交通事故の死亡保険金には税金がかかることがあるって本当?

交通事故で亡くなってしまった場合には死亡保険金が支給されます。死亡保険金は残された遺族にとって今後の生活のために必要なものなので、死亡保険金に税金がかかるのか気になるところです。交通事故の死亡保険金の税金と非課税となる種類について説明します。

交通事故の死亡保険金に税金がかかるのはどんなとき?

交通事故という緊急事態は不意に訪れます。ご自分がたとえ気を付けて運転していても、対向車の暴走事故に巻き込まれることもあります。


万が一にも、ご自分が亡くなった場合のことを考えるならば、加入した保険で下りる死亡保険金はそのまま遺族に受け取ってもらい、遺族の経済的な安定に寄与することが望ましいですよね。


しかし、実は交通事故の死亡保険金に税金がかかるケースも存在します。


加入したご自分としてみれば、設定した保険金にどのくらいの税金がかかるのか気になるところですよね。


そのことで今回は、「交通事故の死亡保険金にかかる税金」について、


  • 交通事故の死亡保険金に税金がかかるケースについて
  • 交通事故の死亡保険金に税金がかからない非課税のケースとは
  • 交通事故の慰謝料には原則として税金がかかるかどうか

以上のことを中心に解説していきます。 


この記事を読んでいただければ、交通事故の死亡保険金に税金がかかるケース、または非課税のケースの双方について知ることに役立つかと思います。


ぜひ最後までご覧ください。


ほけんROOMでは他にも保険に関する記事や、どの保険相談窓口を選べば良いかと言った記事を公開しておりますので、お悩みの方はそちらも合わせてご覧ください。

また、生命保険についての記事はこちらをご覧ください。




交通事故の死亡保険金に税金がかかるケース

交通事故死亡時にもらえるお金は、基本的に受取人(遺族)へ相続税や所得税・贈与税などの税金がかかりません。


ただし、交通事故のケースによっては下りた保険金に課税されることもあります。以下では、課税されるケースについて説明します。


交通事故の生命保険や保険金についてはこちらをご覧ください。

人身傷害保険の自分の過失割合相当分の死亡保険金

交通事故は、あらゆるケースで加害者に100%過失があって、被害者の過失は0%というわけではありません。


例えば損害額が1,500万円で、ご自分の過失が30%であった場合、加害者からは残りの70%ニアタル1,050万円分の損害賠償金が支払われます。


一方、残りのご自分の過失分である450万円は、ご自分が加入する人身傷害保険で支払われることになります。


この加害者から支払われる1,050万円分は、損害を補てんして元通りにしたということなので税金はかかりません。


しかし、人身傷害保険から支払われる、自分の過失分の450万円には税金がかかることになります。どのような税金がかかるかは保険料負担者が誰であるかによって異なってきます。


保険料負担者別にかかる税金については後述します。

自損事故保険から支給される死亡保険金

自損事故保険とは、運転者(被保険者)が自分の責任で起こした自動車事故により死亡、傷害または後遺障害を負った場合に保険金が支払われる保険のことです。 


当然、運転者(被保険者)が死亡した場合には、死亡保険金を遺族が受け取れます。


ただし、保険会社から下りた保険金が、損害等の穴埋めではなく「利益」と解釈される場合は課税対象となります。

搭乗者傷害保険から支給される死亡保険金

搭乗者傷害保険とは、加入契約した人の車に搭乗していた人全員を対象に、自動車事故でケガをした部位や内容に応じて、事前に決められた保険金が支払われる保険です。


車を運転していた人の過失割合で保険金額が変動することはありませんが、死亡保険金を遺族が受け取った場合、こちらも「利益」と解釈されるときは課税対象となります。


搭乗者傷害保険でも、どのような税金がかかるかは保険料負担者が誰であるかによって異なってきます。

交通事故の死亡保険金に税金がかからない非課税のケース


交通事故の場合、支払われた保険金が事故による被害や損害を補填する役割があるならば、受け取った人に利益が生じたわけではないので税金はかかりません。


以下では交通事故の死亡保険金に税金がかからないケースを取り上げます。

加害者の保険から支給される死亡保険金

交通事故の死亡保険金の扱いについて、国税庁は、所得税法上、被害者の心身に加えられた損害につき支払を受けた分の損害賠償金は非課税としています。 


そのため、交通事故を起こした加害者から被害者の死亡に対して、損害賠償金を遺族が受け取った場合、所得税はかかりません。

自分の保険から支給される保険金のうち死亡保険金以外

ご自分がひき逃げされた場合のように加害者が判明しなかったり、加害者が無保険自動車に乗車していて、加害者の方が死亡・後遺障害状態になったりした場合、被害者は十分な損害賠償金が得られないことがあります。


そんな時には、被害者自身が契約している無保険車傷害保険から傷害・物損等の保険金が支払われます。こちらの場合も税金はかかりません。

交通事故の死亡保険金にかかる税金は「保険料負担者が誰か」によって異なる

交通事故の死亡保険金に税金がかかる場合、どのようなケースでも一律に同じ税金がかかるわけではありません。


こちらでは、保険料負担者がどのような人物かによって異なる税金の種類を説明します。

保険料負担者が被害者の場合は相続税がかかる

保険料負担者が被害にあったご自分であり、受取人が遺族の場合は「相続税」が発生します。前述した「人身傷害保険の自分の過失割合相当分の死亡保険金」の事例で説明してみましょう。


(例)

  • 下りた賠償金・保険金総額:1,500万円(損害賠償金:1,050万円、保険金:450万円)
  • 被害者の過失割合:3割
  • 死亡:夫(自分)
  • 遺族:妻、子1人

表にすると次のようになります。

保険金の受取人受け取ったお金課税対象金額
750万円
225万円
750万円225万円

ただし、死亡保険金の場合、法定相続人は1人につき500万円の非課税枠があります。

保険料負担者が保険金受取人の場合は所得税がかかる

契約者(保険料負担者)であるご自分の車を子供が運転して、子供が事故死した場合、保険金受取人もご自分の場合は一時所特とみなされ「所得税」が発生します。この場合の計算方法は次の通りです。


(死亡保険金-払い込んだ保険料総額-50万円)×1/2


この計算式で算出した金額に、ご自分の給与所得・事業所得等を合算して課税されることになります。


保険料負担者が第三者の場合は贈与税がかかる

ご自分が友人の車に乗っていて事故で亡くなった場合、契約者(保険料負担者)が友人で、ご自分の遺族に死亡保険金が支払われたときには、受取人(遺族)に「贈与税」が発生します。


贈与税は、当該死亡保険金に加え他から贈与された金額も含めて、1年間に贈与された金額全て合算し、110万円(年間基礎控除額)を差し引いた残額に贈与税がかかることになります。

交通事故の慰謝料には原則として税金がかからない


交通事故の慰謝料は、そもそも事故によるご自分の被害や損害を補填する役割があるので、税金がかかりません。


こちらでは、その他に税金のかからないお金について説明します。

慰謝料、治療費、車両の破損などの損害賠償金などは税金がかからない

ご自分が交通事故の被害者となった場合、加害者の加入している保険である対人賠償保険金、対物賠償保険金から、ケガの治療費、慰謝料、ご自分の車の修理代金として支払われます。


こちらも、事故による被害や損害を補填する役割があるので税金はかかりません。

見舞金や休業補償・休業損害にも税金がかからない

見舞金とは、ご自分が交通事故の被害者になってしまった場合、加害者が道義的な責任や被害者に対して誠意を見せる目的でお見舞いする際に持参するお金です。こちらも事故による被害や損害を補填する役割があると解され、被害者の利益とは認められないので非課税です。


また、休業補償は労働者が通勤の際、交通事故に巻き込まれたというように業務上の負傷等によって休業した場合に支給されるお金です。こちらは、療養のための給付に該当するので非課税です。


一方、休業損害とは、本来得られるはずの収入・利益を交通事故によって失ってしまった場合、その財産的損害に対する補償のことです。所得税法上は、心身に加えられた損害への賠償金としての意味合いがあるので、非課税所得になります。

損害賠償請求や税金の申告が不安なら交通事故に強い弁護士に依頼すると安心

被害者が亡くなったり、ケガをしたりして、その本人や遺族が加害者に損害賠償請求をする場合や、保険金を受け取った際に税金の申告をする場合、いろいろわからないことや注意しなければいけない点もあるかと思います。


こちらでは、法律の専門家に頼む際のポイントと注意点を解説します。


○調停・裁判で損害賠償請求を行う場合は弁護士に依頼すると有利


加害者との示談が決裂してしまえば、被害者は泣き寝入りするわけにはいきません。ただし、示談金の話し合いがうまくいかないなど示談が不調に終わったからといっていきなり交通事故裁判(民事裁判)を行うかといえば、そうではありません。


簡易裁判所等で、裁判官1人と調停委員2人による調停委員会が当事者の間に入って、再び話し合いをすることになります。


この時点で弁護士は必要ないかもしれませんが、弁護士に依頼することで、被害者であるご自分の言い分をまとめてもらい、話し合いに参加させれば、スムーズに調停が進む場合もあります。


万が一にも、調停が不調に終わり交通事故裁判(民事裁判)で決着をつける場合は、弁護士が被害者の主張・立証を裁判で的確に述べることになるため、大きな助けになります。


調停の段階から弁護士に依頼すれば、早期解決も期待できることでしょう。


○交通事故に強い弁護士を探すには


弁護士事務所は、日本全国に多数存在しますが、その事務所を構える弁護士全てが交通事故裁判等に精通しているわけではありません。


相続に強い弁護士もいれば、刑事事件専門の弁護士もいます。では、どのようにして交通事故に強い弁護士を探せば良いのでしょうか?


この場合には、まず各弁護士事務所のホームページを確認してみましょう。そのホームページで、とりわけ交通事故に関する争いで実績のある弁護士なら、自分がかかわった交通事故の裁判例や示談等について詳細に記載されていることでしょう。


まずは、この様な弁護士に、交通事故の損害賠償請求等ついて相談してみましょう。

交通事故の死亡保険金に税金がかかる場合についてのまとめ


交通事故の死亡保険金にかかる税金について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは


  • 死亡事故の場合に下りる保険金等は、基本的に受取人(遺族)に相続税や所得税・贈与税などの税金がかからない
  • 被害者の過失割合相当分の死亡保険金や、遺族が受け取った保険金が「利益」と解釈される場合は課税対象となる
  • 交通事故の死亡保険金にかかる税金は、保険料負担者が誰かによってかかる税金の種類が変わる
  • 損害賠償請求や税金の申告が不安なら、弁護士に依頼するのも良い方法だが、交通事故の紛争に実績のある弁護士を選ぶことがポイント
でした。

交通事故は、誰もが起こしたくない深刻な事態ですが、日本全国では毎日のように発生していることも事実です。

皆さんも、交通事故が身近なリスクとして常に存在することを自覚し、ご自分の車の利用状況に合った自動車保険等へ加入を検討することが大切です。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

ランキング