地震保険が適用される範囲はどこまで?実際にあった被害例から解説!

地震保険へ加入していても実際に受けた被害が適用されるのか不安ですよね。どの程度適用されて保険金はいくらなのか気になることはたくさんあるかと思います。そこで今回は、地震保険が適用される範囲と適用外の具体例から紹介していきますので、ぜひご覧ください。

地震保険が適用される範囲はどこまで?

地震保険と言っても、実際にどの程度保険が適用されるか不安ですよね。


どの程度の被害でどれくらいの保険金になるのか知りたい方が多いと思います。


実は、地震被害でも地震保険が適用されなかったり、適用されても予想より保険金が少なかったりすることがあります。


この記事ではそれらを

  • 地震保険の適用範囲と補償範囲
  • 地震被害を被ったときの手続き

にそって解説します。


高い保険料を払っているわけですから、この記事を読んで被害を受けたときには間違いのない対応をしましょう。


最後まで読めば、地震保険の実情について少し深く知ることができますよ。

地震保険が適用される補償範囲を確認

地震保険が適用される損害は大きく4つあります。


まず、地震噴火または津波を原因とする火災、損壊、埋没または流失による損害。


次に、地震等を原因とする地すべりなどの災害による急迫した危険が生じたため、居住不能のものとなった損害。


さらに、木造建物、共同住宅を除く鉄骨造建物が地震等を原因とする地盤液状化により受けた損害。


最後は、地震等を原因とする浸水による損害です。


以上の損害により、何がどの程度損害を受けたときにどれくらい補償されるかを以下に解説します。

地震保険が適用する範囲と被害例

地震保険が適用されるのは住居用建物家財の損害であり、損害程度はそれぞれ全損大半損小半損一部損の4区分で認定されます。


まず建物の損害区分の基準と保険金を下の表に示します。

損害程度基準支払われる
保険金
全損主要構造部の損害額が時価額の50%以上
または
焼失もしくは流失した部分の床面積が70%以上
100%
大半損主要構造部の損害額が時価額の40%以上50%未満
または
焼失もしくは流失した部分の床面積が50%以上70%未満
60%
小半損主要構造部の損害額が時価額の20%以上40%未満
または
焼失もしくは流失した部分の床面積が20%以上50%未満
30%
一Ⓑ損主要構造部の損害額が時価額の3%以上20%未満
または
建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmをこえる浸水
5%


次に家財の損害区分の基準と保険金を下の表に示します。

損害程度基準支払われる
保険金
全損地震等による損害額が家財全体の80%以上100%
大半損地震等による損害額が家財全体の60%以上80%未満60%
小半損地震等による損害額が家財全体の30%以上60%未満30%
一部損地震等による損害額が家財全体の10%以上30%未満5%


ここで具体的損害について、地震保険が適用になるかどうかを見てみましょう。


(例1)食器が棚から飛び出し割れた


家財は食器陶器類、電機器具類、家具類、身回品その他、衣類寝具類の5つに分類され、それぞれ構成割合が決めらています。


衣類寝具類の場合、ほとんどが損害していれば家財全体の30%が損害したとみなれますが、食器陶器類はすべてが損傷していても家財全体の5%の損害としかみなされません。


したがって、食器類だけが損傷したのであれば、一部損にも該当しないことになります。


(例2)屋根が半分以上損害してしまった


建物は主要構造部ごとに構成割合が決めらえており、屋根は木造2階建ての場合、半分以上が損害したとき建物全体の損害割合は5%と見なされます。


したがって、一部損として保険金の5%が支払われます。


(例3)家は壊れたところがないが、傾いてしまった


地盤の液状化により建物が傾いたり地盤沈下したときは、その程度によって損害が認定されます。


建物の傾きが1.7/100(約1°)を超えるか、地盤沈下が30㎝を超えた場合、全損と認定されます。

  

また、建物の傾きが0.4/100(約0.2°)を超え、 0.9/100(約0.5°)以下の場合か地盤沈下が10㎝を超え、15㎝以下の場合 、一部損と認定されます。


したがって、一部損未満の傾きや地盤沈下の場合は、地震保険は適用になりません。

適用期間は3年!地震保険が適用されないケース

ここでは地震保険が適用されないケースについて解説します。


保険金が支払われない場合

  • 故意、重大な過失または法令違反 
  • 地震の際の紛失または盗難 
  • 戦争、内乱、その他これらに類似の暴動
  • 核燃料物質などの特性による事故
  • 地震等が発生した日の翌日から10日を経過した後に生じた損害 


家財に含まれないもの

次のものは家財に含まれず地震保険は適用されません。

  • 一個又は一組の価額が三十万円を超える貴金属類、書画、骨董、美術工芸品、べっこう製品など
  • 稿本、設計書、図案、証書、帳簿その他これらに類する物 
  • 通貨、有価証券、預金証書、貯金証書、印紙、切手その他これらに類 する物 
  • 自動車


請求権の時効

なお、地震保険の請求権の時効は3年ですので、地震が起きてから3年を過ぎると保険金の請求ができなくなります。


時間が過ぎると損害程度を立証することも難しくなりますので、時効を待たずに早めに請求することをお勧めします。

参考:地震保険の契約をしていなくても保険金の請求が可能な場合

地震保険に加入していなくても、保険金の請求ができる場合がありますので、そのようなときは忘れずに請求しましょう。

まず、火災保険の特約として「地震火災費用見舞金」があり、地震、噴火または津波による火災で半焼以上となったときに保険金が支払われるものです。

「地震火災費用見舞金」は保険会社により違いますが、おおむね火災保険金の5%、最大300万円が支払われます。

また、保険会社によっては火災保険の特約として「地震火災特約」を販売しています。

2017年9月1日以降の保険始期日の火災保険には地震保険に加入することなく、この「地震火災特約」を付帯できるようになりました。

「地震火災特約」も地震による火災のみを補償するもので、地震による倒壊や津波による流失等の損害は補償の対象外となります。

保険金は、建物が半焼以上または家財が全焼したときに、特約のタイプによって、火災保険金の最大30%〜50%が支払われます。

地震による被害を確認したら保険会社へ報告をしよう

地震により建物や家財が被害を受けたら、まず保険会社へ連絡しましょう。


建物は主要構造部が時価で3%以上、家財は時価で10%以上が損害を受けないと保険金は支払われませんが、素人が評価できるものではありませんのでとりあえず連絡しておくのが無難です。




保険金請求から受け取りまでの手続きの手順

保険金請求から受け取りまでの手順は次のようになります。

  1. 保険会社へ連絡し、調査日時を決める
  2. 保険会社からの損害調査員または損害保険鑑定人による調査
  3. 保険会社から正式な損害認定と保険金の請求書が送られてくる
  4. 請求書に必要事項を記入し、必要書類を添付して送付
  5. 後日所定の口座に保険金が振り込まれる


調査に来るまでに日数がかかる場合は、片付けが必要になる場合もありますので、被害状況や被害個所を記録に残したり写真を撮ったりしておくことをお勧めします。


調査が終わったときに調査員に損害の程度を聞いておけば、どのくらいの保険金が支払われるか予想ができます。

被害が大きい地域の場合は保険金が早急に支払われる

地震保険の保険金は支払い申請後原則30日以内に支払われるようになっています。


しかし、大規模震災の場合は損害調査に時間がかかるため、30日を超すことはあり得ます。


平成30年6月18日に起きた大阪北部地震の場合の支払い状況を見てみましょう。

年月日事故受付件数調査完了件数支払い件数
7月2日78,383件25,672件18,010件
7月17日109,277件81,099件60436件
8月9日133,738件121,730件92,887件
10月11日165,448件161,688件127,364件

この表からは、被災後1か月の時点では事故受付件数の55%に、また調査完了件数の74%に保険金が支払われています。


事故受付件数や調査完了件数の中には、保険金の支払いに該当しないものも相当数含まれていることを考えれば、満足できるものでしょう。

加入先の保険会社が分からない場合

被災したときには保険証書も持ち出せず、どこに連絡して良いかも分からないときもあると思います。


そんなときには、一般社団法人日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」(電話番号:0120-501331)に連絡すれば教えてくれます。


上記電話番号を避難グッズの中に入れておけば、万が一のとき助かりますね。

まとめ:地震保険の適応範囲を確認しておこう

地震保険が適用される範囲について解説しましたが、いかがでしたか。


この記事のポイントは

  • 適用となる損害は、地震、噴火、津波による火災、損壊、埋没、流失の損害
  • 適用の範囲は、住居用建物と家財
  • 損害程度は4区分され、区分に応じて保険金が支払われる
  • 地震のときでも地震保険が適用されない場合がある
  • 被害を受けたときにはまず保険会社に連絡する

でした。


地震保険が適用される範囲や被害の程度は、私たちが思っているものとは違っている場合があります。


この記事を読んで地震保険についての正しい認識を持ち、万が一のときに備えましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。 

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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