航空機のリースで税効果!仕組みやメリット・リスクを解説

法人が税金対策を行ううえで「航空機リース」における、高い減価償却費に伴う多額の損金算入を用いる方法を考えるのは良いことです。航空機リースを利用するとどのようなロジックで節税が可能なのか、メリットとデメリットなども合わせて紹介していきます。

▼この記事を読むべき人
  • 航空機リースで節税ができる仕組みを知りたい方
  • オペレーティング・リースについて知りたい方

▼航空機リースによる節税を検討するべき人

  • 突発的な利益が出たため節税したい方
  • 資産が1億円ありベストな運用方法を検討している方

内容をまとめると

  • 航空機リースへの投資を利用すれば、突発的な利益が出た年でも利益の繰延が可能
  • 航空機リースは数年で減価償却が可能なので損金算入額も高い
  • 航空機リースは一括払いできる余裕があれば、財務にも優しい運用方法である
  • 航空機リースは法人保険との違いを理解すれば、両方を組み合わせることも可能
  • 実際にどれだけの効果があるのかメリットやデメリットなどについてさらに詳しく知るために専門家に相談したいと考えている方は、マネーキャリアの利用がおすすめ!節税できる最適なプランを無料オンライン相談で提案してくれます!
監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

航空機のリースを活用するための基礎知識をわかりやすく解説!


この記事をご覧のあなたは、航空機のリースについて調べておられることでしょう。


「航空機リース」について既に知っているかもしれませんが、なぜ税効果を得られるのか、ロジックが分からず悩んでいるかもしれません。


そこで今回は、

  • 航空機リースでなぜ税効果が得られるのか?
  • 航空機リースのメリットとは?
  • 航空機リースに潜むリスクとは?
  • 航空機リースを利用する条件とは?
  • 航空機リースは法人向け保険と併用できる?
以上の点について取り上げていきます。

この記事をご覧いただければ、自分にとって税金対策として、航空機リースが最適なのかどうかを判断するための知識が付くでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

航空機リースの仕組み |利益を繰り延べるためのスキーム

課税所得を下げるための方法はいくつかありますが、その有用な方法の一つが今回取り上げる「航空機リース」を用いる方法です。


航空会社には航空機が必須ですが、いざ航空機を新品で購入しようとすると小型機でも5、60億円を下らないので、リース会社からリースしようとします。


そこで用いられるのが「オペレーティングリース」という手法であり、

  1. リース会社が投資家の投資先となる「匿名組合」を作る
  2. 受けた投資金と銀行からの融資によって、リース会社名義で航空機を購入する
  3. 購入した航空機を、10年ほど航空会社へリースする
  4. 貸し出した航空機を数年で減価償却(定率法)する
  5. 航空会社から受け取るリース料で、銀行への返済を行う
  6. リース期間満了時に航空機を航空会社へ売却し、投資家に資金が分配される

このような手順を踏みます。


たとえば、会社で大きな利益が出た年に航空機リースに出資すると、多額の損金が計上されて益金が打ち消されるので課税所得金額が低くなり、大きな節税となります。


最初のうちは所有権がある航空機の減価償却費と利息で赤字になりますが、銀行から融資を受けての航空機購入であるためたった2、3年で減価償却が完了し、リース期間の後半は黒字になります。


資金を回収するために航空機は最終的に航空会社へ売却されて、売却金は投資家に分配されるため、その売却金が益金に勘定されることになり、本来は結局トータルで同じくらいの税金がかかってしまいます。


そこで、役員の退職金や事業費、その他旅費やイベント費用など多額の費用が発生する年に、航空機売却での益金が増える年をぶつけることで、再度課税所得を減らします。


これが航空機リースにおける「利益の繰延」を用いた節税法であり、投資によって利益を出すことが目的ではありません。

航空機リースのメリット


まずは航空機リースで節税できる仕組みについて紹介しましたが、そもそもなぜ航空機リースを選ぶのか、その具体的なメリットについて見ていきましょう。

①節税効果が高い

航空機リースは、出資額が億単位と多額になるため、とりわけ利益が多い年に投資を行うことで多額の損金が計上されます。


航空機の減価償却には「定率法」が用いられるため、リース期間の前半、特に初年度は非常に大きい減価償却費がかかることになり、

  • 1年目:80%
  • 2年目:20%

たとえばこのように損金算入率が高くなります。


もちろん最初に税金が下がっても将来に利益を繰延しただけなので出口対策を行う必要がありますが、他のどのような金融商品を利用するよりも効率良く活用できます。


航空機が非常に高額であり、かつ10年後でもほとんど固定資産としての価値が下がらないためこの仕組みが実現しています。

②一括で支払えるため財務計画が立てやすい

航空機リースは一度に多額をリース会社へ出資するやり方であるため、会社の財務計画が立てやすくなります。


論理的には、初年度に1億円を一括で支払っても、10年後にそれがそのまま返ってくるというイメージで良いでしょう。


法人向け保険では毎年掛金を支払う必要があるため、それこそ1年ごとに状況判断をしなければなりませんが、航空機リースにはそれがありません。


もちろん「1億円を1度に出資できる」ほど資金に余裕があることが大前提となりますが、それができれば経理面でもメリットの大きい方法となります。

航空機リースで税務対策をするときに知っておくべきリスク


ここまでは航空機リースにおけるメリットを紹介してきましたが、たとえ可能性が低くても必ず把握しておかなければならないリスクがいくつかあります。

①航空機リースに関わる会社の倒産リスク

航空機リースはリース料を航空会社から受け取れることが大前提ですが、もしその航空会社が倒産すると資金が回収できなくなるかもしれません。


リース先が倒産した場合は他の航空会社へ再リースすることも可能ですが、最初の航空会社と同額でリース契約が結べるとは限らず、投資家への分配金が下がる可能性もあります。


このリスクを回避するためには、やはりリース先となる航空会社の見極めが重要であり、

  • 財務状況は安定しているか?
  • 新規参入など先行き不透明な航空会社ではないか?
必ずこのような要素が考慮される必要があります。

②残存価格より少ない価格でしか売却できないリスク

航空機はリース期間満了後に航空会社に買い上げてもらうのが一般的な「オペレーティング・リース」の流れですが、必ずしも当初想定していた金額で売却できるとは限りません


そもそも、リース満了時に航空会社が航空機を買い上げるのはあくまで「一般的」なだけで規則ではないため、買い上げを強制できません。


経済状況が厳しくて倒産寸前であったり、そもそもすでに倒産しているような状況であれば、たとえ3割程度での購入選択権が付帯されているリース契約であっても、例外は起こり得ます。


航空会社へ売却できない場合は、他の航空会社などに中古で売却するなどの回避策があります。


そもそも航空会社にとっては原価の3割程度で買い上げられるのでメリットが大きいですし、購入しない場合は完全な状態でリース会社に返還しなければならないため、売却できずに資金回収が不能になる可能性自体は低いです。

③インフレリスク

次に挙げるリスクは、航空機リースへの出資が「外貨建て」であることによる、為替リスクです。


航空機はたいてい海外メーカーから購入するため、投資通貨は米ドルなどの外貨建てになります。


そのため売却時点で購入時よりも円高になれば、たとえ高く売れても手元に入ってくるお金が想定より少なくなる可能性は十分考えられます。


いま現在発生している問題が新型コロナウイルスの影響による需要減であり、今後同様の事態が発生して航空機自体の価値が下がるようなリスクはだれにも否定できません。


すぐに「飛行機を誰も使わない」ような状況になるような可能性は限りなく低いですが、円建て商品が希少である航空機リースには、少なからず元本割れのリスクが存在します。

④益金が早く発生するリスク

航空機リースはリース期間満了時に航空会社に売却することで益金が計上できますが、それより早い段階で益金が発生することがあります。


めったにない事例ですが、万が一航空機が墜落するような事故が起きた場合、契約時点で保険を掛けておくため航空機の価格以上の保険金が保険会社より支払われることになりますが、そのお金は収益であるため益金として計上されてしまいます。


そうなると当初予定していた「退職金などで損金を多く出して売却による益金を減らす」計画が狂ってしまいます。

⑤航空機が関わった事故による損害賠償などの追加出資のリスク

前例で挙げた墜落事故もそうですが、航空機が事故を起こして被害者が出た場合、その被害者から航空機の所有者である組合側に損害賠償を請求される可能性があります。


リース会社はリース契約時に保険加入するため第三者から損害賠償請求されても保障を受けられますが、損害賠償額が保障額の上限を超えてしまうようなケースでは、投資家に対して追加出資が求められる可能性はあります。


飛行機が墜落するような事例と同様、そうなる可能性自体はかなり低いためあくまで可能性の話になりますが、リスクとして存在することだけは把握しておきましょう。

⑥損金算入に関する税制変更のリスク

今回紹介しているような航空機リースによるスキームは、今後の法改正により利用できなくなる可能性があります。


現在この租税回避方法は当然違法にはあたらず脱税にはあたりませんが、法人向け保険を用いた節税法のようにグレーな手法であるのは確かであり、現に保険での節税は規制され続けています。


今後法律が変わるようなことがあっても遡及されるようなことは考えにくいですが、絶対ないとは言い切れません。


現在の税制では法人であれば租税回避が否認されたケースはありませんが、個人で否認された事例はあります。

⑦会社のキャッシュフローが悪化するリスク

航空機リースは、中途解約ができません


いわゆる「クーリングオフ」も不可能なので、いざ投資した後に「解約するから投資したお金も返してほしい」は通用しません。


投資するということは、どれだけ将来に投資したお金が返ってくると約束されていても、「投資時点」で多額のキャッシュが減っていることには変わりないため、たとえ一時的にでもキャッシュフローは悪化します。


投資したことによって経営状態が悪化してしまうような会社、そもそも投資に回せるような余剰資金がない会社は、そもそも航空機リースに手を出すべきではありません。

航空機リースを活用するための条件


航空機リースは余剰資金がある場合に限られる、というのは前述したとおりですが、その他にも求められる条件はあるのでしょうか。


求められる条件をまとめると、

  • 法人である(個人投資家は✕)
  • 余剰資金が1億円以上ある
  • 経常利益が3,000万円以上である
このようになります。

投資とはいえ最低でも10年は大金を「預ける」状態になるため、1億円以上の余剰資金があり、プロのアドバイスのもと見積もりを行っても問題がない会社が行うべきです。

経常利益を3,000万円としているのは、航空機リース相場の底値が3,000万円程度だからであり、突発的な収益を含めた経常利益が3,000万円以上であるならば利用するメリットは高くなります。

法人向け生命保険を組み合わせて活用する方法


ここまで取り上げたように、航空機リースへの出資は多額の損金を計上できるため有用な方法ですが、法人が課税金額を減額するために行える方法はこれだけではありません。


たとえば、「法人向け生命保険」を用いた方法がありますが、どちらのやり方がおすすめなのでしょうか。

航空機リースと法人保険の比較

航空機リースはリース会社に「投資」をすることで損金算入しますが、法人向け生命保険の場合は投資ではなく、多額の「保険料」を仕払うことでその分を損金算入します。


保険料は一括ではなく毎月支払う必要があるため、 一度に損金算入できる金額が限定されるというデメリットがありますが、逆にいえば最低でも3,000万円もの資金を用意できない会社でも実践できる節税方法です。


また生命保険はいつでも解約できるため、多額のキャッシュを失うリスクは軽減されます。


航空機リースと法人保険を「A~C」の3段階で比較した次の表を、参考程度にご覧ください。

法人向け
生命保険
航空機リース
節税額B
航空機リースほど損金算入できない
A
初年度の損金算入額が大きい
リスク回避A
途中解約ができる
B
途中解約できない
キャッシュフローB
支払いが分割な分、財務が煩雑に
B
一括支払のため、余剰資金に余裕が必要
将来性C
保険での節税は規制され続けている
B
今後規制される可能性はある

航空機リースと生命保険を組み合わせた活用方法

どちらにも長所と短所がある航空機リースと法人向け生命保険、この両方を組み合わせて節税することは可能です。


すでに挙げたように損金算入できる金額が両者で異なるため、経営は安定しているが余剰資金にそこまで余裕がない場合は法人向け生命保険で対策し、余剰資金が多い場合や突発的に多額の利益が出た場合は航空機リースを利用するなど、お互いの特徴を生かして棲み分けすることは可能です。


ただし、やはりどちらも利益を出すために行うのではなく、あくまで現在課税されるはずの法人税を繰延することが目的であることを忘れてはいけません。

新型コロナウイルスで多くの企業の航空機リース事業が悪化


「インフレリスク」のところでも触れましたが、現在進行形で続いている新型コロナウイルス感染症の影響は、航空機リース事業にとって少なくとも向かい風となっています。


ある航空機リースを手掛ける企業の決算報告によると、感染症の影響で60億円以上の減益となり、航空機リースだけで見れば120億円の減益となっています。


利用客が減少したことで収益も減り、リース料による収入が減少したり航空機発注のキャンセルなどの要因が重なったことが原因のようです。


今後感染が収束し経済状況が回復すれば利用客も増え、リース事業も回復することが予想されますが、現在は見通しを立てるには未だ早計すぎる状況であるため、航空機リースを考えている方は専門家の意見を聞きながら、慎重に判断する必要があるでしょう。

まとめ


今回は航空機リースについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 航空機リースは投資により多額の損金算入を行い、利益の繰延をすることで課税金額を減額することが可能
  • 航空機リースは一括で支払いできるなどのメリットがある
  • 航空機リースは途中解約ができない、為替リスクによる元本割れなどのデメリットがある
  • 航空機リースは「法人」であり余剰資金が1億円以上あることが推奨される
  • 航空機リースと法人向け生命保険を組み合わせて活用することは可能
  • 新型コロナウイルスの影響は決して小さくないため、決断は慎重になるべき

以上の点です。


あくまで合法的に、そしてどのように効率よく節税するかは企業にとって決して低くないハードルですが、手段があることを知っておくだけで選択肢の幅は広がります。


この記事を見て航空機リースに興味を持ったなら、享受できるメリットについてぜひFPなどのプロと話し合ってみてはいかがでしょうか。

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ほけんROOMでは、この記事以外にも役に立つ法人保険の記事が多数掲載されていますので、そちらもぜひご覧ください。

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