火災保険の契約期間は長期契約がおすすめ?お得な契約方法を紹介!

火災保険の契約期間は2015年に最長10年へ変更されました。火災保険の契約期間で悩んでいる方は、保険料割引率が高くなる長期契約(10年間)がおすすめです。しかし、住宅ローンを利用する方は期間が指定される可能性があるため、契約内容をしっかり確認しましょう。

火災保険のおすすめ契約期間は?

近年、日本では様々な災害が発生し、家や家財にも保険をかける必要性を感じている人も多いのではないでしょうか?


また、家や家財の保険と言えば、火災保険や地震保険ですが、何年まで契約することができるのでしょうか知っている人は少ないと思います。


そこで今回は、

  • 火災保険の長期契約期間と保険料の割引率
  • 火災保険の契約期間設定の注意点
  • 火災保険の補償が受け取れる期間とは?

これらについて詳しく説明します。


ぜひ、最後までご覧ください。

契約期間は最長の10年一括払いがおすすめ

現在火災保険の最長の契約期間は、10年です。


10年分の保険料をまとめて支払う場合はまとまったお金が必要なため、数年ずつ払った方が楽なのではないかと考える人も多いと思います。


しかし、短い期間の保険料を払うより、10年一括払いの方がお得です。


ここでは、その理由等を説明します。

2015年に最長10年へ変更!35年は廃止に

2015年までは、火災保険の契約期間は、最長36年まで契約することが可能でした。


これは、住宅ローンの多くが35年で契約されていたことに理由があり、金融機関は借主にローンを組むと同時に火災保険を契約してもらいます。


そして、その火災保険に質権という権利をつけ、担保にしている住宅が火災で焼失してしまうかもしれないというリスクに対し、火災保険の保険金で残債を処理するという仕組みにしていました。


しかし、近年日本では災害が多くなり、35年先の社会がどうなっているのか保険会社でも予想がつかず、見通せない将来の保険商品では保険会社そのものの存続が危ぶまれてしまいます。


そこで保険会社としても、35年という長期の契約期間を設定することが不可能になり、2015年10月より火災保険の契約期間は最長10年と大幅に短縮されました。


また、住宅ローンを35年で契約しても、35年の契約期間での火災保険には入ることはできなくなりました。

みんなの平均契約期間は?

火災保険の最長の契約期間が10年に短縮されて数年が経ちますが、何年の契約期間が一番多いのでしょうか。


損害保険料率算出機構が2017年に調査をしたところ、2016年の火災保険の契約者のうち、5年の契約期間が一番多く、次いで1年の契約期間が多くなっています。


短い期間の契約が多い理由は、定期的に補償内容を確認しそのときにあった補償内容に変えれるというメリットがあるからです。


また、火災保険の契約期間を5年にする人の中には、最長契約期間が5年と定められている地震保険と合わせて契約したいという人もいるのではないかと思います。


地震保険と期間を合わせて契約するメリットとしては、どちらの更新時期も忘れることなく契約更新を同時にすることができる点が上げられます。

長期契約は保険料割引率が高くなる

一方で、長期契約の場合は一括で保険料を支払うことから、保険料の割引率は契約期間が長くなればなるほど高くなります。


10年の保険期間で契約をする場合にはかなりの割引率が期待されますが、その割引率は保険会社ごとに設定されており、8~23%の開きがあります。


また、長期契約で保険料の割引率が気になる方は何社かの見積もりを取ってみた方がいいかもしれません。


以下に目安となる割引率と、1年あたり3万円で契約した場合、1年間の保険金がいくらになるのかまとめてみました。

年数割引率3万円で契約した場合の保険料(1年あたり)
1年
0%30,000円
2年7.13%27,861円
5年13.60%25,920円
10年17.59%24,723円

※上記割引率は目安です。


上記の条件から、10年の契約をした場合、1年と比べると5,000円以上の割引を10年間受けられることになります。


さらに、火災保険の現状としては、保険料が年々上がってきていますので、短期の契約をして、保険の見直しをしても、同条件で同じ保険料の契約ができない可能性が高いというリスクも想定されます。


超低金利の昨今、定期預金にお金を預けるよりも火災保険を長期契約にして、保険料の割引を受けた方が賢いお金の運用の仕方といえそうです。

途中解約においても長期契約がお得

家を所有しているときに、事情があって家を手放すこともあるかもしれません。


そのようなときに、火災保険を期間の途中で解約したら、保険料はどうなるのでしょうか?


実は、火災保険はいつでも解約が可能で、解約時点での解約返戻金を受け取ることができます。


解約返戻金の割合は保険会社ごとに設定されていますが、長期契約の場合の返戻金は均等割となっています。


一方、短期契約の返戻金の割合は、長期と比べると返戻金の割合が少なくなっています。


また、10年の長期契約の場合で契約期間の5年目に解約となった場合、ほとんどの保険会社では5解約返戻金の割合は50%となっています。

地震保険の保険期間は?

地震保険の最長保険期間は5年で、地震保険は火災保険とセットでないと加入ができません。


そのため、長期契約にした場合、火災保険料と地震保険料を合計すると、一括で支払う金額は高額となり、かなりの負担となります。


しかし、長期契約にすれば火災保険同様、総額で支払う保険料は割安となるメリットがあります。


一方、短期契約では一度に支払う保険料は少なく済みますが、更新のたびに改訂される保険料に左右されやすく、地震保険の保険料が年々上がりつつある現在の状況からすると、デメリットが大きいと思われます。

注意:フラット35などの住宅ローンでは期間指定されることも

ここで、新規に家を建てる際に火災保険を契約する方への注意点があります。


前述でも触れたとおり、火災保険は1年から10年まで保険契約期間を選ぶことができます。


しかし、住宅ローンを契約する際の条件として火災保険の契約期間を10年で契約しなくてはいけない金融機関もあります。


前述させていただいたとおり、35年まで火災保険の契約期間が設定できた2015年までは、ほとんどの金融機関で取り扱っている住宅ローンの条件として、ローンの返済期間と同じ期間の火災保険を設定しなければいけなくなっていました。


これは、住宅ローンの債権者が返済中に質権を設定するため、そのような条件になっているのです。


質権とは、住宅ローン返済中に住宅が火事などで焼失してしまったときに、残ったローンの残債を担保するため、金融機関が火災保険の保険金請求できる権利のことを言います。


住宅ローンではこの質権の設定は必須であり、質権がついている火災保険は途中で解約することができません。

この期間は補償が受け取れる?

火災保険は全期間において補償を受けることができるのでしょうか。

住宅を所有している間に想定できるいろいろなケースから、おもに「火災保険の支払期間」と「住宅の建て替え中」のケースを解説します。

火災保険の支払い期間

火災保険は万が一の災害等で一部の保険金が支払われても保険契約が終了することはありません。


つまり、一部の保険金が支払われている期間でも、他の災害などが発生したら、補償が受け取れるということになります。


しかし、火事などで建物が全焼した場合は、保険金が全額払われ、そこで保険契約は終了となります。


また、契約内容によっては「一回の事故につき、80%相当額以上の保険金が支払われた場合、全焼と同様の扱いとする」と定めていることもあります。


つまり、一部の保険金が支払われる場合でも、80%相当額以上の保険金を受け取った場合には、保険契約が終了してしまいます。


当然、その保険金の支払期間に他の災害で損害を被っても、補償は受け取れないということになります。

住宅の建て替え中

それでは、住宅を建て替え中の期間はどうなるのでしょうか。


前に住んでいた家を解体して、新しい家を建築中に火災保険の補償は受け取れるのでしょうか。


まず、建て替える前の建物にかけていた火災保険は新しい家に継続して契約することはできません。


また、建築中の建物は建物を建築している会社(施工主)の所有となりますので、この期間は火災保険の契約期間とすることはできません。


つまり、建て替え前の建物は、取り壊し前に解約をし、施工主から建物を引き渡された時から新しい建物に対する火災保険の契約期間開始になります。

まとめ:火災保険の保険期間は長期契約を考えよう

ここまで火災保険の保険期間や補償等について説明してきましたが、いかかでしたか。


今回の記事のポイントは、

  • 火災保険の長期契約は最長10年
  • メリット:長期で契約することで保険料が下がる
  • デメリット:環境の変化に対応できない
  • 建て替えの際は再契約し直す

です。


火災保険も保険料の割引率などの仕組みを理解していればよりお得に契約することができます。 


また、保険会社によって割引率等も違いがありますので、事前に数社から見積もりを取って比較してみることも大切です。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、是非ご覧ください。

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