地震保険の加入率はどのくらい?地震保険制度と加入の必要性を解説

地震保険の加入率はどのくらいなのでしょうか。実は、地震保険の加入率は低く、約30%となっています。その理由として、地震保険の保険料が受け取れる保険金と比べて割高であることが考えられます。今回の記事では、地震保険の加入率とその加入率の裏事情について解説します。

この記事の監修者
うらの まさこ
複雑なお金のしくみを教えたり、 ライフプランに基づくお金の使い方や貯め方、万一の際の備え方などをテーマに、講演・メディア協力(ラジオ・TV・雑誌・新聞)、マネーコラム執筆、相談など多数手掛けています。

地震保険の加入率はどのくらい?

地震保険の加入率と聞いてはっきりこのくらいとイメージが浮かばない方も多いのではないかと思われます。地震保険の加入率を調べるのに損害保険料率算出機構が各保険会社からのデータを収集して統計を発表しています。 

その統計によると、平成30年度の地震保険の世帯加入率は、火災保険加入数のうち32.2%となっており、決して高いとはいえません。
 

しかし、日本は昔から大きな地震に見舞われる国でもあります。やはり地震保険には加入すべきではないか、と考える方も多いのではないでしょうか。
 


そこで今回のこの記事では、
  • 地震保険の加入率や付帯率
  • 地震保険の基礎知識
  • 地震保険の必要性

について、

以上のことを中心に解説していきます。 
ぜひ、最後までご覧ください。  

地震保険の世帯加入率は約30%!

地震保険の世帯加入率はどのくらい?

損害保険料率算出機構は、各保険会社からのデータを収集してグラフで
2009年~2018年までの世帯加入率の推移を紹介しています。
ここでは最近5年間の地震保険の世帯加入率を紹介します。
年度世帯加入率
2014年度28.8%
2015年度29.5%
2016年度30.5%
2017年度31.2%
2018年度32.2%
2009年から減少することなく毎年増加傾向にあり、平均すると年0.92%の増加です。

地震保険の世帯加入率は増加傾向ではありますが地震保険の世帯加入率は約30%と低い数値を推移しています。

地震被害の多い日本で地震保険の大切さを考えさせられます。

地震保険の付帯率

そもそも地震保険は火災保険契約とあわせて契約する必要があります。
地震保険の付帯率とは、ある年に契約した全火災保険契約件数から地震保険契約件数の割合を数値化したものです。

損害保険料率算出機構が公表している最近5年分の地震保険の付帯率推移を紹介します。
年度付帯率
2014年59.3%
2015年60.2%
2016年62.1%
2017年63.0%
2018年65.2%
地震保険の付帯率は年々増加傾向です。

全体の地震保険加入率は低いですが、ここ最近の契約状況からみると約3人に2人が地震保険を契約しています。地震保険の付帯率も2011年の東日本大震災以降、地震保険の必要性が少しづつ広がって付帯率の上昇に推移しています。

最近の地震保険加入率の傾向

最近の地震保険加入率の傾向はどうなってるの?

地震保険の世帯加入率、地震保険の付帯率ともに増加傾向です。
損害保険料率算出機構の最新5年分の推移をまとめます。
年度世帯加入率 付帯率
2014年度28.8%59.3%
2015年度29.5%60.2%
2016年度30.5%62.1%
2017年度31.2%63.0%
2018年度32.2%65.2%
大地震を経験した地域は地震保険世帯加入率が他の地域と比べて高い値に推移しています。2011年に発生した東日本大震災の時は地震保険世帯加入率は26.0%だったことから、2011年度は過去の地震保険加入率の中で加入率が多かった年になります。

それでも日本全体の地震保険加入率は低いのが現実です

参考:都道府県別の地震保険加入率

損害保険料率算出機構より2017年度都道府県別の地震保険世帯加入率を紹介します。
ランキング都道府県世帯加入率
1位宮城県52.1%
2位愛知県41.0%
3位熊本県38.5%
4位東京都37.0%
5位
岐阜県35.6%

 ・・・
45位島根県17.1%
46位長崎県16.6%
47位沖縄県15.4%
気象庁の震度データベース検索により算出したデータによると、地震保険の加入率が1位の宮城県は2018年の地震発生件数全国4位、地震が多い県に該当します。また、保険料が全国でみても比較的安い金額のため加入率が高い数値だと考えられます。逆に、低い地域は地震火山が全国的に少ない地域で地震による被害の経験があまりないと推測できます。そのため、加入率が低いと考えられます。

地震被害の多い地域少ない地域で加入率に差があります

地震保険についておさらいしてみよう

地震保険の大きな加入傾向は

  • 世帯加入率は約30%と低い数値を推移しています
  • 最近の地震保険付帯率は約3人に2人が契約しているので徐々に広まっています
  • 都道府県の地域によって地震保険加入率に差があります
日本全体の地震保険の加入率は低いですが、付帯率から見ると東日本大震災を経験したことにより少しづつ広がっています。大地震に備えるために地震保険について再認識する必要があります。

地震保険の特徴

地震保険の特徴について紹介します。 


  • 火災保険に付帯して加入する必要があります 
  • 保険会社と政府が補償する仕組みになっています 
  • 同じ条件であれば、取扱保険会社によって地震保険の保険料に違いはありません 

単独で地震保険だけの契約をすることはできません。
 


また、地震保険は政府が保険会社の支払えない部分を補償するので、保険金が受け取れない心配をする必要がありません。 


ただし地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき政府による再保険制度が導入されています。 


1回の地震による保険金の総支払限度額が11.7兆円(2019年4月現在)と定められ、1回の地震等によって損害保険会社全社の支払うべき地震保険金総額がその額を超える場合、保険金は削減されることがあります。 


また、同じ保険金額でも、耐火(=鉄筋コンクリート造など非木造)・非耐火(=木造)といった建物構造、免震耐震等の建物性能、築年数、建物所在地のある都道府県、一括払いか分割払いかといった支払い方法によって保険金額 保険料は変わります。 


すでに火災保険を契約されている方は、契約の途中からでも地震保険に加入できます。

地震保険の補償対象

地震保険の補償対象

  • 住居用に使用される「建物」(店舗併用住宅は可)
  • 家具や家電製品などの生活用の動産「家財

賃貸物件の場合は「家財」のみです。賃貸物件の地震保険は所有者(貸主)がかけます。


また、地震保険の補償対象外になるケースは

  • 火災保険の対象が建物のみの場合の家財に損害
  • 30万円を超える貴金属、宝石や書画、彫刻物などの美術品
  • 自動車、住居用でない事務所や工場建物
  • 建物に損害がなかった場合の門、塀、垣の損害
  • 地震等が発生した日の翌日から10日を経過した後に発生した損害(状況により火災保険の対象になる可能性があります)

主に上記の条件ですが他にも地震保険の対象外になるケースがありますので、地震保険についてしっかり調べた上で万が一に備える準備が必要です。


地震保険の補償内容

地震保険の補償内容について簡単にご説明します。
分類損傷の程度お支払い保険金
全損建物の時価額の50%または延床面積が70%以上保険金額の100%
大半損建物の時価額の40%以上50%未満
または延床面積が50%以上70%未満
保険金額の60% 
小半損建物の時価額の20%以上40%未満
または延床面積が20%以上50%未満
保険金額の30%
一部損建物の時価額の3%以上20%未満
または床上浸水または地盤面から45㎝
保険金額の5%
火災保険とは異なり、実際の損害額ではなく主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害額の程度によってお支払い保険金が決まります。

認定された損害の程度が分類の「⼀部損」に至らない損傷の場合は、保険金は支払われません。

地震保険加入率が低い理由

地震保険加入率が低い理由は

  1. 全壊、全焼した場合でも最大火災保険の半額しか補償されない点
  2. 都道府県の地域によって地震保険料が割高な点
  3. 補償対象が一部損以上でないと補償対象にならない

保険金で地震により失った建物と同等の家を建て直すことはできません。これらの理由により地震保険の加入に消極的に思う方が少なくないようです。


地震保険は万が一の時に手助けの一部になります。地震に備えるために今一度地震保険について真剣に考える必要があります。

保険料が高い

建物の所在地や構造によっては、保険料が割高になるケースがあります。
例えば、2019年1月開始の保険で建物構造が非木造、保険期間1年、火災保険金額1000万円のケースでは
都道府県保険金額
東京都、静岡県25,000円
徳島県、高知県15,500円
大阪府12.600円
京都府・北海道7,800円
鳥取県7,100円
都道府県によって大きな差があります。地域によっては金額負担が大きい、また地震保険だけで生活の再建ができない可能性もあることから、加入しないという人も少なくありません。

十分な保険金がもらえない

地震により失った建物を地震保険で建て直すことはできません。
保険金額の100%補償(損壊程度が全損と認定された場合)でも地震保険は火災保険の保険金額の30%~50%までしか掛けられないため、50%が最高補償金額になります。

保険金額の上限金額については
建物5,000万
家財1,000万
さらに保険金額の100%補償であっても上記のような上限があるため、保険金の支払いがいくらなのかしっかり確認する必要があります。

そして、保険金支払額は建物の「時価」で算出されます。 そのため、建物の年数が経過する分だけ時価が下がり、全損でも十分な保険金がもらえないケースが出てきます。

地震保険に加入する必要はある?

地震保険に加入する必要があるかは、今住まれている地域、過去の地震の経験など確認する必要があります。

地震保険に加入を検討するに
  • 日本は地震大国です。
  • 1950年以降、震源地M8以上が10回以上ある
いつどこで地震が起こるか分かりません。もしものために地震保険に加入する必要があります。

特に、住宅ローンが多く残っている方は地震保険に加入することを強く推奨します。地震により住居が失った場合であっても、住宅ローンの支払いを免れることはできません。仕事も失い収入が途絶えてしまうと生活の立て直しも難しくなる可能性が高いです。

万が一のために地震保険に加入し蓄えておく必要があります。

加入することのメリット

地震保険加入する理由として最大メリットはやはり
  1. 地震の被害に対応できる保険は地震保険だけ
このことについては他のどの保険でも対応できません。

また、地震保険は保険会社の支払い不足時に政府が支払いを補償している保険です。地震保険は公共性の高い安心できる保険です。また、地震には二次災害が伴うことがありますが、地震の2、3日後に火災が発生し住宅に被害が発生した場合でも補償してくれます。

他には
  • 建物・家財の補償対象の組み合わせや家庭の事情に合った契約内容を選択できる
  • 新築住宅において住宅性能表示制度は地震保険料の割引になる
  • 確定申告をする時に地震保険料控除で所得税・住民税がそれぞれ安くなる
そして、巨大地震発生時にも短期間に損害状況を調査して保険金の支払いができる体制もとられています。

加入することのデメリット

地震保険加入のデメリットを紹介します。
  1. 火災保険に付帯して契約が必要な点
  2. 保険金額の上限は「建物5000万円」「家財1000万円」
  3. 保険金額は、火災保険の保険金額3割~5割の範囲
  4. 車や30万円超えの貴金属・宝石類や有価証券などは補償対象外な点
  5. 同条件でも都道府県や建物構造などで保険金額が異なる点
  6. 保険金支払額はその時の建物の「時価」が限度
たとえば、火災保険の保険金額(建物)が1千万円だった場合、地震保険として掛けられる保険金額は火災保険の保険金額の3割~5割の範囲と決まってますので、建物の地震保険の保険金額は300万円から500万円の範囲内です。

これらより地震保険の加入に消極的な方も少なくないようです。

参考①:日本で今後30年以内に大地震が起きる確率



政府の地震調査委員会が2019年1月1日に発表している内容について紹介します。
東日本大震災と同じクラスの地震が発生する確率はほぼ0%と発表してますが、一回り小さいプレート間地震(M7~M7.5)クラスの地震の発生確率は青森県沖から茨城県沖のほとんどの地域で26%以上に分類されています

該当する沿岸地域では津波・地震に十分警戒してほしいと話しています。青森県東方沖と岩手県沖北部、宮城県沖の地域は30年以内にM7程度の地震が90%程度の確率で起きると発表されています。

この数値からはいつ大きな地震が発生してもおかしくないことを表しています。日本全体、今後の地震発生に対して警戒が必要です

参考②:日本の地震発生件数の都道府県ランキング

2019年日本の地震発生件数(震度1以上)1位は茨城県、2位は北海道、3位は岩手県、4位は宮城県、5位は福島県、6位は鹿児島県、7位は熊本県、8位は千葉県です。最下位は、富山県、三重県です。(参照:気象庁


地震発生件数の多い地域は日本の北海道から北陸、関東、中部にかけて多く、また九州の熊本県、鹿児島県が多い結果になりました。


政府の地震調査委員会が発表した30年以内に地震が発生する地域重なる部分があります。地震発生の多い地域と少ない地域ではかなり差はありますが、どこで地震が発生しても不思議ではないことが分かります。

参考③:マンションに地震保険は必要?

マンションの地震保険について紹介します。

マンションは、一戸建てと比べて地震に強いというイメージを持つ人が多いようです。しかし、どれだけ丈夫な建物でも、地震に対して完璧な建物はありません
また建物は大丈夫でも、家財に損害が出ることも考えられます。家財も検討してみましょう。

地震が発生すると仕事も住居も失い収入が途絶えてしまう可能性がありますが、生活の立て直しが難しい時でも地震保険加入しておけば生活再建がスムーズにできるかもしれません。また、確定申告で税金の軽減ができます。

マンションの地震保険で注意する点があります。マンションのエレベーターや玄関ホール、廊下などの共有部分についてはマンションの区分所有者と管理組合の合意が必要で個人の意思だけでは加入できません

まとめ:地震保険の加入率はまだあまり高くない!

加入率の低さからみると地震保険は本当に必要なのでしょうか?

地震保険に加入する際の問題点は、地域での保険料の差や保険金支払いの補償内容・金額など多くあり、やはり加入する必要性がないと考える方が少なくないのが現状です。


本当に地震保険は必要ないのでしょうか?今後30年以内大地震が起きる確率は北海道から北陸、関東、中部にかけてかなり高い数値になっています。保険は万が一の備えのために必要なものです。その万が一の確率がシミュレーションによってかなり高い数値なことから大地震が近い未来にどこかで発生するやもしれません。


その時のために地震保険の正しい理解今の保険の見直しをすることが必要です。

そこで、ここでは正しい理解を深めるためのポイント3つお伝えします。

  1. 地震保険の補償金額と内容、補償範囲
  2. 現在加入の火災保険の内容
  3. 未来の人生設計のシミュレーション
この記事を読んで頂ければ、地震保険がどうして必要なのかを正しく理解することができます。最終的に地震保険が必要かそうでないかは、ご自身で考えて頂くことが重要です。 

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