PMS治療のピルは保険適用できる?費用やメリット・デメリットも解説

PMSの症状に悩む女性の中には、ピルの服用を考えているけれど、ピルの費用が保険の適用になるか心配な方もいることでしょう。ここでは、PMS治療のためのピルが保険の適用になるのか、費用はどのくらいかかるのか、またピルのメリット・デメリットについて解説していきます。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

PMS治療のためのピルは保険の適用になる?

PMSに悩む女性の中には、ピルによる治療を検討してい方もいらっしゃるでしょう。

PMSとは、月経に関連した身体的または、精神的な症状のことを指しています。
症状は人により様々ですが、病院での治療が必要なほど重症化することも珍しくありません。

しかし、PMSの治療にも有効なピルの使用は、保険が適用とならない場合もあります。

そこで今回は、
  1. PMS治療のためのピルには、保険が適用されるのか
  2. PMSの治療に用いられる薬の種類
  3. PMSの治療にかかる費用
  4. ピルのメリット・デメリット
について、順を追ってご説明していきます。

PMSに悩んでいて、病院を受診するか迷っている方は、この記事を読むことで、必要な情報を得ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

PMS治療のためのピルであれば保険が適用される場合がある

ピルの使用は、保険が適用される場合と、保険適用外になる場合とがあります。

保険の適用になるかどうかは、ピルの使用目的により異なります

ピルの使用目的として、代表的な例が、避妊目的です。

ピルの服用により、排卵を抑制し、受精卵を着床しにくくすることで、高い避妊効果が期待できるのです。

それでは、ピルの使用目的が、「避妊目的」の場合と「PMSの治療目的」の場合とで、保険適用の違いがあるのかについて、ご説明していきましょう。

原則として避妊目的のピルは保険適用外になる

ピルを、避妊目的として使用する場合は、原則として、保険適用外となります。

健康保険が適用となるのは、病気や怪我の治療による診療の場合のみです。

そのため、原則として避妊目的でのピルの使用は保険適用外となります。

また、ピルは、服用することで、生理日を調整することも可能です。

大切な行事や、旅行に向けて、生理日を調整するためにピルを使用する場合にも、自由診療扱いとなり、保険は適用されません。


月経困難症の治療目的のためのピルは保険が適用されるものもある

PMSには、以下のような症状があります。

  • 腰痛
  • 腹痛
  • 頭痛
  • 乳房の張り
  • イライラ・不安感

PMSの症状は、身体的なものだけでなく、精神的なものまで様々です。

月経がある女性の30%から40%程度が、これらのPMSの症状に悩まされているといわれているのです。

このような、PMSの症状の改善に効果があるとされているのが、低用量ピルの服用です。

低用量ピルを服用し、排卵を抑制することで、PMSの症状の改善も期待できます。

このような、PMSの症状改善のための低用量ピルの服用は、治療目的とみなされ、健康保険が適用となる場合があります。

PMSの治療に用いられる薬の種類



腰痛や腹痛、精神的なイライラなど、PMSのつらい症状を改善するためには、低用量ピルの服用が有効だとお伝えしました。

しかし、PMSの症状の改善のために、病院で処方されるのは、低用量ピルだけではありません。

続いては、PMSの治療のために用いられる薬について、代表的な種類をご紹介していきます。

PMS治療の王道「低用量ピル」

まずは、PMS治療によく用いられる、「低用量ピル」です。

「低用量ピル」とは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の合剤のことで、両ホルモンの働きで排卵を抑制する効果があります。

避妊目的や、生理日移動のためにも使用されます。

「低用量ピル」を服用することで、

  • 下腹部痛や腰痛が軽くなる
  • 月経量が少なくなる
  • 卵巣がん、子宮体がんの予防になる
といった効果が期待できます。

体質改善も期待できる「漢方薬」

PMSの治療には、「漢方薬」が処方されることもあります。

PMSの治療に効果的とされている「漢方薬」をいくつかご紹介します。

  • 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)など

「漢方薬」は、服用することで体質改善も期待できるという特徴があります。

「漢方薬」は、西洋医学で用いられる薬と比較すると、副作用が少ないことから、安心して服用することができます。

症状の緩和のため「精神安定剤」「鎮痛剤」なども効果的

PMSの症状緩和には、「精神安定剤」や「鎮痛剤」なども効果的です。

月経前の抑うつ状態や、イライラがひどいという場合には「抑うつ薬」や「抗不安剤(精神安定剤)」が処方されます。

また、生理痛や頭痛といった痛みの緩和には、「鎮痛剤」が効果的です。

PMSの症状緩和のために、これらの薬を処方された場合には、保険適用となります

PMSの治療にはどのくらいの費用がかかる?

PMSの治療には、一体どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

実際に病院にかかる前に、知っておきたいですよね。

PMSの治療目的で低用量ピルを処方された場合には、健康保険が適用となる場合があるとお伝えしましたが、もちろん治療費はかかってきます。

続いては、PMSの治療費について、どのくらいが相場なのかをご紹介していきます。

初診時は検査を行うことが多いためその分の費用がかかる

PMSの治療のために、初めて婦人科系の病院を訪れた場合、婦人科検診などの必要な検査を受ける可能性が高いです。

このような検査の項目が増えるほど、費用がかかるようになります。

検査は、PMSの原因を把握するために必要なことです。

初診時には、検査による費用がかかることを考慮しておきましょう。

ピルや漢方薬の料金の相場

PMSの治療のために、ピルや漢方薬を処方された場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

低用量ピルは、1か月分、1シートごとの販売になっている場合がほとんどです。

1シートの値段は、ピルの種類にもよりますが、保険適用でも3,000円程度はかかります。

また、「漢方薬」の場合は、ドラッグストアで購入するよりも、病院で処方してもらったほうが安いです。

ドラッグストアで購入した場合には、5,000円程度の費用がかかりますが、病院で処方したもらった場合の薬代は1,000円程度で収まる場合が多いのです。

知っておきたい!ピルのメリット・デメリット

PMSの症状緩和にも効果が期待できる、「低用量ピル」の服用にあたっては、メリットとデメリットが存在します。

PMSの治療のために、「低用量ピル」を服用する場合には、それらのメリットとデメリットを知っておいた方がいいでしょう。

メリットとデメリットを踏まえて、「低用量ピル」を服用するべきか検討してみてください。

ピルのメリットはPMS治療だけではない

低用量ピル」を服用することで、以下の効果が期待できます。

  1. 高い避妊効果
  2. PMSの症状緩和
  3. 月経周期が規則正しくなる
  4. 出血量が減る
  5. ニキビや肌荒れが改善できる
  6. 卵巣がんや、子宮体がんの予防効果
PMSの症状緩和以外にも、うれしい効果がこれだけあるのです。

生理前の肌荒れに悩んでいる方も、改善が期待できるのはうれしいですよね。

吐き気などのデメリットもある

PMSの症状緩和以外にも、多くのメリットがある「低用量ピル」の服用ですが、もちろん、デメリットも存在します。

それが、「低用量ピル」の服用による副作用です。

代表的な副作用は以下の通りです。

  1. 頭痛
  2. 乳房が張る
  3. 吐き気
  4. 不正出血
吐き気については、服用し始めて1.2週間程度で無くなるといわれています。

副作用がひどい場合、ピルを飲み続けても副作用が無くならないには、ピルの種類が変更されることもあります。


PMS治療のためのピルは保険の適用になるかのまとめ

今回は、PMSの治療のためにピルを服用する場合、健康保険の適用になるかどうかについてご紹介してきました。

今回の記事のポイントは以下の通りです。
  1. 避妊目的の場合には、健康保険適用外だが、PMS治療の場合は、健康保険適用となる場合がある
  2. PMSの治療には、ピル以外にも、精神安定剤や漢方薬が用いられる
  3. PMSの治療には、診察料や検査料、薬代金といった一定の費用が必要
  4. ピルの服用にはメリットとデメリットがある

PMSの症状に悩む女性は、婦人科への受診を検討されている方もいらっしゃるでしょう。

PMSの症状緩和に用いられる低用量ピルは、健康保険が適用となる場合があります

メリットとデメリットを理解して、低用量ピルを服用するかどうか、慎重に検討しましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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