更新日:2023/09/04
駐車場経営に必要な保険と物損事故など事業を取り巻くリスクを解説!
駐車場経営には、精算機から現金が盗難されるリスクなど、様々なリスクがあります。駐車場経営においてそのようなリスクを避けるために保険に加入することをおすすめします。また、事業のリスクや保険の見直しに関する相談は、「マネーキャリア」をご利用ください。
内容をまとめると
- 駐車場経営には、施設に関するリスクに取り巻かれている
- 上記のようなリスクを回避・軽減するために法人向けの保険に加入する必要があります
- 法人保険や事業のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ
- 駐車場内で当て逃げがあった場合は証拠を残しておき、適切な対応を取るようにしましょう
目次を使って気になるところから読みましょう!
駐車場経営を取り巻くリスクについて
駐車場経営を取り巻くリスクマップ
最初は、駐車場経営を取り巻くリスクにはどのようなものがあるのかを解説していきます。その後に、駐車場の経営において加入すべき法人保険の紹介をしていきます。
上記に掲載しているマップはリスクマップと言います。事業が抱えるリスクを可視化してマップにしているものです。リスクが発生する頻度とリスクが経営にどのくらい影響を与えるのかの2つの軸で構成されています。事象を財物リスク、人的リスク、経営リスク、賠償リスクの4つのカテゴリに分類しています。
今回のこちらの記事では、以下の3つのリスクを解説していきます。
- 施設の損害(発生頻度・高、リスク・中)
- 施設内・業務中の事故(発生頻度・中、リスク・中)
- 施設の老朽化(発生頻度・低、リスク・大)
①施設の損害(発生頻度・高、リスク・中)
まずは施設の損害についてのリスクを解説していきます。このリスクは発生頻度が非常に高いうえに、経営に与えるリスクも中程度となっています。したがって、軽視することはできません。
台風や突風などで設備が壊れてしまったり、看板が飛んで自動精算機にぶつかり破損したり、豪雪地帯では駐車場の屋根が雪の影響で破損する可能性も高くなります。また駐車場利用者が車でぶつけてしまい損害を与えてしまう可能性もありますし、当て逃げ損害も頻繁に起きます。
小さな損害でも頻繁に修繕費の支払いがあると利益につながらず、結果的に経営に与える損失が増える結果につながりますので、安定した駐車場経営をするためにも、充実した補償を受けられる企業向け保険に加入する必要があります。
②施設内・業務中の事故(発生頻度・中、リスク・中)
賠償事故に備えて企業保険に加入することをお勧めします。
③施設の老朽化(発生頻度・低、リスク・大)
最後に施設の老朽化について解説していきます。発生頻度は数年から十数年に一度程度なのでリスク程度は低めに設定していますが、一度老朽化が発生すると経営に与えるリスクは影響が甚大です。
駐車場経営も年月を経過していけば当然ですが、駐車場に設置している設備が老朽化していきます。何も対策をとることなく放置してしまうと、それだけで事故発生リスクが高くなります。
駐車場は野ざらしになっている場所も多いので、老朽化したゲートバーが急に折れて倒れてきたり、設置している看板が落下したり、破損した部品が飛び散って車を破損させるといった危険性がありますし、人に当たってしまうと大けがをさせてしまう可能性もあります。
このような事故を防ぐために、企業保険に加入することはもちろんですが定期的なメンテナンスをして設備の不具合を防ぐことも非常に大切です。さらに国土交通省では立体駐車場の安全対策のガイドラインをまとめています。
駐車場経営で実際に起こった事故・損害事例
こちらでは駐車場経営で実際に起こった事故・損害事例について説明していきます。今回紹介する事例は以下の3つになります。
- 看板落下による損害事例
- 現金の盗難事例
- 駐車場利用者などのトラブルに関する事例
駐車場経営をしていると、実際にそばに管理人がいない場合の事故が多く発生しています。自動精算機やロック板などの機械化が進んでいるために人を置く必要がないことから、事故やトラブルが発生しやすい傾向があります。
利用者にとっては便利な反面、管理する人が常駐しないために思いもよらない事故が発生しますので、いかにして未然に事故を防ぐかが課題になります。
事例1:看板落下による損害事例
まず最初に紹介する損害事例は看板落下による車に対する物損事故です。駐車スペース付近に看板があり、事故があった日は強い風の日でした。
通常、台風や強風は通常であれば保険事故としては扱われません。自然災害による事故は不可抗力として扱われ、保険は適用とはなりませんが、今回の事例の場合は、看板を固定しているボルトが取れていたにも関わらず、放置していた結果、強い風の日に看板を支柱が支えきれず落下したものです。
駐車場を経営している会社に損害賠償責任が認められたために、修理代は駐車場オーナーが支払うことになりました。
こういった事故を防ぐためには定期的に駐車場に設置している設備は不具合がないか確認しておく、万が一事故が起きた時のために企業向けの保険に加入しておく必要があります。国土交通省では駐車場設計施工指針を出していますので確認しましょう。
事例2:現金の盗難事例
次に紹介する事例は、現金の盗難事例です。自動精算機壊され中に入っていた現金が盗まれてしまいました。人がいないコインパーキングなどで多発する事例です。
深夜に精算機の料金収納ボックスをバールのようなものでこじあけ、中に入っている現金を窃盗団が盗んでいったものとなります。
この事例では防犯カメラの設置がありましたが、犯行を行った人の顔がはっきりせず、犯人をみつけることができませんでした。
現金が盗難されると、その日の売上がなくなってしまうだけではなく、精算機が使用不能となる場合も多く営業できないケースもあり、損失としては大きくなります。同様の事件は全国で発生しておりますが、犯人がなかなか見つからないというケースも多く防犯対策を強化する必要があります。
事例3:駐車場利用者などのトラブルに関する事例
最後に紹介する事例は駐車場利用者によるトラブルの事例です。基本的に利用者同士のトラブルは双方で解決することが原則ですが、一方で管理者である駐車場経営をしているオーナーにも責任が問われる場合があります。
駐車場にて駐車スペースから出ようとした車と、駐車場内の通路を走行していた車との接触事故が起きました。通常であれば、双方の車の保険を使って示談交渉していくケースですが、今回紹介するケースでは、駐車場管理者側にも過失を問われたケースです。
駐車場を作る際に業者との打ち合わせが不十分で、とにかく車を駐車するスペースを多く作ってしまったことが原因となった事故と判明しました。
このような無理な駐車場のレイアウトは、防犯対策の面でも危険性が高まりますので、業者との打ち合わせは念入りにして安全を考えることも大切です。
駐車場経営に必要な損害保険
ここからは、駐車場経営を取り巻くリスクを回避・軽減するための損害保険を紹介します。今回こちらの記事で紹介する損害保険は以下の3つになります。
- 施設賠償責任保険
- 動産総合保険
- 法人向けの火災保険
①施設賠償責任保険
②動産総合保険
次に動産総合保険について解説します。動産総合保険は、当て逃げでロック板が壊れた、ゲートバーが壊された、自動精算機が壊された、中に入っている現金が盗まれてしまったなどの事故に対応した保険です。
無人状態になりやすい駐車場では目撃者もいない、犯人を特定することが困難なケースも多いので、動産総合保険に加入してリスクを減らす必要があります。
気を付けなければいけない点として、減価償却があるので古い設備であれば新しい設備を購入する費用が全額もらえないこともある点です。
また、誤作動を起こして故障してしまったなどのミスについては保証されない場合もあるので注意が必要ですが、風災や雪害などにも対応する保険なので加入しておくといいでしょう。
動産総合保険についても詳しく解説している記事を既に公開しています。気になる方はご覧ください。
③法人向けの火災保険
さらに法人向けの火災保険にも地震保険を担保する地震拡張担保特約をつけることで、さらに安心することができます。
駐車場内で当て逃げがあった場合の対処法
駐車場で当て逃げがあった場合の対応はパターンが二つに分かれるのでポイントを押さえておきましょう。
まず、利用者の車が当て逃げ被害にあったと連絡がきた場合です。利用者にはすぐに警察に通報するようにお願いをします。そのうえで防犯カメラが設置されていれば、必要に応じて警察の捜査協力をしましょう。
設備に不備があった場合は、駐車場のオーナー側に責任が求められるケースがあるので、丁寧に対応しましょう。設備に問題がなかった場合は保証ができないことを丁寧に説明し理解を得る必要があります。
次のパターンは当て逃げで、設備が壊された場合です。このケースの場合も警察にまずは連絡をしましょう。何が壊されたのか、発見した時間はいつなのか、防犯カメラに何か写っていないかは必ず確認しましょう。そのうえで保険会社に連絡をし、対応を確認しましょう。
保険会社に連絡することなく、写真も撮らずに先に修理してしまうと補償を受けられない場合もあるので、必ず証拠を保全しましょう。
当て逃げは犯人が特定できないケースも多く、オーナー側で負担することも多くなるので、保険には必ず加入する必要があります。仮に犯人が見つかった場合も速やかに保険会社に報告をしましょう。
まとめ:駐車場経営を取り巻くリスクと損害保険
ここまで駐車場経営を取り巻くリスクや加入すべき損害保険の解説をしてきました。本日の記事の簡単なまとめは以下になります。
- 駐車場経営には、施設に関するリスクに取り巻かれている
- 上記のようなリスクを回避・軽減するために法人向けの保険に加入する必要があります
- 法人保険や事業のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ
- 駐車場内で当て逃げがあった場合は証拠を残しておき、適切な対応を取るようにしましょう