更新日:2023/11/19
生命保険料控除の契約者と保険料負担者が異なる場合、年末調整はどうなる?控除の条件を解説!
支払った保険料に応じて一定の金額が所得から控除され、節税効果が得られる生命保険料控除。控除対象となるのは、契約している生命保険の保険料を支払っている人です。しかし、妻名義で契約し保険料は夫が負担する場合もありますよね。このように契約者と保険料負担者が異なる場合、生命保険料控除が受けられるか解説します。
内容をまとめると
- 生命保険料控除を受けられるのは、控除対象となる生命保険の保険料負担者
- 生命保険の契約者と保険料負担者が異なる場合、条件を満たせば控除の対象となる!
- 契約者が妻で保険料負担者が夫の場合、夫は生命保険料控除を受けられる
- 契約者が親で保険料負担者が子の場合、子は生命保険料控除を受けられる
- ただし、上記のような場合でも控除の対象外になるケースもある
- 会社員や公務員の人は、年末調整で生命保険料控除を申請しよう!
- 契約者と保険料負担者が異なる場合の注意点は、税金と控除の限度額
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目次を使って気になるところから読みましょう!
生命保険料控除とは?
生命保険料控除とは、1年間で支払った生命保険に応じて一定金額が所得から控除される所得控除の一種です。
年末調整や確定申告で生命保険料控除を申請すれば、所得税や住民税の負担を軽減できます。
生命保険料控除の対象となる保険の種類は以下の3つです。
- 一般生命保険:生存または死亡に起因して保険金が支払われる保険
- 介護医療保険:入院や通院にともなう医療費に起因して給付金が支払われる保険
- 個人年金保険:個人年金保険料税制適格特約を付加した保険
- 旧制度:保険契約の締結日が平成23年(2011年)12月31日以前の保険
- 新制度:保険契約の締結日が平成24年(2012年)1月1日以降の保険
生命保険料控除の対象者を詳しく解説!
生命保険料控除は、申請すれば所得税や住民税が軽減される所得控除であると解説しました。
では、どのような人が生命保険料控除を受けられるのか、対象者を詳しく解説します。
控除対象となる生命保険の保険料を負担している人
生命保険料控除の対象となるのは、控除対象となる生命保険の保険料を負担している人です。
生命保険は、契約者と保険料負担者は同じであることが一般的です。
そのため、控除を受けられるのは契約者本人(保険料負担者)です。
契約者と保険料負担者が異なる場合、生命保険料控除の対象になる?
生命保険料控除の対象となるのは、保険料負担者であると解説しました。
では、以下のような契約者と保険料負担者が異なる場合、生命保険料控除の対象となるのでしょうか。
- 妻が契約者の生命保険の保険料を夫が負担する場合
- 親が契約者の生命保険の保険料を子が負担する場合
妻が契約者の生命保険の保険料を夫が負担する場合
契約者が妻、保険料負担者が夫の場合、夫の生命保険料控除の対象になります。
ただし、控除の対象となるには以下の条件があります。
- 妻自身が保険料を負担していない
- 妻が戸籍上の配偶者であること
- 妻名義の保険契約の保険料負担者が夫であることを証明すること
親が契約者の生命保険の保険料を子が負担する場合
契約者が親、保険料負担者が子の場合、子の生命保険料控除の対象になります。
契約者が妻で保険料負担者が夫のケースと同様、控除の対象となるには以下の条件を満たす必要があります。
- 親が保険料を負担していないこと
- 保険金の受取人が子本人または配偶者と親族であること
- 親名義の保険契約の保険料負担者が子であることを証明すること
契約者と保険料負担者が異なる場合の注意点を解説
契約者と保険料負担者が異なる場合でも、生命保険料控除の対象となるケースがあると解説しました。
ここからは、契約者と保険料負担者が異なる場合、どのようなことに注意する必要があるのかを以下の2つの観点から解説します。
- 保険金を受け取る際の税金について
- 生命保険料控除の申請方法について
- 控除額の上限について
①保険金を受け取る際の税金について
生命保険料控除を受けられる点では、契約者と保険料支払者は一致していなくても問題ありません。
しかし税金面では、契約者を変更した方が有利な場合もあります。
死亡保険で、死亡保険金を受け取る時にかかる税金について、契約形態ごとの違いを示した次の表をご覧ください。
税金の種類 | 契約者 (保険料支払者) | 被保険者 | 保険金受取人 |
---|---|---|---|
相続税 | 本人 | 本人 | 配偶者 子 |
所得税 | 本人 | 配偶者 | 本人 |
贈与税 | 本人 | 配偶者 | 子 |
結論から言うと、最もメリットがある可能性が高いのは税金の種類が相続税となる契約です。
理由は、相続税は法定相続人の数に応じた額が控除され、その分が非課税になるからです。
詳しい金額などは国税庁のホームページまたはこちらをご覧ください。
従って、被保険者が配偶者の契約では、契約者は自分とするよりも配偶者本人、受取人は自分のままとしておく方が、死亡保険金を受け取る際の税負担が軽くなる可能性が高いのです。
ただし、相続人の数や受け取る保険金の額によって異なりますので一概には言い切れません。
税金のことはかなり複雑ですが、完璧に理解する必要はありません。
なぜなら、保険のプロに相談すると、あなたに合った方法を分かりやすく教えてくれるからです。
自分にぴったりの最適な保険を契約したいという方は、ぜひマネーキャリアの無料相談をお試しください。
②生命保険料控除の申請方法について
自分以外の家族が契約者でも、保険料を払い込んでいる生命保険があれば、それは生命保険料控除の対象です。
ただし手続きには、「生命保険料控除証明書」が必要で、それは保険会社から契約者あてに届きます。
また、支払者が誰であるかは明記されていないものもあります。
従って、控除証明書と一緒に、自分が保険料の負担者であることを証明する資料を添付しなければならないことも。
添付資料の例としては、保険料の引き落としが分かる通帳ページのコピーや、クレジットカード明細書のコピーなどがあります。
ただし、その通帳やクレジットカードの名義が自分であることがわかる欄のコピーも忘れてはいけません。
また、保険会社へ問い合わせて、保険料の支払者が載っている証明書を新たに発行してもらう方法もあります。
ただしこれには1~2週間かかるので注意。
通常、保険会社から控除証明書が自宅へ送られてくるのは毎年10月頃です。
直前にバタバタしないよう、12月の年末調整へむけて余裕をもって準備したいものです。
新しい控除証明書が届いた場合は、すでに受け取っている分は無効になりますので、すぐに破棄してくださいね。
③控除額の上限について
生命保険料控除には上限が設けられています。
冒頭でも解説したように、生命保険料控除の対象となる3種類の保険と、新旧制度で上限額が異なります。
また、所得税と住民税の控除限度額もそれぞれ設定されているため、計算方法も非常に複雑です。
詳しく解説した記事がございますので、こちらをご覧ください。
生命保険料控除の年末調整・確定申告について解説!
会社員が生命保険料控除を受けるためには、年末調整が必要。
申請の方法は簡単で、保険会社から届く生命保険料控除証明書を、会社指定の保険料控除申告書と一緒に、期限内に会社の窓口へ提出するだけです。
注意してほしいのは、手続きには控除証明書の原本が必要ということ。
万が一年末調整までの間に紛失、または破棄してしまったら、保険会社へ再発行の依頼が必要です。
再発行には2週間程度かかることも多く、締め切りギリギリになった、なんてことにならないよう年末調整は余裕をもって提出準備を開始するようにしましょう。
万が一期限を過ぎても、自分で確定申告をすれば5年間は手続き可能です。
詳しい手続き方法や、申請できる上限金額などの詳細は以下の記事をご覧ください。
まとめ:生命保険料控除は契約者と支払者が異なる場合でも対象になる!
毎年の年末調整で対象となる生命保険料控除について解説しましたが、いかがでしたか。
本記事の内容をもう一度おさらいしましょう。
- 生命保険料控除を受けられるのは、控除対象となる生命保険の保険料負担者
- 生命保険の契約者と保険料負担者が異なる場合、条件を満たせば控除対象となる!
- 契約者が妻で保険料負担者が夫の場合、夫は生命保険料控除を受けられる
- 契約者が親で保険料負担者が子の場合、子は生命保険料控除を受けられる
- ただし、上記のような場合でも控除の対象外になるケースもある
- 会社員や公務員の人は、年末調整で生命保険料控除を申請しよう!
- 契約者と保険料負担者が異なる場合の注意点は、税金と控除の限度額
生命保険料控除は、支払う税金を軽減できる税制上の優遇制度です。
抜け漏れで損することがないよう、制度の詳細を理解し、正しく活用することが大切ですね。
自分で調べただけでは理解できたか不安という方は、マネーキャリアへ無料相談することをおすすめします。
また、ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので
ぜひご覧ください。