
更新日:2020/08/24
地震保険の加入率はどのくらい?地震保険制度と加入の必要性を解説
地震保険の加入率はどのくらいなのでしょうか。実は、地震保険の加入率は低く、約30%となっています。その理由として、地震保険の保険料が受け取れる保険金と比べて割高であることが考えられます。今回の記事では、地震保険の加入率とその加入率の裏事情について解説します。

目次を使って気になるところから読みましょう!
地震保険の加入率はどのくらい?
- 地震保険の加入率や付帯率
- 地震保険の基礎知識
- 地震保険の必要性
以上のことを中心に解説していきます。
地震保険の世帯加入率は約30%!
年度 | 世帯加入率 |
---|---|
2014年度 | 28.8% |
2015年度 | 29.5% |
2016年度 | 30.5% |
2017年度 | 31.2% |
2018年度 | 32.2% |
地震保険の付帯率
年度 | 付帯率 |
---|---|
2014年 | 59.3% |
2015年 | 60.2% |
2016年 | 62.1% |
2017年 | 63.0% |
2018年 | 65.2% |
最近の地震保険加入率の傾向
年度 | 世帯加入率 | 付帯率 |
---|---|---|
2014年度 | 28.8% | 59.3% |
2015年度 | 29.5% | 60.2% |
2016年度 | 30.5% | 62.1% |
2017年度 | 31.2% | 63.0% |
2018年度 | 32.2% | 65.2% |
参考:都道府県別の地震保険加入率
ランキング | 都道府県 | 世帯加入率 |
---|---|---|
1位 | 宮城県 | 52.1% |
2位 | 愛知県 | 41.0% |
3位 | 熊本県 | 38.5% |
4位 | 東京都 | 37.0% |
5位 | 岐阜県 | 35.6% |
・・・ | ||
45位 | 島根県 | 17.1% |
46位 | 長崎県 | 16.6% |
47位 | 沖縄県 | 15.4% |
地震保険についておさらいしてみよう
地震保険の大きな加入傾向は
- 世帯加入率は約30%と低い数値を推移しています
- 最近の地震保険付帯率は約3人に2人が契約しているので徐々に広まっています
- 都道府県の地域によって地震保険加入率に差があります
地震保険の特徴
地震保険の特徴について紹介します。
- 火災保険に付帯して加入する必要があります
- 保険会社と政府が補償する仕組みになっています
- 同じ条件であれば、取扱保険会社によって地震保険の保険料に違いはありません
単独で地震保険だけの契約をすることはできません。
また、地震保険は政府が保険会社の支払えない部分を補償するので、保険金が受け取れない心配をする必要がありません。
ただし地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき政府による再保険制度が導入されています。
1回の地震による保険金の総支払限度額が11.7兆円(2019年4月現在)と定められ、1回の地震等によって損害保険会社全社の支払うべき地震保険金総額がその額を超える場合、保険金は削減されることがあります。
また、同じ保険金額でも、耐火(=鉄筋コンクリート造など非木造)・非耐火(=木造)といった建物構造、免震耐震等の建物性能、築年数、建物所在地のある都道府県、一括払いか分割払いかといった支払い方法によって保険金額 保険料は変わります。
すでに火災保険を契約されている方は、契約の途中からでも地震保険に加入できます。
地震保険の補償対象
地震保険の補償対象は
- 住居用に使用される「建物」(店舗併用住宅は可)
- 家具や家電製品などの生活用の動産「家財」
賃貸物件の場合は「家財」のみです。賃貸物件の地震保険は所有者(貸主)がかけます。
また、地震保険の補償対象外になるケースは
- 火災保険の対象が建物のみの場合の家財に損害
- 30万円を超える貴金属、宝石や書画、彫刻物などの美術品
- 自動車、住居用でない事務所や工場建物
- 建物に損害がなかった場合の門、塀、垣の損害
- 地震等が発生した日の翌日から10日を経過した後に発生した損害(状況により火災保険の対象になる可能性があります)
主に上記の条件ですが他にも地震保険の対象外になるケースがありますので、地震保険についてしっかり調べた上で万が一に備える準備が必要です。
地震保険の補償内容
分類 | 損傷の程度 | お支払い保険金 |
---|---|---|
全損 | 建物の時価額の50%または延床面積が70%以上 | 保険金額の100% |
大半損 | 建物の時価額の40%以上50%未満 または延床面積が50%以上70%未満 | 保険金額の60% |
小半損 | 建物の時価額の20%以上40%未満 または延床面積が20%以上50%未満 | 保険金額の30% |
一部損 | 建物の時価額の3%以上20%未満 または床上浸水または地盤面から45㎝ | 保険金額の5% |
地震保険加入率が低い理由
地震保険加入率が低い理由は
- 全壊、全焼した場合でも最大火災保険の半額しか補償されない点
- 都道府県の地域によって地震保険料が割高な点
- 補償対象が一部損以上でないと補償対象にならない点
保険金で地震により失った建物と同等の家を建て直すことはできません。これらの理由により地震保険の加入に消極的に思う方が少なくないようです。
地震保険は万が一の時に手助けの一部になります。地震に備えるために今一度地震保険について真剣に考える必要があります。
保険料が高い
都道府県 | 保険金額 |
---|---|
東京都、静岡県 | 25,000円 |
徳島県、高知県 | 15,500円 |
大阪府 | 12.600円 |
京都府・北海道 | 7,800円 |
鳥取県 | 7,100円 |
十分な保険金がもらえない
建物 | 5,000万 |
---|---|
家財 | 1,000万 |
地震保険に加入する必要はある?
- 日本は地震大国です。
- 1950年以降、震源地M8以上が10回以上ある
加入することのメリット
- 地震の被害に対応できる保険は地震保険だけ
- 建物・家財の補償対象の組み合わせや家庭の事情に合った契約内容を選択できる
- 新築住宅において住宅性能表示制度は地震保険料の割引になる
- 確定申告をする時に地震保険料控除で所得税・住民税がそれぞれ安くなる
加入することのデメリット
- 火災保険に付帯して契約が必要な点
- 保険金額の上限は「建物5000万円」「家財1000万円」
- 保険金額は、火災保険の保険金額3割~5割の範囲
- 車や30万円超えの貴金属・宝石類や有価証券などは補償対象外な点
- 同条件でも都道府県や建物構造などで保険金額が異なる点
- 保険金支払額はその時の建物の「時価」が限度
参考①:日本で今後30年以内に大地震が起きる確率

参考②:日本の地震発生件数の都道府県ランキング
2019年日本の地震発生件数(震度1以上)1位は茨城県、2位は北海道、3位は岩手県、4位は宮城県、5位は福島県、6位は鹿児島県、7位は熊本県、8位は千葉県です。最下位は、富山県、三重県です。(参照:気象庁)
地震発生件数の多い地域は日本の北海道から北陸、関東、中部にかけて多く、また九州の熊本県、鹿児島県が多い結果になりました。
政府の地震調査委員会が発表した30年以内に地震が発生する地域と重なる部分があります。地震発生の多い地域と少ない地域ではかなり差はありますが、どこで地震が発生しても不思議ではないことが分かります。
参考③:マンションに地震保険は必要?
まとめ:地震保険の加入率はまだあまり高くない!
加入率の低さからみると地震保険は本当に必要なのでしょうか?
地震保険に加入する際の問題点は、地域での保険料の差や保険金支払いの補償内容・金額など多くあり、やはり加入する必要性がないと考える方が少なくないのが現状です。
本当に地震保険は必要ないのでしょうか?今後30年以内大地震が起きる確率は北海道から北陸、関東、中部にかけてかなり高い数値になっています。保険は万が一の備えのために必要なものです。その万が一の確率がシミュレーションによってかなり高い数値なことから大地震が近い未来にどこかで発生するやもしれません。
その時のために地震保険の正しい理解と今の保険の見直しをすることが必要です。
そこで、ここでは正しい理解を深めるためのポイント3つお伝えします。
- 地震保険の補償金額と内容、補償範囲
- 現在加入の火災保険の内容
- 未来の人生設計のシミュレーション