更新日:2021/12/01
【まとめ】生命保険の保険金受取人のあれこれ 受取人は誰にする?
生命保険に加入したけれど、受取人を誰にしたらいいのか悩ましい方も多いと思います。受取人は誰でもなれる訳ではありません。また関係性によって課税される税の内容が異なります。受取人を決める上で注意すべき点や損をしないポイントをご紹介します。
内容をまとめると
- 生命保険の受取人はライフステージに応じて都度見直すべき
- 契約者・被保険者・受取人の関係により課税される税金がちがう
- 受取人にできる人間には範囲がある
- 特別な条件をクリアすれば範囲外の人間も受取人にできる
- 受取人が先に亡くなった場合、速やかに名義変更をすべき
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目次を使って気になるところから読みましょう!
【まとめ】生命保険の保険金受取人のあれこれ 受取人は誰にする?
「生命保険に契約するつもりだけど、誰を受取人にしたらいいのか分からない」
「あの人はできるのかな?」
などの悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
お金を受け取るときに課税される税金についても、不安に感じてしまいますよね。
ポイントや注意点をあらかじめ確認して、損をしないようにしたいものです。
この記事では
- 受取人とは何か
- 受取人を決める時の注意点
- 税金のかかり方
- どんな人物が対象か
- 受取人が先に死亡してしまった場合の対応
についてご紹介いたします。
ほけんROOMでは、他にも生命保険に関する記事や保険全般に関する記事を掲載しています。
是非、併せてご覧になってみて下さい。
生命保険の保険金受取人とは
加入した死亡保険の保険金を誰に受け取って欲しいですか。
生命保険に入る際は、受け取りまでの仕組みをよく確認しておくべきでしょう。
誰を経済的に保障したいのかをよく考えた上で人生の中で繰り返し検討しましょう。
はじめに、生命保険に関わる立場は3種類あります。
契約者
会社と契約を結び、保険料支払いの義務を要する人です。
被保険者
病気やケガが保険の対象になる人。
受取人
給付金や保険金を受け取る人。
3社の関係を踏まえた上で、被保険者に万が一の事があった時に、経済的に困る人を受取人にする必要があるという事です。
3者の関係の例を挙げるならば、下記のようになります。
- 契約者:本人
- 被保険者:本人
- 受取人:配偶者
受取人になれるのは、配偶者や2親等以内の家族と決まっています。
誰もが自由に受取人になれるわけではないのです。
三者の関係性によってかかる税金も変化するので注意が必要です。
一部の会社では基準を満たしていれば2親等以内の家族でなくとも受取人になれる場合があります。
ライフステージごとに、自分が本当にお金を残したい人をよく見極め、計画的に判断しましょう。
詳しい条件やポイントについては、この後詳しくご説明いたします。
生命保険の受取人は誰にするのが良い?決めるときの注意点
受取人を決めるにあたり何点か注意点があります。
1点目は、自分のライフスタイルにおいて、自分が亡くなった際に経済的に支えたい人を正しく受取人にできているか、という点です。
例えば、独身時代に加入した生命保険の受取人を親にしていたとします。
その後、結婚して子供が生まれ、受取人を配偶者にしておきたいと思ったならば、直ちに契約内容を変更する必要があります。
自分のライフスタイルに合わせた変更を忘れてしまうと、自分の死後誰が受取人になるのかで混乱したり裁判沙汰になってしまう危険があります。
2点目は税金に関する注意です。
詳しい課税内容は次の見出しでご紹介しますが、契約者・受取人・被保険者の関係性によって課税される内容が異なります。
例えば、自分の孫を受取人にしたが、孫がまだ小さいため一度息子にお金を移すとします。
その場合、まず孫が受け取る時点で相続税の課税対象になり、次に息子にお金を移す時点で贈与税が課税されてしまいます。
受取人を見誤ると、余分に税金を払う羽目になりかねません。
受取人によって税金のかかり方が違う
保険金を受け取る際の税金のかかり方は、契約者・受取人・被保険者の関係性により異なります。
先ほども少し触れましたが、課税のされかたをよく踏まえた上で受取人を決めないと、余計に税金を払う羽目になる危険があるので注意が必要です。
3者の関係ごとの課税のされ方は、このようになっています。
【死亡保険】
契約者 | 被保険者 | 受取人 | 対象の税 |
---|---|---|---|
Aさん | Aさん | Bさん | 相続税 |
Aさん | Bさん | Aさん | 所得税 |
Aさん | Bさん | Cさん | 贈与税 |
【満期保険金】
契約者 | 被保険者 | 受取人 | 対象の税 |
---|---|---|---|
Aさん | Aさん | 所得税 | |
Aさん | Bさん | 贈与税 |
上記の表について詳しくご説明いたします。
契約者と被保険者が同じ
例えば、夫が自分の死後に配偶者の生活を保障するために死亡保険かけていた場合などが該当します。
この際、受取人が死亡保険金を受け取るにあたり相続税の対象となります。
ただし、受取人が法定相続人の場合は、非課税の対象になり、税負担を抑えることが出来ることも念頭に入れておきましょう。
契約者と受取人が同じ
夫が家族の万が一に備えて生命保険を契約していた場合などが該当します。
保険料を払った人物と同じ人物が受け取るお金は、原則所得税の対象となります。
契約者・被保険者・受取人がそれぞれ違う
例えば、夫が妻の万が一に備えて契約していた死亡保険を息子が受け取れるようにしている場合などが該当します。
この場合、保険料を支払っているのは夫ですが、夫が死亡した訳ではありません。
契約者から、受取人である息子にお金が「贈与」されたという考えから、贈与税の対象となります。
保険ROOMの、「生命保険における死亡保険金の非課税枠を有効活用して節税対策!」の記事ではより詳しく死亡保険金と税金の関係についてご紹介しております。
ぜひご覧ください。
生命保険の保険金受取人に指定できる範囲やいない場合について
生命保険の保険金受取人に指定できる人物には決まりがあります。
基本的にはこの2つの条件の範囲に収まる人物が、受取人になる事が可能です。
- 配偶者
- 二親等以内の血族
上記の関係性に含まれる人物は、
父・母・祖父母・兄弟・姉妹・孫です。
また、曾祖父母・おじ・おば・甥・姪・いとこ
は三親等以上のため対象に含まれません。
注意して下さい。
しかし、この関係性にあたる人物以外の人を受取人にしたいという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合、一定の条件をクリアすれば以下のような関係の人物でも受け取り人に指定する事ができる保険会社もあります。
- 婚約者
- 内縁の恋人
- 同性パートナー
これらの人物を生命保険の受取人にするための条件は、次からの項目で詳しくご説明いたします。
生命保険の保険金受取人の範囲[彼女・内縁の妻・親など]
外国人
最近では国際結婚をされる人も増えました。
死亡保険の受取人を外国人の方にしたいという人も多いかと思います。
ただし、外国人の方を保険金の受取人にするには、先ほどご紹介した「配偶者」「二親等以内の血族」という条件に加えて、これらの条件を満たさなければなりません。
- 日本に在住しており、在留カードや特別永住者証明書を持っている
- 日本語ができる(読み書き)
- 日本の銀行口座を開設している
各条件の内容は、以下の記事で詳しくご説明しています。
兄弟・姉妹
二親等以内の血族に含まれるため、基本的に受取人に指定する事は可能です。
しかし契約者に子供や親がいる場合、兄弟・姉妹は法定相続人として認められません。
相続税の非課税対象から外れてしまうので注意しましょう。
より詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ださい。
元妻
結婚時に生命保険金の受取金を妻にしており、その後離婚してしまった場合、保険金の受取人は元妻のままです。
契約者は受取人を自由に変更することが可能ですが、様々な問題がつきまといます。
元妻が受取人だった際に話し合うべきことや注意すべきことは、以下の記事で詳しく説明しています。
親
「独身の時に加入した生命保険の受取人を親にしており、結婚後もそのままになっている」なんてこともあるかと思います。
しかし、もし契約者に新たに配偶者や子供が出来た場合、万が一の時に経済的な保障を残す相手を今一度検討しなおす必要もあるでしょう。
以下の記事ではそういった場合の見直し方について詳しくご紹介しています。
孫
孫を生命保険金の受取人にする際に注意するべきことは、被保険者に子がいる場合、孫は法定相続人に該当しないという事です。
そのため相続税の非課税が適用されません。
孫が法定相続人として認められる例などについては以下の記事でご紹介しています。
他人
前述したような条件に該当しない第三者(他人)を生命保険金の受取人としたい場合もあるかと思います。
保険会社によっては、特定の条件を満たせば、他人を受取人にすることが認められることもあります。
ただし、保険会社によって条件は異なります。
詳しくは以下の記事でご紹介しています。
内縁の妻
婚姻届を提出していない、内縁の妻であっても下記3つの条件を満たせば生命保険の受取人になれる場合があります。
- お互いに配偶者がいない
- 所定の期間同居している
- 所定の期間生計が同一である
彼女
受取人は基本的には親族です。
しかし、条件を満たせば彼女でも受け取りが可能な場合もあります。
また、受取人の変更はいつでも簡単にできるので、初めは親族にしておいて結婚後に彼女に変更するというのも手です。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
複数人
姓名保険の受取人を複数人指定する事は可能です。
例えば、妻だけを受取人にしていたが、子供が生まれたので追加で子どもも受取人にするといった内容です。
それぞれが保険金の何%を受け取るのか振り分ける形になります。
詳しい契約上の注意などは以下の記事をご覧ください。
生命保険の保険金受取人がいない場合
生命保険に契約したが、受取人の方が先に亡くなってしまったという場合もあるでしょう。
そのまま契約者が死亡してしまえば、保険金の該当者は法定相続人となります。
親族に相続されることは変わりありませんが、手続きが複雑な上に、遺族間でのトラブルになりかねません。
また、該当する血族がいないという状況もあり得ます。
そうなった場合、保険金は国の財産となってしまいます。
保険会社によっては他人や内縁の妻を受取人にすることも可能です。
そのような状態にならないためにも、早めに受取人を変更しておきましょう。
生命保険の保険金受取人の変更の手続きについて
契約した生命保険は、結婚や出産などで自分のライフスタイルが変わるたびに見直す事が重要です。
特に保険金の受取人は、自分の死後に誰を経済的に保障できるようにしておきたいかによって都度検討すべきです。
受取人の変更には被保険者の同意が必要です。
契約者自身が被保険者である場合は問題ありませんが、例えば被保険者が離婚した妻である場合などは要注意です。
受取人の変更には下記書類が必要な場合があります。
- 名義変更請求書
- 保険証券
また、契約時に使用した印鑑が必要な場合も多いので、失くさずにとっておきましょう。
被保険者や受取人を変更する際によく確認しておかなければならない事は、受取時に課税される税金の種類です。
先述したとおり、契約者・被保険者・受取人の3者の関係性によって課税される税が異なります。
さらに、受取人が法定相続人ではなくなった場合、相続税非課税の対象から外れる恐れもあるので注意しましょう。
詳しくは以下の記事でご紹介しています。
受取人が死亡した時は直ちに名義変更を!
生命保険に加入した際に受取人としていた人が、被保険者より先に亡くなってしまう場合も多いです。
その際は、直ちに受取人の変更をする事が必要です。
もし、受取人の変更をしなかった場合は元の受取人の法定相続人に保険金が渡ります。
例えば、夫が契約者・被保険者で妻を受取人にしていたとします。
妻が夫より先に亡くなってしまい、2人の間に子どもが居なかった場合、妻の法定相続人である妻の両親や兄弟に保険金が渡ります。
夫が、自分の死後は自分の両親に保険金を残したいと思った場合でも叶いません。
また、受取人の法定相続人にあたる人物が総じて既に亡くなってしまっていた場合は、保険金は国の財産として国庫に入ります。
一定の条件を満たせば、親族以外の人物(内縁の妻や同性パートナー)に受取人を変更する事ができるため、もし自分の死後経済的に保障したい人物がいる場合は早めに名義変更をすると良いでしょう。
もっと詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。
まとめ
生命保険金の受取人についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 生命保険の受取人はライフステージに応じて都度見直すべき
- 契約者・被保険者・受取人の関係により課税される税金がちがう
- 受取人にできる人間には範囲がある
- 特別な条件をクリアすれば範囲外の人間も受取人にできる
- 受取人が先に亡くなった場合、速やかに名義変更をすべき
でした。
生命保険は、人生の中で幾度も見直す事が重要です。
特に受取人については、自分の死後誰のことを経済的に支えたいのかをよく考えたうえで契約しましょう。
ほけんROOMでは、他にも保険に関する役立つ記事を多数掲載しています。
併せてご覧になってみて下さい。