小規模企業共済をシミュレーション!実際の税効果はどれくらい?

小規模企業共済への加入は法人の税金対策としておすすめできる制度ですが、実際に小規模企業共済に加入すればどれだけの金額を税効果があるかをシミュレーションしたいと思われることでしょう。今回はそのシミュレーションを実践する方法とその結果を紹介していきます。



▼この記事を読むべき人
  • 小規模企業共済の加入を検討している方
  • 小規模企業共済の税効果について詳しく知りたい方
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内容をまとめると

  • 小規模企業共済は法人におすすめできる制度
  • 小規模企業共済は長期投資できる資金に余裕があれば大幅な税効果と高い返戻率が期待できる
  • 小規模企業共済で受け取れる共済金額は簡単にシミュレーションできる
  • 実際にどれだけの金額の税効果があるか計算してほしい専門家に相談したいと考えている方は、マネーキャリアの利用がおすすめ!最適なプランを無料オンライン相談で提案してくれます!

小規模企業共済をわかりやすくシミュレーション!


この記事をご覧のあなたは、小規模企業共済に加入するとどれだけ税効果があるかについて知りたいと思っておられるかもしれません。


小規模企業共済は積立と税金対策を両立しながら老後に備えられるしくみだというのはわりと有名です。


しかし、実際にどれだけの金額が税効果があるかが分からないと加入を決断できない、と考えている方も多いでしょう。


そこで今回は、

  • 小規模企業共済への加入をシミュレートすると、いくら税効果があるのか?
  • 小規模企業共済の共済金はどのように決まる?
  • 小規模企業共済の共済金受け取りにはどれだけ税金がかかる?

以上の点について取り上げます。


この記事をお読みいただければ、なぜ個人事業主やフリーランスの方に小規模企業共済がおすすめできるのかを、シミュレーションの結果から実感してただけるでしょう。


ぜひ最後までご覧ください。

実際に使ってみた加入シミュレーションの結果を紹介!


さっそく、小規模企業共済でどれだけ税効果があるのかをシミュレーションしていきます。


まず条件を次のように設定し、

  • 現在の年齢:30歳0カ月
  • 脱退年月(共済金受取り見込み):2056年4月(35年後)
  • 掛金月額:50,000円
  • 課税所得金額:500万円
以上の条件で将来受け取れる共済金額をシミュレーションしてみると、
  • 共済金A(事業廃止等):25,254,000円
  • 共済金B(老齢給付等):25,254,000円
脱退を想定している65歳ではこれだけ受け取れることになります。

では実際にどれくらいの税効果があったのか、次の加入前と加入後の税額を比較した表ご覧ください。

所得税住民税合計
加入前584,500円505,000円1,089,500円
加入後462,000円445,000円907,000円
このシミュレーション結果では、加入前と加入後での税額は、年間で「182,500円」の差が出ました。

シミュレーションでわかること

シミュレーション結果では、大幅な税効果と高い返戻率が達成されています。


共済金に関しては、支払った掛金の合計額が「2,100万円」なので、返戻率は「173%」を達成しており、これはどのような貯蓄型の保険商品と比較しても高い返戻率となっています。


数字はあくまでシミュレーションであり将来税制が変更されれば大幅に変わる可能性がありますが、現時点ではこれだけの返戻率が期待できる、ということになります。


ただし35年間で一度も漏れなく支払い続けるというのが大前提であり、小規模企業共済の特性上、加入後20年に満たずに解約してしまうと元本割れとなってしまいます。


日本の情勢が大きく変動する可能性もあるため、必ずしもシミュレーション通りにいくわけではない、ということを念頭に置いておくべきでしょう。

税効果は実際にどれくらいある?

今回のメインテーマである「税効果」に関してですが、あくまでこの条件下では年間でおよそ「18万円」、35年で単純計算してみるとおよそ「650万円」ほど、税金支払が抑えられることが分かりました。


この条件では課税所得金額が500万円となっていますが、小規模企業共済においては課税所得金額が大きい人ほど高い税効果を得られます。


逆に、課税所得金額が少なく現段階で税金がほとんど発生していない方にとってはメリットが薄くなります。


これだけ見ると多くの利益を出している個人事業主などにはメリットしかないようにも見えますが、あくまで毎月「5万円ずつ」支払う能力があることがやはり大前提となります。


積立や税務メリットだけに気を取られて今現在の経済状態が苦しくなってしまっては意味がありませんので、得られるリターンとコストが見合っているかどうか考えるべきです。

加入シミュレーションの使い方


この結果を見て、これから小規模企業共済への加入を考えている方も、実際にシミュレーションしてみたいと思われたことでしょう。


シミュレーションは、「中小機構」の公式ホームページから行うことができます。


シミュレーションに必要な情報は、

  • 現在の年齢
  • 脱退年月(共済金を受け取りたい年)
  • 毎月の掛金(1,000~70,000円)
  • 課税所得金額
これらの情報です。

毎月の掛金は7万円まで、500円刻みで設定できます。

小規模企業共済における共済金の受け取りは原則65歳以降なので、「脱退年月」は自分が65歳以上である年月を入力する必要があります。

共済金の決まり方と計算例


小規模企業共済で満期に受け取れる共済金は、

  • 基本共済金:小規模企業共済法施行令に基づく金額
  • 付加共済金:基本共済金にプラスされる共済金
この2つの合計額となります。

それぞれどのように計算されるのかを紹介していきます。

①基本共済金

基本共済金は、

  • 掛金月額500円(一口)あたりの額 ✕ (掛金月額 ÷ 500)
このような計算式で求められます。

なぜ掛金月額を500で割っているのかというと、掛金のうち500円を1口と計算するので、その口数を求める必要があるからです。

「掛金月額500円(一口)あたりの額」は、「小規模企業共済法施行令」で定められており、掛金を支払う月数の部分を参照します。

記事の最初に挙げた条件に当てはめてみると、支払い月数は「420カ月」で一口あたりの金額が「252,540円」になるので、

252,540 ✕ (50,000 ÷ 500) = 25,254,000

このような計算となり、シミュレーション結果と合致します。

②付加共済金

付加共済金は次の2つに分類され、

  1. 基準月ごとの付加共済金額
  2. 脱退端数月分の付加共済金額
これらの合計額が付加共済金額となります。

基準月」とは、掛金納付36カ月目以降の12カ月ごとに区切られた(48、60、72…)月のことで、「脱退端数月」とは、基準月から脱退月まで数えた場合の月数のことです。

1の計算式は、
  • 基準月の仮定共済金額 ✕ 支給率
この計算式で求められ、2の計算式は、
  • 脱退時の基本共済金額 ✕ 支給率 ✕ (脱退端数月 ÷ 12)
このようになります。

なぜ計算式だけ紹介したのかというと、この付加共済金が支払われたのは平成30年だけであり、31年度は例年通り「支給率」が0になっているので、付加共済金は支払われません。

たとえ支払われることがあるとしてもこのように計算式が複雑なので、共済金計算は自力で計算するのではなくシミュレーションを利用することをおすすめします。

小規模企業共済で共済金を受け取ったときの税金はいくら?


小規模企業共済は共済掛金を損金算入することが可能ですが、受け取る共済金には所得税や住民税といった税金がかかります。


どのように受け取るかによって金額が変わるのですが、実際にどれくらい変わるのか、

  • 加入年数:35年
  • 共済金額:25,250,000円

こちらの条件で受け取る場合の税額例を、次からご覧ください。

一括受取の場合

小規模企業共済の共済金を一括で受け取った場合、基本的には「退職所得」という扱いになります。


まず税率にかかる、見かけ上の退職所得額は

  • (共済金額 ー 控除額) ÷ 2

以上の計算式で求められます。


さらに控除額は、次のようなルールがあります。

年数退職所得控除額
20年以下40万円✕年数 ※
20年を超える800万円+70万円✕(年数-20年)

※計算結果が80万円に満たない場合も80万円を控除額とします。


所得控除になる金額を計算してみると、

8,000,000 + 700,000 ✕ 15 = 18,500,000

「1850万円」が所得控除額となるため、あとは元の共済金額から差し引いて計算すると

(25,254,000 ー 1,850,000) ÷ 2 = 3,377,000

このようになり、この金額をもとに

  • 所得税 = (退職所得 ✕ 税率 ✕ 控除額) ✕ 1.021
  • 市民税 = 退職所得額 ✕ 0.06
  • 県民税 = 退職所得額 ✕ 0.04
上の条件で税率計算をしてみると、
  • 所得税:253,105円
  • 住民税:202,600円
  • 県民税:135,000円
合計で「590,705円」が小規模企業共済の共済金にかかる税金となります。

もとの共済金額から税金を差し引くと、「24,663,295円」が共済金一括受取での金額となります。

年金受取の場合

小規模企業共済の共済金を分割(年金受取)にした場合、かかる税金は公的年金などと同様の「雑所得」となり、確定申告が必要となります。


また、分割で受け取る場合は

  • 共済金額が300万円以上であること
  • 受取時に60歳以上であること
これらの条件を満たしている必要があります。

まず同条件で分割共済金として受け取れる金額をシミュレーションしてみると、

  • 10年分割:441,945円
  • 15年分割:303,048円

1回あたりの共済金額はこのようになり、この金額を2カ月ごとに受け取ることになるため、
  • 10年分割での受取合計額:26,516,700円
  • 15年分割での受取合計額:27,274,320円
この金額が課税所得額となるので、最終的な金額を計算してみると、
  • 10年分割の源泉徴収後:24,561,700円(控除額:1,955,000円
  • 15年分割の源泉徴収後:25,319,320円(控除額:1,955,000円
上記が小規模企業共済における分割での税金と共済金受け取り総額になります。

まとめ


今回は小規模企業共済のシミュレーションについて取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事では、

  • 小規模企業共済のシミュレーションでは20万円弱の税効果となった
  • 小規模企業共済の共済金は「基本共済金」と「付加共済金」の合計額
  • 小規模企業共済の共済金の税金は「一括」と「分割」どちらで受け取るかによって異なる

以上の点です。


これから小規模企業共済への加入を考えている方は、ぜひご自身のケースを当てはめてシミュレーションしてみましょう。


小規模企業共済の加入を検討している方や疑問点がある方はマネーキャリアへご相談ください。マネーキャリアでは何度でも無料で相談可能です。この機会に利用してみてはいかがでしょうか。


ほけんROOMではこの記事以外にも役に立つ法人保険の記事を多数掲載していますので、ぜひそちらもご覧ください。

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