個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関を選ぶポイントは何か?

個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する場合、資産形成で大きな役割を果たす運営管理機関の選定です。ここでは、運営管理機関を選定するためのポイントを紹介します。少しの違いが後々個人型確定拠出年金(iDeCo)では大きな差となりうるので注意を要します。

個人型確定拠出年金の運営管理機関の比較基準や変更方法を徹底解説

個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入するためには、運営管理機関を選定しなくてはなりません。

そこで以下では運営管理機関を多面的に比較し、加入者としての判断の参考にしていただくことを目的とします。


あわせて、様々な理由によって加入した運営管理機関を変更する場合について、手続きの方法を徹底解説します。



そもそも個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関とは?

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関とは、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者に対して、年金資産形成が円滑に運営されるためのサービスを提供する提供者をいいます。具体的には、加入者のニーズを満たすような運用商品を選定しそれを提示すること、加入者が運用商品を選定するために中立的で客観的な専門的情報を提供すること、そして加入者に対する投資教育を行うことが主な役割となっています。

個人型確定拠出年金(iDeCo)で運営管理機関と加入者の関係は?

運営管理機関は加入者の資産形成を担う重要なサポーターです。前述したサービスの他、加入者が運用指図を行ったり、給付金を受け取る時期にはその請求をする対象です。それ故、加入者は自分のニーズに合った運営機関を選択して加入する必要があります。ただ、加入後に運営機関の変更は可能です。


個人が個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入するためには、銀行、証券会社、保険会社などの受付金融機関で行います。受付金融機関は運営管理機関の登録を行っている他、外部の運営管理機関と業務提携していることも多くなっています。

個人型確定拠出年金(iDeCo)で運営管理機関と他の機関の関係は?

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営を円滑に進めるためには、様々なサービスを提供する機関が必要です。運営管理機関はiDeCoの運営における中心的役割を果たす機関ですが、運営管理機関と深く関わる機関は、レコードキーパー、資産管理機関、運用商品提供機関があります。さらに、国民年金基金連合会はiDeCoの実施主体としての役割を持っていることで運用管理機関と強い関係があります。


レコードキーパーとは、確定拠出年金法で定められた記録関連業務(レコードキーピング業務)を行う運営管理機関のことで、「記録関連運営管理機関」とも呼ばれます。記録関連業務は、①氏名、住所、個人別管理資産額、その他加入者等に関わる事項の記録、保存及び通知、②加入者等が行った運用の指図の取りまとめ及びその内容の資産管理機関への通知、③給付を受ける権利の裁定を行います。


資産管理機関とは、確定拠出年金(iDeCo)を運営するにあたって、加入者の資産管理や、運営管理機関の運用指示に基づいた運用商品の売買、そして年金や一時金の支払いなどを行う機関をいい、主に信託銀行が担当します。


運用商品提供機関とは、確定拠出年金(iDeCo)で、加入者等が拠出した掛金を運用する運用商品を提供する金融機関をいい、銀行、信託銀行、信用金庫、投資信託会社、生命保険会社、損害保険会社などがあります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関を選ぶ3つの比較基準は?

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関を選択する場合の比較基準については、主に以下の3点があると考えられます。

①商品の多さと各商品の信託報酬の低さ

②口座管理手数料

③サポート・サービス

比較基準1:商品の多さと各商品の信託報酬の低さ

加入者が自身の資産を形成していくためには多くの運用商品が用意されていることです。しかし、同じような商品ばかりを用意しても意味がありません。目標を達成するリターンを得られうるのかどうか、商品の組み合わせによってリスクを低減させるものがあるのかどうかの選択肢を取ることができるラインナップであることが重要です。

また、運用成果から確実にマイナス要因となる信託報酬については、運用商品の獲得可能なリターンの高さに見合う水準かどうかがポイントとなります。つまり、高過ぎる信託報酬は目標リターンの達成を困難にさせますが、だからといって単に信託報酬が低いだけの運用商品を選択することがよいこととはいえません。その見極めが重要となります。

比較基準2:口座管理手数料

口座管理手数料も運用成果から確実にマイナスとなるものです。従って、低いことが望ましいことにはなります。ただし、それは運営管理機関同士の比較において、資産形成を行う上でのサービスが同等である場合でしょう。

重要なのは加入者の資産構築を進めることです。それを支援するのが運用管理機関であることを考えると、口座管理手数料が安いものの運営機関としての役割は十分に果たされていないのでは本末転倒です。


口座管理料を具体的に見てみます。まず、事務手数料103円/月は国民年金基金連合会に、資産管理手数料64円/月は信託銀行に支払うため、計167円/月はどの運営管理機関であっても必要になります。しかし、運営管理手数料は運営管理機関によって0円/月から450円/月とかなり差があります。年間ベースで比較すると、最低で2,004円、最高で7,404円となります。そして、傾向としてはネット証券系が安く、地銀系が高いようです。

比較基準3:サポート・サービスについて

サポート・サービスとしては、WEBやコールセンターによるサービスが中心となります。

WEBサービスについては、現在の資産残高(簿価、及び時価)、現在の資産や運用商品の構成比、運用商品の説明や運用実績、掛金の投資配分とその指示機能、商品構成の変更(スイッチング)、資産積立額の将来予想(シミュレーション機能)などがあると加入者目線に立ったサービスといえるでしょう。それとともに、WEBの画面の見やすさと操作のしやすさもポイントになります。


コールセンター・サービスは、WEB上の機能や制度に関する疑問点を会話することによって短時間で解決するために必要なサービスです。従って、コールセンターの加入者と応対する担当者がどれだけきめ細やかで丁寧かということが重要になります。


こうしたことは制度に加入する前に全てがわかるわけではありませんが、加入後でも運営管理機関の変更も自由であることから、加入者のニーズをより取り入れる機関が選ばれる大きな要因となります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関の手数料ランキング

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理手数料は、運営管理機関によって0円/月から450円/月と差があります。0円/月の運営管理機関でよく知られているのが、SBI証券、楽天証券で、その他にはイオン銀行、大和証券、マネックス証券があり、これらの運営管理機関は資産規模に関係なく0円/月です。

ただし、事務手数料167円/月はどの運営管理機関にも支払わなくてはなりません。




個人型確定拠出年金(iDeCo)で運営管理機関の変更は可能か?

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関を変更することは可能です。

なぜなら、もともと確定拠出年金の特徴の1つは資産の持ち運びができること(これを「ポータビリティ」と言います)ですので、その意味から運営管理機関を変えることもポータビリティの一種となります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)で運営管理機関を変更する方法

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関を変更したい場合は、新たに変更したい運営管理機関から「運営管理機関変更届」の書類を送付してもらい、掛金および移換金の配分指定や掛金引落口座の変更などを含めた必要事項を記入し返送するだけです。


そこから数ヶ月間待つことになりますが、まず変更前の運営管理機関から振込報告書、取引状況報告書(前回報告以降脱退日まで)の通知が届きます。


また、変更後の運営管理機関から、移換完了通知書、受換の取引報告書、口座開設通知、その他(コールセンターの案内、インターネットパスワードの連絡など)が送られてきます。


そして、毎月拠出する掛金で投資する運用商品をWEB上、またはコールセンターで指定します。 

個人型確定拠出年金(iDeCo)で運営管理機関を変更する際の注意点

最も重要なことは、自分が目標とする資産形成の達成のための運用商品が存在するかどうかであり、また信託報酬、口座管理手数料等のコストをどう見るかでしょう。

運営管理機関を変更するということは、数ヶ月間のブランクを生じさせることであるとともに、労力見合いのパフォーマンスが実現できるとは限りません。


従って、運営管理機関の変更については、メリット、デメリットを十分に検討した上で行動に移すことをお薦めします。

まとめ:運営管理機関を比較して最適のものに加入・変更しよう

いかがでしたでしょうか。運営管理機関を選定して個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する場合、或いは別の運営管理機関に変更するのは、加入者の将来における積立資産を極大化するために実施するものです。そのためには、運営管理機関を様々な角度から比較検討して最適なものにする必要があります。

しかしながら、全てが客観的な判断を可能とするわけではなく、加入者個々の属性も大きく影響します。


したがって、最終的には上記の選定ポイントに習熟し、加入者自らで選定することが必要になります。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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