
更新日:2023/09/14
建設工事保険とは?保険料や請負業者賠償責任保険との違いなどを解説

建設工事保険とは、住宅やマンションなどの建設工事中の損害を補償する法人保険です。この記事では建設工事保険の保険料や補償内容とは、火災保険との違いなどを解説しています。また法人保険や事業のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」をご利用ください。
内容をまとめると
- 建設工事保険とは、建設工事中に発生した損害に対する修復費用を補償する法人保険
- 「不測」かつ「突発的」な事故による損害が補償対象
- 保険料は工事期間、工事場所、建物の構造によって計算される
- 建設工事保険とその他の工事保険との違いは工事の対象や目的物
- 法人向けの火災保険との違いとは、保険の加入目的
- 請負業者賠償責任保険との違いとは、補償内容が違う
- 個人事業主でも建設工事保険に加入できる
- 建設工事保険に加入義務はないが、リスク管理の観点から加入するべき
- 法人保険や事業のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ

目次を使って気になるところから読みましょう!
建設工事保険とは?:建設工事中に発生した損害費用を補償する法人保険
建設業を経営している事業者の方にとっては不可欠の損害保険、建設工事保険についてはご存じですか?
建設工事保険とは、住宅、マンション、事務所ビルの建設工事中に起こった火災や作業ミス、盗難などの損害により発生した損害費用を補償する法人保険です。
こちらの記事では、建設工事保険について以下の内容を解説していきます。
- 建設工事保険の補償内容と補償の対象
- 建設工事保険の保険料
- 建設工事保険についてよくある質問
建設工事保険の補償内容と補償の対象
ここからは、建設工事保険の補償内容と補償の対象について解説していきます。また建設工事保険でもしもの事があった場合に受け取ることができる保険金についても解説していきます。
まず建設工事保険の補償内容は、建設工事中に起こった、「不測」かつ「突発的」な事故により発生した損害費用になります。この後補償の対象となる「不測」かつ「突発的」な事故について解説していきます。
そして建設工事保険の補償内容で重要な部分は工事中に発生した損害に限るということです。工事が完了し、引き渡した後に発生した損害については建設工事保険では補償できません。
そのため引渡し後に発生した損害を補償してほしい方は、PL保険などの別の法人向けの損害保険に加入する必要があります。
建設工事保険の補償対象
続いては建設工事保険において補償対象解説していきます。まず建設工事保険において補償の対象となる事故は以下になります。
- 火災・爆発
- 台風
- 暴風
- 落雷
- 地盤沈下
- 放火
- 盗難
- 作業ミスなど
このような事故や災害が発生した際に建設工事保険に加入していると保険金を受け取ることができます。
また以下が原因で発生した損害については補償の対象外になります。
- 寒気、霜、氷(雹(ひょう)を除く)または雪による損害
- 地震もしくは噴火またはこれらによる津波による損害
- 高潮、洪水、内水氾濫または豪雨による土砂崩れもしくは崖崩れによって生じた損害など
補償内容 | |
---|---|
水災危険担保特約 | 高潮、洪水、内水氾濫または豪雨による土砂崩れもしくは崖崩れによって保険の対象に生じた損害を補償 |
損害賠償責任担保特約 | 工事現場での保険対象の工事進行中や、被保険者が所有している施設や設備が起因となり、 他人にケガをさせたり、他人の財物を損壊したことにより、法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償 |
特別費用補償特約 | 保険金支払い対象となるトラブルの復旧作業に関して、残業代や休日・夜間勤務による割増賃金を復旧費として参入 |
荷卸危険補償特約 | 工事中に補償対象と認められた荷物を輸送用具から卸す際のトラブルに対応 |
建設工事保険の保険金額の決定方法
最後は、建設工事保険の保険金額の決定方法について解説していきます。建設工事保険では、以下の費用に対して保険金が支払われます。
- 損害に対する費用
- 損害に対し復旧などを行うために必要となる費用
内容 | |
---|---|
復旧費用 | 事故発生前の状態に戻すための復旧作業、あるいは修理のために要した費用 |
残存物価額 | 損害を受けて残った部分の価値 |
損害の拡大防止費用 | 損害の拡大を食い止めるための費用 |
控除額 | 保険契約時に予め設定した自己負担額 |
損害保険金=復旧費+損害の拡大防止費用ー残存物価額ー免責金額≦保険金額
控除額 | |
---|---|
火災・爆発・破裂・落雷が原因のトラブル | 0円 |
上記以外のトラブル | 10万円 |
建設工事保険の保険料とは?

- 工事期間
- 工事場所
- 建物の構造など
補償内容と保険料 | |
---|---|
工事期間 | 6カ月 |
建物の構造 | 鉄筋コンクリート造 |
工事の場所 | 東京都 |
請負金額 | 5,000万円 |
支給材料 | なし |
控除額 | 火災、落雷、破裂、爆発による損害:なし その他の原因による損害:10万円 |
損害賠償責任担保特約 | 対人賠償:5,000万円/1名、1億円/1事故 対物賠償:1,000万円/1事故 控除額:対人・対物共に1,000円 |
保険料 | 約16万円 |
建設工事保険に関連するよくある質問
ここからは、建設工事保険に関連するよくある質問について回答していきます。こちらの記事では、以下の質問について回答していきます。
- 組立保険や土木工事保険との違いは?
- 法人向けの火災保険との違いは?
- 請負業者賠償責任保険との違いは?
- 建設工事保険は加入義務がある?
①組立保険や土木工事保険との違いは?
最初の質問の組立保険や土木工事保険との違いとは?という質問に回答していきます。まず建設工事保険、組立保険、土木工事保険は全て工事保険の一種になります。
そのため保険の補償内容にそこまで大きな違いはありませんが、補償の対象となる工事の目的物がそれぞれ違います。
- 建設工事保険:住宅やマンションなどの建設工事
- 組立保険:機械や設備などの組立工事
- 土木工事保険:トンネルなどの土木工事

②法人向けの火災保険との違いは?
続いては、法人向けの火災保険との違いとは?という質問に回答していきます。建設工事保険と法人向けの開催保険の違いは、補償の対象が異なります。
資産保全の観点で言うと、同様の法人向けの損害保険になりますが、以下のような違いがあります。
- 法人向け火災保険:法人所有の建物などが補償対象の法人保険
- 建設工事保険:工事中に発生した損害を補償する法人保険

③請負業者賠償責任保険との違いは?
次は、請負業者賠償責任保険との違いとは?という質問に回答していきます。建設工事保険と請負業者賠償責任保険との違いは以下になります。
- 資産保全の法人保険と損害賠償に対する法人保険
- 補償内容の違い

④建設工事保険は加入義務がある?
それでは最後の質問の建設工事保険は加入義務があるのかという質問の回答をしていきます。結論を言うと、建設工事保険の加入義務はありません。こちらは一人親方で建設業を営んでる個人事業主の方であっても加入義務はありません。
しかし以下のような損害が発生した場合の損害費用は多額になることが多いため、建設工事保険に加入していなければ全額自己負担となるリスクがあります。
- 建設中の建物が放火により焼失
- 台風のため建設中の建物にひび割れが生じた
- 施工の欠陥により建設中の建物が崩壊
まとめ:建設工事保険の補償内容や保険料について解説
建設工事保険の補償内容や保険料、各種保険との違いについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
以下が今回の記事の簡単なまとめになります。
- 建設工事保険とは、建設工事中に発生した損害に対する修復費用を補償する法人保険
- 「不測」かつ「突発的」な事故による損害が補償対象
- 建設工事保険の保険料とは、工事期間、工事場所、建物の構造によって計算される
- 建設工事保険とその他の工事保険との違いとは、工事の対象や目的物
- 法人向けの火災保険との違いとは、保険の加入目的
- 請負業者賠償責任保険との違いとは、補償内容が違う
- 個人事業主でも建設工事保険に加入できる
- 建設工事保険に加入義務はないが、リスク管理の観点から加入するべき