転職時に必要なiDeCoの手続きをまとめ|面倒で放置した場合どうなる?

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年々転職回数が増えているといわれています。この時にiDeCo(イデコ)も関係してきます。現在加入中の年金制度と必要な手続きについて詳しく解説しています。また、手続きを行わなかった場合のデメリットについても解説しています。



▼この記事を読んで欲しい人

  • 転職を予定している方
  • 専業主婦(夫)になる方
  • これからiDeCoに加入する方

内容をまとめると

  • 他の年金制度とiDeCoで資金を持ち運びできる。これを移換という。
  • iDeCo加入中に転職した場合、転職先によって手続きが異なる。
  • 企業型確定拠出年金加入中に転職した場合、iDeCoへの移換を忘れると自動移換されて損をしてしまう。
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iDeCo加入中に転職する場合に必要な手続き【パターン別】


老後の資産形成にお得な制度であるiDeCoを使う方は増えています。使い始めるとイデコのメンテナンスが必要になります。転職時もその1つです。

転職先別に以下の6つのパターン、それぞれに必要な手続きと書類を確認していきましょう。

  • パターン①転職先で企業型確定拠出年金に加入する場合
  • パターン②転職先で企業型確定拠出年金に加入しない場合
  • パターン③転職先に確定給付企業年金がある場合
  • パターン④自営業者や個人事業主など国民年金第1号被保険者になった場合
  • パターン⑤専業主婦など国民年金第3号被保険者になった場合
  • パターン⑥公務員になった場合

また、必要になる書類の記載例がiDeCo公式サイトで確認出来ます。確認しながら間違いのないよう記入しましょう。

パターン①転職先で企業型確定拠出年金に加入する場合

企業型確定拠出年金とは、掛金を企業が出し、運用方法を雇用者が選択する年金制度です。掛金を自身で上乗せすることも可能です。iDeCoとの併用不可な企業もあり、その場合に移換手続きが必要になります。

  1. 転職先の担当者に手続きについて確認する。
  2. 「加入者資格喪失届」を準備する。
  3. 必要な添付書類をどちらか準備する。
    ・「個人型年金の加入者資格喪失に係る証明書」
    ・本人であること、企業年金の加入者等であることが確認できる書類
  4. 2.3.の必要書類を加入中のiDeCo運営機関に提出する。

併用できる企業の場合でも必要な手続きがあります。iDeCoと企業型確定拠出年金を両方利用する場合は次の手続きを行います。

  1. 転職先の担当者に手続きについて確認する。
  2. 自営業や専業主婦、学生の方(国民年金の第1、第3号加入者)は「加入者被保険者種別変更届(第2号被保険者用)」、会社員や公務員の方(国民年金の第2号加入者)は「加入者登録事業所変更届」を準備する。
  3. 転職先から「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を受け取る。
  4. 2.3.の必要書類を加入中のiDeCo運営機関に提出する。
併用する場合、1点注意しなければならないことがあります。それは掛金の上限確認です。次の式を確認してください。

55000円/月≧iDeCoの掛金/月+企業型確定拠出年金の掛金/月

iDeCoへの拠出が既に月々55000円以上の場合、併用するために掛金を変更する必要があります。「加入者掛金額変更届」を記入して、一緒に提出しましょう。

パターン②転職先で企業型確定拠出年金に加入しない場合

企業型確定拠出年金のメリットは、掛金や維持費等が企業負担である点です。掛金が足りない場合はマッチング拠出という制度を使って自分で掛金を追加でき、その掛金

は所得控除も受けられます


しかしデメリットもあります。金融機関が指定されているため、気に入った投資先がないことがあります。iDeCoであれば自分が運用したい商品を選択できるため、iDeCoを継続したいという方も出てきます。

  1. 自営業や専業主婦、学生の方(国民年金の第1、第3号加入者)は「加入者被保険者種別変更届(第2号被保険者用)」、会社員や公務員の方(国民年金の第2号加入者)は「加入者登録事業所変更届」を準備する。
  2. 転職先に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を記入してもらい、受け取る。
  3. 1.2.の必要書類を加入中のiDeCo運営機関に提出する。

パターン③転職先に確定給付企業年金がある場合

確定給付企業年金とは、雇用者が将来受け取れる年金を先に設定し、企業が運用する年金です。企業次第ですが、iDeCoの内容を移換できます。

  1. 転職先の担当者に手続きについて確認する。
  2. 「加入者資格喪失届」を準備する。
  3. 必要な添付書類をどちらか準備する。

    ・「個人型年金の加入者資格喪失に係る証明書」

    ・本人であること、企業年金の加入者等であることが確認できる書類
  4. 2.3.の必要書類を加入中のiDeCo運営機関に提出する。

移換できない、またはしない場合は以下の手続きが必要です。

  1. 自営業や専業主婦、学生の方(国民年金の第1、第3号加入者)は「加入者被保険者種別変更届(第2号被保険者用)」、会社員や公務員の方は「加入者登録事業所変更届」を準備する。
  2. 転職先に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を記入してもらい、受け取る。
  3. 1.2.の必要書類を加入中のiDeCo運営機関に提出する。

パターン④自営業者や個人事業主など国民年金第1号被保険者になった場合

企業ではありませんので、企業型について考えることはありません。引き続きiDeCoに加入することが可能です。国民年金第1号被保険者になった変更だけおこないましょう。以前から自営業や個人事業主の方は国民年金の区分が変わりませんので、手続きの必要はありません。


  1. 会社員や公務員、専業主婦や学生の方(国民年金の第2、第3号加入者)は「加入者被保険者種別変更届(第1号被保険者用)」を準備する。
  2. 1.の必要書類を加入中のiDeCo運営機関に提出する。
第1号被保険者のiDeCoの掛金上限は68000円/月になります。会社員から転職された場合は上限の金額が増えていますので、再度いくらiDeCoにかけるか検討しなおすのもよいでしょう。その場合「加入者掛金額変更届」を記入して、一緒に提出しましょう。

上限額の注意点として、国民年金基金や国民年金の付加保険料が合算されます。付加保険料の400円をかけている場合、iDeCoの設定額が1000円単位の関係で満額は出来ません。

68000円/月≧iDeCoの掛金/月+国民年金基金の掛金/月+付加保険料(400円)/月

(参考:日本年金機構 付加保険料の納付のご案内)

パターン⑤専業主婦など国民年金第3号被保険者になった場合

企業ではありませんので、企業型について考えることはありません。引き続きiDeCoに加入することが可能です。国民年金第1号被保険者になった変更だけおこないましょう。

  1. 「加入者被保険者種別変更届(第3号被保険者用)」を準備する。
  2. 1.の必要書類を加入中のiDeCo運営機関に提出する。
第3号被保険者のiDeCoの掛金上限は23000円/月になります。自営業などの方がこのパターンになると上限金額が大きく減ります。金額を変更する場合は「加入者掛金額変更届」を記入して、一緒に提出しましょう。

第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者です。ただし、年収が130万円以上の方や130万円未満でも厚生年金の条件に当てはまる方は第1号か第2号になります。

自営業などの収入であったり、お勤め先へ確認しましょう。

パターン⑥公務員になった場合

公務員は企業勤めではありませんので、企業型確定拠出年金や確定給付企業年金はありません。代わりに退職時に受け取れる給付金として、「年金払い退職給付」と「退職手当」の制度があります。


iDeCoについては引き続き加入することが可能です。

  1. 自営業や専業主婦、学生の方(国民年金の第1、第3号加入者)は「加入者被保険者種別変更届(第2号被保険者用)」、会社員や公務員の方は「加入者登録事業所変更届」を準備する。
  2. 転職先に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書(共済組合員用)」を記入してもらい、受け取る。
  3. 1.2.の必要書類を加入中のiDeCo運営機関に提出する。
公務員ですと、iDeCoの上限額は12000円/月になります。上限金額が低めなことは、退職時の制度が豊富であることが関係しているのでしょう。iDeCoの金額を変更する場合は「加入者掛金額変更届」を記入して、一緒に提出しましょう。

企業型確定拠出年金加入中に転職する場合に必要な手続き

転職先で同じ年金の制度があればそのまま同じ場所へ移しましょう。転職先で担当者の方に確認をしながら手続きをすすめてください。


転職先に企業型確定拠出年金の制度がない時が大事です。同じ制度がないと資産の行き場所がなくなってしまいます。これを作るため必要なのがiDeCoです。


従業員になる他に、公務員や自営業、その他専業主婦(夫)になる方も該当になります。また転職先の運営機関では不満があり投資先を自由に選びたい方も該当します。

企業型確定拠出年金からiDeCoに移換する場合

実際の手続きについて確認しましょう。どの書類が必要か、必ず移換を行う予定のiDeCo運営機関に確認を取るようにしてください。

  1. 資産を移換するiDeCo運営機関を選ぶ。
  2. iDeCo未加入の場合、『加入手続きに必要な書類』を準備する。
  3. 移換のために「個人別管理資産移換依頼書」を準備する。
  4. 他の必要書類を確認する。(本人確認書類や、確認書など)
  5. 2.3.4.の必要書類を移換先のiDeCo運営機関に提出する。
移換先のiDeCoがまだない方は加入手続きも行っていきます。iDeCo運営機関は、iDeCo公式サイトの運営管理機関一覧で一覧を確認できます。自分が投資したい商品を扱っているのか、手数料はどれくらいなのか、比較して選びましょう。

企業型確定拠出年金の運営機関が気に入っていた方は、同じ運営機関でiDeCoがあれば選択するのもよいでしょう。手数料や運用商品を比較して、自分がお金を託せる機関を選びましょう。

厚生年金基金・確定給付企業年金に加入していた場合に必要な手続き

  • 厚生年金基金・確定給付企業年金からiDeCoに移換する場合
  • 企業年金連合会からiDeCoに移換する場合
自営業や専業主婦(夫)になった場合の他、転職先の企業で同じタイプの年金制度がなかった場合は続けることができないので脱退をしなければいけません。退職金としてまとまったお金を受け取ることもできます。しかし、老後の資産用として運用をしたい場合はメリットの大きなiDeCoへの移換を考えるべきです。

iDeCoで運用をするメリットを再確認しておきましょう。
  • 運用で増えた部分である利益が非課税になる。
  • 受け取り方法によって使える控除を選べる。
注意点として全員ができるわけではありません。条件がありますので、確認をして手続きをすすめましょう。

厚生年金基金・確定給付企業年金からiDeCoに移換する場合

条件を最初に確認しましょう。次の3点が条件になります。

未加入の方でも、加入手続きをすれば大丈夫です。実際の手続きについて確認しましょう。

  1. 資産を移換するiDeCo運営機関を選ぶ。
  2. iDeCo未加入の場合、『加入手続きに必要な書類』を準備し、加入手続きを完了する。
  3. 転職前の運営機関に「厚生年金基金・確定給付企業年金 移換申出書」の右側「移動可否決定通知書」を記入してもらい、受け取る。左側は自身で準備する。
  4. 3.の必要書類を移換先のiDeCo運営機関に提出する。
「3.移換申出書」は転職前とのやりとりが必要になります。郵送などでやり取りをすると、送付期間が発生してしまい、日程によっては期限ぎりぎりになってしまいます。

また、移換が出来るのは脱退一時金と同じ金額までとなります。金額詳細も転職前企業に確認になりますので、転職前の担当者とは連絡が取れる体制を整えておきましょう。

なお、確認してもらった結果が移換不可の場合もありますので、その場合退職金として受け取ります。

企業年金連合会からiDeCoに移換する場合

条件を最初に確認しましょう。次の3点になります。

未加入の方でも、加入手続きをすれば大丈夫です。実際の手続きについて確認しましょう。
  1. 資産を移換するiDeCo運営機関を選ぶ。
  2. iDeCo未加入の場合、『加入手続きに必要な書類』を準備し、加入手続きを完了する。
  3. 「中途脱退者等年金給付等積立金、積立金移換申出書(本人申出)」を準備する。
  4. 3.の必要書類を連合会へ提出する。
「3.移換申出書」はコールセンターへの電話か、企業年金連合会の年金サービスセンターへ文章を送る必要があります。必要なことを確認しながら進められるので、コールセンターへの連絡がおすすめです。受付時間が平日の9時~17時と限られていますので、時間を作るようにしましょう。

【参考】iDeCoに関する個人資産のポータビリティとは?

ポータビリティとは他の場所への移動のしやすさを意味します。iDeCoにおいては、転職などがあった際に積立ていた年金資産を移動することを言います。


メリットは確定拠出年金という制度に加入し続けることで、税金軽減をしながら大きな年金資産が作れるです。税制メリットは以下の通り、3つあります。

  • 掛金が全額所得控除される
  • 運用結果の利益が非課税
  • 受取時に控除を受けられる
企業型か、個人型(iDeCo)か違いはあっても、確定拠出年金という制度内での移動になるので、このメリットは継続して受けることができます。ポータビリティによる強みを大きく受けるのは運用利益が非課税な点です。

本来投資の運用結果で利益が出た場合約20%の課税があります。割合での税金になるので、大きな利益ほど税金が取られてしまいますが、ここで非課税のメリットを受けられます。

このようにiDeCoのポータビリティは老後の資産形成を有利に進めることができる一因となっています。

転職時にiDeCoに関するよくある質問

転職時に手続きが必要ということをご案内してきました。しかし、実際に手続きをするのはいくつも書類があり、腰が重いと感じる方もいるのではないでしょうか?ですが、そのまま放置してしまうのはとても勿体ないことになります。

以下の2つのよくある質問を詳しく説明いたします。せっかくお得に資産運用をしているのに損をしないよう、ぜひ確認してください。

  • 質問①転職時にiDeCoの手続きをしないで放置するとどうなる?
  • 質問②転職時のiDeCoの手続きはいつまでにすれば良い?

質問①転職時にiDeCoの手続きをしないで放置するとどうなる?

企業へ勤めている方が加入できる、企業型確定拠出年金はiDeCoへ移換をしなかった場合、自動で別の場所へ移動されます

管理するのは国民年金基金連合会という機関です。自営業やフリーランスなどの方向けの国民年金基金を運営している場所であり、国が定める年金機関になります。いくつかの業務は別の機関に委託をしています。

デメリットがいくつかありますので確認しましょう。
  • 資産運用が止まり、金利0%の状態になる。
  • 自動移換をした時に手数料がかかる。
  • 管理手数料として毎月手数料がかかる。
  • 年金を受け取る年齢が遅くなる可能性がある。
  • 自動移換後に再び資産を運用機関へ移換する際に手数料がかかる。
運用が止まってしまうとそれ以上資金が増えなくなります。その上で手数料が取られてしまうので、逆に減ることになってしまいます。損をするだけですので、転職時の重要ポイントとして押さえておきましょう。

実際の手数料は以下の通りです。
内容手数料
自動移換される際の手数料4348円
自動移換中の手数料52円/月
自動移換から個人型確定拠出年金へ移換3929円
自動移換から企業型確定拠出年金へ移換1100円
自動移換から確定給付企業年金へ移換1100円
自動移換から脱退一時金として受け取る4180円

質問②転職時のiDeCoの手続きはいつまでにすれば良い?

実際にいつ自動移換されるのかというと、転職後6か月になります。前の職場との書類のやりとりを含めるとギリギリで動くのは得策ではありません。転職後一番機関が短いのが企業型確定拠出年金になります。
移換の内容手続きの期間期間超過後
iDeCoからの移換
企業型確定拠出年金からiDeCo転職後
6か月以内
国民年金基金連合会への自動移換
厚生年金基金や確定給付企業年金からiDeCo転職後
1年以内
脱退一時金として受け取る
企業年金連合会からiDeCoiDeCo加入後
3ヵ月以内
脱退一時金として受け取る
どの手続きでも、以前の職場などに連絡を取らなければいけません。やりとりがスムーズにいかない可能性も考えて、転職が決まったタイミングで手続きについて確認をすることをおすすめします

まとめ:iDeCoについての相談ならマネーキャリアで無料相談!

この記事では、転職をする時に必要なiDeCoの手続き方法をお伝えさせていただきました。

  • 加入内容の変更手続きが必要な場合がある。
  • 他の年金制度と関連した移換手続きが必要な場合がある。
  • 移換手続きには期限があり、過ぎてしまうと損をしてしまう。

また、実際にiDeCoを移動させることをきっかけに運用先や、掛金の変更を検討される場合もあると思います。そんな悩みを解決するのがマネーキャリアの無料相談です。


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