精神疾患で通院している方でも生命保険に加入できる場合があります!

精神疾患で過去に治療を受け方や現在治療中の方は、通常の生命保険に加入することは困難です。ただし、精神疾患の方々でも加入できる生命保険があります。「引受基準緩和型保険」や「無選択型保険」と呼ばれる生命保険ですが、その特徴を十分に理解し加入を検討していきましょう。

精神疾患の患者は生命保険に加入できない?

うつ病や統合失調症、不安障害、認知症、パニック障害等、精神疾患の患者が増加しています。

厚生労働省の「患者調査」発表によると、2014年に医療機関で治療を受けている精神疾患の患者は約390万に達しています。

この様な現状から、厚生労働省は2011年に、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の「4大疾病」に、精神疾患を加え、「5大疾病」とすることを決定し、重点的な対策が必要と判断しています。

また多くの都道府県では2013年度以降の医療計画に反映し、精神疾患への対応のため病院の連携体制や、数値目標を設定しています。

精神疾患が社会の問題として捉えられていく中、生命保険会社の対応は厳しいといえます。

保険の仕組み

保険は、生命保険も含めて「相互扶助」で成り立つ仕組みとなっています。

加入者全員でお金を出し合い、いざ病気になった加入者がいたらそのお金を払って助けることになります。

そして、出し合うお金=保険料の額はみんな一緒ではなく、年齢・性別・健康状態等を参考に、万が一のリスクがどの位になるかというデータを基準に計算され、各人の支払保険料が決定します。


精神疾患の数値化の難しさ

精神疾患の患者さんは、最悪自殺という結果に行き着いてしまうほど、深刻な事態になる場合が少なくありません。


しかし、精神疾患の厄介な部分は、外見から容易にその深刻度が分からないばかりか、その深刻度の客観的な数値化がきわめて困難なことが挙げられます。

保険会社からすれば、深刻度が外見や数値から判断できない方々を安易に受け入れた結果、保険金をどんどん支払わなければならなくなると、前述した「相互扶助」の仕組みが崩壊しかねない状況に陥ることにも繋がります。

多くの生命保険会社で、精神疾患の方の加入を厳しく取り扱うのは以上のような理由があるからです。


精神疾患の患者は自殺などのリスクが高いとされる

精神疾患は、認知症のように高齢による発症などやむを得ないケースがありますが、うつ病や統合失調症、不安障害などのように、不況の影響や、パワハラ、職場・学校でのいじめ等が原因で発症するケースも多いと言われているものもあります。

うつ病や統合失調症、不安障害などを発症すると、前述したように生命保険等への加入は難しくなります。

これらの症状が悪化し入院が必要となることや、糖尿病、心筋梗塞のような生活習慣病を併発しやすいとも言われています。

重症化してしまえば、自殺するリスクも高くなる傾向があります。



健康状態や病歴を告知する義務がある

告知内容とは?

ご自身が生命保険に加入を希望する場合は、健康状態を報告する「告知義務」があります。

ご自身は告知書に健康状態を記載し、生命保険会社に提出します。

提出を受理した生命保険会社は、契約希望者(=ご自身)が加入できるか否かを審査する資料の一つとします。

告知内容としては、氏名、職業、年収に加え、最近数ヵ月以内に医師の診察や治療、投薬を受けたか否か、過去数年以内に手術をしたか否かを聞かれるのが一般的です。

告知義務違反をするとどうなる?

ご自身が生命保険の加入ができなくなることを恐れて、病歴などを記載せずに生命保険契約を締結し、後日その事実が発覚した場合、生命保険会社は契約を解除することができます。

告知義務違反により契約が解除がされると、生命保険金は下りず、それまで支払った保険料も戻りません。

精神科の通院が5年以上前であるならば生命保険に加入できる

ご自身が記載する告知書をみると、概ね生命保険各社とも「過去5年以内の通院歴」を聞いています。

これは医療機関のカルテの保存義務が5年間であることが理由です。

医療機関は5年経ったカルテを破棄してもかまいません。

つまり、生命保険会社が、告知書の信憑性を裏付ける資料を5年以上経った場合に見つけることが困難となるからです。

精神疾患が5年以上前に治っていたら告知は不要

5年間の保存義務は診療が終了した日から(つまり、医者にもう通院しなくて良いですと言われた日)から発生します。その後の再発もないならば、完治し通院しなくなってから5年以上経った通院歴を告知する必要はありません。

患者自身が診療を打ち切った場合は要注意

では、医者から完治したと判断されないうちに患者自身が診療を打ち切った場合はどうなるでしょうか?


医療機関で診療が終了した日から5年間は保存義務があると言う事は、診療を継続している患者は5年以上保存しなければいけないことになります。

つまり、患者自身が精神疾患の治療を打ち切った場合は、医療機関からみれば「診療を継続中」と判断され、5年以上経つカルテでも存在している可能性があります。

このカルテの存在を生命保険会社側が知り得る場合には、加入に難色を示すおそれがあります。


精神疾患の患者でも加入できる生命保険がある

精神疾患を抱える方でも加入しやすい保険は存在します。生命保険の中には、加入条件を通常よりも緩和した保険や、告知書自体を提出しなくても良い保険があります。

しかし、保険料が高額になる傾向があり、保険商品によっては加入してから一定の期間、受け取る保険料が通常の保険よりも低額になると言った条件もあります。

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険とは、加入を希望する方の健康状態に関する条件を緩和している保険です。

引受基準緩和型保険は、通常の生命保険より引受基準の緩和や、告知する項目が少ないことが特徴です。

ただし、一般的に保険料は割高で、保障内容も通常の生命保険ほど充実しているとは言えない場合もあります。

また、生命保険各社とも緩和される基準や保障内容に差があるため、自分の希望に沿う保険商品を見つけるためには、複数の生命保険会社の資料を比較しながら選択することが大事です。

無選択型保険

無選択型保険とは、加入を希望する方の健康状態に関係なく保険契約が可能な保険です。

告知や医者の診査がなくても加入することができますが、職業や年収の関係等で加入が認められない場合もあります。

また、保険料も高額になる傾向があり、保障内容の制限や、免責条項が通常の生命保険よりも拡大されている場合があります。

生命保険各社とも、加入可能な範囲が異なるため、加入を希望する方はまず、各社の無選択型保険商品を比較検討する必要があります。

まとめ

精神疾患は、誰もが発症する可能性があります。現在はストレス社会とも言われ、この様な社会の現状が精神疾患の患者を増やすことにつながっているとも言えます。

さらに精神疾患は、不摂生を続けると発症するという一定の行動が原因となるわけではありません。

自分が健康に気を使っていても、職場や学校でのいじめ、ご近所トラブル、家庭内の問題、金銭問題と多種多様な要因が複雑に絡み合い発症すると言う側面があります。

病歴のある方は、精神疾患の辛さを自覚しているからこそ、自分が万が一の事態になった時のため、生命保険に加入したいという思いは、精神疾患を患ったことが無い方以上に強いと考えられます。

その際には、先ほど説明した「引受基準緩和型保険」や「無選択型保険」の加入も一つの良い選択肢です。

何より大事なのは、精神的なつらさを吐きだせるような家族の存在がいるかどうかだと考えます。

ご自身がつらさを吐露し、分かってもらえるような方が存在するだけでも、相当精神的に楽になるでしょう。

精神疾患を発症する前に、身近な家族がお互いに支え合う努力が必要です。



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