建設業の一人親方には法人保険が必要?工事保険などの必要性を解説!

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一人親方として建設業を経営している方は、溶接中の火花による火災などの事故が発生した場合、全て一人で責任を負うことになるため保険の加入が必須と言えます。そこでこちらの記事では、一人親方として建設業を営む方におすすめの法人保険を4つ紹介しています。

内容をまとめると

  • 建設業の一人親方や個人事業主は、様々なリスクの全責任を負う
  • 建設・運送中だけでなく、引き渡し後も事故が発生するリスクがある
  • 第三者に与えた損害や、建設物や資材に与える損害も発生しうる
  • ちょっとした不備やミスで、高額の賠償事例もあるため備えが必要
  • 一人親方や個人事業主でも法人保険への加入は可能
  • 建設業の場合、一人親方であっても労災保険に加入できる
  • 請け負う工事の内容や、期間にあわせて補償をカスタマイズする場合は、簡単に保険のプロに相談できる「マネーキャリア」がおすすめ
監修者
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。 以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP (注)保険の補償内容に関する記載以外の部分について監修を行っています。

建設業の一人親方を取り巻くリスク

建設業の一人親方を取り巻くリスク

建設業の一人親方を取り巻くリスク


建設業を個人事業主や一人親方として経営している方は、小さいものから大きいものまで、様々なリスクを抱えています。


また、元請けから保険の加入を要求されることもあるため、しっかりと備えを準備しておくことが必要です。


特に、以下のリスクは事前に対策をしておくことをおすすめします。

  • 建設・運送中の事故
  • 引き渡し後の事故
  • 建設資材などの損害

請け負っている工事の種類や、期間によっても必要な補償が変わってきます。


そこで今回は上記のリスクを解説するとともに、加入すべき保険について解説していきます。


また「ほけんROOM」では一人親方や個人事業主の方に必要なリスク対策や、保険について解説している記事を公開しているので、別の記事もご覧ください。

①建設・運送中の事故

建設・運送中は、安全に十分に配慮していたとしても、事故が起こるリスクがあります。


建設業の一人親方の場合は、全責任を抱えてしまう可能性もあります。


第三者に与える損害

第三者にけがをさせてしまったり、モノを壊してしまった場合、損害賠償をしなくてはいけません。被害の大きさや数によっては、金額が高額になることもありますので注意が必要です。

例えば、以下のような事故が想定されます。

  • 外壁の改修中に工具が落下し、通行人をけがさせてしまった
  • 資材の運送中、トラックから資材が落下し、建物を損壊してしまった

また、元請けから加入を依頼される場合もありますので、請け負う工事によって加入を検討した方が良いでしょう。


従業員の労災事故

建設業の個人事業主で、従業員をかかえている場合は、従業員の労災事故のリスクもあります。


例えば、以下のような事故が想定されます。

  • 従業員が足場から足を踏み外し、落下して後遺障害を負ってしまった
  • 工事中、従業員の指が建設機材に巻き込まれ、切断されてしまった

ベテランの大工さんであっても、事故はつきものです。


上記のような後遺障害が残るケースは、本人や家族から提訴される可能性もあり高額な賠償となりやすいため、しっかりとした備えが必要でしょう。


従業員の方に安心して働いていただくためにも、こういった労災まわりの保険加入もきっちりと考えておきたいものです。


建設・運送中は、上記のように、第三者に対する賠償のほか、従業員のけがなど様々なリスクが想定されます。


想定される事故にあった保険の加入を検討する必要があります。

②引渡し後のトラブル

建設業の場合は、建設・運送中だけでなく、引き渡し後も安全に使用していただけるようにする責任があります。

また、万が一、引き渡し後に事故が起こった場合は、損害賠償する必要が生じる可能性がありますので、このリスクにも備える必要があります。

例えば以下のような事故が想定されます。
  • 屋根の防水処理の不備で、住宅内部に雨水が入り込み、内部や家具の修理費用を請求されてしまった 
  • 外壁に設置した看板の取付に不備があり、落下して通行人にけがをさせてしまった
工事をして完成、というわけではなく、工事完了後にもリスクがありますので、気が抜けません。

こういった建設業の方の、仕事の結果が原因で生じたあらゆる事故をカバーできる保険がありますので加入を検討されると安心です!

③建設資材などの盗難や損害

建設業の一人親方が抱えるリスクはまだあります。

建設資材や、建設している目的物自体が、水災などの自然災害によって損壊してしまったり、火災や盗難などの不測の事態が生じた場合、元の状態に復旧する費用が必要となります。

例えば以下のような事故が想定されます。
  • 建設中の建物が、溶接作業の火花により引火し、焼失した
  • クレーンで資材を運搬中、資材が落下し、損壊させてしまった
  • 工事中の資材が盗難の被害にあってしまった
安全に気を付けていても、防ぎきれないリスクもたくさんあります。

また、元請けが保険に入っているから、といって安心はできません。

自身で起こしてしまった事故であれば、元請けの保険を使うのは気が進まない場合もあると思います。

一人親方の場合、仕事が今後も必ず確約されているものではないこともあると思います。

今後もお互い気持ちよく仕事ができるためにも、自身で保険に加入することをおすすめします。

建設業の一人親方に実際にあった損害事例


リスクは様々ですが、あまりイメージができない方向けに、建設業の一人親方に実際に発生した損害事故事例を以下2種類ご紹介します。
  • 工事中に第三者に損害を与えてしまい1億円請求された事例
  • 建設資材に損害が発生した事例
ちょっとしたミスや、不備であっても高額のお支払いになることがあり、一人親方や個人事業主ではかなりの負担になることが想定されます。

実際の支払事例を確認いただき、保険に加入する場合の保険金額や補償内容など、ご自身にあったプランをイメージしていただければと思います。

①工事中に第三者に損害を与えてしまった事例

ビルの配管工事が原因で1億円を超える請求を受けた事例をご紹介します。

ビルの改装工事を行っている最中に、ビルのスプリンクラー配管を破損してしまい、階下のパチンコ店に、漏水してしまったというものです。

パチンコ店からは、内装や設備、機械などを修復する費用6,300万円のほか、4ヶ月の休業期間が生じたとして、休業期間中の売上損害1億5,000万円を請求されました。

裁判では、休業期間中に生じた損害について争点となったようで、最後は、総額1億円の請求で決着となりました。


賠償金以外にも、自身が依頼する弁護士費用なども含めると、1億円以上はかかってしまいます。

保険に加入していなかったとしたら、とてもじゃないですが払いきれない事例です。

②建設資材に損害が発生した事例

建設中の建物自体の損壊、設置した足場、工事に使用する資材などに事故が発生し、実際にお支払いされた事例を3つご紹介します。
  • 建築中の住宅が豪雨の影響で床上浸水し、198.1万円の損害
  • 足場が倒壊し、建築中の建物を損壊、1,700万円の損害
  • 送電用のケーブルを盗まれた、273.1万円の損害
台風や豪雨などの自然災害や、盗難などは、自分がいくら注意を払っていたとしても防ぎきれない事故ですよね。

不測の事態が起こった際に、大切な建築物や資材を守るためにも、保険の加入をしておけば安心ですね!

建設業の一人親方に必要な法人保険5選


自分がいくら安全に配慮していたとしても、予測できないような事故がおこるリスクは様々ありましたね。


このようなリスクが起こる不安を抱えながら作業するよりも、上記のような事故が、万が一、発生した場合にも補償してくれる法人保険に入っていれば安心です。


法人保険と言われるものでも、個人事業主やフリーランスの方も加入できますので、ご自身の仕事内容にあった保険をカスタマイズして加入を検討してみてくださいね。


何に加入すれば良いかわからない場合は、「マネーキャリア」に気軽にご相談ください。法人の経営者や個人事業主の方など、合計30社以上が月に相談をしているサービスです。


また実際に相談した98.6%の方々に満足していただいているので、安心して相談していただけます。


ご自身で加入を検討される場合は、以下に建設業の一人親方に必要な法人保険を4つご紹介させていただきます。

  • 一人親方労災保険
  • 建設業総合保険
  • 建設工事保険
  • 労働災害総合保険
  • PL保険(生産物賠償責任保険)

①一人親方労災保険

まずは最初におすすめする保険は一人親方労災保険です。一人親方労災保険とは、労働局から承認を受けた組合が、組合員向けに提供している任意の労災保険です


まず労災保険は、本来企業の従業員が労働災害に遭った際に治療費などを補償してくれる制度のため、一人親方は補償を受けることができません


しかし同じ建設業を経営しているため、リスクについては企業として建設業を経営している方々と変わらないでしょう。


そのため国が建設業などの一人親方にも特別に、保険の加入が認められています。労働災害に関するリスクを回避するためにも必要な保険と言えるため、加入をおすすめします。


そんな一人親方労災保険では以下のような補償を受けることができます。

  • 労災認定された場合の治療費・入院費
  • 休業補償
  • 死亡した場合の葬式費用
  • 遺族補償 など

先ほども記述したように、こちらの一人親方労災保険は組合が提供しています。そのためご自身が加入する組合を選択する必要があります。また一人親方労災保険に加入する場合は、保険料とは別で、組合会員費を支払うこともあります。

②建設業総合保険

こちらは、1証券で建設業の一人親方がかかえるリスクをまるっと補償してくれる優れものの保険です。


建設中や輸送中だけでなく、引き渡し後の事故までカバーされます。


また、第三者に支払う賠償責任保険だけでなく、建築資材や足場、建築物自体の不足の事故まで補償してくれるのが特徴です。


また、付帯する特約によっては、情報セキュリティに関する事故を補償してくれるサイバーリスク特約や、自身が借用する事務所になにかあった場合の借家人賠償責任補償なども付帯することができます。


加入するメリットとしては、

  • 何から加入すれば良いかわからないときに、抜けもれなく加入することができる
  • 保険期間1年で設定されており、1年間に生じるすべての工事が対象となる
  • 工事を限定していないため、都度加入する手間を省くことができる
  • 単品で加入すると保険料が高くなるような補償を、特約で付帯することができる

加入するデメリットとしては、

  • 補償内容がパターンで決まっているため、不要な補償も包含されてしまう
  • 直近の年間完成工事高によって保険料が決まるため、場合によっては保険料が割高になる可能性がある


一人親方や個人事業主で、どれから加入すれば良いかわからない場合は、まるっと補償してくれる建設業総合保険が安心です。

③建設工事保険

建設工事は、住宅やビルなどの建築工事を対象とした保険です。上記の建設業総合保険と異なり、行う工事ごとに加入するというのが特徴となっています。

保険の対象は、建設工事の目的物や、資材、足場などが不測の事故により損壊した場合となり、工事期間中のみが補償されます。

加入するメリットとしては、
  • 対象工事ごとに加入するため、保険料が節約できる
  • 工事中に第三者に与えた賠償責任損害も、特約で付帯することができる
加入するデメリットとしては、
  • 対象工事の工事中は補償対象だが、工事終了後の事故については補償対象外
  • 工事ごとに加入する必要があるため、手間がかかる
建設工事保険は、工事ごとに加入の有無を決めることができるため、柔軟性があるのがポイントです。

例えば、元請けによって加入条件が異なる場合は、建設工事保険で工事ごとに加入する方が良い場合があります。

建設工事保険について詳しい内容を知りたい方は、以下の記事で解説しているのでそちらをご覧ください。

④労働災害総合保険

従業員がいる場合は加入が義務付けられている政府労災保険ですが、その上乗せの形で補償されるのが、各保険会社で加入できる、労働災害総合保険です。

労働災害総合保険は、法定外補償(死亡・後遺障害・休業補償)使用者賠償責任補償の2つの補償から構成されています。

加入するメリットとしては、
  • 個人事業主で従業員を雇用している場合、政府労災の不足分を補てんできる
  • 事業主本人も特約を付帯することで補償される
  • 従業員本人や、遺族から労災訴訟を起こされた場合の損害賠償金だけでなく、弁護士費用などの争訟費用も対象となる
  • 無記名式で契約できるものもあるため、従業員の入れ替え手続きなどの手間が省ける
加入するデメリットとしては、
  • 場合によっては保険料が高くなることがある
個人事業主の方で、従業員を雇用している場合は、こういった政府労災上乗せの保険への加入がおすすめです。

また、一人親方の場合は、政府労災に特別加入することで、業務遂行中や通勤中の労災事故が補償されますが、個人事業主の方は、ご自身では政府労災の対象外ですので、先ほど解説した、一人親方労災保険に加入することで補償を受けることができます。

こちらの労働災害総合保険についても別の記事で詳しく解説しているので、気になる方は以下からご覧ください。

⑤PL保険(生産物賠償責任保険)

PL保険(生産物賠償責任保険)は、工事完了後(仕事の結果)のみを補償対象とした保険です。

工事の施工不良が原因で、第三者にけがをさせてしまったり、モノを壊してしまった場合に補償されます。

加入するメリットとしては、
  • 保険期間1年で加入でき、工事ごとに都度加入する必要がなく手間が省ける
  • 訴訟費用や弁護士費用なども補償されるため、結果として賠償責任が生じなかったとしても、支出される費用もまかなうことができる
加入するデメリットとしては、
  • 補償される範囲が、工事完了後のみとなっているため、工事期間中は補償対象外
補償される範囲が限定されるため、工事期間中を補償してくれる、請負賠償責任保険や、施設賠償責任保険などとセットで加入することをおすすめします。

PL保険についても「ほけんROOM」では詳しく解説している記事を公開しています。気になる方は以下からご覧ください。

一人親方が法人保険に加入する方法

ご紹介した保険はすべて、法人だけでなく、個人事業主、フリーランスの方も加入が可能です。


万が一の事故で、事業継続だけでなく、自身の生活すら脅かされるような損害金を背負うことになるより、必要な保険にあらかじめ加入しておくことで、安心して作業ができるようになります。


保険は、保険会社によっても補償内容が異なります。ご自身の事業内容によって、補償内容をカスタマイズして加入されることをおすすめします。


保険の加入はお近くの保険代理店に相談して加入する方法もありますが、オンラインで法人保険のプロに相談できる「マネーキャリア」をおすすめします!


現在加入している保険とあわせて、補償内容に漏れがないか、気軽に相談することもできますので活用してみてください。

まとめ:建設業の一人親方に必要な法人保険について


建設業の一人親方や個人事業主の方は、全責任を一人で負うリスクを常に抱えています。


どんなに気を付けていても、防ぎきれない事故やリスクが様々ありましたね。


また、従業員を抱えている個人事業主であれば、従業員が安心して働ける環境を整備する必要があります。


この記事では、建設業の一人親方や個人事業主の方におすすめな保険を5つご紹介させていただきました!

  • 一人親方労災保険
  • 建設業総合保険
  • 建設工事保険
  • 労働災害総合保険
  • PL保険(生産物賠償責任保険)

それぞれに補償される範囲や、対象となる工事、期間が異なります。「ほけんROOM」では、それぞれの保険の特徴や補償内容を説明している記事も公開していますので、参考にしてください。

また「マネーキャリア」では法人保険や事業にリスク対策に詳しい専門家にいつでも安心して相談できるサービスを展開しています。

事業の事について少しでも不安がある方は「マネーキャリア」で是非、専門家にご相談ください。

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