地震保険の保険金は火災保険の半額?保険金の上乗せ特約や割引も解説

地震保険では、最大でも火災保険の保険金額の半額しか補償されません。地震保険の特殊な仕組みや目的が関わっているためです。この記事では、火災保険の半額に制限されている理由や地震保険をカバーする上乗せ特約、地震保険料が最大半額になる割引制度について解説します。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

地震保険で設定できる保険金額は、最大でも火災保険金額の50%

地震保険の保険金額は、火災保険金額の30%〜50%、最大でも半額で設定が可能です。 


例えば、建物の火災保険金を5,000万円で設定しているなら、建物の地震保険は最大2,500万円。 

家財の火災保険2,000万円で設定しているなら、家財の地震保険は最大1,000万円となります。 

さらに、上限は建物は5,000万円、家財は1,000万円と定められています(地震保険に関する法律)。 


これは法律で定められているので、どの保険会社を選んでも保険料や報償内容に変わりはありません。 


では、なぜ地震保険の保険金額は火災保険の最大半分なのか、なぜ補償内容がどの保険会社を選んでも画一的なのでしょうか。

地震保険の保険金額が火災保険の半額なのはなぜ?

地震保険の保険金額が火災保険の半額なのは、​​損害保険会社の担保力、国の財政にも限度があるからです。


そもそも地震保険は、民間保険会社を国がバックアップ(再保険)することで成り立っており、国と損害保険会社が共同で運営しています。


つまり、民間保険会社のみでは対応しきれないほどの巨大地震が発生した場合は、国が保険金を支払っているのです。


地震は予測ができないだけでなく、一度起こると被害が広範囲に及び、損害額が巨大になる可能性があります。

そのため、火災保険の金額の50%までに制限しているのです。


地震保険は、補償が半額ということと、保険料に割高感があるせいか、加入率が低めです。

損害保険料率算出機構の損害保険料率算出機構統計集2020年度版地震保険統計によると、地震保険の世帯加入率は33.9%です

火災保険の加入率が約82%ですから、比較するとその低さがわかります。

地震保険は被災後の当面の生活を支える保険

地震保険の目的は、「地震等による被災者の生活の安定に寄与すること」とされています。


被災した直後は被災地域は大混乱となり、いつも通り収入を得られる状態ではありません。

地震保険で下りる保険金の使い途は自由なので、被災した物件の復旧のみならず、抱えていた住宅ローンの返済に充てたり、当面の生活費用に充てることも可能です。


地震保険は、地震に備えるだけでなく、経済的な備えとなるのです。


(参考:財務省『地震保険の概要』)

(参考:地震保険『地震保険とは?』

家財の地震保険も加入するとより安心

建物の地震保険のみならず、家財の地震保険にも加入するとより安心感が得られます。


地震保険金額は火災保険金額の最大50%。

万が一被災してしまった場合、建物の地震保険だけでは足りず、生活再建が難しくなる可能性があります。


たとえば、㆞震により建物と家財が全損してしまった際の、建物のみに加入の場合と、建物・家財に加入の場合それぞれの受取額例は以下の通りです。

建物のみに加入の場合建物・家財に加入の場合
 1,000万円建物の地震保険金1,000万円
300万円支援金300万円
100万円義援金およそ100万円
家財の地震保険金500万円
1,400万円合計の受取額およそ1,900万円

※建物の火災保険2,000万円(地震保険1,000万円)、家財の火災保険1,000万円(地震保険500万円)に加入していた場合 

※東日本大震災での地震保険金や支援金、義援金等の受け取り例(宮城県で家屋全損・人的被害なしの場合) 


このように、建物の地震保険のみならず家財の地震保険も合わせて加入することで、受取金額を増やすことができ、被災してしまったときの経済的な安心を得ることができます。

地震への補償をさらに手厚く!上乗せ補償ができる2つの特約


火災保険には、地震に関連した補償を厚くし、地震被害をカバーできる特約が2つあります。

「地震火災費用特約」「地震危険等上乗せ補償特約」です。


自然災害での被害は、予想できないほど甚大で、広範囲に及ぶことがあります。

設定した火災保険金額によっては、地震災害時、地震保険のみでは生活再建が苦しくなる可能性もあります。


どれだけ備えればいいかは各家庭によって異なりますが、補償内容を少しでも充実させたいなら、効果的な特約となるでしょう。


そこで次は、それぞれの特約の内容について解説します。

特約①:地震火災費用特約

火災保険には、もともと地震火災費用保険金という補償がついている場合があります。

地震や噴火またはそれらによる津波が原因となる火災で、建物が半焼以上、または家財が全焼した場合に、保険金額の5%(1事故につき1敷地内/上限300万円)補償が受け取れます。

地震火災費用特約は、地震火災費用保険金の5%という割合を30%や50%に増やせるというものです。
50%に割合を増やした場合、地震保険の保険金額と合わせて100%の補償を受け取ることができます。

ただし、地震保険料控除の対象外になる点は、要注意です。

特約②:地震危険等上乗せ補償特約

地震危険等上乗せ補償特約は、最高で火災保険の保険金額と同等の額まで補償される特約です。

一般的に、地震保険の補償額は火災保険での契約の50%が最大です。
しかし、この特約をつけることで、地震保険の補償が火災保険の50%までという制限を補え、最高で火災保険金額の100%までを補償できるようになります。

たとえば、火災保険の保険金額が4000万円の場合、地震保険の加入のみでは従来であれば半額の2000万円が補償されます。
しかし特約をつけておけば、さらに追加で2000万円が支払われます。

地震保険のみでは補償しきれなかった損害まで補償してくれるのが、この特約の魅力です。
確定申告などで保険料控除としても利用できるので、メリットも大きいですが、掛け捨てで、追加で支払う保険料も上がるので、補償をどこまでするかの見極めが必要です。

地震保険料が最大半額になる4つの割引

地震保険へ加入しやすいように、4つの割引制度が設けられており、建物の免震・耐震性能、建築年月に応じて保険料が10〜50%の割引が適用されます。

なお、重複して割引を適用することはできませんので注意しましょう。


割引制度を利用する場合は、必要書類を保険会社へ提出します。


免震建築物割引

建物が、住宅の品質確保の促進等に関する法律で規定する免震建築物である場合 、保険料の50%割引となります。


必要書類は主に次の通りです。

  • 建設(設計)住宅性能評価の写し
  • 技術的審査適合証書の写し
  • 認定通知書の写し
  • 設計内容説明書の写し

など 


耐震等級割引

対象物件が、地方公共団体等による耐震診断・耐震改修の結果、建築基準法における耐震基準を満たす場合に適用される割引制度です。

耐震等級3は50%、耐震等級2は30%、耐震等級1は10%割引となります。


必要書類は主に次の通りです。

  • 建設(設計)住宅性能評価書の写し
  • 耐震性能評価書の写し
  • 技術的審査適合証または認定通知書の写し
  • 設計内容説明書の写し

など


耐震診断割引

地方自治体等の耐震診断や耐震改修で、耐震基準を満たす場合、保険料が10%割引となります。


必要書類は主に次の通りです。

  • 地方公共団体建築士等が証明した書類の写し
  • 耐震基準適合証明書または住宅耐震改修証明書等の写し

など


建築年割引

1981年6月1日以降に新築された建物を条件として、保険料が10%割引となります。


必要書類は主に次の通りです。

  • 建物登記簿謄本
  • 建物登記済権利証
  • 建築確認書等

など 

参考:地震保険が必要な人と不要な人

「火災保険の半額以下しか補償されない」という理由で、地震保険の加入へ抵抗を感じる人も多いことでしょう。


しかしながら、地震保険の本来の目的は「地震等による被災者の生活の安定に寄与すること」であり、地震保険の保険金の使用用途は限定されていません


では、地震保険の本来目的、地震保険の必要な人、不要な人はどのような基準で検討するべきでしょうか?

必要な人の基準

地震保険の加入が必要な方々は、次に該当するケースがあげられます。

  • 地震で被災した場合、ご自身の世帯だけで生活再建できる貯蓄が無い場合
  • 住宅ローンのような借金を返済中である場合
  • 子供が独立していない場合

貯蓄に不安があり、借金を返済中の方々は地震保険へ加入することが大切です。

特に住宅ローンを組んでいる場合は、返済が長期にわたることがあります。


たとえ住宅が被災して壊れても、ローンが無くなるわけではなく、原則として完済する義務は残ってしまいます。

また、子供が独立していない場合には、今後の教育資金も当然必要になるでしょう。


地震保険へ加入していれば、下りた保険金で必要な支出を補填することが可能です。

火災保険金の半額以下であっても、頼りになる補償となります。

不要な人の基準

一方、地震保険の加入が不要な方々は、次に該当するケースがあげられます。

  • ご自身の世帯だけで生活再建できるほどの貯蓄がある場合
  • 借金等がない場合
  • 単身またはご夫婦だけの世帯の場合
たとえ地震で建物が被災しても、生活再建できるほどの潤沢な資産があれば、無理に地震保険へ加入する必要はありません。

また、借金もなく、倒壊した建物に住んでいたのが単身またはご夫婦だけで、何とか生活していける場合も同様です。

逆に地震保険の保険料が家計に重い負担となるなら、無理に加入するのは禁物です。

保険への加入・見直しの際は一括見積もりがオススメ!

火災保険や地震保険は、一度加入するとなかなか見直す機会がなかったり、保険料の高さから加入を躊躇してしまったりしがちです。


「うちの保険はこれで大丈夫かな」と心配なときは、他の保険と比較検討してみてはいかがでしょうか。


火災保険には、さまざまな保険会社について、一括見積できるサービスがあります。

補償額はどこの保険会社でも同じですが、補償範囲や特約、サービス内容は保険会社によって異なります。


また、地震保険はもちろん、火災保険の見直しなども、自分で一社ずつ調べるよりもスピーディで、まとめて比較するほうがわかりやすいですよね。ぜひ利用してみてください。

まとめ:地震保険では火災保険金額の半額しか補償されない


地震保険の仕組みと補償の半額になる理由について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。                      


今回の記事のポイントは

  • 地震保険では最大でも火災保険金額の半額までしか補償されない
  • 地震保険は国と保険会社によって運営され、特殊な仕組みとなっている
  • 地震保険金は保険加入者へ適正に配分する必要があるため、半額以下に補償が縮減されるのはやむを得ない
  • 地震保険は、被災者の生活を最優先にサポートすることが目的
  • 保険金を上乗せする特約がある
  • 地震保険料の割引制度を利用すれば、保険料の最大半額が割り引かれる
でした。 

地震は現在、日本全国で頻発しており、日本のどこに居住していても地震被害に遭遇するリスクがあります。

火災保険の半額以下に補償が縮減されていても、地震保険は生活再建のため頼りになる備えです。

地震被害が起きる前に是非、加入を検討してみましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

ランキング

  • 【簡単3分見積もり】火災保険/地震保険の一括見積もりはこちら
  • 火災保険には入るべきか?加入率から見る必要性と未加入リスクを解説
  • 火災保険の加入は必要?火災保険の必要性と必要な特約を解説
  • 火災保険の見積もり・契約(加入)時の必要書類って?
  • 【料率改定】2021年に火災保険が再度値上げ!保険料の節約術とは?
  • 火災保険料の相場は?保険料の仕組みと保険料を抑える方法も解説
  • 賃貸住宅・賃貸アパートの火災保険の選び方とは?手順と注意点を解説
  • 雪害・雪災に火災保険が使える!保険金が支払われる条件とは?
  • 自然災害のために火災保険は必要!補償範囲を確認しよう!
  • 【必読】住宅が土砂崩れ被害にあった!火災保険は適用される?
  • 台風被害は火災保険で補償される? 対象範囲と請求のポイントを解説
  • 火災保険の風災・雪災・雹災補償の適用範囲は?ケースごとに解説!
  • 火山の噴火による家の被害は火災保険・地震保険で補償される?
  • 落雷による被害は火災保険で補償される?補償範囲と請求方法を紹介
  • 液状化・地盤沈下による家の傾きは火災保険・地震保険で補償される?
  • 津波の被害は火災保険で補償されない!地震保険の加入が必要!
  • 【簡単3分見積もり】火災保険/地震保険の一括見積もりはこちら
  •