個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者と運用指図者に関する解説

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用指図者について説明をします。具体的には、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者と運用指図者の違い、運用指図者になるパターン、また、運用指図者が加入者になる方法、などについてわかりやすく解説をします。

そもそも個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用指図者とは?

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用指図者とは、あらたな掛金を拠出せずに確定拠出年金(DC、Defined Contribution Plan)の口座を通して金融商品の運用だけを行っている人のことを言います。



個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者と運用指図者の手数料を比較!

個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の場合、次の手数料を毎月支払わなければいけません。

<口座管理に関する手数料>

国民年金基金連合会に支払う事務取扱手数料:年間1,236円

事務委託先金融機関業務に関する手数料:年間768円

運営管理手数料:金融機関によって異なる


<投資信託の運用にかかる手数料>

加入手数料:初回のみ2,777円

信託報酬手数料:運用商品によって異なる


個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用指図者の場合であっても、加入手数料、事務委託先金融機関業務に関する手数料、運営管理手数料、は払わなければいけません。

ただし、加入者が国民年金基金連合会に支払う事務取扱手数料は支払う必要がありません。


<口座管理に関する手数料> 

国民年金基金連合会に支払う事務取扱手数料:不要

事務委託先金融機関業務に関する手数料:年間768円

運営管理手数料:金融機関によって異なる 


<投資信託の運用にかかる手数料> 

加入手数料:初回のみ2,777円

信託報酬手数料:運用商品によって異なる

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用指図者になる3つのパターン

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用指図者になるには、次の3つのパターンがあります。


  • パターン1:以前に勤めていた会社で企業型確定拠出年金に加入していたが、転職後の会社に企業型確定拠出年金がない(あるいは自営業、専業主婦(夫)となる)場合
  • パターン2:個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者だったが60歳以降に会社を定年退職した場合
  • パターン3:個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者だったが事情により掛金の支払いが困難になった場合

パターン1:転職して、企業型確定拠出年金をiDeCoに移換した場合

パターン1の場合にはこれまで加入していた企業型確定拠出年金に加入し続けることはできませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入することは可能です。

しかし転職後に掛金を拠出することが難しい場合などは運用指図者となります。

企業型確定拠出年金をiDeCoに移換する場合の注意点

企業型確定拠出年金を個人型確定拠出年金(iDeCo)に資産を移管する場合は以下のような点に注意してください。

(1) 金融機関に資産が移換されたら、どの商品に移換されたか確認すること


任意の金融機関に資産が移換されたら、どの金融商品に移換されたかを確認することが重要です。

運用指図者になった場合、金融機関を選択した時点で、決められた金融商品(通常は元本保証型の定期預金に移換されます)に資産が移管されます。 

移管状況を確認後、スイッチング(これまでに積み立ててきた資産の商品構成などを変更すること)を行ってください。


(2)退職後6ヶ月以内に企業型確定拠出年金の資産を任意の金融機関に移すこと 


もし6ヶ月以内に移管手続きをしなかった場合には、自動的に国民年金基金連合会に移管されてしまうのですが、この場合は以下のようなデメリットが生じてしまいます。


①運用することが全くできませんので、資産を増やすことができません

②確定拠出年金を引き出すことができる年齢になっても、資産を引き出せません(年金の給付を受けるためには金融機関に資産を移換する必要があります)

③国民年金基金連合会で資産を預かっている期間は確定拠出年金の加入期間とはみなされないので年金の受取開始時期が遅くなることがりえます(60歳からではなく最高65歳にならないと受け取れない可能性があります)

④一切運用ができないにもかかわらず年間612円の運営管理手数料が資産から差し引かれます。


なお、6ヶ月を過ぎて自動移管されてしまったとしても、任意の金融機関に資産を移換することができます。

手数料が安くなったり、給付時期が早くなったり、などのメリットがありますので移換することをおすすめします。


(3)手数料の低い金融機関を選ぶこと


企業型確定拠出年金に加入していたときには口座の維持管理手数料は会社が払っていましたが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用指図者になると自分で支払う必要があります。

運用指図者(自分)の資産から自動的に手数料が差し引かれる仕組みです。

手数料の高い金融機関に移管すると年金資産が減ってしまうので、手数料の低い金融機関を選択することが非常に重要です。



パターン2:加入者が60歳以降に会社を定年退職した場合

パターン2のケースですが、60歳以降に会社を定年退職した場合には、退職後であっても、企業型確定拠出年金に拠出した掛金を利用して70歳まで資産運用を続けることができます。

この場合、新たな掛金は拠出しないので、企業型確定拠出年金の加入者から個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用指図者に立場が変わります。

パターン3:加入者が事情により掛金の支払いが困難になった場合

パターン3の、事情により加入者の掛金の支払いが困難になった場合は、所定の手続きをすることにより拠出を中止することが可能です。

この場合は、資格喪失届を提出し、運用指図者になります。

運用指図者になると掛金が拠出できませんので、所得税と住民税が安くなる(拠出金の分だけ税金が控除される)メリットは享受することが難しいでしょう。


しかし、運用指図者として年金資産の運用を続けることは可能です。

なお、確定拠出年金は原則として60歳までは年金自体を中止したり拠出金を引き出したりすることはできません。 

逆に運用指図者が加入者になることは可能か?

運用指図者が個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者になることは可能ですが、以下のような手続きが必要です。

最初に金融機関に運用指図者から個人型確定拠出年金(金融機関からになりたい旨を相談して手続きを進めることが重要です。


次に加入者区分の変更が必要です。
加入者区分を「運用指図者」から「第○号被保険者」に変更するための書類が金融機関から届きますので対応します。


最後に運用商品の選択をします。

運用商品の(期待)利回りも大切ですが、運用に関する手数料(コスト)も重要な検討項目です。

  

また運用指図者から個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者になるためには大変時間がかかることが予想されます。

なるべく早めに個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者になるための手続きを始めたほうがよいでしょう。




運用指図者にオススメの金融会社は?

運用指図者にオススメの金融会社は以下のような会社だと考えられます。

(1)運営管理手数料が無料


(2) (投資信託などで資産運用する場合に)手数料などのコストが低い良質なファンドがそろっている  


投資信託で資産運用する場合には信託報酬という費用が発生します。

信託報酬は資産から日々少しずつ差し引かれていくコストなので気づきにくいのですが、運用益を着実に減らしていく要因です。


上記にあてはまるオススメの金融会社としては、スルガ銀行、マネックス証券、楽天証券、SBI証券、などが挙げられます。






まとめ

このように個人型確定拠出年金(iDeCo)における運用指図者になった場合であっても、資産を預ける金融機関の選択など、年金資産の運用に積極的に関与することが可能かつ必要です。


また個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者に戻ることも可能なので加入者のメリットを踏まえて検討することが重要です。


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