
更新日:2023/02/27
103万以下のパート主婦(妻)、扶養内でも年末調整で生命保険料控除の対象です!
「103万円の壁」はパート主婦なら誰しもが知っていると思います。扶養家族として所得税が控除されるのですが、所得税を払っていないパート主婦のあなたも実は生命保険料控除の対象となる可能性があります。ちょっと難しい税金のこと、生命保険料控除のことを簡単に解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
扶養内のパート主婦(妻)の生命保険料控除を全解説!
所得103万円を越えると扶養家族の控除から外れてしまう「103万円の壁」を気にして、パートをギリギリのところで所得を調整しているのではないでしょうか?
しかし、これだけ扶養家族の控除を気にしている方でも、生命保険料控除などその他の控除に疎かったりします。
「実は生命保険料控除を使えば115万円までパートをすることができる」という事実や、「生命保険料控除で最大夫婦2人分の税金を控除することができる」という事実など、正しく理解している方はどのくらいいますでしょうか?
所得が103万円以内なら所得税は0円で、確定申告は行わなくても良く、生命保険料控除の対象外かと思っていませんか?
実はパート主婦にも生命保険料控除の対象となる税金があるのです。
この記事では、確定申告時の控除の種類を再確認したのちに、
- 生命保険料控除で夫婦2人分の税金を控除するための知識
- 103万円以下のパート主婦でも控除される税金について
- パート主婦が生命保険料控除を受けるに当たって気をつけるべき注意点
この3点をじっくり解説していきます。
今まで知らずに損をしていたなどという方も多いと思います。
最後まで読んで生命保険料控除を理解しましょう。
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年末調整・確定申告時の所得控除の種類を確認!
大前提として、年末控除・確定申告で関係してくる税金の種類は「所得税」「住民税」「消費税」「個人事業税」4種類です。
後ろ二つは事業者が納税する税金なので、個人の年末控除・確定申告で関与してくる税金は「所得税」「住民税」です。
所得税と住民税は支払い方が大きく異なり、前者は前払い(給与時に納める)なのに対し、後者は後払い(確定申告時に納める)となっており、還付金が返ってくるのは所得税です。
一方で、住民税は控除額を引いた金額を支払います。
この大前提をまずは押さえておきましょう。
では、まずは確定申告時の所得控除の種類を確認しましょう。
所得控除は全14種類あります。
- 基礎控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 障害者控除
- 寡婦控除、寡夫控除
- 勤労学生控除
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
この中でパート主婦の方が特に気にすべ控除が、「配偶者控除」「配偶者特別控除」「生命保険料金控除」です。
他にお得に活用すべきな医療費控除についてや寄付金控除については別で解説します。
ここから分かる通り、「生命保険料控除」と「103万円の壁」は全くの別物です。
その上で、まずは「103万円の壁」を再度理解しましょう。
パートの妻に関わる「103万円の壁」(配偶者控除)をおさらいしておこう
主に、パート主婦が所得を103万円以下にしようと必死なのは、以下の3つの理由であることが多いです。
- 夫が配偶者控除を受けられる
- パート主婦自身が所得税がかからない
- 大企業の福利厚生などで配偶者手当などを受けられる
(103万円で設定している企業が多いため)
「生命保険料控除」と「103万円の壁」が別ものと紹介しましたが、さらに、「配偶者控除」と「(自分に)所得税がかからないこと」も全くの別物です。
配偶者控除とは、所得が103万円を下回る配偶者を持つ納税者(夫)が所得税・住民税の控除を受けられることを言います。
正確には、下記の条件の場合配偶者控除を夫が受けることができます。
- 民法上の配偶者であること
- 納税者と生計を同じにしていること
- 年間の合計所得金額が38万円以下であること
ただし、給与所得のみ103万円以下であること
3について詳しく解説します。
所得には、給与所得や不動産所得、利子所得などがありますが、給与所得では年収180万円以下(平成29年現在)だと、65万円の給与所得控除(=経費と考えて大丈夫です。)を受けることが可能です。
これにより、合計所得金額の38万円を足した、103万円が所得税の境界ラインになります。
※103万円の壁を超えても、納税者(夫)が年収1000万円を下回せる場合には、「特別配偶者控除」も受けることが可能です。
年収 | 配偶者控除 | 配偶者特別控除 |
---|---|---|
100万円以下 | 38万円 | - |
103万円以下 | 38万円 | - |
105万円未満 | - | 38万円 |
110万円未満 | - | 36万円 |
115万円未満 | - | 31万円 |
120万円未満 | - | 26万円 |
125万円未満 | - | 21万円 |
130万円未満 | - | 16万円 |
135万円未満 | - | 11万円 |
140万円未満 | - | 6万円 |
141万円未満 | - | 3万円 |
141万円以上 | - | 0万円 |
「103万円の壁」とパート主婦(妻)の所得税の関係は?
「103万円の壁」の比較

簡単に図解すると上記の通りです。
同じ103万円でも、38万円に該当する箇所が配偶者控除と所得税の基礎控除で全く異なります。
所得から基礎控除分をだけを除いているので、所得税に詳しい主婦の方ならすぐに、生命保険料控除や医療保険控除を利かせれば所得税に関してもゼロのままでもっとアルバイトをすることができる!とお考えかもしれませんが、これには注意が必要です。
実は、夫の扶養内となっている場合、保険料の支払い者が夫の所得なため、生命保険料控除の該当ではない、という問題があります。
次の見出しで詳しく見てみましょう。
年末調整の生命保険料控除で「誰の」税金を控除したいのかまず重要
- 夫の所得税の生命保険料控除に、妻を契約者・被保険人とした保険料を算入できるのか
- 妻の所得税の生命保険料控除に、妻を契約者・被保険人とした保険料を算入できるのか
というポイントになります。
実際に保険料を支払っている人が生命保険料控除の対象となる
これは、単に契約者(=保険法上の保険料負担者)であるだけでなく、実際に保険料を支払っている人は誰なのか、で対象が決まります。
すなわち、パート主婦の口座から保険料を支払っている場合は妻の所得税の生命保険料控除に、夫の口座から保険料を支払っている場合は夫の生命保険料控除に算入します。
(ただし、現金で保険料の支払いを行なっている場合はどちらに算入しても良いです。)
先ほどの件に関して言えば、夫の扶養内でパート主婦をやられている方に関しては、実質の保険料支払い者がほぼ夫になるかと思いますので、夫の生命保険料控除の該当となります。
夫の生命保険料控除に妻の保険料も算入させたいと言う方はこちらの「主婦の生命保険料も控除の対象です!夫婦の保険料で節税しよう」記事をチェックしましょう。
パート主婦(妻)の年末調整の手続きに関わる疑問点
妻がパートで働いている場合の年末調整に関わるぎもんをまとめてみました。
- 源泉徴収票をもらっていない場合
- 年末調整がない会社の場合
源泉徴収票をもらっていない場合の年末調整の手続きは?
頼んでも何らかの理由で源泉徴収票を発行してもらえない場合や前職の職場が倒産してしまった場合などには、税務署で「源泉徴収票不交付の届出書」の提出が必要になります。
また、その場合には給与明細など支払われた金額の分かる書類が証明書となります。ですので、毎月の給与明細表は大切に保管しておきましょう。
この場合は以上の証明書を使い、自分で確定申告をする必要があります。
年末が近づいたのに源泉徴収票が手元にない場合には、税務署に相談するところから初めてみてください。
年末調整がない会社の場合は確定申告が必要?
そもそも勤め先が年末調整を行っていないという場合には、自分で必要書類を揃え、確定申告を行わなくてはいけません。
やらなくても良いという気になってしまいがちですが、いずれにせよ、納税は必ず行う必要があります。
年末調整の期限は1月31日、確定申告の期限は通常は3月16日までですので、この期限までに手続きをすることになります。
自身が給与所得者であるにもかかわらず、勤め先が年末調整を行っていない場合、ともかく源泉徴収票を受け取りましょう。
このとき必要なものは
- 年末調整未済の源泉徴収票:単純に1年間の給与額合計や源泉徴収額の合計が記載されたもの
- 年末調整済みの源泉徴収票:会社が年末調整後に税務署に提出するもの
パート掛け持ちの主婦の年末調整の注意点を確認
ここでは、パートを二箇所以上で掛け持ちしている主婦の方の年末調整について確認していきます。
以下2点を確認していきましょう。
- パート掛け持ちで年末調整が必要な条件
- パート掛け持ちの場合社会保険にも注意が必要
パート掛け持ち主婦で年末調整が必要な条件とは
配偶者の扶養内で働いていて確定申告・年末調整の義務が発生する条件はこちらです。
2ヶ所以上の勤務先から収入があり、年末調整をしない職場の給与と他の所得の合計が20万円を超える場合
パート先が1か所かつ年間の収入が103万円以下であるケースでは、年末調整を行うと所得税の対象にはなりませんが「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」という書類を勤め先に提出する必要がありますね。
しかしこの書類は、1ケ所にしか提出できないために、2ヶ所以上の職場で働いている場合には注意が必要です。
2ヶ所目以降の職場の給与は、書類提出ができないために所得税が差し引かれてしまいます。 このような時は、年末調整・確定申告で払い過ぎた所得税を還付してもらうことができます。
わからない場合は税務署で教えてもらいましょう。
パート掛け持ちの場合は所得税の他に社会保険にも注意
社会保険の扶養認定を外されないようにするには、年収130万以下にすることが必要です。
年収130万円というと、毎月約10万円以下です。 この金額を超えてしまうと社会保険に加入しなければいけなくなり、支払われる給与から社会保険料が差し引かれることになります。
こうなってしまうと、単純に給与の手取り額が減ってしまい、損をしてしまいます。
社会保険への加入を検討するのであれば、手取り額を計算して検討する必要があるでしょう。
妻名義で妻の口座から支払えば、2人分の生命保険料控除を受けられる
夫に算入する場合、上限額のせいで申告する必要もない可能性が高いと思われます。
となると、保険を妻名義で妻が支払いを行なっているということにできれば、夫婦2人分の生命保険料控除を受けられることができます。
マックスで所得税12万円、住民税7万円の合計19万円分控除を受けられるだけに、38万円もの控除が年間で受けられると言うわけです。
保険料が支払いできなくなる可能性だけが気がかりではあるので、夫の契約で保険料控除の上限まで埋めておき、残りの自身の保険や子どもの保険をパート代で稼いだお金で支払いをすると言うことで解決すると思います。
パート主婦(妻)が対象の生命保険料控除を受ける場合の注意点
- 夫の配偶者控除はどうなるのか
- 妻の所得税額はいくらくらいになるのか
- その他の注意点はあるか
配偶者控除に関しては、前述の通り配偶者特別控除があります。
パート収入が141万円まで段階的に下がっていくので控除額が小さくなりますが、全体の控除額との兼ね合いになるでしょう。
次に、パート主婦の所得税額はいくらくらいになるのか、というポイントです。
例えば105万円のパート収入の場合、給与所得控除の65万円、基礎控除38万円を控除し、課税対象は2万円となります。
最低税率が5%なので、1000円が納める所得税となります。
パート収入の額次第ですが、ちょっとであれば、生命保険料控除で4万円分還付されるとしたら問題ないかと思います。
そう考えると、103万を超えて働いても全然大丈夫なのでは?と考えると思います。
しかし、保険の受取人の設定には気をつけなければなりません。
もし、契約者=妻、被保険者=妻、受取人=夫、としていた場合は注意が必要です。
贈与税の対象になると、所得税とは比にならない程度お金がかかってしまいます。
この受取人の設定はチェックしておきましょう。
115万円までのアルバイトなら所得控除で同じ扶養を受けられる
12万円の控除を受ける場合なら、115万円をパートで稼いだ場合、夫の所得税の配偶者特別控除の額は減りますが、妻の所得税はゼロなので、数万円ほどプラスで稼げる範囲は大きくなります。
パート主婦にとっては年末のシフト調整は誰でも経験したことがあると思いますが、そういったことも少しは考えなくてよくなるでしょう。
ただし、生命保険料控除の内訳として、一般生命保険料控除(死亡保障の保険)が4万円、介護医療保険料控除(通院保障や入院保障の保険)が4万円、個人年金保険料控除(個人年金の積立保険)が4万円なので、上限額の12万円の控除にするには、保険料がかかり、少し難しいと思われます。
実は所得税が0のパート主婦(妻)でも住民税がかかる
住民税は、都道府県、区市町村ごとに課税金額が変わってくるので一概には言えませんが、所得103万円以下のパート主婦でも、課税されます。
配偶者控除も基礎控除も、所得税よりも5万円少ない33万円なので、パート年収98万円以上の場合課税されることになります。
例えば、パート年収が102万円だと、所得税はかかりませんが、住民税はかかるのです。
所得税0のパート主婦でも、自身の住民税分を生命保険料控除を申請した方が良い可能性は大いにあります。
ですので、年末調整時・確定申告時に忘れずに生命保険料控除証明書をを提出するようにしましょう。
まとめ:パート主婦(妻)と生命保険料控除
夫の税金・妻の税金、所得税・住民税、配偶者控除・生命保険料控除と複雑な事柄が多くあったと思います。
103万円の壁と生命保険料控除の間には関係性は全くないこと、夫婦2人分の保険料の控除を受けるやり方など、今まで知らないような知識を盛り込んできました。
もう少し理解が足りないと言う方は、もう一度用語を整理した上で読んでみてください。
ちゃんと理解できているか心配と言う方は、ファイナンシャルプランナーなどに相談してみてはいかがでしょうか?
保険に関しては一人で考えるよりも、知識豊富な保険のプロと相談することが良い場合も多くあります。
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