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地震保険は建物の半壊をどんな基準で補償するの?判定基準を解説!

地震被害により建物が半壊となった場合、地震保険でどこまで補償されるのか不安ですよね。万が一の地震に備えて地震保険には入っていたものの、被害が大き過ぎてどこまで補償されるのかがわからない人も多いでしょう。今回は半壊被害に対して地震保険の補償について解説します。

地震による被害が「半壊」となった地震保険の判定基準とは?

地震保険で建物が半壊したとき、どれだけの補償が受けられるのか、不安に思っているでしょう。


被災した多くの人が損害認定が厳しいという印象をもっており、あんなに壊れているのに半壊にもならないなど不満に思う人も少なくないでしょう。


また、半壊と言っても人によって印象が違いますから、半壊とはどう判定するのかも不安ですよね。


実は、地震保険では損害程度を4段階に簡略化されており、実際に生じた損害に応じた補償をしてくれるわけではありません。


そこで、この記事では「地震保険の判断基準」について

  • 地震保険が定める損害区分は4つに分類される
  • 地震保険が補償する保険金はすぐに受け取ることができる
  • 地震保険は地震発生から10日以内に受けた被害が対象

以上のことを中心に解説していきます。


地震災害で半壊の被害を被ったとき、補償額が正しくイメージできれば、万が一半壊したときの生活もイメージしやすくなり、保険の加入や見直しに役立つでしょう。


最後までお読み下さい。

地震保険が定める損害区分は4つに分類される

ひとたび大きな地震が起きれば、被災者や被災地自治体のみならず保険会社も多忙を極めます。


そのような中で損害の認定、保険金の支払いを迅速に行うために、地震保険では建物と家財についてそれぞれ損害区分を4つに簡略化して分類しています。


補償される保険金額もその4つの損害区分に応じて決められています。


火災保険の場合、家が半壊したとき原状復帰に必要な費用が補償されますが、地震保険は火災保険の半額までしか補償されませんから、保険金のみで原状復帰ができません。

損害区分の判断基準を紹介

地震保険では建物と家財についてそれぞれ全損大半損小半損一部損に分けて損害の基準を決めています。


<建物の損害基準>

まず建物の損害の基準を下表に示します。

損害の程度損害の基準
全損主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の50%以上
または
焼失もしくは流出した部分の床面積が70%以上
大半損主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の40%以上50%未満
または
焼失もしくは流出した部分の床面積が50%以上70%未満 
小半損主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の20%以上40%未満
または
焼失もしくは流出した部分の床面積が20%以上50%未満
一部損主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の3%以上20%未満
または
床上浸水もしくは地盤面より45cmをこえる浸水を受けたとき

平成28年12月31日以前始期の保険契約については、全損、半損、一部損の3区分になっており、次に解説する家財についても同様です。)


一般に災害では家の損害を、全壊、半壊などと表しますが、地震保険に限っていえば全壊、半壊という言葉は使わずに、上の表の4つの言葉を使います。


<家財の損害基準>

次に家財の損害の基準を下表にしめします。

損害の程損害の基準
全損損害額が家財全体の時価の80%以上
大半損損害額が家財全体の時価の60%以上80%未満
小半損損害額が家財全体の時価の30%以上60%未満
一部損損害額が家財全体の時価の10%以上30%未満


<もらえる保険金>

それぞれの損害が生じたときに、それぞれにどれだけの保険金が支払われるのかを見ておきましょう。

損害の程度支払われる保険金の割合
全損保険金の100%
大半損保険金の60%
小半損保険金の30%
一部損保険金の5%
この表中の保険金とは地震保険の保険金であり、火災保険の保険金ではないことに留意しておきましょう。

実際にあった半壊の被害例を紹介

地震保険の「損害の程度」と「損害の基準」は前述のとおりですが、分かりやすくイメージできるように、損害の程度の求め方とその例を見てみましょう。


「損害の基準」の表にある建物の損害割合の求め方は、日本損害保険協会が決めている「地震保険損害認定基準」によります。


たとえば、木造2階建て在来軸組工法の建物の場合を下表にしまします。


主要構造部は「軸(柱)」「基礎」「屋根」「外壁」に分けられ、それぞれの物理的損傷割合(本数、長さ、面積の割合)に応じて損害割合が決められています。

主要構造部物理的損傷割合
損害割合
軸(本)3%以下
3%超~40%以下
40%超
8%
13%~45%
全損
基礎(長さ)5%以下
5%超~50%以下
50%超
2%
4%~11%
全損
屋根(面積)10%以下
10%超~50%以下
50%超
1%
2%~4%
5%
外壁(面積)10%以下
10%超~70%以下
70%超
2%
5%~15%
20%

合計が建物全体の損害割合になる

柱は40%を超える本数が損傷していると建物は全損とみなされ、基礎は長さで50%を超える部分が損傷していると全損と見なされます。


屋根は面積にして50%超の部分が損傷していても建物全体では5%の損害割合であり、外壁は面積にして70%超の部分が損傷していても、建物全体では20%の損害割合です。


最終的には主要構造部の損害割合を合計して建物全体の損害割合を算出し、全損、大半損、小半損、一部損を判定します。


半壊(地震保険では半損と言います)の例として、基礎や骨組みは軽微な損傷であったが、屋根や外壁が大きく損傷していた場合があります。


柱は3%以下の損傷割合で損害割合は8%、基礎も5%以下で2%、屋根は50%超で5%、外壁は70%超で20%合計35%で小半損となります。


この場合は、建物に対し地震保険金の30%が支払われることになります。


この例では外観上全壊だという印象を持つかもしれませんが、建物の要である基礎と柱がまだしっかりしていることから、修復も比較的簡単で小半損と判定されるわけです。


逆に、鉄筋コンクリート造のマンションなどで、建物の傾きが約1.2度を超えていれば、外観上損傷はほとんどなくとも、全損と判定されます。

半壊以上の被害は「被災者生活再建支援制度」の対象

市町村内または都道府県内において所定以上の住家の全壊被害が発生したときは、被災者生活再建支援制度が適用されます。


該当する世帯には、半壊以上の住宅の被害程度に応じて支給される基礎支援金 と住宅の再建方法に応じて支給される加算支援金 が支払われます。


住宅の被害程度に応じて支給される基礎支援金は下表のとおりです。

被害程度支給額(万円)
 住宅が「全壊」した世帯100
住宅が半壊、又は住宅の敷地に被害が生じ、
その住宅をやむを得ず解体した世帯
100
 災害による危険な状態が継続し、
住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯 
100
住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ
居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯) 
50

この表における全壊、半壊の判定基準はり災証明書等のための「災害の被害認定基準」によるものであり、前述の「地震保険損害認定基準」とは異なります。


 住宅の再建方法などに応じて支給される加算支援金 は下表のとおりです。

再建方法支給額(万円)

住宅の建設・購入200
住宅の補修100
賃借(公営住宅以外)50

申請先は市町村の窓口で、申請期限は基礎支援金は災害発生後13ケ月以内、加算支援金は37か月以内です。

地震保険が補償する保険金はすぐに受け取ることができる

地震被害に遭うと避難所が設置されたり、物資の支給が行われたりはしますが、生活の基盤は根底からくずれてしまいます。


生活の再建に向けて動くには当面の住居の確保や生活費が早急に必要になりますので、保険金の請求があってから不備がなければ原則30日以内に支払われることになっています。


地震による大規模災害が発生すると保険会社は特別対策室を設けるなどして臨時体制で対応します。


また、保険会社だけでは対応が難しくなることから、日本損害保険協会が支援し、東日本大震災では本部及び現地に対策部署を設置して対応にあたりました。


地震被害で重要書類を紛失しても請求ができる

保険金を請求するには本来保険証書が必要になり、地震災害に遭ったときは紛失している場合が多いでしょうが、心配はいりません。


本人確認ができれば対応してくれますので、まずは連絡をし保険金の請求をしましょう。


しかし、どこの会社の保険に加入していたかもわからないときは、日本損害保険協会の地震保険契約会社照会センター (フリーダイヤル 0120-501331)で確認できます。


また、損害保険各社の営業所及びコールセンターにおいても、保険会社が違っても確認できます。

被害が大きい地域は政府による特別措置がある

被害が大きい地域は政府や自治体によるさまざまな支援に関する特別措置があり、前述した被災者生活再建支援制度もその1つですが、ここではそれ以外のものを解説します。


まず、災害救助法による住宅の応急修理があり、これは住宅が半壊し自ら修理する資力がない世帯に対し居室、台所、トイレなど日常生活に必要な最小限の応急的修理をします。


市町村が業者に依頼して修理しますが、修理費用は58万4千円までとなります。


また、災害弔慰金等に関する法律に基づき、該当する人に災害弔慰金災害障害見舞金が支給されます。


災害弔慰金は、災害により死亡した人の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び同居または生計を同じくしていた姉妹が対象です。


対象者の内1人に500万円(生計維持者が死亡)または250万円(その他の者が死亡)が支給されます。


また、災害障害見舞金は災害により重度の障害を受けた者には、そのものが生計維持者である場合250万円、またはその他のものである場合は125万円が支給されます。


災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき災害援護資金貸し付ける制度があり、世帯主の負傷の有無や住居の損害の程度により150万円から350万円の融資が受けられます。


年利は3%ですが、はじめの3年間は無利子で償還期限は10年です。


そのほか税や社会保険料、公共料金の減免措置なども実施されます。

地震保険は地震発生から10日以内に受けた被害が対象

地震保険は地震もしくは噴火又はこれらによる津波を直接又は間接の原因とする火災、損壊、埋没又は流失による損害について補償するものです。


しかし、地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害は、地震保険の対象外となります。


また、地震等の際の紛失・盗難の場合も地震保険の対象外となります。


72時間以内に生じた2つ以上の地震は1つの地震と見なされ、全損、大半損、小半損、一部損の認定が行われます。


余震などにより72時間を超えて2つ以上の地震で損害を受けた場合は、それぞれの地震の損害で全損、大半損、小半損、一部損の認定が行われます。

まとめ:地震保険の必要性は高い

地震保険における建物の半壊の判定基準とその時の補償を中心について解説しましたが、いかがでしたか。


今回の記事のポイントは

  • 地震保険の損害区分は4つに分類される
  • 大半損では保険金の60%が、小半損では保険金の30%が支払われれる
  • 大規模災害の場合、地震保険のほかにいろいろな公的な特別措置がある
  • 災害時は自治体や保険会社は特別体制、特別対応をするので困ったときはまず問い合わせをする

でした。


地震国の日本では地震に対して、政府も自治体も保険会社もさまざまな備えをしており、私たちも自らを守る備えをしたいものです。


避難場所の確認や家具類の転倒防止も当然ですが、経済的不安を少しでも和らげるために地震保険への加入も検討してみましょう。


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