更新日:2023/09/08
不動産業におすすめの法人保険とリスクを解説!健康保険組合とは?
不動産業の経営には、火災や施設が原因の損害賠償など様々なリスクがあります。こちらの記事では、事例を用いて不動産業を取り巻くリスクの紹介、それらのリスクに備えるための保険の紹介をしています。保険に関する相談は、無料で相談できる「マネーキャリア」をおすすめします。
内容をまとめると
- 不動産業には、施設が起因のリスクや自然災害によるリスクがある
- そのようなリスクを回避、軽減するためには、火災保険などの法人保険に加入しておくと良い
- 保険料を支払うことで加入できる不動産業健康保険組合と言う組織がある
- 法人保険や事業のリスクに関するそうだんは、「マネーキャリア」がおすすめ
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 不動産業を取り巻くリスクについて
- ①施設の損害(発生頻度・高、リスク・中)
- ②自然災害(発生頻度・低、リスク・大)
- ③従業員の労働災害(発生頻度・中、リスク・低)
- 不動産業運営で起こった損害事例
- 事例1:調査不足による損害賠償事例
- 事例2:アパートで起こった火災に関する事例
- 事例3:中古住宅に欠陥があった事例
- 不動産業を取り巻くリスクに備えるための法人保険
- ①施設賠償責任保険
- ②法人向けの火災保険
- ③労働災害総合保険
- 不動産業についてよくある質問
- よくある質問①:不動産業健康保険組合とは?
- よくある質問②:個人事業主として経営している不動産業でも法人保険の加入は可能?
- まとめ:不動産業を取り巻くリスクと保険
目次
不動産業を取り巻くリスクについて
不動産業を取り巻くリスクマップ
まず、不動産業を経営するとどのようなリスクがあるのかを解説していきます。また、不動産業を取り巻くリスクを回避、軽減するための法人保険も後ほど紹介します。上記のマップはリスクマップと言います。
発生頻度と特定の事象が事業にどのくらい影響を与えるかの2つの軸で構成されています。事象を財物リスク、人的リスク、経営リスク、賠償リスクの4つのカテゴリに分類しています。
今回は、これらのリスクの中で3つほどを詳しく解説していきます。
- 施設の損害
- 自然災害
- 従業員の労働災害
①施設の損害(発生頻度・高、リスク・中)
まずは施設の損害に関するリスクです。こちらのリスクの発生頻度は比較的高く、リスクが経営に与える影響としては中程度になります。
こちらのリスクは、電気、空調、給排水などの設備や備品が損害するリスクです。管理に不備があったりすると、住人だけでなく来客者や周辺の建物や人に損害を与えるリスクもあります。
電器や空調など日常的に高頻度で使用する設備なので、管理が大変ですが管理を怠ると不動産業の経営に影響を与えてきます。そのため保険に加入しておき、リスクの軽減をすることをおすすめします。
②自然災害(発生頻度・低、リスク・大)
続いては、自然災害に関するリスクです。ここで言う、自然災害は、地震や水害、落雷、感染症などの事を指します。このような自然災害の発生頻度は低いのですが、事業に与える影響の大きさはとても大きいリスクになります。
国内で不動産業を経営するのであれば、災害大国でもあるので、地震についてはより気を遣わなければなりません。また最近では新型コロナウイルスなどの世界的に流行したウイルスを経験しているので事業にどのような影響を与えるかはイメージがしやすいでしょう。
何十年、それ以上事業を継続していくことになるので、自然災害が起こったときに補償してくれる保険に加入することは必須と考えてもらってもいいかと思います。
③従業員の労働災害(発生頻度・中、リスク・低)
最後は、従業員の労働災害についてです。こちらのリスクは、発生頻度は中程度に起こりうるリスクであると思われます。またリスクが事業に与える大きさは比較的低めになると考えられます。
不動産業に関わらず、労働保険(労災保険及び雇用保険)については、労働者を使用する全ての事業主に対して加入義務が課されています。
経営に与えるリスクは数件であれば低いかもしれませんが、発生頻度が低いわけではないので、回数が重なると大きい影響を与えてくる可能性もあります。また優秀な従業員が労働災害に遭い、業務を継続できなければ復帰するまでの間は経営に大きな影響を与えることも考えられます。
そのためこのような労働災害が起こったときのためにも保険に加入しておく必要があります。
不動産業運営で起こった損害事例
続いては、不動産業を経営している際に実際に起こった損害事例を紹介します。紹介する事例は、以下の3つになります。
- 調査不足による損害賠償事例
- アパートで起こった火災に関する事例
- 中古住宅に欠陥があったときの事例
事例1:調査不足による損害賠償事例
土地付きの一戸建てを購入した買主が、購入して直ぐに地面の不等沈下により建物が傾いてしまい、生活に支障が出るという理由から売主と仲介した業者に対して損害賠償を請求した事例です。
裁判所の判決は、売主には「契約不適合責任」に該当するとして売買契約の解除と売買代金の返却、さらに損害賠償を支払うように命じました。そして、仲介した業者には土地(軟弱地盤)の調査と買主への告知を怠ったとして不法行為に基づく損害賠償を支払うように命じました。
土地付きの一戸建てや建物を売却する際、地面の調査も重要なポイントになります。もし土地に不具合(軟弱地盤など)があるなら、売買契約書を交わす前に買主に告知しなければなりません。
しかし今回の事例については、土地の調査不足により告知がされなかったという事例です。
事例2:アパートで起こった火災に関する事例
2つ目の事例は、新築木造のアパートで火災が起こった事例です。アパートの一室でアロマエステ事業を行いたいという申し込みがあり、物件の価格が上がることを期待して承認することにしました。
女性の入居者が多いこともあり、アロマエステ事業は盛況していました。しかしある日に、アロマオイルの染み込んだタオルを乾燥機にかけたことで酸化熱が発生し、酸化熱が蓄積したことによる自然発火が原因で出火しました。
幸いアパートは全焼とはなりませんでしたが、法人向けの火災保険に加入しておらず、多額の自己負担を負うこととなりました。
事例3:中古住宅に欠陥があった事例
最後は中古住宅に欠陥があった際の事例です。土地付きの中古住宅を購入した買主が売主に損害賠償を請求した事例。このトラブルは、「隠れた瑕疵」が原因で裁判に発展したケースです。
買主は、建物が斜めに傾いていることを引き渡し後に知り、売買契約時に説明がなかったことで契約不適合責任があると主張したうえで売主に損害賠償を請求しました。
裁判所の判決は、売却する前に瑕疵の確認を怠ったとして買主の要求を認め、売主に対し調査にかかった費用と補修工事の費用、弁護士費用などの支払いを命じました。
売主に損害賠償が請求されていますが、通常、不動産会社も仲介する物件に瑕疵がないかを現地目視、売主からの不具合有る無しの聞き取りをしっかりと行うことが大切です。引き渡し後に不具合が発見された場合、契約不適合免責特約での売買契約の場合でも責任が問われる場合がありますので注意が必要です。
不動産業を取り巻くリスクに備えるための法人保険
それではここからは、先ほどまで解説していたリスクに備えるための法人保険を紹介します。こちらの記事では3つの法人保険を詳しく解説していきます。
- 施設賠償責任保険
- 法人向けの火災保険
- 労働災害総合保険
①施設賠償責任保険
最初に紹介する法人保険は、施設賠償責任保険の解説をします。施設賠償責任保険とは、
施設の安全性の維持・管理の不備や、構造上の欠陥と施設の用法に伴う仕事の遂行が原因となり、他人をケガさせたりモノを壊した場合に生じた損害賠償責任を補償する保険です。
補償される事故の例としては、施設の壁が倒壊したことで通行人にケガを負わせたなどがあります。
施設で他人にケガを負わせると、ケガを負った被害者に対して治療費などの損害賠償責任が生じます。そしてこのような損害賠償金は多額であることが多く、経営に大きな影響を与えることもあります。そのような負担を軽減するためにも、施設賠償責任保険は不動産業を経営する方にとっては必要な保険の一つです。
また、施設賠償責任について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
②法人向けの火災保険
続いては、法人向けの火災保険の解説をしていきます。一般家庭でも住宅を持っている方はおなじみだと思いますが、法人向けの火災保険に加入していないと、事例で紹介したように、補償漏れにより自己負担金を支払わないといけないようになります。
法人向けの火災保険の補償範囲は火災だけに限らず、自然災害による災害もカバーしてくれます。ただし法人の火災保険の基本補償では損害内容によって補償対象外となることもありますので、加入する前には保険会社に必ず確認しておきましょう。
補償金額や保険料は企業によって異なるので、こちらも保険会社に問い合わせることで確認することができます。また問い合わせる前に予め知っておきたい方は、「マネーキャリア」をご利用ください。法人向けの火災保険についても別の記事で詳しく解説しているので気になる方は、そちらをご覧ください。
③労働災害総合保険
最後は労働災害総合保険について解説します。労働災害総合保険とは、「政府労災保険」に上乗せすることで損害賠償責任などを補償する保険です。
こちらの保険は、任意労災保険とも言います。「政府労災保険」については加入が義務付けられていますが、任意労災保険は加入が義務ではありません。補償内容としては、従業員が死亡・障害を負った場合の補償、事業主や、役員にかかる治療費などを補償してくれます。
「政府労災保険」のみでは補償漏れになる可能性もあるため、不動産業を経営する方で不安がある方は、任意労災保険に加入しておくことをおすすめします。任意労災保険についても詳しく解説している記事があるので、詳しくはそちらをご覧ください。
不動産業についてよくある質問
ここからは不動産業と法人保険に関連する質問について解説していきます。今回こちらの記事で解説する質問は以下になります。
- 不動産業健康保険組合とは?
- 個人事業主として経営している不動産業でも法人保険の加入は可能?
よくある質問①:不動産業健康保険組合とは?
1つ目は、不動産業健康保険組合について解説していきます。不動産業健康保険組合とは、 保険料を支払うことで、不動産業、又は不動産に係る企業が入れる健康保険の組合です。
不動産業健康保険組合が提供しているサポートは以下になります。
- 医療費の負担や各種給付金の支給
- 健康情報の提供
- 病気の予防を目的とした健診
- 運動施設や扶養施設の利用機会の提供
毎月納める保険料=標準報酬月額×保険料率
賞与から納める保険料=標準賞与額×保険料率
よくある質問②:個人事業主として経営している不動産業でも法人保険の加入は可能?
続いては個人事業主であっても法人保険に加入できるのかという質問の回答をしていきます。こちらの結論は、個人事業主であっても法人保険の加入は可能です。
保険料の計算や保険金額の決定についても法人で加入する場合と相違はありません。個人事業主として事業を経営していると、もしもの事が起こったときの責任は全て一人で負う可能性があります。
そのため個人事業主の方の方が法人保険の加入が必要であると思われます。個人事業主の方で、事業のリスクを知った上で適切な法人保険に加入したい方は「マネーキャリア」にて専門家と相談した上で加入することをおすすめします。
まとめ:不動産業を取り巻くリスクと保険
これまで、不動産業を取り巻くリスクとそのリスクを回避、または軽減するための法人保険を紹介してきました。以下が今回の記事のまとめになります。
- 不動産業には、施設が起因のリスクや自然災害によるリスクがある
- そのようなリスクを回避、軽減するためには、火災保険などの法人保険に加入しておくと良い
- 保険料を支払うことで加入できる不動産業健康保険組合と言う組織がある
- 法人保険や事業のリスクに関するそうだんは、「マネーキャリア」がおすすめ