生命保険料控除を受けるために必要な「保険金等受取人」の条件とは?

生命保険料控除を受けるためには「保険金等受取人の条件」を満たしていることが必須です。また、受取人が不明の場合は申告書に「法定相続人」と記載し、空欄のまま提出することは避けましょう。生命保険料控除は5年以内であれば確定申告で申告することもできます。

生命保険料控除の受取人に関する重要知識

12月に入ると、ほとんどの会社員の方は年末調整を行うと思います。この年末調整の時に、生命保険料控除の申請をすることが多いですが、内容をよく理解していないまま記入しているという方も少なくありません。

加入している生命保険であれば全て控除の対象になると思われがちですが、実は控除対象となるかどうかは、「保険金の受取人が誰なのか」で判断されます。 

つまり、受取人によっては生命保険料控除を受けられないケースもあるということです。 


ここでは、生命保険料控除を受けることができる「受取人の条件」や、受取人が不明の場合にはどのように記入すればいいのかなどについて詳しくご説明します。 

生命保険料控除を受けるための受取人の条件

生命保険に加入している方が支払った保険料については、所得税や住民税の計算をする際に「生命保険料控除」を受けることができます。支払った保険料によって課税所得が少なくなるため、節税効果があります。

また、生命保険料控除には、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つがあり、それぞれ控除対象となるためには「受取人の条件」が決められています。 


一般の生命保険料控除 

一般の生命保険料控除を受けるために必要な受取人の条件は次のどちらかになります。


・本人または配偶者 


・その他親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)

*いずれも同居している必要はありません。 


介護医療保険料控除

介護医療保険料控除を受けるために必要な受取人の条件は、一般の生命保険料控除と同じで、次のどちらかになります。 


・本人または配偶者 


・その他親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族) 


個人年金保険料控除

個人年金保険料控除を受けるために必要な条件は少々厳しくなっており、次の全ての条件を満たしている必要があります。 


・年金受取人が契約者または配偶者 


・年金受取人と被保険者が同じ 


・保険料払込期間が10年以上 


・確定年金または有期年金の場合、受取開始日に被保険者が60歳以上であり、受取期間が10年以上 



それぞれ条件が異なりますので注意が必要です。 



また、生命保険料控除には新旧2つの制度があり、それぞれ計算方法が異なります。 


新制度(平成24年1月1日以降に契約した生命保険)

旧制度での「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」に加え、「介護医療保険料控除」が新設されました。 


各控除の適用限度額はそれぞれ所得税が40,000円、住民税が28,000円となり、合計での適用限度額は所得税が120,000万円、住民税が70,000円となります。 


旧制度(平成23年12月31日以前に契約した生命保険) 

「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」の2種類があり、各控除の適用限度額はそれぞれ所得税が50,000円、住民税が35,000円となり、合計での適用限度額は所得税が100,000万円、住民税が70,000円となります。  

生命保険の選び方や必要性に不安を感じているあなたへ

「生命保険について1から知りたい!」「生命保険って実際は必要なの?」


自分にもしものことがあった場合に、残された家族のために備える生命保険。


しかし、「自分に合った生命保険を選びたいけど、選ぶときのポイントが分からない」


「営業マンの言う通り保険に加入したけれど、保険料の負担が大変で、どこを見直せばいいのか分からない」という人が多いのではありませんか?


そんな方には生命保険に詳しい保険のプロが在籍するほけんROOM相談室がおすすめです。


従来の相談者が窓口に足を運ぶ「来店型」でなくても、保険のプロがお近くのカフェやレストランに向かいます!忙しい方、育児が大変な方におすすめです! 電話での相談も受け付けております!


全国対応!経験豊富な家計と保険の専門家ファイナンシャルプランナーに無料で保険相談してみませんか?



生命保険料控除で受取人が不明のときの対処

生命保険料控除を受ける場合は、「保険料控除申告書」という書類に必要事項を記入し、原本を添付して提出する必要があります。  

しかし、記入の際「受取人」を書く欄が設けられているにもかかわらず、生命保険料控除証明書には受取人の記載がされていないケースが多くみられます。 


もし、受取人が誰なのか忘れてしまった場合は、保険証書を確認してみましょう。また、保険証書が実家に置いてあるなど、手元にない場合は保険会社に電話で問い合わせることもできます。 

基本的には本人、配偶者または親族である

通常、保険金の受取人は本人または配偶者、もしくは親や子供などの親族であることがほとんどです。 

例えば、独身の方の場合は親で、既婚者の方であれば配偶者や子供ということが多いです。 


しかし、受取人がはっきりと分からない場合は、保険料控除申告書にきちんと記載することができません。 


中には、空欄のまま提出してしまう方もいますが、生命保険料控除を受けるためには「受取人が誰なのか」は非常に大切なことです。 


先にも述べましたが、生命保険料控除を受けるためには必要な受取人の条件が決められていますので、誰が受取人なのかきちんと記載すべきです。 


もし分からない場合は、保険証書で確認するか保険会社に問い合わせるなどして確認しておきましょう。  

どうしても受取人が分からない場合は法廷相続人と記入しよう

しかし、保険金の受取人を調べてもどうしても分からない場合や調べようがない場合もあると思います。  

そのような場合でも空欄のまま提出するのは控えたほうがいいでしょう。 


どうしても分からない時は「法定相続人」と記入して提出しましょう。 

法定相続人であれば、「親族」の要件を満たしています。  

離婚後の生命保険の受取人を元妻にしている場合、生命保険料控除はどうなる?

結婚を機に保険金の受取人を配偶者にする方が多いです。 

でもその後離婚することになった場合、生命保険料控除を受ける際に影響はあるのでしょうか? 


先にも述べましたが、生命保険料控除を受けるためには、受取人が本人または配偶者かその他親族であることが要件となっています。 


しかし、離婚してしまうと「配偶者」ではなくなってしまうため、受取人としての要件を満たさなくなってしまいます。 

よって、元妻(元夫)の名義のままでは生命保険料控除が受けられなくなってしまいます。 



【受取人としての要件を満たしていない期間は生命保険料控除の対象外】

生命保険料控除の対象となるかどうかは、「保険料を支払った時の状況」で判断されます。


 以下のような具体的な例を用いて控除対象になる期間・ならない期間についてご説明します。 

  • 契約者:夫 
  • 被保険者:夫 
  • 死亡保険金受取人:妻 


<ケース1> 

今年の7月に離婚した。

名義変更を忘れてしまい、死亡保険金受取人は妻のままである。 


このケースでは、1~7月までは保険金受取人が配偶者(妻)なので、この7ヶ月の間の分は生命保険料控除の対象となります。 


しかし、8月以降は、配偶者ではなくなっているので受取人としての要件を満たしておらず、生命保険料控除の対象外となります。


 

<ケース2>

今年の6月に離婚した。

10月に死亡保険金受取人を子供に変更した。 


このケースでは、1~6月と10月~12月の期間は受取人の要件が満たされているので、生命保険料控除の対象となります。 


名義が元妻のままであった7~9月の期間は要件を満たしていないので、対象外となります。



離婚後はなにかとばたばたしがちですが、死亡保険金受取人の変更も忘れずに早めに行うようにしましょう。 

サラリーマンの方は年末調整で生命保険料控除を申請

年末調整はサラリーマンにとって数少ない貴重な節税対策です。

基本的に、サラリーマンの場合は勤務先で年末調整を行ってもらい、その際に生命保険料控除も申請することになります。 


ここでは、申告書に記載する事項や、もし年末調整で保険料控除を受けられなかった場合どうするのかなどについてご説明します。 



生命保険料控除申告書を記入して会社に提出

年末調整の手順としては、生命保険料控除申告書に生命保険料控除証明書を添付して会社に提出することになります。

  

加入している保険会社から、10~11月頃に生命保険料控除証明書が届きますので、大切に保安しておきましょう。 

生命保険料が給与から天引きされている場合を除き、この証明書が必要になります。 


もし紛失などでなくしてしまった場合は、保険会社に電話をして再発行を依頼できます。 

12月に入って年末調整が集中する時期になると再発行に時間がかかりますので、早めに再発行を依頼しましょう。 


【生命保険料控除申告書に記載すること 】

申告書に記載する際は、生命保険料控除照明を見ながら転記していくことになります。 


記入すべき項目は次のとおりです。 

  • 生命保険料の種類
    (一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料) 
  • 保険会社の名称、保険の種類や保険期間 
  • 契約者氏名 
  • 保険金等受取人 
  • 新旧の区分 
  • 本年度中に支払った保険料の金額(※1) 
  • 生命保険料控除の計算 



(※1)生命保険料控除証明書には「証明額」と「申告額」の2つが記載されていますが、一般的には「申告額」を転記します。 

  • 証明額:証明書を発行した時点で支払った分の金額 
  • 申告額:年末まで支払った場合の金額(こちらを転記) 

少し紛らわしいですが、間違えないように転記しましょう。  

年末調整で生命保険料控除ができなかった場合は確定申告で申請

年末調整で生命保険料控除の申請ができなかった、または忘れてしまった場合、その分の控除は確定申告で申請することができます。  

生命保険料控除をはじめ各控除の申告漏れがあった場合は、税法の規定により翌年の1月1日から5年間以内であればいつでも確定申告書を提出することができます。 

これは、通常の確定申告の期限である3月15日までという期限がありません。 


しかし、いくら5年以内の申告が可能とはいえ、確定申告で申請するとなると手続きが煩雑で手間もかかるため、やはり年末調整で申請することをおすすめします。 


確定申告での申請の流れや必要書類については次項でご説明します。  

フリーランスや自営業の方は確定申告で申請

フリーランスでお仕事をしている方や自営業の方は、生命保険料控除などを確定申告で申請しなければなりません。 

また、先ほど述べましたが、サラリーマンの方で会社で年末調整をしてもらっている場合でも、年末調整時に生命保険料控除を受け忘れてしまった場合、確定申告で申請することができます。 


【確定申告の時期】


毎年2月16日~3月15日 



【必要書類】

  • 確定申告書 
  • 生命保険料控除証明書 


【確定申告の流れ】


① 確定申告書に、下記の必要事項を生命保険料控除証明書を見ながら転記する 


  • 新生命保険料の計 
  • 新個人年金保険料の計 
  • 介護医療保険料の計 
  • 旧生命保険料の計 
  • 旧個人年金保険料の計 

② 生命保険料控除証明書を添付する


確定申告には、様々な書類を添付して提出することになりますが、生命保険料控除を申請する場合は、生命保険料控除証明書を添付書類台帳に貼り付けて提出します。 


必ず添付することになっていますので、もし紛失してしまった場合は早めに再発行を依頼しておきましょう。  


まとめ

生命保険料控除には、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つがあり、それぞれに控除を受けるために必要な「保険金等受取人の条件」が定められています。 

条件を満たさない受取人の場合、生命保険料控除を受けることができないので注意が必要です。 


また、生命保険料控除申告書に記載する際、受取人が誰なのか分からない場合は、保険証書を見たり保険会社に電話で問い合わせたりして確認しましょう。 


もし、どうしても受取人が分からない場合は、空欄のまま提出するのではなく「法定相続人」と記載しておきましょう。 


さらに、配偶者との離婚などで受取人が条件を満たさなくなった場合は、早めに変更手続きをとるようにしましょう。 

ランキング

  • 保険の見直しで生命保険にするか共済にするかで悩んでいる方に
  • 理解できていますか?生命保険と県民共済の違いや共通点をおさらい
  • 生命保険の約款には何が書かれている?特に注意すべきことは?
  • 生命保険は中世ヨーロッパが始まり! 生命保険の成り立ちを解説
  • 分かりにくい、とても面倒、だけど重要な生命保険の主契約の見直し方
  • 今更聞けないけれども、必ず知っておきたい生命保険の特約の全情報
  • 生命保険(医療保険)に入院保障は必要?入院給付金についても解説!
  • 10年満期の生命保険で100万円受け取るのは、お得なの?損なの?
  • 生命保険の終身型と掛け捨て型を相場から見る、自分に合った保険選び
  • 生命保険の貯蓄型は老後に有利?貯蓄型生命保険で賢く資産形成しよう
  • 低解約返戻金型の生命保険を最大限活用すると、こんなにお得!
  • 生命保険料を毎月払いと前納って何が違う?メリットやデメリットは?
  • 残高証明書は生命保険会社に請求しなければ発行してもらえません
  • あなたは大丈夫?無駄のない生命保険の入り方を生活スタイル別に解説