生命保険の受取人は結婚したら妻に変更したほうが良い理由を解説!

生命保険は、被保険者に万一のことがあった場合に、保険金は受取人に支払われることになります。結婚により、生命保険の受取人を妻に変更することが多いのですが何故なのでしょうか?ここでは、結婚した時に生命保険の受取人を妻や子供に変更したほうが良い理由を解説します。

結婚したら生命保険の受取人を妻に変更する場合が大半

独身のときに加入する生命保険は、受取人を親にしていることでしょう。しかし、結婚をしたとなると状況が変わります。

結婚に伴って、生命保険の受取人は親から妻へと変更するのが良いのです。それは、妻をどのくらい大切に思っているのか、という愛情をはかるためではありません。受取人を妻に変更するのには、それだけの理由があるからです。


では、なぜ結婚を機に、生命保険の受取人を妻に変更したほうが良いのでしょうか?



結婚したら生命保険の受取人を妻に変更するべき3つの理由

結婚をしたら、生命保険の受取人を妻に変更するべき理由には、次の3つがあります。

  • 自分が亡くなった時に経済的に困難になるのを避けるため
  • 生命保険の死亡保険金は遺産とは別扱いのため
  • 税金対策のため
では、それぞれの理由について、もっと詳しく見ていきましょう。

理由1.死亡保障とは自分が亡くなった時に経済的に困る人のためのもの

生命保険は、被保険者である自分が亡くなった時、経済的に困る人のために加入するものです。もちろん、共働きで妻にも収入があるから、経済的に困ることは無いだろうと考える方もいることでしょう。

しかし、自分が亡くなってしまった時に、だれが葬儀費用を支払うのでしょうか?子どもがいた場合には、子どもの養育費などはすべて妻である配偶者が背負うことになりますよね。


さらに妻である配偶者が結婚を機に仕事を止めてしまったとしたら、妻はさらなる経済的困難に陥ることになります。


生命保険の死亡保険金は、受取人に支払われますので、妻に変更していなければ死亡保険金は受け取ることができません。そのため、結婚をしたのであれば、生命保険の受取人は妻に変更することがとても大切なことなのです。


理由2.生命保険金は遺産とは別扱い

自分が亡くなった時には、遺産相続で配偶者である妻は生命保険の死亡保険金を受け取ることができるのではないかと思われる方もおられるかもしれません。

しかし、保険金については、遺産としては扱われません。これは、遺産が死亡した時点の財産を指しているためです。死亡保険金は死亡した後に支払われるものですので、遺産とはならず、みなし相続財産となり、保険金の受取人に指定している人に支払われるのです。


そのため、死亡保険金は遺産分割の対象とならず、結婚して生命保険の受取人を妻に変更していなければ、妻は1円も受け取ることはできません。


理由3.税金対策にもなる

たとえば、妻と子がいる場合、契約者と被保険者が夫で受取人が妻となっていれば、妻は法定相続人ですので、相続税の課税対象となります。その上、法定相続人が受取人ということで、死亡保険金の控除が受けられます。


しかし、妻と子がいるのにも関わらず、親が受取人になっていた場合には、親は法定相続人ではないため、死亡保険金の控除が受けられません。


さらに、親が死亡保険金を受け取って、そのお金を妻に渡すことにしたとしても、この場合には贈与税がかかってしまいます。贈与税は、基礎控除額が110万円しかありませんので、多額の贈与税を支払わなければならないことになるのです。


受取人を妻にしておくことでのメリットは、もうひとつあります。これは、相続税には配偶者控除というものがあるのです。


このような理由から、生命保険の受取人は結婚したら妻に変更しておくことで、税金対策になるのです。


生命保険の受取人の税金に関する比較検証

結婚をしたら、生命保険の受取人は妻に変更しておくことで、税金の対策になります。では、生命保険の受取人によって、どれくらいの税金の違いが出てくるのかを見ていきましょう。



受取人が親の場合と妻の場合との税金の違いを検証

先にもお伝えしたように、契約者と被保険者である夫に結婚をして妻と子がいる場合、法定相続人は妻となります。この場合、親は法定相続人ではありません。


しかし、妻が受け取っても、親が受け取っても、死亡保険金はみなし相続財産として、どちらも相続税の課税対象となります。ただし、法定相続人が受け取った場合には、以下の金額が非課税となります。


  • 500万円×法定相続人数

たとえば、死亡保険金として妻が受取人で5,000万円受け取り、妻と子が3人いた場合には、500万円×4人=2,000万円が非課税になるため、5,000万円-2,000万円=3,000万円が相続税の課税対象となります。

親が受け取った場合には、この非課税控除を受けることができないため、5,000万円に相続税が課税されることになるわけです。親から妻に受取人を変更していないことで、非課税控除が受けられないと、せっかくの非課税控除を活かすことができませんね。

配偶者控除によりいくら控除されるのかを検証

生命保険の死亡保険金で税金対策ができるのは、非課税控除だけではありません。相続税では、最低限の額を遺産総額から差し引く「基礎控除」というものもあります。

  • 3,000万円+600万円×法定相続人数=基礎控除額
たとえば、結婚して妻と子供が3人いる場合には、法定相続人数が4人となるため、3,000万円+600万円×4人=5,400万円、つまり5,400万円の基礎控除があります。

それに加えて、先にお伝えしたように、配偶者控除というものもあります。


配偶者控除とは、妻の遺産相続した金額が1億6,000万円、または配偶者の法定相続分相当額までは非課税となるもので、相続税の額が決定した後に、配偶者について税金の額を計算しなおすものです。


  • 1億6,000万円まで非課税
  • 1億6,000万円を超えた場合でも、法定相続分の範囲内は非課税

そのため、生命保険の死亡保険金が非課税控除枠を超えていた場合でも、受取人を妻に変更しておくことで、配偶者控除によって相続税をかからないようにすることが可能となるのです。


結婚してすぐ「受取人を私に変更して」とは言いづらいものだけれど

ここまで見てきたように、結婚をしたのであれば、生命保険の受取人が親になったままにしておくよりも、妻に変更しておくことでさまざまなメリットがあるのです。

結婚をしてすぐに、生命保険の受取人を変更してほしいということは、なかなか言いにくいですね。しかし、結婚は2人で家庭を築いていくものです。生命保険もお互いにどのようなものに加入しているのか、知っておくことは大切なことなのです。


生命保険の内容を確認し、家庭を守るための保障を準備できているのか、保障内容が最適などかどうかなどをしっかりと見直すようにしましょう。


その上で、生命保険の非課税枠や配偶者控除などの知識を共有し、受取人の変更についてもしっかりと話し合いをするようにしましょう。


まとめ

生命保険の受取人は、結婚をしたら配偶者である妻に変更したほうが良い理由については理解できたでしょうか?これは、夫の生命保険だけではなく、妻の生命保険にも言えることです。



生命保険の相続税非課税枠は、法定相続人が受取人になっていなければ使うことができません。もし子供もいる場合には、夫または妻が亡くなってしまったときに、受取人が親になったままだと、この非課税枠が使えないということになります。


そのため、相続税が多くなってしまう可能性があるのです。


生命保険の受取人を変更して!とはなかなか言いにくいものですが、生命保険の見直しとともに受取人も変更しておくことはとても大切なことです。


お互いの生活を守るためにも、しっかりと責任を果たすためにも、生命保険の見直しを行いましょう。


この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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