更新日:2023/03/29
自殺でも生命保険の保険金がもらえる?支払われる場合と支払われない場合
基本的には死因が自殺の場合には生命保険の死亡保険金を受け取ることはできません。保険法での規定をふまえて、保険金が支払われる場合と支払われない場合について詳しくご紹介します。自殺という選択肢を選ぶことなく、別の解決策を探しましょう!
内容をまとめると
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 自殺で生命保険の保険金が支払われる場合と支払われない場合
- 自殺で生命保険の保険金が支払われるかどうかのポイント3つ
- ①自殺が保険金目的かどうか
- ②自殺した時が生命保険の免責期間に該当するか
- ③自殺した方に精神疾患などがあったかどうか
- 保険会社の免責事由では自殺は支払いの対象外
- 自殺が生命保険の保険金目的だったかどうか保険会社が判断する基準
- ①自殺の直前に契約内容の変更がなかったか
- ②年収などに見合わない高額な保険金設定でなかったか
- ③たくさんの生命保険を契約していないか
- 自殺をしても生命保険の保険金が受け取れる保障はありません
- お金が足りないなどの場合は建設的な解決策を選択しましょう
- お悩みの場合は電話相談を利用してみてください
- まとめ
目次
自殺で生命保険の保険金が支払われる場合と支払われない場合
生きづらさを抱える人が多い現代では、自殺を考えてしまう人もいらっしゃるでしょう。自殺の場合には、生命保険の死亡保険金を受け取ることはできるのでしょうか。また、受け取れるか受け取れないかの違いは、どんな基準によるものなのでしょうか。
- 自殺でも保険金が支払われる3つのポイント
- 基本的に自殺は保険金支払いの対象外
- 保険金目的の自殺であるかどうかは保険会社が決める
- 自殺では保険金を受け取れないことが多い
です。
最後までご覧いただければ、自殺では保険金を受け取ることが難しいことがご理解いただけると思います。自殺という方法を避けるための小さな手助けになればと思います。
自殺で生命保険の保険金が支払われるかどうかのポイント3つ
判断するときの基準は、次の3つのポイントが挙げられます。
- 保険金を目当てにした自殺であるかどうか
- 自殺の時期が免責期間であるかどうか
- 自殺の原因が精神疾患によるものであるかどうか
それぞれ詳しくご紹介します。
①自殺が保険金目的かどうか
保険契約についてのルールを定めている保険法では、被保険者が自殺したとき、保険会社は保険金の支払いの責任を免れるとしています。
そのため、基本的に死因が自殺であるときは、死亡保険金を受け取ることは難しいと言えます。
特に自殺の理由が保険金目的であった場合には保険金を受け取ることはできません。
たとえば、多額の借金を抱えている人が借金を返済するために自殺を選んでしまった、などのケースです。
自殺が保険金目的であるかどうかは、保険会社が被保険者の周辺を調査した上で判断します。保険金をあてにした自殺であるとみなされた場合、残された家族は、大切な人を失うだけではなく、まとまった現金を手にすることもできず、深い悲しみと不安感でいっぱいになってしまいます。
そんな思いをさせないためにも、家族に保険金を残すために自殺をすることは絶対に避け、解決できるほかの方法を探しましょう。
②自殺した時が生命保険の免責期間に該当するか
生命保険は約款でさまざまなことが定められています。その中には免責期間について記載されています。
生命保険では多くの場合、「契約から3年の間に被保険者が自殺した場合は、保険金を支払いません」などと約款に規定されています。
免責期間は3年とする保険会社が多いですが、1年と設定している保険会社もあります。契約している生命保険の約款を見れば確認することができます。
免責期間は、その他にがん保険、医療保険などで設けられています。
がん保険は、がんの自覚症状がある人が、給付金をもらいたいために、がんと診断される前に保険契約すると、保険契約者間の公平性を欠きます。そのため、契約後大抵3ヵ月は免責期間を設けています。
引受基準緩和型医療保険でも免責期間があります。持病がある人でも加入しやすい保険となっていますが、保険会社の負担を軽くするために、1年程度の免責期間があります。
自分が加入している保険について、免責期間があるか、あればその期間はどれくらいかを、一度確認しておくとまさかのときに慌てずにすみますね。
③自殺した方に精神疾患などがあったかどうか
何が原因で自殺したかは本人しかわかりませんが、明らかに保険金目的の自殺ではなく、重いうつ病などの精神疾患を患っていて、正常な判断能力がなかったときには、保険金を受け取れることがあります。
人間関係などで悩んでいた、仕事で大きなストレスを抱えていた、アルコールや薬物に依存していたなど、自殺の原因はさまざまです。
精神科を受診し、服薬などの治療をしているなど、重度の精神疾患や心神喪失を原因とする自殺の場合は、保険金が支払われる場合があります。
精神疾患などを理由にした自殺の場合に、保険金を受け取れるかどうかは保険会社の裁量によります。約款やカスタマーセンターなどで確認しましょう。
なお、精神疾患がある人でも加入しやすい生命保険については、次のサイトで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
保険会社の免責事由では自殺は支払いの対象外
生命保険や災害保険では、「免責事由」というものがあります。これは、本来なら保険金や給付金を支払うべき責任を担う保険会社が、その責任を免除される何らかの理由をいいます。
そしてその免責事由は、保険法に定められています。第51条で「保険者の免責」として、
- 被保険者が自殺したとき
- 保険の契約者が被保険者を故意に死亡させたとき
- 保険金の受取人が被保険者を故意に死亡させたとき
- 戦争その他の変乱によって被保険者が死亡したとき
の4つを挙げ、死亡保険契約の保険者は、保険金の給付を行わなくてよいと定めています。
このように、自殺の場合は、保険会社は保険金を支払う対象としなくてもよいと定められているのです。
そのため、保険会社が約款で死因が自殺であっても保険金を支払うことがある、などと規定しない限りは、自殺で保険金を受け取ることはかなり難しいと言えます。
免責事由は損害保険でも規定されています。たとえば、犯罪行為が元となった事故や、精神障害に起因する事故などが挙げられ、酒酔い運転で自動車事故を起こした場合には、保険金を受け取れない可能性があります。
加入している生命保険について、免責事由にはどんなものがあるのか、約款で一度確認しておくのもよいかもしれません。
自殺が生命保険の保険金目的だったかどうか保険会社が判断する基準
- 直前に契約内容が変更された
- 保険金の設定が年収に見合っていなかった
- 複数の保険会社と生命保険契約していた
などが挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①自殺の直前に契約内容の変更がなかったか
生命保険は、万が一に備えて加入するものです。そのため、ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて契約内容を見直すことは大切なことです。
例えば、独身時代は受け取れる保険金額は小さくても構いませんが、結婚すれば配偶者のためを思い、保険金の額を増額することもあるでしょう。子どもができれば、教育資金などのことも考慮し、定期保険などでさらに増額するケースもあるでしょう。
このように、保険契約において、受け取れる保険金の額を変更することは珍しいことではありません。
しかし、それは契約者や被保険者の生活の変化などに対応して行われるものです。
自殺する前に、保険金の額を大幅に増額するなど不自然な契約変更がなされていたときには、保険会社はその自殺を保険金目的とみなす可能性が高いと言えます。借金を抱えている場合にはなおさらです。
②年収などに見合わない高額な保険金設定でなかったか
保険金は、自分に万が一のことがあったときに、残された家族が当面の生活に困らないためにと備えるものです。
保険金は高額であればそれだけ家族は助かります。けれど、保険金を高額にすればその分、支払わなければならない保険料は上がってしまいます。そのため、家計に負担をかけずに支払うことができる保険料を考えて、保険金の金額を設定するのが一般的です。
しかし、保険金額があまりにも高額で、年収に見合っていない場合は、不自然な契約と疑われかねません。被保険者が自殺したときには、保険金は支払われない可能性が高いと言えます。
たとえば、年収350万円の人が5,000万円もの保険金を受け取れる契約をしていたとき、これが契約期間中、保険料がきちんと支払われていて、病気などで死亡したときには高額な保険金でも受け取ることはできるでしょう。
しかし、保険契約してしばらくしてからの自殺であった場合には、保険金が支払われない可能性が高いです。
③たくさんの生命保険を契約していないか
生命保険は、1社とだけ保険契約している人もありますが、保障内容や保険会社の信頼度などを考慮し、いくつかの保険契約をしている人も珍しくはないでしょう。
しかし、複数の保険会社とあまりにも多くの生命保険契約をしていた場合に被保険者が自殺したときには、保険金目的の自殺と判断されても仕方ありません。
特に入院保障などは一切なく死亡保険を重視した生命保険や、通院保障などの特約を全く付加していない契約であればなおさらです。家族に少しでも多くのお金を残すために自殺したと判断される可能性は高いでしょう。
保険金目的での自殺だけに限らず、保険金や給付金の不正受給をしようとする人は少なからずいます。そのため、保険会社はいろいろな情報網を駆使して、さまざまな調査を行います。それも保険会社の大切な仕事の一つなのです。
自殺をしても生命保険の保険金が受け取れる保障はありません
ここまでご紹介してきたように、保険法で規定されている通り、自殺の場合に死亡保険金を受け取れるという保証は全くありません。
ここからは、
- 解決できる方法を探そう!
- 無料の電話相談を利用しよう!
という順に、自殺という選択をしなくても済むための解決策を2つご紹介します。
お金が足りないなどの場合は建設的な解決策を選択しましょう
この制度は、貯蓄性のある生命保険を契約している人なら、保険会社からお金を借りられる制度です。生命保険には解約返戻金があります。その解約返戻金を担保としてお金を借りることができるのが契約者貸付制度です。
この制度は、
- 解約返戻金の8割ほどの額を借りることができる
- 借り入れをしても保険契約は継続したままである
- カードローンに比べ金利が低い
などの特徴が挙げられます。
借り入れたものなので、返済しなければ保険契約は失効してしまいますし、返済中に支払事由が発生しても、借り入れている分が保険金から相殺されてしまうというデメリットはあります。
けれど、借り入れ時に審査がないためインターネットでの申し込みの場合、早ければ2日後には現金が振り込まれますし、返済方法は幅広く認められ、「当面は利息のみ」「不定期の分割払い」などと家庭の事情に合わせて返済できるところもありがたいです。
この制度の仕組みや利用方法など詳しくは次の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
生命保険の保険料の支払いは、多少の払込猶予期間がありますし、お金が足りない場合の対処法として債務整理という道もあります。お金や生命保険についての困りごとは、マネーキャリアで相談しましょう。前向きな解決策がきっとみつかるはずです。
マネーキャリアは、お金のプロがあなたが抱えるさまざまな悩みの相談に乗ってくれます。相談料は何度でも無料です。お金の返済に苦労をしている人は、何か良い方法がないか気軽に相談してみましょう。
お悩みの場合は電話相談を利用してみてください
相談窓口 | 電話番号 | 対応時間 |
---|---|---|
こころの健康 相談ダイヤル | 0570-064-556 | 都道府県により 異なる |
いのちのSOS | 0120-061-338 | 12時から 22時 |
よりそい ホットライン | 0120-279-338 | 24時間対応 |
いのちの電話 | 0120-783-556 | 16時から21時 毎月10日は 8時から翌日8時 |
なお、心療内科や精神科に通院歴のある人は、こちらの記事も参考になさってください。
まとめ
ここまで、生命保険の死亡保険金は自殺の場合どのように扱われるかをご紹介してきましたがいかがでしたか。
この記事の内容をまとめると、
- 死因が自殺であっても、保険金をあてにしたものではない、免責期間外である、精神疾患があるなどの場合には、死亡保険金を受け取れることもある。
- 保険法で免責事由として自殺が挙げられているため、死因が自殺であるときは基本的に死亡保険金を受け取ることはできない。
- 死因が自殺のときの保険金の支払いの有無は、保険会社が調査した上で判断する。
- 自殺をしても保険金を受け取れる保障はない。負債を抱えているときは、別の解決策を探すことが大切。
です。
自殺では保険金を受け取れる可能性は低いと言えます。現状を変えられる解決策がきっと見つかります。まずは誰かに相談してみましょう。
なお、大切な家族を亡くされた人は、自殺であっても精神疾患などが原因であると認められれば保険金を受け取れる可能性があります。一度保険会社に確認してみましょう。
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