共済金の繰上支給を請求できる
これらの措置も受けることができます。

まとめ


小規模企業共済の貸付制度について、利用する上での基本情報などをご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 小規模企業共済の貸付制度には、一般貸付の他に用途別の6種類の特別貸付が存在している
  • 特別貸付は貸付限度額が一般貸付より低いが、貸付利率も低い
  • 小規模企業共済の貸付制度のメリットは、審査不要・返済期日に間に合わなくても借り換え可能・追加融資が受けられるなど
  • 小規模企業共済の貸付制度のデメリットは、1年以上掛金を納付していなければ利用できないこと
  • 小規模企業共済の貸付制度の経理処理は、借入金と支払い利息で仕訳する
  • 小規模企業共済の貸付制度では、新型コロナウイルスの影響による特別措置も講じられている
でした。

小規模企業共済の貸付制度は、経営を立て直すために必要な制度です。

制度を無理なく利用するためにも、正しい理解を身につけましょう。

小規模企業共済の貸付制度についてより詳細に知りたい方は、マネーキャリアへご相談ください。マネーキャリアでは法人の方も何度でも無料に相談可能なため、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。

ほけんROOMでは、他にも法人保険に関する記事が多数掲載されていますのでぜひご覧ください。

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