iDeCoの運用方法はどうすればいい?運用商品の選び方と利回りを解説

老後の資金作りのためにiDeCoを始めたいけど運用方法は何を選択すると良いのでしょうか?この記事ではiDeCoの運用方法と運用商品の比較解説とiDeCoで資産を運用する上でのリスクを解説、iDeCoの運用商品と運用方法の選び方を解説します。

iDeCoの運用方法は?仕組みと特徴を解説

満足に暮らすためには「2000万円が必要」とも言われている老後に備えるための「iDeCo(個人型確定拠出年金)」への加入者は120万人を突破しており、これから加入を考えておられる方も少なくないでしょう。  


しかし、「年金の代わりになる」という言葉はよく聞いても、実際にどのように運用すれば資産を効率よく増やせるかが分からない、という方も少なくありません。
 


そこで今回は、iDeCoの運用方法について、

  • iDeCoの上手な運用方法とは? 
  • iDeCoの運用商品はどのような種類がある? 
  • iDeCoの運用商品を選ぶコツとは? 
  • iDeCoの運用リスクとは?
  • iDeCoに加入するとき気をつけたいこととは? 

以上の点を取り上げていきます。
 


この記事をご覧いただければ、ただ「なんとなく加入するだけ」ではなく、正しく運用してより効率の良い資産の増やし方を理解していただけるでしょう。 


ぜひ最後までご覧ください。



iDeCoの運用方法とは?

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、様々な金融商品を運用することによって、 

  • 掛け金 
  • 利息および運用益 
  • 受取時の年金 

これらが非課税となる仕組みです。
 


本来は給料が増える等の理由により資産が増えると、課税対象となる所得額も上がってしまうので、その分多く税金を支払う必要があります。
 


しかしiDeCoを正しく運用できれば、資産を効率的に増やし、かつ支払う税金も抑えることができます。 


その「正しい運用」を行うためには、加入者が自分自身で選択する金融商品の選び方がとても重要です。
 


さらに金融商品は「活きもの」であり、絶え間なくその価値が変動し続けています。 


ですから、一つの商品だけをずっと運用し続けるのではなく、市場価値やそれぞれの状況に合わせて運用商品を切り替えていく必要があるのです。 


そこで用いる運用方法が、「配分変更」と「スイッチング」という方法です。

これら2つの言葉は、何を指しているのでしょうか。

iDeCoの運用方法:配分変更とスイッチング

iDeCoの運用を考える際には、「配分変更」と「スイッチング」の違いを理解している必要があります。
 


どちらも「運用商品を調整する」という点では共通しているのですが、2つには 

  • 配分変更:運用商品それぞれの割合(内訳)を調整すること 
  • スイッチング:資産額をそのままに商品構成を変えること 

このような違いがあります。 


配分変更は、より利益が出やすい商品への掛け金を増やしたり、リスクの大きい商品への掛け金を減らす、という方法で割合の調節を行います。
 


ですから、今保有している商品に手を加えるのではなく、

  • 変更前割合→商品A:50% 商品B:30% 商品C:20% 
  • 変更後割合→商品A:40% 商品B:50% 商品C:10% 

このように掛け金を変えることによって全体の割合を変える方法です。 


それに対してスイッチングは、現在保有している商品に手を加える方法です。
 


例えば、現在時点で40万円の資産価値がある商品Aでも、きんは「活きもの」ですから、将来的には30万円になる可能性があるとします。
 


そこでこのように、

  • 変更前資産→商品A(50万円)商品B(20万円)商品C(20万円) 
  • 変更後資産→商品A(40万円)商品B(20万円)商品C(20万円)商品X(10万円)

その差額10万円分の商品Aを売却し、価格変動リスクの少ない元本確保型の「商品X」を購入することが、いわゆる「スイッチング」に当たります。 


この場合もやはり、全体の資産額は変わりません。
 


これらの調整を定期的に行うことにより、冒頭で挙げた「市場価値やそれぞれの状況に合わせて運用商品を切り替える」という目標が達成されます。


 iDeCoは年金の代わりとして長期運用が大前提ですので、短期間で変更しすぎるのではなく、「1年ごと」など自分で決めた計画に基づいて配分変更やスイッチングを行うことをおすすめします。

iDeCoの運用商品はどれがいい?

iDeCoを始めるうえで欠かせないのが、非常にたくさんある運用商品の種類を把握することです。 


もちろん数が多いので、すべての商品の名前や特徴を丸暗記する必要はありません。 


しかし、それぞれの商品におけるポイントを抑えておくことによって、より賢い金融商品の選び方ができます。 


iDeCo初心者の方も、まずは次に挙げるiDeCoにおける商品の2つのタイプについて必ず把握しておきましょう。

「元本確保型」と「元本変動型」2つのiDeCoの運用商品

iDeCoには、 
  1. 元本確保型:満期時の受け取りにおける元本保証が高い商品。 
  2. 元本変動型元本が常に変動する。大きいリターンを期待できるがリスクもある。
     
大きく分けてこういった2つの商品タイプがあります。 

「定期預金」のような安定・安心を求める場合には元本確保型の商品を購入し、より効率的に資産を増やしたい場合には元本変動型の商品を購入することができます。
 

今回テーマとなっているiDeCoで運用できる元本変動型の金融商品には、 
  • 国内株式 
  • 海外株式(先進国) 
  • 海外株式(新興国) 
  • 国内債券
    海外債権(先進国) 
  • 海外債権(新興国) 
  • REIT(不動産投資信託) 
  • コモディティ 
大きく分けてもこれだけの種類があり、さらにこの中からいくつも銘柄が分かれています。 

さらに金融商品には「パッシブ(インデックス)型」と「アクティブ型」という2つの異なる運用方法が可能なものがあります。
 

インデックス型が市場の値動き通りに変動するのに対して、アクティブ型はファンドマネージャーによって市場の値動きよりも上を目指した運用を行います。

iDeCoの運用商品を選ぶコツを紹介!

ここまではiDeCoの基礎知識と、運用できる金融商品について取り上げてきました。 


ここからは実践編です。
 


株や債券など、変動リスクがあることから敬遠されることも少なくない金融商品の運用ですが、どのようにしてそのリスクと上手に向き合うことができるのでしょうか。 


これから運用における2つのポイントを取り上げます。

iDeCoの運用商品を選ぶコツ①:投資の割合を決める

1つ目のポイントは、現時点で保有している資産に対する投資の割合を決めるという点です。 


投資信託を行ううえで大前提となるのが、「投資できるだけの資産を保有している」という点です。
 


逆に投資信託を行うだけの余裕がない、家計状況が厳しいという方は、見切り発車で投資信託を行うことはおすすめできません。 


ある程度の資産を保有している方も、そのうちどれだけの金額を投資信託に回せるかを考える必要があります。 


投資信託は大きなリターンが期待できる分、購入した商品の価格が下がることによる変動リスクも高い運用方法であり、どれだけリスクの影響を抑えた運用を行えるかがカギとなります。  


特定の金融商品を購入することにより、プラスだけではなくどれだけの「マイナスが発生するか」という点をあらかじめ把握しておきましょう。


それは、将来増えるであろうと予想される資産だけでなく、現在確実に保有している資産を守ることにもつながります。

iDeCoの運用商品を選ぶコツ②:損をしたくない場合は定期預金

すでに取り上げたように、iDeCoには「元本確保型」という、リスクの低い商品があります。 


それには定期預金や保険が含まれますが、これらは株式のように価格変動するのではなく、一年ごとに設定される利率が変動するだけです。


銀行に10万円を1年、2年預けたとしても、残高はほとんど変わりませんよね。  


ですから元本確保型は、できる範囲で確実に資産を積み上げることができ、iDeCoによる非課税のメリットも享受することができます。
 


すでに取り上げたように、運用している金融商品のうち、価格変動によるリスクを抑えたい分の資産を元本確保型にスイッチングすることで、確実に資産を確保することもできます。

iDeCoの運用商品を選ぶコツ③:何にすればいいか分からない時はバランス型

最後のポイントは、「バランス型」の運用商品を上手に活用する、という点です。
 


実はiDeCoで購入できる金融商品には「元本確保型」・「元本変動型」に加えて、「バランス型」という分類の商品も存在します。
 


投資においては「卵は一つのカゴに盛ってはいけない」という鉄則があり、一種類の商品に資産を割いてリスクを一点集中するのではなく、数種類もの商品に分散投資することでリスクも分散させることが求められます。
 


本来はその分散投資における商品ごとの割合は投資者自身が決定しなければなりませんが、バランスファンドを用いることによって、元から銘柄が数種類に分散された商品に投資することができます。
 


バランス型の商品には、以下のようなものがあります。
 


【eMAXIS 債権バランス(2資産均等型)】内訳 

  • 国内債券:50% 
  • 先進国債券:50% 


【eMAXIS バランス(8資産均等型)】内訳 

  • 国内株式:12.5% 
  • 先進国株式:12.5% 
  • 新興国株式:12.5% 
  • 国内債券:12.5% 
  • 先進国債券:12.5% 
  • 新興国債券:12.5% 
  • 国内REIT:12.5% 
  • 先進国REIT:12.5% 


このように、バランス型は元から投資先が分散されています。 


このうちどれか一種類の価格が大幅に下がったとしても投資先が分散されているので、価格変動による影響も少なくて済みます。 


もともと割合が決められている商品なので投資者側が配分変更を行うことはできませんが、iDeCo初心者にはおすすめの方法です。

iDeCoの運用リスクについて解説



iDeCoによる投資信託はメリットも大きいですが、同時に発生しうるリスクについても考えなければなりません。
 


もし軽い気持ちでリスクを考えずに始めてしまうならば、本来はある程度自己防衛できるはずの様々なリスクの影響を、真正面に受けてしまう可能性があるからです。
 


では、iDeCoの投資においては、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。 


これから代表的な5つのリスクを取り上げていきます。

iDeCoの運用リスク①:為替リスク

最初は、為替リスクです。 


海外旅行や海外のショッピングサイトで買い物をしたことがある方はお分かりかもしれませんが、基本的に海外で購入するものは海外のお金を使います。 


同様に、国内株式・債券ではなく、海外の株式・債権等の金融商品を購入するときは、海外の通貨で購入することになります。
 


ですから、たとえ将来的に金融商品の方で利益を出すことができたとしても、日本円に対する通貨の価値が低くなる、いわゆる円高による損失を出してしまう可能性があるのです。 


そのリスクを避けるためには「為替ヘッジ」という、為替によるリスクがあらかじめ保証されている金融商品を購入する、という選択肢もあります。
 


ただし為替ヘッジありの商品は「ヘッジコスト」という手数料が一定の割合で発生する点には注意が必要です。

iDeCoの運用リスク②:金利リスク

2つ目は、金利リスクです。 


これは主に「債券」に関係する問題です。 


今まで様々な種類のローンを利用したことがある方はすでにお分かりかと思いますが、金融機関からお金を借りるときはどのような場合でも「金利」が掛かります。 


銀行Aよりも金利が低い銀行Bがあるなら、誰もが銀行Bでお金を借りたい、と思うはずです。 


同様に、企業が銀行から借り入れる債券にも当然ながら一定割合で金利が付されており、その金利は変動しています。
 


債券Aの金利が低くなれば企業は借りやすくなり金融商品としての価値が上がりますが、逆に金利が低くなれば企業は借りにくくなり、金融商品としての価値も下がります。
 


この金利変動による金融商品の価格変動も、iDeCoの運用においてはデメリットとなり得ます。

iDeCoの運用リスク③:インフレリスク

これは②の金利リスクとも関係する点ですが、iDeCoにはインフレリスクもあります。 


インフレとは様々な要因が原因で物価が上がることですが、同時にお金の価値も下がっています。 


お金の価値が下がるということは、インフレによって保有している金融商品の資産価値も同時に下がる可能性があります。
 


インフレは金利も上昇させてしまいますので、②で挙げた金利リスクの影響を受ける可能性も高くなります。
 


ただし、インフレの影響を受けるのは公的年金制度も同じであるため、iDeCo特有のリスクとは言えません。

iDeCoの運用リスク④:信用リスク

4つ目は、信用リスクです。 


市場をこまめに調査している方でなくても、「この企業は信頼できる」、「この企業はあまり信頼できない」といったイメージを持っていることでしょう。 


実は株式市場においても、「信用度・信頼度」は非常に重要です。 


業績が高く経営が安定している企業であれば、借りているお金を返せる確率が高くなりますので、その企業の株価も上がる傾向にあります。
 


しかし、一度でも信用が失われたり、最悪倒産するような事態が起こると、信用度が下がり、一気に株価も下がる(0になる)ことがあります。
 


それに連動して個人が保有する株の価値も下がり、結果的に資産価値も減ってしまうことが、いわゆる信用リスクです。 


これは企業だけでなく、国が発行する有価証券でも同じことが言えます。

iDeCoの運用リスク⑤:価格変動リスク

最後が、価格変動リスクです。 


今まで取り上げてきたように、国内または海外にかかわらず元本変動型の金融商品はすべてが「活きもの」であり、価値が変動し続けています。
 


価値が変動する要因には、債券を発行しているそれぞれの国における情勢が悪化したり、企業の重役または従業員が不祥事を起こすなど、非常に様々な原因が考えられます。 


不動産投資においても入居希望者が減少し収益性が低くなる、といった影響を直に受けます。 


そのような、金融商品価格が変動することにより保有する資産価値も減ってしまうリスクとなる要因のことをひっくるめて「価格変動リスク」と言います。


iDeCoのような「投資」行為が大前提となる資産運用方法においてはこの価格変動リスクは避けて通れないものですので、それによるリスクをあらかじめ計算し、余裕を持った計画を立てることが大切です。

iDeCoに加入する上での注意点

iDeCoはよく「貯蓄みたいなもの」と誤解されることもありますが、目的は同じでも積み立てる手段が大きく異なります。
 


単なる貯蓄のようなものとイメージしたまま始めてしまうと、様々な点で制約を受けることに気付くでしょう。 


そこで最後に、これからiDeCoに加入する方が覚えておきたい、加入に伴う注意点を取り上げます。 


どのような点に注意して加入・運用する必要があるのでしょうか。

iDeCoの注意点①:手数料

iDeCoでは、金融商品の運用に伴って以下の手数料が掛かります。  

  • 初期費用:2,777円(共通) 
  • 管理手数料(国民年金基金連合会・信託銀行):167円(共通) 
  • 管理手数料(各金融機関・証券会社):0円~ 
  • 給付・換金手数料:432円(共通) 
  • 還付手数料:1,461円(共通) 
  • 移換手数料:0~4,320円 
※運用指示者の場合、管理手数料(国民年金基金連合会・信託銀行)は共通で64円である


これらのうち、毎月支払う必要のある手数料は「管理手数料」です。 


このように、初期費用と国民年金基金連合会および信託銀行に支払う手数料は銀行や証券会社を問わずすべて共通となっているほか、金融機関や証券会社によって異なる管理手数料を支払う必要があります。
 


手数料は一回分だけで見れば少ない金額ですが、10年以上の長期運用が大前提であるiDeCoで考えると、手数料が積み重なった時に実は大きな損失となっていたということがあり得ます。


ですからiDeCoに加入する際には、手数料の少ないネット証券を選ぶことをおすすめします。

iDeCoの注意点②:60歳まで下せない

iDeCoは「投資による積立」という特性を持っていますが、公的な年金制度と同じく「老後に備える」という目的があります。
 


そのため、満期を迎えて換金することができるのは、60歳からと決められています。
 


特別な理由が認められない限り、貯蓄のように途中でお金を引き出すことはできないのです。


ただし、途中でやめる手段がないということは、それだけ継続するモチベーションを保ちやすくなる、ということでもあります。 


ですから、老後資金を貯めようとしても貯蓄ではすぐに途中でお金を引き出してしまうという方には、原則途中解約ができないiDeCoはメリットにもなり得ます。


まとめ:iDeCoの運用方法とリスク、注意点について

今回は「iDeCoの運用方法」をテーマに、iDeCoの基礎知識から運用手段に至るまで様々な点を取り上げてきましたが、いかがでしたでしようか。 


今回の記事のポイントは、 

  • iDeCoは配分変更・スイッチングにより運用状況を一定間隔で見直すことが大切 
  • iDeCoの商品には「元本確保型」・「元本変動型」・「バランス型」の3種類がある 
  • 商品を選ぶ際はリスクの分散を意識し、バランス型の商品を選ぶこともできる
  • iDeCoには「為替」・「金利」・「インフレ」・「信用」・「価格変動」の5つのリスクがある 
  • 加入時には手数料の違いや、60歳まで資産を受け取れないことを理解しておく 

以上の点です。
 


多くの方が老後に不安を抱えている中で、iDeCoのような仕組みを上手に活用できれば、将来に対して大きなアドバンテージとなります。 


投資という行為のリスクを受け入れたうえで、iDeCoでひとりひとりが未来のための「投資家」となっていくなら、誰もが抱く老後に対する漠然とした不安も軽減することができるでしょう。 


ほけんROOMではこの記事以外にも様々な役に立つ記事を掲載していますので、ぜひご覧ください。

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