医療保険に関する年末調整・確定申告の際に使える制度をプロが解説!

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医療費や医療保険は制度を上手く活用すれば節税することができます。ですが、どうすれば制度を利用できるのか悩んでいる方も多いです。この記事では生命保険料控除・医療費控除の仕組みや計算方法のほか、具体的な申請方法・各書類の書き方も解説していきます。



▼この記事を読んで欲しい人
  • 保険に加入しており、節税の方法を知りたい方
  • どんな種類の保険が節税できるのか知りたい方
  • 医療費の負担を減らしたい方
  • 年末調整や確定申告での申請方法を知りたい方
  • 医療費控除や生命保険料控除の書類の書き方を知りたい方

内容をまとめると

  • 生命保険料控除と医療費控除を利用することで、所得税と住民税を減らすことができる。
  • 生命保険料控除は、契約した年月によって計算方法や限度額が異なる。また会社員は年末調整、自営業者は確定申告にて申請する
  • 医療費控除は所得によって計算方法が異なる。また、確定申告にて申請する。
  • 控除の方法が合っているか不安な方や、どんな保険を選べば上手く節税できるかわからない方は、マネーキャリアでの相談がおすすめ
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目次を使って気になるところから読みましょう!

何末調整・確定申告の時に生命保険料控除が利用できる仕組み


生命保険料控除その年に払った保険料に応じて、一定の金額が保険の契約者の所得から差し引かれます。税率を計算するための所得が低くなるため、所得税・住民税の負担が軽減されます。つまり保険料を払った額に応じて、税金の負担を小さくすることができます。生命保険料控除は年末調整か確定申告によって行うことができます。


生命保険料控除の対象

  1. 生命保険
  2. 介護医療保険
  3. 個人年金保険

それぞれ対象を詳しく見ていきます。


1.生命保険

生命保険での生命保険料控除対象となる要件は以下のとおりです。(一部であり、他にも様々な要件があります)

  • 保険金等の受取人のすべてをその保険料等の払込みをする方またはその配偶者その他の親族となっているもの
  • 生存または死亡に基因して一定額の保険金等が支払われるもの
  • 医療費支払事由に基因した保険金が支払われるもの

国税庁HPより引用


2.介護医療保険

介護医療保険での生命保険料控除対象となる要件は以下のとおりです。(一部であり、他にも様々な要件があります)

  • 保険金等の受取人のすべてをその保険料等の払込みをする者またはその配偶者その他の親族とするもの
  • 医療費支払事由に基づいて保険金が支払われるもの

国税庁HPより引用



3.個人年金保険

個人年金保険は他の2つの保険より要件が細かくなっています。

個人年金保険の生命保険料控除の対象となる要件は以下のとおりです。(一部であり、他にも様々な要件があります)

  • 受取人が保険料や掛け金の払込をする人や、その配偶者となっているもの
  • 保険料等は、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって、定期に支払う契約であるもの
  • 年金受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払うとされている10年以上の定期または終身の年金であるもの
  • 年金の支払は、年金受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払うとされている10年以上の定期または終身の年金であるもの

国税庁HPより引用


注意点として、保険期間が5年未満の貯蓄保険などは含みません。これについては後半の記事で詳しく解説しています。


平成22年度に生命保険料控除制度は改正となりました。以前は介護医療の保険料は生命保険料に分類されていましたが、この改正により介護医療保険料に分類されるようになりました。そのため生命保険料控除は保険を契約した年月によって計算方法が違います


旧制度・新制度の区分け

  • 2011年12月31日以前に契約した場合→旧制度で計算
  • 2011年12月31日以後に契約した場合→新制度で計算 

新規の契約だけではなく、2011年12月31日以後に契約更新や転換・特約の中途付加などをした場合は契約全体が新制度の対象となります。また2011年12月31日以後に年度の途中で更新があった場合、更新月以後の保険料は新制度で計算されます。


たとえば2011年12月31日以前に契約した生命保険が、2020年の5月に更新となった場合

契約年2020年2020年
契約月1~4月5~12月
該当制度旧制度新制度

となります。


旧制度・新制度の生命保険料控除がいくらになるか、次の項目で詳しく解説していきます。 

旧制度・新制度における生命保険料控除の計算方法


さきほど、生命保険料控除は保険を契約した年月によって計算方法が違うとお伝えしました。同じように、生命保険料控除の上限額も旧制度・新制度によって変わります


旧制度の控除上限額

全体の所得控除限度額所得税100,000円住民税70,000円
 一般生命保険料控除限度額所得税50,000円住民税35,000円
個人年金保険料控除限度額所得税50,000円住民税35,000円

国税庁HPを参考にほけんROOMが作成 


新制度の控除上限額 

全体の所得控除限度額所得税120,000円住民税70,000円
 一般生命保険料控除限度額所得税40,000円住民税28,000円
個人年金保険料控除限度額所得税40,000円住民税28,000円
介護医療保険控除限度額所得税40,000円住民税28,000円
その他保険料対象外対象外

国税庁HPを参考にほけんROOMが作成


新制度では、一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料の所得控除限度額は2.8万円ずつですが、合計では7万円が限度額となるのでご注意ください。(2.8万×3=8.4万円が限度額にはなりません。)


それでは生命保険料控除の具体的な計算方法を見ていきましょう。 

新制度の計算方法

新制度の所得税・個人住民税の生命保険料控除額は下記の表に当てはめて計算していきます。


所得税の生命保険料控除(一般・個人年金・介護医療保険それぞれ算出) 

年間正味払込保険料控除額
20,000円以下年間正味払込保険料の全額
20,000円超40,000円以下年間正味払込保険料×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下
年間正味払込保険料×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円

国税庁HPを参考にほけんROOMが作成

一般生命保険・個人年金保険・介護医療保険、あわせて12万円が限度額となります。



個人住民税の生命保険料控除(一般・個人年金・介護医療保険それぞれ算出)

 年間正味払込保険料控除額
12,000円以下年間正味払込保険料の全額
12,000円超32,000円以下年間正味払込保険料×1/2+6,000円
32,000円超56,000円以下年間正味払込保険料×1/4+14,000円
56,000円超一律28,000円 

川口市HPを参考にほけんROOMが作成

 一般生命保険・個人年金保険・介護医療保険、あわせて7万円が限度額となります。

旧制度の計算方法

旧制度の所得税・個人住民税の生命保険料控除額は下記の表に当てはめて計算していきます。


所得税の生命保険料控除(一般・個人年金それぞれ算出)

年間正味払込保険料控除額
25,000円以下年間正味払込保険料の全額
25,000円超50,000円以下年間正味払込保険料×1/2+12,500円
50,000円超100,000円以下年間正味払込保険料×1/4+25,000円
100,000円超一律50,000円

国税庁HPを参考にほけんROOMが作成

一般生命保険・個人年金保険あわせて10万円が限度額となります。


個人住民税の生命保険料控除(一般・個人年金それぞれ算出)

年間正味払込保険料控除額
15,000円以下年間正味払込保険料の全額
15,000円超40,000円以下年間正味払込保険料×1/2+7,500円
40,000円超70,000円以下年間正味払込保険料×1/4+17,500円
70,000円超一律35,000円

川口市HPを参考にほけんROOMが作成

一般生命保険・個人年金保険あわせて7万円が限度額となります。

医療保険を契約した際の生命保険料控除の計算事例3パターン


これまで、生命保険料控除は契約した時期によって計算方式が変わるとお伝えしました。

2011年12月31日以前の契約は旧制度で計算し、2011年12月31日以後の契約は新制度で計算します。


旧制度ならば、一般生命保険料・個人年金保険料ごとに表に沿って所得税と個人住民税の控除額を計算します


新制度ならば、一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料ごとに表に沿って所得税と個人住民税の控除額を計算します


所得税控除は同年の所得税に対して適用されます。そして、還付金を受け取る形になっています。


これに対して、住民税控除は翌年の住民税に対して適用されます。そして、控除分がすでに差し引きされた状態の住民税を支払う形となっています。


保険料の種類ごとに限度額が設けられ、さらに全体での限度額が設定されている点にも注意しなければなりません。説明だけでは分かりづらいですので、具体例で生命保険料控除額がいくらになるか見ていきましょう。

パターン①:旧制度契約の商品のみに適用

まず1つめのパターンは旧制度契約の商品のみに適用させる場合です。


たとえば2009年に契約した一般生命保険・個人年金保険があり、保険料が以下のような場合

一般生命保険料:60,000円/年

個人年金保険料:20,000円/年


所得税の生命保険料控除額

旧制度で算出してきます。


一般生命保険での控除額

60,000円×1/4+25,000円=40,000(限度額50,000円) 

個人年金保険での控除額

個人年金保険料の年間払込額が25,000円以下のため、20,000円が控除額となります。


一般生命保険の控除額+個人年金保険の控除額

40,000円+20,000円=60,000円(全体の限度額100,000円)

結果、所得税の生命保険控除額は60,000円となります。


個人住民税の生命保険料控除額

旧制度で算出していきます。


一般生命保険での控除額

60,000円×1/4+17,500円=32,500円(限度額35,000円) 

個人年金保険での控除額

20,000円×1/2+7,500円=17,500円(限度額35,000円)

一般生命保険の控除額+個人年金保険の控除額

32,500円+17,500円=50,000円(全体の限度額70,000円)

結果、個人住民税の生命保険料控除額は50,000円となります。


このパターンでは生命保険控除により所得税は60,000円、個人住民税は50,000円節税できたことになります。

パターン②:旧制度契約の商品と新制度契約の商品の両方に適用

2つめのパターンは旧制度契約商品と新制度契約商品が混在している場合です。この場合は、それぞれ旧制度・新制度・旧制度+新制度の控除額を比較して一番額が大きいものを適用します。なお、旧制度+新制度の控除額の限度額は所得税が40,000円、住民税が28,000円です。


たとえば2009年に契約した一般生命保険と、2020年に契約した一般生命保険があり、保険料が以下のような場合

一般生命保険料(2009年契約):40,000円/年 

一般生命保険料(2020年契約):30,000円/年


所得税の生命保険料控除額

2009年契約のものは旧制度での計算なので

40,000円×1/2+12,500円=32,500円(限度額50,000円)

2020年契約のものは新制度での計算なので

30,000円×1/2+10,000円=25,000円(限度額40,000円)

①旧制度の所得税生命保険料控除額:32,500円


②新制度の所得税生命保険料控除額:25,000円


③旧制度・新制度どちらも適用を受ける場合:57,500円(限度額40,000円)

となり、③で計算した40,000円を所得税の一般生命保険料控除額とします。



個人住民税の生命保険料控除額

2009年契約のものは旧制度での計算なので

40,000円×1/2+7,500円=27,500円(限度額35,000円)

2020年契約のものは新制度での計算なので

30,000円×1/2+6,000円=21,000円(限度額28,000円)

①旧制度の所得税生命保険料控除額:27,500円

②新制度の所得税生命保険料控除額:21,000円

③旧制度・新制度どちらも適用を受ける場合:48,500円(限度額28000円円)
となり、③で計算した28,000円を個人住民税の一般生命保険料控除額とします。

パターン③:新制度契約の商品のみに適用

最後の3つめのパターンは、新制度契約の商品のみに適用させる場合です。


たとえば2020年に契約した一般生命保険・個人年金保険・介護医療保険があり、保険料が以下のような場合 

一般生命保険料:50,000円/年

個人年金保険料:30,000円/年

介護医療保険料:20,000円/年


所得税の生命保険料控除額

新制度で算出していきます。


一般生命保険での控除額

50,000円×1/4+20,000円=32,500円(限度額40,000円)

個人年金保険での控除額

30,000円×1/2+10,000円=25,000円(限度額40,000円)

介護医療保険の年間払込額が20,000円以下のため、20,000円が控除額となります。


一般生命保険の控除額+個人年金保険の控除額+介護医療保険での控除額

32,500円+25,000円+20,000円=77,500(全体の限度額120,000円)

結果、所得税の生命保険控除額は77,500円となります。


個人住民税の生命保険料控除額

新制度で算出していきます。

一般生命保険での控除額

50,000円×1/4+14,000円=26,500円(限度額28,000円)

個人年金保険での控除額

30,000円×1/2+6,000円=21,000円(限度額28,000円)



介護医療保険での控除額

20,000円×1/2+6,000円=16,000円(限度額28,000円)

一般生命保険の控除額+個人年金保険の控除額+介護医療保険での控除額

26,500円+21,000円+16,000円=63,500円(全体の限度額70,000円)

結果、個人住民税の生命保険控除額は63,500円となります。

このパターンでは生命保険控除により所得税は77,500円、個人住民税は63,500円節税できたことになります。

年末調整・確定申告の際に生命保険料控除の申請方法を2種で分類


生命保険料控除の申請の仕方は就業形態によって異なります。

  • 会社員の場合
  • 自営業者の場合

会社員の場合は基本的に年末調整で行い、自営業者の場合は確定申告でおこないます。また、申請の際に必要な書類は以下のとおりになります。 


  1. 生命保険料控除証明書
  2. 保険料控除申告書(年末調整の場合)
  3. 確定申告書(確定申告の場合)
  4. 保険証券または契約内容通知書(受取人確認のため)

分類①:会社員

会社員の場合、勤めている会社を通して年末調整の生命保険料控除を受ける必要があります。確定申告でも行えますが、年末調整のほうが手続きが簡単です。

個々の会社によりますが11月前後に会社から保険料控除申告書が配布されます。準備した生命保険料控除証明書をもとに、その申告書の必要事項を記入します。記入した保険料控除申告書に生命保険料控除証明書を添付して提出すれば、会社が年末調整の生命保険料控除の手続きを行ってくれます。

注意点として、年収2000万円以上の方は年末調整の対象外となり自分で確定申告する必要があります。

分類②:自営業者

自営業者の場合は自分で確定申告を行う必要があります。その際に生命保険料控除の申請をします。確定申告の期間は2月16日から3月15日となっています。自営業者は年末調整はおこなえませんので注意してください。

11月前後に送られてくる生命保険料控除証明書をもとに、確定申告書の該当箇所に記入します。そして、記入した確定申告書に生命保険料控除証明書を添付し、申請することで生命保険料控除を行うことができます。

もし保険料控除申請の内容に誤りがあったり、申請を忘れたりした場合でも5年間は訂正可能です。しかし手間になりますので、できる限り確定申告書は正確に記入するようにしましょう。

年末調整・確定申告で医療費控除が利用できる仕組み



医療費控除は確定申告で手続きすることができます。年末調整では申請できないので、特に会社員の方はご注意ください。医療費控除は1年間に払った医療費が10万円を超えるときに対象となります。(所得が200万円未満の場合を除く)

医療費控除は、治療費だけでなく入院中の食事代や交通費も対象となります。簡単にいうと病気やケガの治療に関するものが控除対象となります。逆に、治療以外の用途のものは対象外です。

医療費控除の対象となるもの 
  • 医師に払った診療費・治療費
  • 入院中の食事代(病院が提供したもの)
  • 入院・通院のための交通費
  • 入院中の部屋代 ・分娩費用
  • 虫歯治療
  • 歯列矯正(治療目的)
  • レーシックの手術費
  • 医師の処方により購入した医薬品
  • 病気やケガの治療のため購入した市販の医薬品 
これはあくまで一例で、他にもたくさんあります。

医療費控除で総所得が下がると、所得税・住民税を少なくできます。医療費控除では自分だけでなく生計同一家族の医療費も合算して計算が可能です。

医療費控除には限度額が設定されており、年間200万円まで控除可能となります。また、治療に対して保険金などを受け取った場合は医療費から差し引いて計算しなければいけません。 詳しい計算方法は次の項で説明していきます。 

医療費控除の計算方法の2パターン

医療費控除の計算方法は2パターンにわかれます。


  1. 所得200万円未満の場合
  2. 所得200万円以上の場合

それぞれ詳しくしく見ていきましょう。 

パターン①:所得が200万円未満のケース

所得が200万円未満の方は医療費総額が10万円に満たなくても、医療費総額が所得金額×5%を超えている場合は医療費控除を利用できます。その場合の計算式は以下のとおりです。

医療費控除額の計算式

医療費控除(200万円限度)=医療費合計(保険金などの補填を除く)-総所得金額の5%超過分

 たとえば所得150万円で年間医療費が9万円の場合 

この場合は所得金額×5%は150万円×5%=7.5万円となります。
年間医療費は9万円で7.5万円を超えているため医療費控除の対象です。 

 年間医療費9万円-所得金額5%を超過した金額(9万円-7.5万円)=1.5万円
となり、医療費控除額は1.5万円となります。 

パターン②:所得が200万円以上のケース

所得が200万円以上の場合の医療費控除額の計算式は以下のとおりです。

医療費控除額の計算式

医療費控除(200万円限度)=医療費合計(保険金などの補填を除く)-10万円

たとえば所得400万円で年間医療費が15万円の場合、年間医療費15万円-10万円=5万円
となり、医療費控除額は5万円となります。 

医療費控除の申請方法


医療費控除を申請するには確定申告が必要です。必要書類と手続きの方法を見ていきましょう。

■必要書類 ■
  • 支払った年間医療費がわかる領収書や、医療費通知書
  • 年間給付金の金額が分かるもの
  • 医療費控除明細書(国税庁HPからダウンロードまたは税務署にあります)
  • 確定申告書(税務署・確定申告会場・市町村の担当窓口にあります)
■医療費控除の手続き■
  1. 医療費控除額を計算
  2. 医療費控除明細書を作成
  3. 医療費控除の明細書と確定申告書を税務署へ提出 

■医療費控除明細書の書き方■
  1. 申告する方の住所や氏名を記入する
  2. 医療費通知書に記載された医療費額を記載する
  3. 医療費通知内の治療に対する保険からの補填額を記載する
  4. 医療費通知内の治療に対する、実際に支払った医療費を記載する
  5. 健康保険適応外の医療費明細を記入する
  6. 控除額を記載する

セルフメディケーション税制の仕組み


セルフメディケーションは医療費の削減を目指して平成29年に新設されました。医療費控除とセルフメディケーション税制は併用ができず、どちらか選択することになります

セルフメディケーション税制は年間の一般医薬品購入額が12,000円を超えたとき、その超過した金額を課税所得から控除することができます控除上限額は年間88.000円です

医療費控除とセルフメディケーションの比較
医療費控除セルフメディケーション税制
対象額(年)100,000円以上 12,000円以上
控除限度額 200万円88,000円
対象となる費用 控除対象となる医療費控除対象となる一般医薬品
控除の条件なし特定健康巡査
予防接種
 定期健康診断
健康巡査
がん検診
のいずれかを受けている
医療費控除とセルフメディケーションは併用できません。そのため、どちらか選択する必要があります。医療費控除とセルフメディケーションの選択パターンは以下のようになります。

医療費控除・セルフメディケーションの選択パターン
選択
医療費100,000円以下/
セルフメディケーション対象額
12,000円以下
セルフメディケーションと医療費控除
どちらも対象外
医療費100,000円以下/
  セルフメディケーション対象額
12,000~100,000円
セルフメディケーションを選択
 医療費100,000円~188,000円/
セルフメディケーション対象額
12,000~100,000円
セルフメディケーションと医療費控除、
控除額が大きいほうを選択
医療費188,000円~/
セルフメディケーション対象額
100,000円~
 医療費控除を選択
 とくに医療費100,000円~188,000円内で、セルフメディケーション対象額
12,000~100,000円の場合はよく比較して控除額が大きい方を選択するようにしましょう。

たとえば年間医療費150,000円でセルフメディケーション対象額80,000円の場合
医療費控除を利用した場合

150,000円-100,000円=50,000円

セルフメディケーション税制を利用した場合

80,000円-12,000円=68,000円

医療費控除を利用した場合の控除額は50,000円で、セルフメディケーション税制を利用した場合の控除額は68,000円になります。控除額は大きいほど減税額が多くなりますので、この場合はセルフメディケーション税制を選択したほうがよいということになります。

生命保険料控除の注意点:契約期間5年未満の貯蓄保険は適用不可


貯蓄型保険・貯蓄共済は契約期間によって生命保険料控除を利用できるかが変わってきます。

  • 契約期間が5年未満の場合
  • 契約期間が5年以上の場合

契約期間が5年未満の貯蓄保険や貯蓄共済は、生命保険料控除を利用することができません。逆に契約期間が5年以上のものならば生命保険料控除を利用できます。


また、付加した特約においても生命保険料控除の対象ではないことがあります。たとえば障害特約などは生命保険料控除の対象外です。(新制度の場合)


もし自分の加入している保険が生命保険料控除の対象かわからない場合は、保険会社から届く生命保険料控除証明書を確認してみてください。そこに記載されている保険は生命保険料控除対象となります。

医療費控除を行う際の3つの注意点


医療費控除を適用すると、総所得が下がり所得税と住民税を減税することができます。控除額が大きくなると、減税できる所得税・住民税の額も大きくなります。節税に役立ちますので、医療費控除は積極的に利用したいものです。


医療費控除を上手く活用するための注意点は3つあります。

  1. 医療費の支払いは同じ年内に行う
  2. 5年前までの申告し忘れがないかチェック
  3. 家族単位で申請する

1つずつ見ていきましょう。

注意点①:医療費の支払いは同じ年内に行う

まず1つめの注意点は医療費の支払い同年内に行うということです

医療費控除の対象期間はその年の1月1日~12月31日までになります。医療費控除は、年間の医療費が10万円を超えなければ使えません。(所得200万円以下の場合をのぞく)
10万円と言うハードルを越えるためにも、なるべく同年内に医療費の支払いをしたほうがよいです。

具体的には年末・年始付近の自分や家族の治療・診療はできる限り年内に行いましょう。薬の処方もできるだけ年内にまとめて行うようにしましょう。 

注意点②:5年前までの申告し忘れがないかチェック

2つ目の注意点は5年前までの医療費控除申告もれがないかチェックすることです。

確定申告の申請期限は基本的に翌年の3月15日までです。この期間内に医療費控除の申請を行います。ただ、医療費控除は5年まではさかのぼって申請することができます。もし多忙で申告できなかった場合や、医療費の申請を忘れた場合でも5年以内ならば超過して払った税金の還付を受けられます。

注意点として、確定申告を完了している年は更生の請求という手続きで訂正することが必要になります。

注意点③:家族単位で申請する

医療費控除は、自分だけでなく生計を同一とする家族の医療費も合算して計算することができます

たとえば年間の医療費が夫が6万円・妻が5万円だった場合。1人分の医療費では医療費控除の対象とはなりません。しかし医療費を合算すると10万円を超えるため医療費控除が利用できるようになります。

【参考】保険料控除を利用する際に受取人が分からない場合

生命保険料控除を申請する際、保険の受取人の記載が必要となります。もし忘れてしまった場合は、保険を契約した際に受け取る保険証券や、保険会社から送付される契約内容通知書で確認することができます。

それが見当たらない場合は保険会社に問い合わせるようにしましょう。生命保険料控除を申請できる期間は決まっています。自分で確定申告を行う場合は翌年の3月15日、会社を通して年末調整で行う場合は翌年1月31日が期限です。会社を通す場合、担当者が期限より早めに集めて年末調整の事務作業を行う場合が多いです。なるべくゆとりをもって確認するようにしましょう。 

まとめ:医療保険に関する不安や疑問があればプロに相談しよう!

この記事では生命保険料控除や医療費控除について解説していきました。


生命保険料控除と医療費控除を活用できれば節税になります。なるべく積極的に利用していくようにしましょう。


記事を見て「年末調整や確定申告の記載があってるか不安」「自分が利用できる制度はこれで合っているのだろうか?」「医療保険の年末調整や確定申告を活用できるような保険の組み合わせはあるのだろうか」と思われた方もいらっしゃると思います。


そのような方はプロへ相談することをオススメします。


顧客満足度93%のマネーキャリア相談では、経験豊富なFPに何度でもオンラインで無料相談できます。


自分の納得いくまで相談できるので、ぜひ利用してみてください。

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