生命保険料控除は妻名義のものでも受けられる?申請のポイントは?

年末調整を行う時、本人名義の保険だけでなく、妻や子供名義の保険も生命保険料控除の申請をする事が可能です。ただし、生命保険料控除となるにはいくつか条件があります。条件を確認して損をしないように家族名義の保険も申請しましょう。

内容をまとめると

  • 生命保険料控除を受けられるのは、保険料を支払っている本人
  • 妻の分の保険料も負担している場合、夫が生命保険料控除を受けられる!
  • ただし、諸条件を満たしていない場合は控除の対象外になる
  • 夫の分で控除の上限額に達した場合、妻の分の生命保険料は控除されない
  • 妻の分の保険料を負担する際は、保険金受取時の税金に注意!
  • 会社員や公務員は年末調整、自営業者は確定申告で生命保険料控除を申請しよう!
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監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

年末調整のとき妻名義でも生命保険料控除を受ける事ができるのか

会社で年末調整を行う時、生命保険や医療保険に加入している人は、生命保険料控除を申請することが出来ます。


生命保険料控除とはなんなのか簡単にご説明しますね。


収入があると毎年所得税などの税金を支払っていますよね。


さらに生命保険に加入していると毎年保険料を支払います。


そして保険金を受け取るときにも税金がかかってしまいます。


保険料を支払っている時と保険金を受け取るときの2回税金を払うことになってしまうんです。


二重課税を防ぐため、保険料は控除の対象になります。


ただし、申請しなければ控除してもらえませんので損をしてしまいます。


本人名義の生命保険はもちろん申請できますが、妻名義のものでも生命保険料控除を受けることが出来るのでしょうか。


生命保険料控除は、生命保険だけでなく個人年金や医療保険も対象になっているので控除を受けられるのならきちんと申請したいですよね。

契約者が妻でも支払いを夫がしている事を証明できれば夫の所得から控除できる

生命保険料控除の対象となるのは、本人が支払っている保険です。

本人のものはもちろん、妻や子供名義の保険でも本人が支払っているのなら対象になります。


ただし、保険金の受取人も限定されています。詳しくは後ほどご説明します。

妻名義の保険で生命保険料控除を受けるために


では、妻名義の保険で生命保険料控除を受けるために具体的にどうすればいいのでしょうか。

夫名義の口座から妻名義の保険料が引落とされれば良い

妻名義の保険を夫が支払っているということを証明する、というと少し難しく感じるかもしれませんが、難しいことではありません。


夫名義の口座から妻名義の保険料を引き落とすようにするだけでOKです。


妻名義の口座から引き落としにしていると生命保険料控除の対象にならないので損をしてしまいます。


生命保険料控除を受けたいのなら口座の名義変更をするようにしましょう。

妻名義の生命保険料控除の注意点

妻名義の保険で生命保険料控除を受ける場合、口座の引き落としを夫にする以外にも注意点があります。続いて見ていきましょう。

受取人が妻または親族になっている必要がある

先ほどもお話しした通り、生命保険料控除を受けるには保険金の受取人が限定されています。

これは家族名義のものに限ったことではなく、本人名義の保険も同様です。


保険金の受取人を妻、夫、もしくは家族にしている必要があります。


ここでいう家族というのは6親等以内の親族、もしくは3親等以内の姻族です。


この範囲内であれば生計を共にしていない家族でも大丈夫です。



受取人が妻の母であっても、夫の母であっても大丈夫ということです。


受取人を家族以外にしているというケースは少ないと思いますが、家族以外の人や遠い親戚にしている場合は確認しておきましょう。

夫の契約だけで上限まで行く場合はそれ以上控除されない

妻名義の保険も生命保険料控除の申請をすることが出来ますが、生命保険料控除には上限があります。

夫の契約だけで上限に達している場合は、妻の保険を申請しても控除額は変わらないということになります。


生命保険には旧制度と新制度があり、制度によって生命保険料控除の上限額も変わります。


<旧制度の場合>

  • 一般生命保険料控除額:所得税5万円、住民税3万5千円
  • 個人年金保険料控除額:所得税5万円、住民税3万5千円
  • 生命保険料控除全体の控除額:所得税10万円、住民税7万円

旧制度というのは平成23年12月31日までに契約した保険のことです。


更新や特約の追加などを平成24年以降に行った場合は新制度として扱われます。


<新制度の場合>

  • 一般生命保険料控除額:所得税4万円、住民税2.8万円
  • 介護医療保険料控除額:所得税4万円、住民税2.8万円
  • 個人年金保険料控除額が所得税4万円、住民税2.8万円
  • 生命保険料控除全体の控除額:所得税12万円、住民税7万円


平成24年1月1日以降に契約、更新、変更をした保険が対象です。


新制度の場合、医療保険なども申請の対象になります。


医療保険に加入していても平成23年以前ですと対象になりません。


生命保険料控除の対象にするためには更新や変更などを行う必要があります。


一度見直しをしてみてもいいかもしれません、


また、すべての保険が上限だとすると住民税は8.4万円ですが、全体の上限は7万円ですので気を付けてください。


夫の申請だけで上限を超えているケースを説明しますね。


例えば、新制度で夫の一般生命保険料控除額が5万円の場合、すでに上辺の4万円を超えているので、妻名義の保険を申請しても控除額は変わりません。


別のケースを見てみましょう。


夫の所得税の一般生命保険料控除額が3万円、妻名義が2万円だった場合は上限の4万円が控除されます。


この場合は申請したほうが得、ということになりますね。


また、「支払っている保険料=控除額」ではありませんので実際の控除額がいくらになるのか分からない場合とりあえず申請しておくというのも1つの手だと思います。


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この機会に、ぜひお気軽にご相談ください。  

妻名義の個人年金も夫の所得から控除できるのか

生命保険料控除の対象になるのは

  • 一般生命保険
  • 介護医療保険
  • 個人年金

の3つです。


今まで保険の話をしてきましたが妻の個人年金も夫の所得から控除することはできるのでしょうか。


例えば妻が独身時代に支払っていた個人年金を、結婚後夫の口座からの支払いに名義変更した場合控除の対象になると考えられますよね。


控除が受けられるのなら受けたいと思いますがどうなのでしょうか。

贈与税の関係上あまりおすすめできない

個人年金であっても、現在の支払いが夫であれば生命保険料控除の対象になります。

ただし、あまりおすすめできません。


個人年金の場合は保険と違い贈与税が関わってくるからです。


保険料の支払者と、年金の受取人が異なる場合贈与税がかかってきてしまいます。


保険料の支払人(夫)が、年金の受取人(妻)に年金を受け取り権利を贈与した、と考えられてしまうからです。


生命保険料控除の申請をする、ということは妻名義の個人年金の支払いを夫が行っているというのを申請しているようなものです。


ですから、生命保険料控除で税金は安くなりますが、年金受取時に贈与税という余計な税金がかかってきてしまうんです。場合によっては損をしてしまうこともあります。


妻以外の家族についても同様なので、個人年金は本人名義のもののみを申請することをおすすめします。

まとめ

生命保険料控除は本人名義の保険や個人年金だけでなく、妻や子供名義のものでも受けることが出来ます。


本記事の内容をおさらいしましょう。


  • 生命保険料控除を受けられるのは、保険料を支払っている本人
  • 妻の分の保険料も負担している場合、夫が生命保険料控除を受けられる!
  • ただし、夫が支払っていることを証明できなかったり、保険金の受取人が規定外の場合は控除の対象外になる
  • 夫の分で控除の上限額に達した場合、妻の分の生命保険料は控除されない
  • 妻の分の保険料を負担する際は、保険金受取時の税金に注意!
  • 会社員や公務員は年末調整、自営業者は確定申告で生命保険料控除を申請しよう!

節税効果のある生命保険料控除をきちんと理解し、妻名義の分も忘れずに申請しましょう。

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