保険金の受取における消費税の扱いと勘定項目・仕訳方法を徹底解説

生命保険会社から支払われる保険金に、消費税が課せられることはありません。しかし、勘定項目・仕訳方法は受取人が誰であるか、法人事務所か個人事務所かでも経理処理は異なります。今回は、受け取った保険金の消費税の扱いや、保険金の勘定項目・仕訳方法について解説します。

内容をまとめると

  1. 保険金収入(解約返戻金を含む)は消費税の「課税対象外」とされ、保険料の戻りは消費税の「非課税」とされる
  2. 法人事務所が保険金を受取るときの勘定科目と、保険金の受取りが保険金を受取るときの勘定科目は、保険料積立金や配当積立金がある場合・ない場合とで仕分け方法が異なる 
  3. 個人事務所が受取る場合の処理方法は、保険契約者、被保険者、保険金受取人が誰であるかで対象となる税金が異なる
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保険金の受取における消費税の扱い

保険金を受け取る際の消費税ってかかるかどうかご存知ですか。

生命保険会社から支払われる保険金に、消費税が課せられることはないですし、受取人が個人であっても法人事務所が受け取っても消費税は課せられないです。

しかし、保険金を受取る場合には、どんな勘定項目・仕訳方法を行っているのでしょうか。

実は、ケースによってそれぞれ異なるのです。

そこで、この記事では「受け取った保険金の消費税の扱いと勘定項目・仕訳方法」について

  • 保険金収入の消費税の扱い
  • 消費税が課税対象外なる場合・消費税が非課税となる場合の違いとは
  • 保険金の仕訳方法

以上のことを中心に解説していきます。    
 

この記事を読んでいただければ、受け取った保険金の消費税の扱いや、保険金の勘定項目・仕訳方法を知ることに役立つと思います。     

ぜひ、最後までご覧ください。

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保険金収入は消費税の対象外か?

生命保険会社から受取人へ下りる保険金に、消費税は課せられません。保険金額によっては所得税・相続税・贈与税に該当する場合も出てくるので助かります。

こちらでは、受け取った保険金が課税されない理由を解説します。

保険金収入(解約返戻金を含む)は消費税の「課税対象外」

生命保険等で保険事故が発生した場合に、受取人は保険金を受取ることができます。

その他、保険契約を中途解約した場合、契約内容によっては解約返戻金が受取れる場合もあります。  

これらは受け取った個人や法人にとって、いずれも保険金収入となり、この保険金収入は消費税の扱いで「課税対象外(不課税)」となります。

この課税対象外(不課税)となる理由は、受け取った保険金は確かに収入といえるものの、事業や業務の対価(報酬)として受け取るお金ではないからです。

保険料の戻りは消費税の「非課税」

保険契約の内容変更や解約のタイミングのズレが原因で、一時支払った保険料が戻ってくることを「保険料の戻り」といいます。

この保険料が戻って来た場合、消費税は「非課税」となります。

非課税となる理由は、支払った保険料が戻ってくるという形になる以上、とても収入とはいえず課税対象になじまないものであるからです。

「課税対象外」と「非課税」って何が違うの?

課税対象外(不課税)と非課税は、消費税がかからないという意味で同じです。

しかし、消費税の経理処理を行う場合、課税対象外と非課税は明確に区別されています。

事業主が税務署に申告する場合、課税売上割合の計算では、課税対象外と非課税の取り扱いが異なります。

課税売上割合とは、課税売上高/総売上高としたときの割合です。

非課税取引は原則として分母(総売上高)に算入します。

一方、課税対象外取引の場合は消費税の適用の対象にならない取引なので、総売上高にも課税売上高にも算入しません。

計算式は次のようになります。

課税売上割合=課税売上高+免税売上高/課税売上高+免税売上高+非課税売上高


保険金の仕訳方法

保険金を受取る場合に税金計算をするうえで、原則として被保険者が死亡した日が基準ということになります。

この死亡保険金を法人事務所が受取る場合、法人事務所が個人(遺族)を受取人と設定した場合と、個人事務所(個人事業主)が受取る場合でそれぞれ仕訳方法は異なります。

こちらでは各ケースの仕分け方法について説明します。

法人事務所が受取る場合の勘定科目

法人事務所が保険金を受取る際には、保険料積立金や配当積立金がある場合と保険料積立金や配当積立金がない場合で、仕訳け方が異なります。

保険料積立金や配当積立金がある場合


保険料積立金・配当積立金よりも多く保険金が下りた場合は、その分を「雑収入」にします。

(事例)被保険者である従業員が死亡し、生命保険会社からの死亡保険金200万円を法人事務所が受け取った。

それまでに法人事務所は、保険料積立金40万円、配当積立金60万円を計上していた。

借方貸方
現預金 200万円保険料積立金(資産) 40万円 
配当積立金(資産) 60万円
雑収入      100万円

保険料積立金や配当積立金がない場合


保険金の全額(貸方)を雑収入とします。

(事例)被保険者である従業員が死亡し、法人事務所が生命保険会社からの死亡保険金200万円を受け取った。

借方貸方
現預金 200万円雑収入 200万円

保険金の受取りが個人の場合の勘定科目

保険金の受取人が被保険者(役員・従業員)の遺族のとき、保険金受取り時の経理処理も、保険料積立金や配当積立金がある場合、保険料積立金や配当積立金がない場合によって仕訳け方が異なります。

保険料積立金や配当積立金がある場合


保険料積立金と配当積立金の全額を取り崩すことになるので、「雑損失」とします。

(事例)被保険者である従業員が死亡し、生命保険会社からの死亡保険金200万円を遺族が受け取った。それまでに法人事務所は、保険料積立金 40万円、配当積立金60万円を計上していた。

借方貸方
雑損失 100万円保険料積立金(資産) 40万円
配当積立金(資産)  60万円

保険料積立金や配当積立金がない場合


こちらのケースは仕訳をする必要がありません。

なぜなら、法人事務所の資産として保険料積立金・配当金積立金どちらも計上されていないので、法人事務所が行う経理処理はありません。

借方貸方
仕訳なし仕訳なし

個人事務所が受取る場合の処理方法

個人事務所でも処理方法は次のケースでそれぞれ異なります。

生命保険の満期保険金の場合


個人事業主の場合は、生命保険の「満期保険金」を受け取るとき、一時所得に該当する可能性があります。

一時所得とは、営利を目的とした継続的行為から生じる所得以外の所得であり、労務・役務の対価としての性質や、資産の譲渡による対価としての性質を有しない、一時的な所得を指します。

計算式としては次のようになります。

満期保険金総額[所得金額]-支払った保険料総額[必要経費]-50万円[特別控除])×1/2=税金


生命保険の死亡保険金の場合


死亡保険金を受け取った場合、保険契約者、被保険者、保険金受取人が誰であるかで、対象となる税金が異なります。例を挙げて説明します。

〇父・母・子の3人世帯

(事例)生命保険の被保険者である父が死亡し、個人事務所を経営する子が生命保険会社から死亡保険金を受け取った。

税金の種類契約者被保険者受取人(事業主)
所得税
相続税
贈与税

  • 所得税:被保険者が父で、契約者および受取人(個人事業主)が被保険者の子であるならば、所得税(一時所得)のかかる場合があります。
  • 相続税:契約者および被保険者が父で、受取人(個人事業主)が子であるならば、相続税のかかる場合があります。なお、非課税枠は相続人1人につき500万円です。
  • 贈与税:契約者が母、被保険者が父、受取人(個人事業主)が子の場合、母から子への贈与の形になるので、贈与税のかかる場合があります。なお、基礎控除額は1年間で110万円です。

まとめ:保険金の消費税の扱いと勘定項目・仕訳方法

受け取った保険金の消費税の扱いと勘定項目・仕訳方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。   

今回の記事のポイントは

  • 保険金収入(解約返戻金を含む)は消費税の「課税対象外」とされ、保険料の戻りは消費税の「非課税」とされる
  • 法人事務所が保険金を受取るときの勘定科目と、保険金の受取りが保険金を受取るときの勘定科目は、保険料積立金や配当積立金がある場合・ない場合とで仕分け方法が異なる
  • 個人事務所が受取る場合の処理方法は、保険契約者、被保険者、保険金受取人が誰であるかで、対象となる税金が異なる

でした。

保険金受取の際は消費税はかかりませんが、各ケースによっては仕分け方法や、どのような税金がかかるか異なる場合があります。

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また、保険に関しては一人で考えるよりも、知識豊富な保険のプロと相談することが良い場合も多くあります。 

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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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