更新日:2023/11/14
カフェ・喫茶店経営に必要な保険と取り巻くリスクを徹底解説!
カフェや喫茶店には、提供した商品が食中毒の原因となり損害賠償責任を負うリスクなどがあります。そのためカフェ・喫茶店経営をしている方々は、保険に加入することをおすすめします。また、保険や事業のリスクに関する相談は、「マネーキャリア」をご利用ください。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- カフェや喫茶店を取り巻くリスク
- ①原材料価格の高騰(発生頻度・高、リスク・大)
- ②食中毒・衛生管理(発生頻度・高、リスク・中)
- ③設備の不備などによる事故(発生頻度・中、リスク・小)
- カフェ・喫茶店で実際に起きた損害事例
- 事例1:食中毒に関する損害事例
- 事例2:施設が起因となった損害事例
- 事例3:従業員のケガに関する事例
- カフェ・喫茶店での損害や事故リスクに備えるための保険
- ①PL保険(生産物責任保険)
- ②施設賠償責任保険
- ③店舗休業保険
- カフェ・喫茶店の経営においてよくある質問
- ①カフェ・喫茶店の開業でかかる費用と加入すべき保険
- ②個人事業主でも法人保険に加入することができるか
- まとめ:カフェ・喫茶店経営を取り巻くリスクと損害保険
目次
カフェや喫茶店を取り巻くリスク
経営を取り巻くリスクマップ
この記事では、カフェや喫茶店の経営を取り巻くリスクにはどのようなものがあるのかを解説していきます。その後に、カフェや喫茶店の経営において加入すべき法人向けの損害保険の紹介をしていきます。
上記に掲載しているマップはリスクマップと言います。事業が抱えるリスクを可視化してマップにしているものです。リスクが発生する頻度とリスクが経営にどのくらい影響を与えるのかの2つの軸で構成されています。事象を社会的経済的リスク、自然災害事故リスク、経営リスクの3つのカテゴリに分類しています。
今回の記事では、以下の3つのリスクについて詳しく解説していきます。
- 原材料価格の高騰(発生頻度・高、リスク・大)
- 食中毒・衛生管理(発生頻度・高、リスク・中)
- 設備の不備などによる事故(発生頻度・中、リスク・小)
①原材料価格の高騰(発生頻度・高、リスク・大)
まずは、原材料価格の高騰についてご紹介します。原材料価格の高騰は発生頻度が高く、カフェや喫茶店の経営に大きな影響を与えるリスクも高いです。
価格高騰は世界情勢に左右されることが多く、一個人での対処は困難です。新型コロナウイルスや戦争などで材料の運搬が困難になり、需要と供給のバランスが崩れると結果的に価格が上がります。
カフェや喫茶店のメニューに欠かせないイチゴやオレンジなどの果物、クリームやバターなどの乳製品、たまごや小麦粉など経営者の方は価格の高騰を肌で感じていると思います。
経営者の方は、商品の値上げや、材料仕入れ先との交渉、お店のサービス高上などの対応が必要です
②食中毒・衛生管理(発生頻度・高、リスク・中)
次に、食中毒と衛生管理について解説します。これらのリスクは経営者だけでなく、従業員という第三者が関わるため発生頻度が高まります。
しかし、問題が起きた後の対応をしっかり行えば経営が傾くほどのリスクはありません。
衛生管理を雑にしたり、従業員の教育をおろそかにすると食中毒や異物混入の発生リスクが高まります。集団食中毒など起こればお店の評価はグッと下がります。
お客様はお店に行く際には一度調べます。どれだけおしゃれなメニューや内装をしていても、お店の評価が低ければ当然足は運びません。
最悪の場合、食品衛生法や業務上過失致死の罪に問われる可能性もあります。一度法人保険への加入を検討することを考えてはいかがでしょう。
③設備の不備などによる事故(発生頻度・中、リスク・小)
最後に設備の不備などによる事故について解説します。こちらの発生頻度は上記の2つに比べると低く、カフェや喫茶店の経営に直結するようなリスクは低いです。
開業の際に、新築で建てたり、設備を新しく入れ替えていれば、基本問題は起こりません。しかし、開業費用を抑えようと既存の設備を利用する経営者も多いと思います。
万が一火事などが起こった場合、店舗の損害や隣接する建物の弁償・お客様への対応で設備投資を行うよりもコストがかかる可能性があります。
カフェや喫茶店の経営者は設備投資のタイミングも大切です。
カフェ・喫茶店で実際に起きた損害事例
ここからは、カフェや喫茶店で実際に起きた損害事例をご紹介します。紹介する事例は以下の3つです。
- 食中毒に関する損害事例
- 施設が起因となった損害事例
- 従業員の怪我に関する事例
カフェや喫茶店を経営するにあたって食中毒や火災、お客様や従業員の怪我などの事故は常に考えていなければなりません。実際に店舗での火災・食中毒・お客様や従業員の怪我は起きています。
これらの問題は、店舗設備の不備、行き届いていない衛生管理や教育、業務中の不注意などが原因にあげられます。
カフェや喫茶店などの飲食店には、全てが注意しなくてはなりません。衛生管理の徹底、設備の定時的な点検、従業員の安全意識の向上など問題を未然に防ぐために気をつけることが必要です。
それではこれから実際に起きた損害事例をご紹介します。明日は我が身と思いご覧ください。
事例1:食中毒に関する損害事例
1つ目の事例は、食中毒に関する損害事例のご紹介です。あるカフェで定食やカレーライスを食べた後、食事をした34人のうち32人もの人が腹痛や嘔吐を訴えました。検査を行った結果ノロウイルスによる集団食中毒と発表されました。
このカフェはその後、営業を自粛し保健所は3日間の営業停止処分としました。営業を自粛しても客足が元通りになるには時間がかかるでしょう。
今回問題になったノロウイルスは、牡蠣などの二枚貝に潜んでいることが多くカフェや喫茶店のメニューではパスタやピザに使用されることが多いでしょう。
食中毒を起こさないためには、手洗いの徹底や調理器具の消毒、日頃の体調管理などの対策を取らなくてはなりません。
事例2:施設が起因となった損害事例
2つ目に施設が起因となった損害事例をご紹介します。飲食店ではないのですが、ある社会福祉施設で火災が起き死者3名、負傷者7名、施設全焼と大きな被害を出した事例があります。
火災の原因としては、マッチやライターによるもので共用室のソファ付近からの出火と見られています。
当時仮眠室にいた職員が異音に気づき、確認しに行くと炎は天井まで上がり、横にも広がっていました。職員は消火器で火を消そうと試みましたが、消火はできず断念し走行中のトラック運転手に助けを求め借りた携帯電話で通報したそうです。
施設で事故を起こさないために、定期的な設備の点検や事故が起こった後の対応、事故を起こさないという従業員の心構えが大切です。
事例3:従業員のケガに関する事例
最後に従業員の怪我に関する事例をご紹介します。飲食店の従業員が床の油で足を滑らせ転倒した事例です。この従業員は転倒した後体を痛め2週間ほど出勤ができなくなりました。
転ばないと思っている飲食店の床ですが、業務中の転倒事故は報告事例の4分の1と決して少なくありません。業務中は刃物をいじったり、商品を運んだりと手元に集中し足元が見れていないケースが多いです。
転倒事故の原因には、滑りやすい床や滑り止めの付いていない靴、床の近くに置いてある保存容器につまずくなど様々あるようです。
転倒事故を起こさないためにまずは足元に注意しましょう。床の近くに置いてある容器は棚に入れたり、紐が引っかからないように紐靴は禁止するなど、細かいところから対策しましょう。
カフェ・喫茶店での損害や事故リスクに備えるための保険
ここからは、カフェや喫茶店の経営を取り巻くリスクを回避・軽減するための損害保険を紹介します。今回こちらの記事で紹介する損害保険は以下の3つになります。
- PL保険(生産物責任保険)
- 施設賠償責任保険
- 店舗休業保険
①PL保険(生産物責任保険)
最初はPL保険(生産物賠償責任)についてご紹介します。この保険は製造や販売した商品・製品をお客様に提供したとき、食中毒や異物混入があった場合・仕事の終了後、おこなった仕事が原因になり他人に怪我をさせたり、他人の物を壊してしまった場合の損害賠償責任をカバーしてくれる保険です。
【実例】
- カフェでパスタを提供した後、お客様が腹痛や嘔吐を訴え食中毒と診断された。
- 店内に飾ってある花瓶が割れ、割れた破片でお客様が怪我をしてしまった。
このようにPL保険(生産物賠償責任保険)は普段起こらないが万が一問題が起こってしまった場合に対応してくれる保険です。
一見店舗を持っているカフェや喫茶店の経営者向けの保険と思われますが、飲食物を提供する事業を経営する場合はどなたでも加入すべき保険と言えます。
食中毒や業務での事故は店舗だけに限った話ではありません。企業だけでなく個人事業主の方にも加入するメリットのある保険といえます。
PL保険について詳しい内容を知りたい方は、以下の記事で解説をしているのでそちらをご覧ください。
②施設賠償責任保険
次に施設賠償責任保険についてご紹介します。この保険は施設の安全性の維持や管理の不備、施設の構造上の欠陥、用法に伴う遂行が原因で他人を怪我させたり、他人の物を壊した場合の損害賠償責任をカバーしてくれる保険です。
【実例】
- 従業員が商品を提供するとき、お客様と衝突し怪我をさせた。
- 店舗の調理場から火事が起き隣接する建物や近隣の車両などに損害を与えた。
- 店舗のガラスが割れお客様に怪我をえさせた。
このように施設賠償責任保険は施設の火災などの事故や施設の物が壊れてお客様に怪我などをさせたりした場合に対応してくれる保険です。
店舗の火災やガラスの割れ、ブロック塀が崩れたなどそうあることではありませんが事故が起こってしまうと大惨事になります。施設の設備の不備で事故が起こった場合、店舗側に責任が問われる可能性があります。
施設賠償責任について詳しい内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
③店舗休業保険
カフェ・喫茶店の経営においてよくある質問
ここでは、カフェや喫茶店の経営者の方から多く寄せられる質問について解説していきます。今回解説する質問は以下の2つになります。
- カフェ・喫茶店の開業でかかる費用と加入すべき保険
- 個人事業主でも法人保険に加入することができるか
①カフェ・喫茶店の開業でかかる費用と加入すべき保険
カフェや喫茶店の開業には大きく「移動式・自宅開業型・独立店舗型」の3つの事業スタイルがあります。それぞれのスタイルによって開業資金は異なりますが、平均すると600万円〜900万円ほど必要になります。
あくまでこの金額は目安であり、車をすでに所持していたり、店舗の内装をDIYするなど個人によって費用は大きく異なります。
ですが、どの事業スタイルにも共通して言える事は最悪の事態を避けるために保険に加入した方が安心という事です。
カフェや喫茶店を開業したものの、火事や盗難・物損・食中毒や異物混入など悩みのタネは尽きません。不安を少しでも解消するために保険への加入を検討してはいかがでしょうか。
【保険実例】
- お客様への賠償責任保険
- 大切なお店を守る店舗総合保険
- 休業になった場合の保障は店舗休業保険
②個人事業主でも法人保険に加入することができるか
カフェや喫茶店の経営については個人事業主として事業を経営している方も多いでしょう。そこで先ほど紹介した法人保険が個人事業主として加入できるのかという質問がよく寄せられます。
結論から言うと、個人事業主であっても法人保険に加入することは可能です。保険金や保険料の決定についても法人の場合と同じです。そのため加入したい法人保険がある場合は保険会社に問い合わせることで加入することができます。
またどの法人保険が自身のカフェや喫茶店に必要なのかを予め知っておきたい方は、「マネーキャリア」をおすすめします。気になる方は相談のお申し込みをしてください。
まとめ:カフェ・喫茶店経営を取り巻くリスクと損害保険
ここまでカフェや喫茶店の経営を取り巻く潜在的なリスクとそれらのリスクを回避・軽減するための損害保険の紹介をしました。以下が今回の記事のまとめになります。
- カフェや喫茶店の経営には食中毒や衛生管理に関するリスクなどがある
- そのようなリスクを回避・軽減するために法人向けの損害保険に加入する必要がある
- 事業の経営を取り巻くリスク対策や保険に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ
- カフェや喫茶店を開業するには、600万~900万円ほどが必要になる