コンテナ(倉庫・ボックス)の活用方法!メリットや仕組みを解説



▼この記事を読んで欲しい人
  • コンテナリースで法人の活用を考え中の人
  • コンテナリースの仕組みを知りたい人
  • コンテナリースが抱えるリスクを知りたい人
  • コンテナリースに限定せず法人の活用を考え中の人
▼コンテナリースによる節税をするべき人
  • 経常利益が1,000万円以上ある人
  • キャッシュで5,000万円以上の余裕資金がある人
  • 自社株対策を必要としている人
どの会社にもリースによる節税をするべきとは言えません。ご自身の会社に最適な活用方法をマネーキャリアで探してみてください!

内容をまとめると

  • 出資金が初年度に70〜80%、2年目に残りを損金にできる
  • キャッシュフローが立てやすい
  • リースに関わる企業の倒産、コンテナの売却価格、損害賠償などのリスクを抱えている
  • 出資の際は為替レートの変動に注意が必要
  • コンテナリースは十分な資金がある法人が利用できる
  • 航空機リースと比較するとコンテナリースの方が手軽に始めやすい
  • コンテナリースと合わせて法人保険の利用もおすすめ
  • 資金繰りに関しては、リスクマネジメントのプロに相談することが重要

コンテナ(倉庫・ボックス)リースについて経営者が知っておくべき基礎知識


法人が節税を行う方法のひとつとして、オペレーティングリースの仕組みを活用したコンテナのリースが挙げられます。

大きな金額を一気に損金にできることから、突然の利益に対する税金対策として好まれています。

本記事では主に、

  • コンテナリースの仕組み
  • 利用するメリット
  • 考えられるリスク
  • コンテナリースを活用する条件
  • 航空機リースとの違い
  • 法人保険を使った税金対策との比較

以上の点を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ほけんROOMではこの他にも、法人保険に関する様々な記事を掲載しているのでぜひ参考にしてください。

コンテナリースの仕組み |利益繰り延べのスキーム


コンテナリースとは、


  • 大金を短期間で損金算入できる
  • 期間の満了後には同等以上の益金が発生する


という利益繰り延べのスキームです。


最初に一括で資金を投入し、70〜80%を初年度に、残りを2年目に損金算入を行うことで、大きな税務効果が得られます。


海上コンテナへの投資を行う場合はリース期間が7年です。


そのため7年間は利益の繰り延べが可能になります。


以上のような点から、突然の利益に対しての税効果として人気です。


流れを簡単に説明します。


  1. コンテナの買い上げ
  2. 匿名組合(ファンド)を立ち上げる
  3. 銀行からお金を借りる
  4. 海運会社やサブリースからリース料を得る
  5. 投資家を募る
  6. 投資家へリース料・減価償却を出資額に応じて分配する
  7. 海運会社によるコンテナの買い上げ(期間満了後)


簡単に説明すると、コンテナのリース料と売却の際のお金で利益を得るというイメージです。

コンテナリースをするメリット


コンテナリースは課税金額を減額出来ることから、しばしば活用されています。


投資と聞くとどうしても、難しくて高リスクなイメージがありませんか?


しかし実は似たような手法の税金対策と比較すると、比較的リスクの少ない方法なんです。


本章ではコンテナリースを行うメリットを解説します。

①税効果が大きい

コンテナリースは、税効果が大きいという点が一番の魅力です。


コンテナリースでは、資金を一括で投入します。


その際に投入した資金のうち初年度には、70〜80%程度が損金算入できるのです。


2年目には残りの分を損金算入できるため、約2年で経費化が可能になります。


そのため突発的な利益上昇などへの対策として、高い損金算入率は非常に魅力的です。


他の金融商品ですと、大体20〜50%しか損金算入できません。


この点からいかにコンテナリースが損金参入率に優れているか、お分かりいただけるのではないでしょうか。


費用は1,000万円から数億円のため、節税したい分だけ出資をしましょう。

②キャッシュフローの計画が立てやすい

コンテナリースでは最初に資金を一括投入します。


一方生命保険などで税を考える場合は、毎年掛け金を支払わなければなりません。


そのためどうしても、


  • 翌年度以降の資金は確保できるか
  • 十分な利益が得られるのか


といった不安が付いて回ります。


しかしコンテナリースの場合は初年度に一括投入するため、毎年支払いが発生するわけではありません。


よって翌年度以降の資金を心配する必要がなく、キャッシュフローの計画が立てやすいのです。


ただし大きな利益が出た場合は、利益の繰り延べのためのお金を支払う必要があるため、注意しましょう。

③リースの中では比較的出資金もリスクも少ない

コンテナリースは他のリースの中でも、出資金やリスクが比較的少ないです。


他のリース業の場合、最初に3,000万円以上のお金が必要になります。


しかしコンテナリースは、最低1,000万円からと、他のリース業と比べ安価で始められます。


そのため3,000万円もの出資金が用意できない場合でも、利用が可能です。


またコンテナは航空機や船舶などのリースと比べ、価格の下落がしづらいです。


航空機や船舶などの場合は、人口増加等の影響で売却益が期待できます。


しかし技術の進歩により大幅に価格が下落する可能性があります。


一方でコンテナは求められる技術があまり高くありません。


よって売却益こそ期待はできませんが、一定以上価格が下がる可能性が低く安定感がある点は非常に魅力的です。

コンテナリースが抱えるリスク


比較的リスクが低く手軽に節税ができる印象のコンテナリースですが、もちろんいくつかのリスクを抱えています。


  • リース会社や海運会社の経営状態
  • 為替変動
  • 税制改正
  • 売却時の価格


など、様々なリスクがあることを知っておかないと、気付いたら損をしているかもしれません。


そのためコンテナリースを始める前に、あらかじめリスクを知っておくことが大切です。


本章ではコンテナリースが抱えるリスクを7つ解説します。

①リースに関わる企業の倒産リスク

海運会社やサブリース会社など、リースに関わる企業の倒産リスクがあります。


海運会社は基本的に大手のため、倒産するイメージは持ちにくいかもしれません。


しかし絶対に倒産しないということはあり得ません。


倒産をすれば、当然リース料が入ってこなくなってしまいます。


また、買い上げの保障もなくなります。


もちろん自社でコンテナを中古市場で販売することは可能です。


しかしその場合はリース料が入ってこない分だけ損失が発生します。


また他の海運会社と契約することも可能です。


このように契約した企業が倒産した場合は、所有するコンテナの次の活用方法を考えなければなりません。


そのためコンテナリースを活用する際は、必ず倒産リスクを考慮した上で行いましょう。

②残価価格より安い値段でしか売却できないリスク

コンテナリースは売却時に残存価格よりも安い値段になってしまうリスクがあります。


使用したコンテナは基本的に、期間満了時に契約している海運会社が買い取りを行います。


この時の買取価格は残存価格の30〜40%程度です。


もし契約通りの価格で買い取りを行わない場合は、コンテナを海運会社側で新品同様の状態に戻した上で、リース会社に返却しなければなりません。


基本的には買い取ってしまった方が安く済むため、契約通り買い取りをしてもらえるケースが多いです。


しかし海運会社が倒産した場合は契約通りに進まない可能性があります。


この場合は中古市場等で、想定よりも安い価格での売却になる可能性もあるため、注意が必要です。

③為替リスク

コンテナリースは一般的に海外でコンテナを購入することから、外貨建ての商品が主流で、円建ての商品は少ないです。


外貨建ての商品の場合、円高による為替リスクが生じます。


もし出資時は円安、満了後の分配時は円高の場合、外貨を円に替える際に、損をしてしまうのです。


具体例を挙げると、


  • 出資時:1ドル=100円
  • 満了時:1ドル=80円


上記のようなケースでは、満了時に20%損をしていることになります。


反対に出資時が円高、満了時が円安の場合は得をするため、一概に為替変動=リスクしかないとは言えません。


しかし国内外の情勢で為替は常に変動するため、出資の時点で満了時の為替レートを予測することは困難です。


そのため円高による為替リスクがあることを想定しておきましょう。

④コンテナが壊れるリスク

コンテナは事故などの影響で破損する可能性があります。


もし万が一のことがあった場合も、リース会社がコンテナに保険をかけているため、保険金のお陰で収益上の問題は少ないです。


しかしコンテナが壊れると、保険金を投資家に分配して終了となり、予定よりも早く期間が終わってしまいます。


そのため当初の予定よりも早い段位で、益金が発生してしまうのです。


益金が早く発生すると、利益の繰り延べができる期間が、通常よりも短くなってしまいます。


よって予定通りに物事が運ばなくなるリスクがあります。

⑤コンテナが関わる事故によって損害賠償などの追加出資が発生するリスク

コンテナの破損・故障等の影響で第三者に害が及んだ場合、損害賠償を請求される可能性があります。


損害賠償が必要になった場合は、基本的には保険会社に対応を頼みます。


しかし保険会社だけでは対応しきれない場合は、投資家に対して追加出資を求めることになるかもしれません。


コンテナ自体の不具合だけでなく、その影響による損害賠償の可能性も考慮しましょう。

⑥税制改正により税効果が得られなくなるリスク

コンテナリースは今後税制改正によって、節税効果が得られなくなる可能性があります。


マザーズ上場企業であるエアリンク株式会社が、2020年2月13日付けで「特別損失の計上による業績予想の修正」という文書を発表しました。


この文書によると、これまで「器具・備品」扱いだったコンテナが、国税庁によって「建物」と判断されるケースが発生したとのことです。


そのため従来通りの「器具・備品」としての、減価償却による節税効果が得られなくなったのです。


今後も同様に、国税庁に厳しい対応を取られるケースが増加するものと思われます。


よって税制改正とまで行かなくとも、コンテナを「器具・備品」として扱うことを否認される可能性がある点には注意が必要です。

⑦キャッシュフローが悪化するリスク

コンテナリースは原則として、途中解約やクーリングオフができません。


そのため1度契約したら、リース期間満了まで契約を続けなければなりません。


万が一経営状態が悪化した場合、資金が必要になるかと思います。


資金を調達したくても途中契約ができないため売却もできず、最悪の場合倒産してしまうことも考えられます。


よってコンテナリースを行うのは、資金に余裕がある時に出資した方が良いでしょう。


もし仮に倒産をしてしまった場合は、特別に売却認められるケースがあります。


その場合は基本的に出資金よりも安く取引されます。


そのため途中解約が認められるケースもあるものの、基本的には損をすることを覚えておきましょう。

コンテナリースを活用する条件


コンテナリースを活用する際の条件は以下の通りです。


  1. 経常利益が1,000万円以上
  2. キャッシュで5,000万円以上の余裕資金がある
  3. 自社株対策を必要としている

3に関しては必ずしも必要ではありませんが、1と2に関しては必須事項になります。

コンテナリースは最低の出資金額が1,000万円からです。

さらに経営状態悪化のリスク等を踏まえると、5,000万円以上の余裕資金が必要になります。

そのため突発的な利益等で資金に余裕がある場合のみ、節税対策として利用しましょう。

なお以下の例のような条件であれば、好条件のため節税に活用する場合は活用を検討してみてください。

条件
リース期間7年以下
貸出先大手海運会社
換算為替レート1ドル=110円以下
満了時対応海運会社がコンテナを買取
初年度の損金出資金の80%以上


上記のような条件であれば、前章で挙げたようなリスクを減らすことができます。

航空機のリースとどっちが良いの?


コンテナリースと似たシステムとして、航空機リースが挙げられます。


それぞれの違いは以下の通りです。


コンテナリース航空機リース
満期までの期間短い(7年程)長い(10年程)
規模小さい大きい
下落リスク低い高い
買取の拘束力少ない高い


以上のような違いがあります。


航空機リースの場合はコンテナリースと満期までの期間が比較的長めです。


また最低出資金額が3,000万円以上のため、出資の規模も大きくなります。


コンテナは技術の進歩等が少ないため、価格変動がしづらいです。


一方航空機は技術革新によって、旧型機の価格が大幅に下落してしまいます。


航空機リースは契約期間が長期に及ぶことから、価格の下落は大きなリスクとなります。


以上のように比較した場合、基手軽に始めやすいのはコンテナリースと言えるでしょう。

法人向けの生命保険も必ず検討するべき!


課税金額を減少させるためには、コンテナリースのほかにも、法人向けの生命保険も、手軽に始められる方法のひとつです。

生命保険の場合は保険料の一部を損金にできます。

よってコンテナリースのように、大金を損金にはできません。

しかし保険本来の役割としての保障を得ながら、課税金額も減額できるという点で、手軽かつ便利な活用方法です。

本章では

  • コンテナリースと法人保険の比較
  • 組み合わせて活用する方法

以上の2点を解説します。

コンテナリースと法人保険を比較

コンテナリースは一度に大きな金額を損金算入できる点が魅力的です。


一方法人保険を活用する場合は、少額ずつ損金にしていくことになります。


そのため損金性のみで考えると、コンテナリースの方が優れているかもしれません。


しかし、法人保険の場合は課税金額を減額しつつ保障が得られる点が魅力的です。


そのため経営者や役員、従業員に万が一のことがあった時に、遺族に対して死亡退職金を支払うことができます。


また積立型の保険であれば、解約返戻金を退職金等の資金として活用できます。


コンテナリースは途中解約ができないため、急に資金が必要になった場合に何も対応ができません。


積立型の法人保険であれば、急な資金調達にも対応できます。

コンテナリースと法人保険を組み合わせて節税する方法

コンテナリースと法人保険の両方を活用して、節税する方法をご紹介します。


まず法人保険の保険料を、次の項目から考慮して算出します。


  • 将来的に必要になる退職金の金額
  • 安定して得られるであろう利益
  • 経営上必要とする現金

次にコンテナリースの適正な金額を、次の項目から考慮して算出します。

  • 突発的に生じた利益
  • 法人保険の解約返戻金で生じた益金
  • 自社株の評価


以上のような点を踏まえて2つの金融商品を組み合わせることで、会社の利益を繰り伸ばすことが可能です。


基本的には、


  • 法人保険:将来的に必要なお金
  • コンテナリース:現在の経営状況


以上の点を考慮するイメージです。

資金繰りを法人のリスクマネジメントのプロと相談することが重要!


コンテナリースを利用する場合は、資金繰りを法人のリスクマネジメントのプロと相談することが大切です。


リスクマネジメントは、経営で想定されるリスクを管理し、想定されるリスクを減らす取り組みです。


コンテナリースは本記事で解説した通り、


  • リース会社や海運会社の倒産
  • 為替変動
  • 税制改正
  • 売却時の価格の下落


など様々なリスクを抱えています。


リスクは同種の活用方法と比べたら少ないものの、 それでも多くのリスクがあることから、少しでもリスクを減らすためにもプロへ相談を行うことがおすすめです。


コンテナリースの利用を検討中の方は、必ず資金繰りをプロに相談しましょう。

まとめ


コンテナリースを使った方法に関して解説しましたが、いかがでしたでしょうか?


最後に本記事の内容をまとめます。


  • 出資金が初年度に70〜80%、2年目に残りを損金にできる。
  • キャッシュフローが立てやすい。
  • リースに関わる企業の倒産、コンテナの売却価格、損害賠償などのリスクを抱えている。
  • 出資の際は為替レートの変動に注意が必要。
  • コンテナリースは十分な資金がある法人が利用できる。
  • 航空機リースと比較するとコンテナリースの方が手軽に始めやすい。
  • コンテナリースの活用と合わせて法人保険の利用もおすすめ。
  • 資金繰りに関しては、リスクマネジメントのプロに相談することが重要。


コンテナリースを検討する場合は、様々なリスクを抱えている点を知っておくことが重要です。


想定されるリスクを軽減するためにも、検討時や運営中はリスクマネジメントのプロに適宜相談しましょう。マネーキャリアでは法人の方も無料で保険相談が可能なため、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。


ほけんROOMでは法人保険に関する記事を多数掲載していますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

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