生命保険契約期間中の配当金は生命保険料控除ではどうなる?

生命保険には、配当金があり契約があります。もし配当金を受け取ったときには、生命保険料控除を行うときの対象額に変化はあるのでしょうか。生命保険料控除も平成24年1月1日で変更となっており、対象額がわかりにくくなりました。一度整理してみたらよいでしょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

配当金を貰った場合の生命保険料控除

生命保険契約には、運用において剰余金が発生した場合に、契約者に分配する「配当金」があります。

最近は「配当金」が発生する契約は少なくなっていますが、もし、「配当金」があった場合の生命保険料の控除はどのようになるでしょうか。


この記事では生命保険の契約期間中に配当金をもらった場合の保険料控除の計算方法などについて紹介していきます。


是非最後までご覧ください。


ほけんROOMでは他にも保険に関する記事や、どの保険相談窓口を選べば良いかと言った記事を公開しておりますので、お悩みの方はそちらも合わせてご覧ください。

また、生命保険についての記事はこちらをご覧ください。

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保険料総額ー配当金=保険料として計算される


ます、対象となる保険料はどのようなものでしょうか。 


保険料は、毎年1月から12月までの間で支払った保険料となります。


一年目の場合では、契約し保険料の支払いを始めてから、12月までとなります。 


 生命保険料控除では、「1年間に支払った保険料等」という記載があります。(年間支払い保険料等)


「1年間に支払った保険料から、契約によって受け取った配当金を差し引き、実際に支払った保険料」というのが正しい言い方のほうが理解しやすいでしょう。 


 「生命保険料控除とは」の段で記載している「支払い保険料」は配当金を差し引いたものとなり、その金額で控除額が変わります。


計算式ではこのようになります。

支払保険料総額ー配当金=保険料

生命保険料控除とは

生命保険料控除とは、生命保険や医療保険に加入し、保険料を負担している人が受けられる税制優遇制度となります。

簡単な言い方に変えると、「保険料支払った人は、その分税金をへらしてあげる」ってところになります。

なぜ、税金を優遇してくれるのでしょうか。


それは、社会保険制度だけでなく「自助努力」による備えをしているからです。


すべてを優遇とはいきませんが、活用できる制度ですので、きちんとした理解をしましょう。


現在適用される生命保険料控除は?

現在、平成23年12月31日以前に締結した契約と、平成24年1月1日以降に締結した契約では、生命保険料控除の金額が異なります。


平成23年12月31日以前では、

旧生命保険控除と旧個人年金保険控除の2種類(各5万円)となっています。


平成24年1月1日以降では、

新生命保険料控除と介護医療保険料控除、新個人年金保険料控除の3種類となっています。(各4万円)


新旧の生命保険料控除対象がある場合は?

新旧の生命保険料控除が発生している場合はどうなるのでしょうか。

旧契約だけを生命畝保険料控除とする方法、新契約だけを生命保険料控除とする方法があります。また、新旧の両方を保険料控除とする場合は、新旧の保険契約の支払い保険料合計のうち、4万円が控除の対象となります。



生命保険料控除の金額は?

新生命保険料控除の場合

年間支払い保険料等控除額
20,000円以下支払い保険料等全額
20,001円から40,000円支払い保険料等×1/2-10,000円
40,001円から80,000円支払い保険料等×1/4-20,000円
80,001円以上一律40,000円

旧生命保険料控除の場合

年間支払い保険料等控除額
25,000円支払い保険料等全額
25,001円から50,000円支払い保険料等×1/2-12,500円
50,001円から100,000円支払い保険料等×1/4-25,000円
100,001円以上一律50,000円



生命保険における配当金とは

生命保険は、「有配当契約」「無配当契約」があります。

今回説明をする「配当」は、「有配当契約」が対象となります。

「配当」がない「無配当契約」は、保険料が抑えられたものとなっています。


その配当は、生命保険が使う3つの予定率と、実際率との差による剰余金を分配するものとなります。


簡単な言い方をすれば、「予定していたよりも事業がうまくいったので、必要経費を差っぴいて、持分で分けましょう」といったものです。

予定利率・予定死亡率・予定事業比率とは

生命保険で使われる3つの予定利率について説明をします。

予定利率とは、運用利回りとなります。

契約によっては、高い利率を持っているものもあります。


予定死亡率とは、年間で死亡する人を予定数です。

平均余命といった言葉がありますが、年間で死亡されるであろう人数を統計的に計算しています。


予定事業費率とは、生命保険会社が事業を行ううえで必要な費用の率になります。

生命保険会社の努力で下げることも可能な比率です。

配当金が生まれる仕組み

配当金は前段で記載した「3つの予定率」から発生します。

「有配当契約」では、3つの予定率から生まれた剰余金となります。


予定していた利率と実際の利率の差から発生する事後精算のイメージとなります。


また、「有配当契約」であっても、3つの予定利率のうち「予定利率」だけを対象とする「利差配当」方式の契約があります。

配当金の分配方式

配当金の分配には、4つの方法があります。

  1. 積立
  2. 買い増し
  3. 相殺
  4. 現金支払い

これらを順番に説明します。


積立とは、配当金を保険会社に積み立てておきます。積み立てた配当金は、保険会社の所定の利率で運用されます。


買い増しとは、配当金を一時払いの保険料として保険金額を買い足します。


相殺とは、支払う保険料から、配当金を差し引きます。


現金支払いとは、配当金をそのまま受け取る方法となります。

配当金を貰った時の課税システム

配当金をもらったときの課税はどのようになるのでしょうか。

たとえば、死亡保険や医療保険、年金といった保険契約がありますが契約している種類によって課税が異なるといったことがあるのでしょうか。


配当金をもらった時の課税の種類についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

配当金を貰っても所得税も住民税もかからない

契約期間中に受け取った配当金は、支払っている保険料から控除されるので、課税対象とはなりません。ですので、所得税も住民税も対象となりません。

保険金と一緒にうけとる配当金については、受け取った保険金とあわせて一時所得として課税対象となります。




年金の配当金は雑所得になる

年金の配当金に税金がかかるか、を解説するには、「誰が保険料を支払い」「誰が保険料を受け取るか」によって変わります。

一般的には、年金保険は保険料を契約者が支払い、契約者が年金を受け取る場合は「雑所得」となります。


雑所得とならない場合としては、契約者が保険料負担をしているが、年金の受取は、別の方となる場合は「所得税」「贈与税」の対象となります。


生命保険の税金については、保険料負担者と受取人により税金が変わりますので、きちんと理解をしておくことが必要です。

一時金の配当金は一時所得になる

生命保険の契約には、満期返戻金がある契約があります。

満期返戻金等を一時金として受け取った場合の税金について説明します。


満期返戻金を一時金として受け取った場合は、一時所得として課税対象となります。


一時所得としての金額は、その満期返戻金以外に受け取った一時所得がない場合は、受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料を差し引きます。さらに「一時所得の特別控除(50万円)」を差し引いた金額となります。


課税対象となるのは、上記の金額の1/2となります。


こちらの詳しい計算についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。


まとめ

生命保険料控除は、「自助努力」をしている人に対する税金の優遇制度です。


キチンと活用しなければ、無駄に税金を支払っていることとなります。

また、生命保険には配当金という、契約者が生命保険会社から受け取るお金があります。


配当金があった場合には、生命保険料控除の年間支払い保険料が変わることとなり、控除の対象額が変わる可能性もありますので、注意しておきましょう。


本記事を読んで、より生命保険料控除などの所得控除について知りたい方は、ほけんROOMの記事をご覧ください。


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