漁船保険とはどんな損害保険?種類や提供している組合について解説!

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漁船保険とは、漁船が座礁した際などの船の損害費用や、漁船の救助に関する費用を補償する保険です。漁船保険はプレジャーボート責任保険などを含む7種類の保険があります。こちらの記事では保険の種類や補償内容、提供している組合について詳しく解説していきます。

内容をまとめると

  • 漁船保険とは、沈没や座礁などの事故により、漁船が損傷したり、乗員の救助に要した費用を補償するための損害保険
  • 漁船保険の加入対象は、日本で船舶登録している1,000トン未満の漁船の所有者か使用者
  • 漁船保険にはPI保険、漁船乗組船主保険、PB責任保険などの種類がある
  • 漁船保険に加入する場合、保険を取り扱っている保険代理店や保険会社に問い合わせる必要がある
  • 保険会社に問い合わせる前に事業のリスクを知りたい方は「マネーキャリア」で相談するのがおすすめ

漁船保険とは?


漁業などを経営している方は漁船保険に加入していますか?漁船保険とは、沈没や座礁などの事故により、漁船が損傷したり、乗員の救助に要した費用を補償するための損害保険です


この他にも漁船保険には様々な種類があります。そこで今回の記事では漁船保険の種類や、それぞれの補償内容について解説していきます。


また漁船を用いて漁業などを経営する場合には、様々なリスクが存在します。「ほけんROOM」では業種特有のリスクについても詳しく解説しているので、気になる方はそちらもご覧ください。

漁船保険の種類について


まずは漁船保険の種類について解説してきます。漁船保険は先ほど紹介した漁船の損傷に関する保険だけでなく、損害賠償を補償する保険などいくつかあります。


そんな漁船保険には以下の種類があります。

  • 漁船保険(普通損害保険)
  • PI保険(船主責任保険)
  • 漁船乗組船主保険
  • 漁船積荷保険・転載積荷保険
  • PB(プレジャーボート)責任保険

それぞれの保険について詳しく解説していきます。

①漁船保険(普通損害保険)

まず漁船保険についてです。漁船保険は普通損害保険とも言われており、先ほども解説したように、沈没や座標などの事故によって、漁船が損傷した場合の損害費用や、救助に要した費用を補償するための保険です


漁船保険に加入する場合は以下の条件を全て満たす必要があります。

  • 日本で船舶登録している漁船
  • 総重量1,000トン未満の漁船の所有者か使用者
  • 加入申込書を日本漁船保険組合に提出し、日本漁船保険組合の承諾を受けること

上記の条件を満たした後は以下のてん補の範囲から選ぶことで保険に加入することができます。
  1. 全損・救助費
  2. 全損・救助費・特別救助費
  3. 全損・分損・救助費
  4. 全損・分損・救助費・特別救助費
  5. 全損・特別分損・救助費
  6. 全損・特別分損・救助費・特別救助費

続いて漁船保険の保険料については、加入漁船のうち100トン未満の漁船で義務加入又は集団加入の場合において国が保険料の一部を負担してくれます。詳しい内容は日本漁船組合をご覧ください。

漁船保険の最後は満期保険について解説します。満期保険とは、積立型の漁船保険です。先ほどまで紹介していた漁船保険は、保険料が掛け捨てとなっていて、損害が発生した場合に保険金が支払われる制度でした。

しかしこの満期保険は、保険契約期間中の損害費用を補償すると共に、保険契約期間の満期を迎えたときに保険金が支払われる制度になっています。

満期保険の契約期間は5種類あり、3年・6年・9年・12年・15年から選ぶことができます。

②PI保険(船主責任保険)

続いてはPI保険(船主責任保険)について解説していきます。PI保険(船主責任保険)とは、漁船を運航している際に、第三者の財物に損害を与えたり、第三者を傷つけた場合に発生した損害費用を補償する保険です


具体的には以下の損害を補償します。

  • 他の船舶との衝突による損害
  • 財物に関する損害費用
  • 第三者を死傷させた場合の損害費用

また任意で以下の2つの補償を契約することが可能です。

補償内容
乗客損害漁船の利用者(便乗者など)に対する損害や費用を補償
人命損害自船の乗船員が不慮の事故により、200日以内に死亡した場合や
行方不明になった場合に保険金が支払われる

また更に補償を充実させたい場合は以下の特約を契約することができます。
  • 漁具損害塡補特約 
  • 海外油濁損害賠償塡補特約
  • 船員送還費用塡補特約
  • 戦乱等特約
  • 漁船乗組員給与特約

以下の記事ではPI保険について詳しく解説しています。気になる方は以下の記事をご覧ください。

③漁船乗組船主保険

続いて3つ目は漁船乗組船主保険です。漁船乗組船主保険とは、船舶所有者が船上で、不慮の事故により死亡した場合や、行方不明になった場合、または後遺障害を負った場合に一定の保険金が支払われる生命保険です。


こちらの漁船乗組船主保険について詳しい内容を知りたい方は、こちらの保険を扱っている保険代理店または、保険会社にお問い合わせください。


④漁船積荷保険・転載積荷保険

続いて紹介する保険は漁船積荷保険と転載積荷保険です。まず漁船積荷保険とは、漁船に事故が起こった影響で、漁船に積載していた漁獲物などに損害が発生した場合の費用を補償する保険です


例えば以下のような損害費用を補償することができます。

  • 悪天候の中マグロ漁を終えた漁船が、帰港する際に別の漁船と衝突し、マグロが海に流れてしまった
  • サンマ漁に行く漁船が高波により沈没したことで、捕獲したサンマに損害が発生した など

次は転載積荷保険について解説していきます。転載積荷保険とは、漁船が獲得した漁獲物を、漁船以外の船舶によって、漁場から運搬中に生じた損害に対して保険金が支払われる損害保険です

漁船積荷保険や転載積荷保険について詳しい内容を知りたい方は、保険に詳しい専門家に相談してみてください。

⑤PB(プレジャーボート)責任保険

最後はPB(プレジャーボート)責任保険について解説していきます。PB(プレジャーボート)責任保険とは、プレジャーボートを所有・使用・管理している際に起こった事故で第三者や第三者のモノを傷つけたりした場合に発生する損害費用を補償する保険です


具体的には以下の費用に対して保険金が支払われます。

  • 対人損害
  • 対物損害

より補償を充実させたい場合は以下の費用を補償することも可能です。
  • 遭難した乗員・船舶の捜索や救助に関する費用
  • 船舶の撤去費用
  • 水面清掃費用

PB(プレジャーボート)責任保険は加入できる船舶が決まっており、以下が条件となっています。
  • 5トン未満のプレジャーボートやプレジャーヨット
  • 5トン未満の営業艇(遊覧船、旅客船、遊漁船など)

こちらのPB(プレジャーボート)責任保険の保険料や保険料の割引など詳しい内容を知りたい方は以下からご相談ください。

漁船保険の保険料は?

ここからは最初に解説した漁船保険の保険料について解説していきます。漁船保険の保険料は、普通損害保険の場合掛け捨てになりますが、満期保険の場合は一部が積み立てられる方式になっています。


また、漁船保険の普通損害保険、満期保険に関係なく、保険料の一部を国が負担してくれます。しかし国が負担する場合にも条件があり、漁船保険に加入することが義務付けられている場合は、満期保険であっても保険料の一部を負担してくれます。


つまり、漁船保険を満期保険として加入する場合、加入義務が無ければ保険料は全額自己負担と言うことになります。


参考:漁船保険等の種類と内容

漁船保険の加入方法


ここまでそれぞれの漁船保険の補償内容や加入対象について解説してきました。そこで自身が経営している事業でも、漁船保険に加入する必要があると気付いた方もいるのではないでしょうか?


そんな方々が漁船保険に加入するには、それぞれの保険を取り扱っている保険代理店や保険会社に問い合わせることで保険に加入することができます


しかし保険会社に問い合わせて、保険に加入する前に自分が経営する漁業において具体的にどのようなリスクがあるのかを知りたい方もいると思います。


そんな方々には保険やリスク対策に詳しい専門家に相談できる「マネーキャリア」をおすすめします。


「マネーキャリア」では毎月約30社の法人の経営者の方や開業予定の方々などが法人保険の加入や事業のリスク対策についてお問い合わせをいただいています。また相談した方の98.6%が満足していただいているので安心してご相談いただけます。


気になる方は以下から相談をお申し込みください。

漁船保険を提供している日本漁船保険組合とは?


漁船保険は日本漁船保険組合と言う組織が組合会員向けに提供している保険です。ここではその日本漁船保険組合がどういった組織なのかを分かりやすく解説していきます。


まず日本漁船保険組合とは、全国に組合会員がおり、その会員が構成員となって相互保険事業を営んでいる団体です。また組合員のために漁船の事故などを防止するための事業も展開しています。


具体的には以下の事業を展開しています。

事業内容
保険事業漁船保険やPI保険などの引受や保険料の収納、保険金や保険料返戻の支払いなどを行っている
事故防止対策事業事故防止施設の設置や事故防止に関する講習などを行い、漁船が関わる事故が起きないようにしている
普及宣伝事業漁船保険組合の宣伝を行っている
海外救済事業漁業規制等に関する情報の提供や外国の200海里水域内などで操業している際に発生した外国の処分による損害を補償する事業を行っている
保険料率算定事業各種保険の適切な保険料率の算出を行っている


参考:日本漁船保険組合


日本漁船保険組合では、漁船に関わる事故の事前防止の取り組みから、実際に損害が発生した場合の補償まで行っています。そのため組合会員に入っていることで、事業活動を安心して行うことができると言えます。


日本漁船保険組合について詳しい内容を知りたい方は、上記からご覧ください。

まとめ:漁船保険について


ここまで漁船保険の種類や補償内容などについて解説してきましたが、いかがだったでしょう。


以下が今回の記事の簡単なまとめになります。

  • 漁船保険とは、沈没や座礁などの事故により、漁船が損傷したり、乗員の救助に要した費用を補償するための損害保険
  • 漁船保険の加入対象は、日本で船舶登録している1,000トン未満の漁船の所有者か使用者
  • 漁船保険にはPI保険、漁船乗組船主保険、PB責任保険などの種類がある
  • 漁船保険に加入する場合、保険を取り扱っている保険代理店や保険会社に問い合わせる必要がある
  • 保険会社に問い合わせる前に事業のリスクを知りたい方は「マネーキャリア」で相談するのがおすすめ

漁業で漁船は事業を行うために欠かせない設備のため損傷や事故が起きないように事前にリスク対策をしておく必要があります。しかし事業の状況や環境により、潜在的に事業を取り巻くリスクは違うため、リスク対策に詳しい専門家に相談して対策することをおすすめします。

そこで事前のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」にて専門家と無料で相談できるサービスを利用しましょう。

またリスク対策は完璧で、今回紹介した保険に既に加入しているという事業者の方もいるかと思います。そんな方々は一度保険の見直しを、このタイミングですることをおすすめします。保険を見直すことで、補償漏れや補償がダブっていることなどの確認でき、今よりも保険料が割安になることがあります

そんな保険の見直しも「マネーキャリア」では出来るので、気になる方は以下からご相談ください。

また「ほけんROOM」では法人保険や事業のリスク対策に関する記事を多数公開しているのでそちらも合わせてご覧ください。 

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