火災保険の契約期間が最長5年になるとどうなる?保険料への影響は?

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近年の相次ぐ自然災害から、保険期間の最長を10年から5年にするなど、保険料の値上げを検討する保険会社が増加しました。いつから保険期間が5年になるのか気になる方も多いと思いますが、最短で2022年以降とされています。今回は、契約期間が5年になることによる影響を解説します。

火災保険の契約期間が最長5年間になった場合の影響は?

火災保険の契約は、最長で10年です。


しかし、毎日新聞の記事によると、大手保険会社は現行の10年から最大5年への期間短縮を検討しているようです。


相次ぐ大規模自然災害のために保険金の支払いが増加しており、収支改善を図ろうと、保険料の値上げに踏み切っています。


当然、加入者の負担は増えることになりますし、それ以外にも影響が出てきますが、どんな影響があるのか、ご存じですか。


そこで今回のこの記事では、火災保険の契約年数が短くなる点について、

  • 契約期間が最長5年になったときの影響
  • 5年契約になるのはいつからなのか
  • 火災保険における解約返戻金の扱いはどうなるのか
  • 保険料を安くする方法

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、火災保険が5年間になる理由がわかり、どのような影響が出てくるかを知っていただけます。


その上で、正しい知識を身につけていただき、加入時期や更新について、改めて検討していただきたいと思います。


ぜひ、最後までご覧ください。


火災保険の契約期間が最長5年間になった場合の影響

火災保険の最長の契約期間が10年から5年に変わることで、どんな影響が出てくるのでしょうか。


ただ単に期間が短くなった、というだけでなく、それにともなって、手続きや保険料、補償内容など影響を受ける範囲が大きくなります。


具体的には、以下のような点に影響が出てくるでしょう。

  • 保険料の総支払額が増える
  • 契約の見直しがしやすくなる
  • 手続き回数が増える

そこでここでは、それぞれについてより詳しく解説します。


これを読むことで、火災保険のこれまでとの違いをよりしっかりと理解していただけるでしょう。

10年契約よりも保険料の総支払額が高くなる

10年間という期間で比べると、10年契約と5年契約を更新して10年にするのとでは、5年間のときの保険料の方が、総支払額は高くなります。

以下は、契約年数にごとにおける、割引率の相場です。
年数割引率
2年7.76%
5年14.16%
7年15.77%
10年18.07%
契約年数が長くなれば長くなるほど、割引率は高くなってるのがわかりますね。

たとえば、年間3万円の火災保険を契約したとして、長期契約にするとどのくらい違いが出てくるのでしょうか。

以下で、5年と10年で支払う保険料の総額を比べてみました。
年数保険料
5年257,520円
10年245,790円
5年で支払う保険料の総額は、

3万円×5年×(1-0.1416)=128,760円

です。次の5年もそのまま更新すると、

128,760円×2=257,520円

になります。

一方で、10年であれば、245,790円なので、5年の方が、

257,520-245,790=11,730円

高くなるのです。

これらは相場の目安ですが、5年契約のほうが総支払額が高くなることがわかります。

契約の見直しがしやすくなる

5年と10年の契約を比較すると、契約の見直しは5年の方がしやすくなります。


どんな保険でも、内容の見直しをするのは更新時期をきっかけとする人が多いですね。


また、5年も経つと新しい補償内容の保険が発売されていることもあります。


そのため、10年ごとよりも5年ごとのほうが、そのときの状況に応じた補償のついた保険に加入しやすくなります。


火災保険は長期で契約したものを途中解約しても、それほど損はありません。


特に、最初に一括で支払った場合、残った年数に応じた金額がしっかり返金されるので、通常の保険のように解約返戻金のことを心配しなくても大丈夫です。


しかし、加入している保険を途中で見直す機会がない人も多いので、契約年数を短くしておくと、内容を再確認するチャンスにはなるでしょう。

商品内容の改定の影響を受けやすくなる

契約期間を短くすると、更新のタイミングで、商品内容の改定の影響を受けやすくなります。


新しく契約した火災保険が10年であれば、商品内容の改定は10年後になりますが、最長が5年になると、5年ごとに内容が変わることになります。


改定というと、どうしても保険料が上がるというイメージがありますが、決して保険料は上がるばかりではありません。


価格が下がる可能性も十分にありますし、住んでいる地域で自然災害の影響が予想された場合、新しくなった補償内容がより適したものになっていることもあります。


特に補償内容は、改定によって充実する場合も多いので、ある程度短期間で内容を検討しなおせるのは、前向きにとらえるといいでしょう。

契約更新手続きが増える

火災保険に限りませんが、期間が短くなると、手続きの回数は増加します。


10年なら1回ですむ手続きが、5年になると2倍に増えます。


また、更新時に新しい保険に変更したり、別の保険会社の保険に乗り換えたりしたいと思ったら、その手続きも必要になります。


特に、新しい保険会社を検討するときは、保険会社とその保険内容を改めて確認しないといけませんし、以前の契約時と補償内容が大幅に異なることも多いので、時間と時間はかかります。


しかし、近年は自然災害が増えているので、それに対する適切な補償を検討することも必要です。


補償内容を改めて確認する意味でも、契約や更新の手続きの手間を惜しまないほうがいいですね。

参考:5年契約でも10年契約でも保険料の仕訳方は変わらない

火災保険の場合、保険料の仕訳方は1年の場合と2年以上の場合では異なりますが、5年や10年であれば、2年以上のときと変わりません。


保険料を、期間ごとに均等に経費として負担する「期間按分」する必要があり、前払いした翌年度以降の分は、「長期前払費用」という勘定項目で資産に計上します。


仮に、事業年度が4月から翌3月の企業で、5年契約の火災保険料12万円を、10月に一括で支払ったとします。


1か月の保険料は、


12万円÷5年÷12か月=2,000円


です。当期は10月~翌3月までの6か月あるので、


2,000円×6か月=12,000円


が、当期に経費として計上できる金額です。


よって、次年度以降の分として計上する金額は、


120,000-12,000円=108,000円


となります。

火災保険の契約期間が最長5年になるのはいつから?

いまはまだ10年契約できる火災保険ですが、契約期間が5年になるのはいつからでしょうか。


まだはっきりとしたことは出ていませんが、大手保険会社は見通しを年内中には発表するともいわれています。


実は近年、保険料は上昇しています。自然災害による保険金の支払いが増加しているため、収支改善の目的で、2019年の10月にも値上げがありました。


また、さらに2021年にも値上げを予定されているため、加入者の負担も年々増えているのです。


もし、2020年に10年で契約すれば、改定の影響を受けるのは2030年以降になります。長期での契約を検討している人は、はやめに加入しておくほうがいいでしょう。

注意:地震保険の契約期間の最長は5年

火災保険の契約期間は最長で10年間でした。しかし、付帯して加入できる地震保険は5年までであり、これに関しては変更ありません。


火災保険を5年以下で契約すると、地震保険も同じ年数での契約となりますが、5年を超えるときは、地震保険の方が先に契約期間を終えます。


火災保険が5年以上での契約のときは、基本的に自動更新されていましたが、契約年数が5年までになると、地震保険も同じタイミングで更新するかどうするかを検討しなくてはいけません。


いままで火災保険を5年以上でしか契約してこなかった人は、更新の際に、地震保険についても合わせて検討しましょう。


同じ時期に、まとめて内容を確認することができるので、手間は省けますね。

5年契約の火災保険を途中解約したら解約返戻金はいくらもらえる?


通常、保険を途中で解約すると解約返戻金をもらえます。火災保険の場合は、どうなのでしょうか。

実は、火災保険も同様で、加入時に一括払いをしていると、解約返戻金がもらえます。

以下は、一括払いで5年契約をした場合の、1年ごとの途中解約における返戻率です。
加入から
解約までの年数
返戻率
1年76%
2年57%
3年38%
4年18%
保険会社によって若干の違いはありますが、基本的には上記の返戻率とほとんど同じです。返戻率の高さを考慮すると、火災保険の途中解約はそれほどリスクは高くありませんね。

ちなみに、返戻率は一括払いを基準にして計算していますが、加入時に一括で支払った場合、多くの保険会社では割引制度を設けています。

つまり、まとめて払う方が、トータルで考えると年間の保険料が1年ごとに払うよりも安いのです。

経済的な余裕があれば、長期一括払いで加入するほうがお得といえるでしょう。

参考:火災保険の契約期間が5年になる背景

火災保険は、以前は最長35年での契約が可能でした。現在は10年が最長ですが、それを5年にしようという動きがあります。


これは近年、大規模な自然災害が多発しているからです。


火災保険料は、将来起こるであろう災害で支払う保険金を算出し、それをもとに決定しています。


しかし、台風や暴風による被害、豪雨、土砂災害など被害は年々大きくなっており、予想しているよりも支払う保険金が多くなると、保険会社の収支が悪化してしまいます。


保険料の値上げも行われていますが、それが反映されるのは保険の更新時期です。


そのため、契約期間を短くして、更新ごとに保険料の改定をしやすくしようとしているのです。


気候の変化や住宅環境の変化によって、自然災害が減少することは考えにくいですね。よって、今後も保険料が高くなっていくと予想されます。

火災保険の保険料を安くする方法

今後も高くなっていくと予想される火災保険の保険料ですが、少しでも安くする方法を紹介します。


以下が、その方法です。

  • いくつかの保険会社を比較する
  • いらない補償や特約をやめる
  • 契約期間を長くする
  • 保険料を、加入時に一括で払う
  • 免責金額を設定

まずは、保険料と補償内容を比較するために、いくつかの保険会社で見積もりを出してください。同じような金額でも、割引率や補償内容が異なります。

次は、ハザードマップをチェックしたり、住んでいる地域の環境に合わせたりして、いらない補償や特約は外しましょう。

契約期間は、できるだけ長いものを選んでください。そのほうが、年間の保険料はトータルすると安くなります。

さらに、余裕があれば保険料を一括で払うといいでしょう。保険会社によっては10年分を一括で申し込むと、8年分ほどの保険料ですむところもあります。

最後は、免責金額を設定しておくこともおすすめします。

免責金額とは、自己負担額だと考えてください。免責金額を5万円に設定しておくと、20万円分の被害を受けたとき、

20万円-5万円=15万円

が、受け取れる保険金になります。免責金額を設定すると、もらえる保険金は少なくなりますが、保険料も安くなるのが特徴です。

あまりに免責金額を高くすると、全く保険金が受け取れなくなるので注意が必要ですから、どこまでなら自己負担できるかを考えて設定しましょう。

まとめ:火災保険の契約期間が5年になった場合の影響を理解しよう


火災保険の契約期間が5年になることによる影響などをご紹介いたしましたが、いかがでしたか。


この記事のポイントは、

  • 火災保険の契約期間は、おそらく5年になる
  • 契約の見直しをしやすいが、価格改定などの影響も受けやすい
  • 火災保険は返戻率が高いので、途中解約のリスクはあまりない
  • 保険内容を確認して、保険料を安く抑える工夫をする

でした。


契約期間が5年になることで、今後、保険料の負担が大きくなる可能性があります。


補償や特約の確認、保険料の払い方など、少しでも安くする方法もありますので、これを機に保険内容を見直してみてはどうでしょうか。



ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、是非ご覧ください。   

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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