公務員がiDeCoに加入する際のメリット・デメリットは?始め方も解説

確定拠出年金には、企業型と個人型がありますが、公務員も個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できるようになりました。そこでここでは、iDeCoに公務員が加入する際のメリット・デメリットから加入手続き、iDeCoの運用管理機関の選び方を詳しく解説をしていきます。

iDeCo加入率は公務員が1位?公務員が加入する上で知っておきたい情報まとめ!

近年の年金、老後の生活に対する不安の高まりからiDeCoや、つみたてNISAといった私的年金への注目が高まっています。


特に公務員の方の年金額は官民格差を是正すべきとの観点から給付金額が下げられており、今後もその流れは続くと考えられています。


2017年から公務員の方もiDeCoへの加入が可能なった事や、上記のような現状から公務員の方の私的年金に対する関心は強く、厚生労働省の資料によるとのがiDeCo対象者である公務員の約4%iDeCoへ加入しており、毎月の新規加入者が5%増と関心の高さが伺えます。


この記事では、公務員がiDeCoに入る上で知っておきたい

  • iDeCoに加入した際のメリット
  • iDeCoに加入した際のデメリット
  • iDeCo加入の為の手続き方法
  • 金融機関を選ぶうえでのポイント

これらのポイントについて紹介します!

公務員が加入した際のiDeCoの掛け金上限は?

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は、月5,000円以上から1,000円単位で設定ができますが、それぞれの職業などによって上限があります。 

  •  公務員:月12,000円 
  • 会社員(企業年金あり):12,000円もしくは20,000円 
  • 会社員(企業年金なし):23,000円 
  • 専業主婦(主夫):23,000円 
  • 自営業:68,000円 

公務員の掛金上限は、iDeCo対象者の中でも最も低いです。


これは、公務員の公的年金制度の3階部分に年金払い退職給付と言う制度があり、それにより同じ3階部分に位置するiDeCoの掛け金の上限が12,000円となっています。

公務員がiDeCoに加入する際の3つのメリット

月12,000円の上限なら、加入しても老後の生活に対して十分な金額を受け取れられないとお思いではありませんか?


しかし、iDeCoはたとえ月12,000円の積み立てでも様々なメリットがあります!実際にiDeCo加入者の平均掛け金額は16,222円ですので、12,000円の掛け金上限でも十分な恩恵を受ける事ができます。


ここではiDeCoに加入した際の3つのメリットとして

  • 減らされる公務員の年金と退職金の補填
  • 税制面の優遇
  • 転職・退職の影響を受けない
以上のメリットを解説します!

iDeCo加入のメリット①:減らされる公務員の年金と退職金の補填

記事の初めでも述べたように公務員の年金受給額はカットされる流れにあり、今後も現在の給付水準が続くとは限りません。


そこでiDeCoに加入して老後に受け取ることができるお金を資産運用するのですが、月々12,000円の掛け金で運用したとして老後にいくらのお金を受け取ることができるのでしょうか?


12,000円を25歳から60歳まで35年間年利3%で積み立てたとすると、元金は504万円、運用益は385万円合計で889万円を非課税で受け取ることができ、さらに掛け金504万円分の所得税・住民税が控除になります。


利回りの高い金融商品で積極的な運用(年利5%)を行った場合は運用益だけで859万円、元金と合計で1,363万円を受け取ることもできます!

iDeCo加入のメリット②:税制面の優遇

続いて税制面での優遇についてさらに詳しく解説します。


iDeCoは、掛金の全額が、所得税と住民税の控除対象となります。公務員iDeCoの掛金上限は、月12,000円ですので、年間で最大144,000円が所得控除の対象となります。 


 そのため、所得税と住民税を節税することができます。


また、iDeCoで運用した利益に対しても非課税となっています。通常の場合、投資信託などで利益を得た場合には、その利益に対して約20%の税金がかかります。 


しかし、iDeCoであれば、資金の運用益には税金がかかりませんので、積み立てた資金に運用で得た利益がそのまま加算されることになり、大きく増やせる可能性があります。


例えば上記のようにリスクをとって年利5%で運用した場合、通常は運用益859万円のうち171万円が税金として引かれますが、 iDeCoの場合は非課税で受け取ることができます!


もう一つは、個人型確定拠出年金(iDeCo)を一括受取りする場合には、退職金所得控除を利用することができますので、大きく節税をすることが可能です。  

iDeCo加入のメリット③:個人単位なので、退職・転職の影響を受けない

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、個人で準備する将来の年金や退職金になります。


個人単位で準備をするものになりますので、退職や転職の影響を受けることなく、契約途中で退職したり、民間企業に転職したとしても契約を継続することができます。


公務員の方の場合は掛け金上限が最も低いので、転職に伴い掛け金を減額せざるを得ないという状況に陥る事はありません。

公務員がiDeCoに加入する際の2つのデメリット

iDeCo利用するデメリットについては、次の2つがあります。 

  • 60歳まで資産を引き出せない 
  • 手数料がかかる 
  • 掛け金上限が低い

それぞれについて、見ていきましょう。

iDeCo加入のデメリット1:60歳まで資産を引き出せない

まず、ひとつ目のデメリットとして、iDeCoは、60歳になるまで資産を引き出せないということです。つまり、原則途中解約や途中脱退ということができません。 


つまり、iDeCoは、利用し始めると原則として60歳までは継続して積立続けなければならないのです。


 もちろん例外として、企業年金がある会社に転職した場合などは、制度の利用がストップしますが、積み立てた原資は解約せず、そのまま保管することになります。 


 あくまで、iDeCoについては、60歳まで積み立てた資産を引き出すことはできません。  

デメリット2:手数料がかかる

もうひとつのデメリットとしては、個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用するためにかかる手数料です。
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、加入者が支払った掛金について、運用管理団体が加入者の選んだ商品の資産運用を行います。 


そのため、運用管理団体に運用や管理をしてもらうために、加入者が手数料を支払う必要があるのです。 


手数料については、毎月167円~500円程の金額となります。それほど高額ではありませんが、運用益に対して手数料が高くなってしまうことのないよう注意は必要です。  


例えば余裕を持った運用を行おうと月々の掛け金を5,000円としたとして、手数料が500円の場合は掛け金の1割が手数料ということになり、iDeCoの恩恵を十分に受ける事ができませんので十分注意してください。


また、上のトピックでも触れたように公務員の場合は掛け金上限が12,000円なのもデメリットの1つです。

公務員がiDeCoに加入するための手続きを解説!

公務員が、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入するための手続きについては、次のような流れとなります。 

  1. 自分で運用管理機関を選ぶ 
  2. 資料を取り寄せる 
  3. 運用方法・申込書に記入をし、事業証明書を勤務先に記入してもらう 
  4. 書類を返送する 

運用管理機関は自分で選んで、その管理機関より資料を取り寄せましょう。


その後、運用方法や申込書に記入をするのですが、公務員の場合には、勤務先に「事業証明書」を記入してもらう必要があります。

勤務先に記入してもらう事業主証明書とは?

では、公務員が勤務先に記入してもらう事業証明書とは、どのようなものなのでしょうか。
事業証明書は、申込書の一部に勤務先に記入してもらう欄が設けられています。勤務先で記入する項目については、次の通りです。  

  • 他の企業年金の加入状況 
  • 事業主の署名と押印 
  • 厚生年金適用事業所の住所と名称 
  • 連合会への事業所登録の有無 
  • 申し出者の掛金の納付方法(給与天引き、もしくは個人払込) 

勤務先に書いてもらう項目はたくさんありますね。 


 また、掛金の納付方法についても記入してもらう必要がありますので、給与天引きにするのか個人で払込みをするのかを決めてから、それを伝えた上で勤務先に記入のお願いをするようにしましょう。  

掛け金を給与天引きにすることのメリット・デメリットは?

公務員の場合は、掛金の納付方法を給与天引きにすることが可能です。
給与天引きにすることのメリットは、掛金が自動で給与から支払わるので、自動的にお金を積み立てることができます。


また、年末調整での所得控除の手続きも簡単になるというメリットもあります。 


しかし、掛金の変更をする場合などには、給与引き去り額が異なってきますので、手続きをする際に勤務先を通さなければならないといったデメリットもあります。 


 メリット・デメリットをよく考えた上で、給与天引きにするのかどうかを決めるようにしましょう。

公務員が運営管理機関を選ぶうえでのポイントは?

運営管理機関を選ぶうえでのポイントは、次の2つの手数料の比較です。 

  • 運営管理機関に支払う事務コスト 
  • 投資信託の運用管理費用(信託報酬)などの商品コスト 

こうした、手数料が高くなると、掛け金が低くい場合や運用益が少なかった場合に、利益がマイナスとなってしまう可能性があります。

手数料が安いおすすめ運営管理機関は?

手数料はたかが数百円でも、月々の掛け金によってはiDeCoに加入するメリットを損ないかねません。また、公務員の方の月々の掛け金上限が低いため相対的に手数料の割合というのは大きくなってしまうので、手数料の安い運用管理機関での加入をおすすめします。


手数料の安い運用管理機関として

  • SBI証券 
  • 楽天証券 
  • スルガ銀行 

この3つの金融機関をおすすめします。手数料が安くなっていますので、一度検討してみると良いでしょう。

まとめ:公務員のiDeCo加入にメリット・デメリットと加入する上で知っておきたい情報について

この記事では

  • 公務員のiDeCo加入率の高さ
  • 公務員がiDeCoに加入した際のメリット・デメリット
  • iDeCo加入の為の手続き
  • 公務員が運用管理機関を選ぶポイント
以上の点について解説してきました。

近年の年金と老後に対する不安の高まりは公務員の方も例外ではないでしょう、実際に公務員の方の年金額は減額される傾向にあり、安心した老後の生活には自身である程度の金額を積み立てておく必要があります。

実際に公務員の方のiDeCo加入率は他の加入対象者区分に比べて最も高い事からその傾向が見て取れます。

その点でiDeCoは税制面での優遇や、余裕のある掛け金でも十分な金額を受け取ることができるため、豊かな老後生活のため是非検討を行う行うべき制度でしょう。

しかし、公務員の方の掛け金上限はすべての加入対象者区分の中で最も低く、手数料の割合が相対的に高くなるなどのデメリットもあります。

その上で加入を決定した場合は運用管理機関を選び、加入の為の手続きを行う必要があります。特に運用管理機関によって手数料が変わってくるので、手数料の安い運用管理機関でのiDeCoの加入をおすすめします。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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