マンションの火災保険料の相場っていくら?保険料が決まる基準を解説

マンションの火災保険料の相場目安はいくらなのでしょうか。しかし、火災保険料に明確な相場は存在しません。条件に応じて保険費用は大きく変わるからです。そこで今回の記事では、マンションにかける火災保険について詳しく解説し、保険料金が決まる仕組みについてみていきます。

マンションの火災保険料の平均的な相場っていくらくらい?


日常生活では、思わぬ火災などの厄災にあうことがあり、火災保険への加入は必要不可欠でしょう。


マンションでも火災への備えは欠かせませんが、保険料の相場がいくらくらいになるのかは知っておきたいところですよね。


実はマンションの火災保険料は一律ではなく、その条件によって異なります。


この記事では、マンションの火災保険料の平均的な相場について、以下の様に説明しています。

  • マンションの保険料の決定基準
  • 賃貸と分譲での補償の違い
  • 火災保険加入は義務か
  • 保険料を安くするためには
  • 家財の評価方法を紹介
この記事を読んでいただければ、マンションでの火災保険の意味とその保険料の一般的な相場を知ることができ、加入の時の参考になるでしょう。


ぜひ、最後までお読みください。

マンションに一定の保険料相場はない!保険料が決まる基準は?

マンションの火災保険には一定の保険料相場は存在しません。保険料は補償対象となる建物の耐火性能や、建物の所在地、部屋の延べ面積やどこまで補償範囲とするのか、補償期間の長さなどによって異なります。


一概に火災保険と言っても、対象となる家やマンションの構造、広さなどによって危険率が変わるため、それらを総合的に判断して保険料が決められます。


例えば木造のマンションよりは、鉄骨造りのマンションの方が耐火性能は良いので、燃えにくいといえます。


同様に、30㎡の部屋と60㎡の部屋では後者の方が価値が高く見積もられますし、集合住宅と一戸建てでも危険率は異なるでしょう。


このようにマンションの火災保険はそれぞれの環境や条件をもとに決められるので、全体的な相場というものはありませんが、同じ地域内や同じような構造の建物の中での相場は比較することが可能です。

建物の耐火性能

保険料決定の基準の一つとして重要なのが建物の耐火性能です。


火災保険は耐火性能の違いによって掛け金率が変わるので、より燃えにくい構造であるほど掛け金が割安になります。


最近では柱だけでなく、壁や屋根なども耐火造りの構造のマンションがほとんどですが、中古や古いマンションでは木造のものも存在します。


木造は燃えやすく、広がりやすいこともあり、火災保険の保険料相場としては割高になります。

建物の所在地

建物の所在地によっても掛け金率が変化します。


一般的に都市部ほど掛け金率は高めに設定されており、郊外になるほど低めの設定になります。


都市部では住宅が密集しているため、他の家の出火によるもらい火の危険も上がるでしょう。


また、地価などの違いから建物自体の評価額も高くなる傾向にあり、結果として火災保険の相場は高くなりがちです。


マンションを探すときは、立地に注目してみるのもよいかも知れませんね。

部屋の専有面積

部屋の専有面積も火災保険の保険料を決める要素のひとつとなります。面積が小さければ補償対象としての価値は小さくなり、広ければ大きくなるといった具合です。

火災保険に加入するときは、もしも燃えてしまったときに再建するのにいくらかかるかという再取得価格を計算し、いくらの補償をかけるのかを選択します。

価値を計算するときに必要となるのが部屋の専有面積で、掛け金率を広さに掛けることで保険金額を決定します。再取得価格以上に保険に加入することはできません。

補償範囲の広さ

火災保険には火災だけでなく、風害や水害などの災害、泥棒などの盗難被害、予測できない事故での損壊の補償なども含まれているものもあります。


その他特約で臨時費用やお見舞金が出るオプションを付けたりすることも可能です。


これらの補償範囲を広くすればそれだけ保険料は上がり、補償を絞っていけば保険料の抑えることもできます。


補償範囲を広くすることは保険料相場を上げる大きな要因といえるでしょう。

保険契約期間の長さ

火災保険は契約期間を選ぶことができ、最高で10年間補償が続くものがあります。保険料相場では、一般的に契約期間が長い程、割引されて保険料を抑えることができます。


1年更新型と比べると2~3割ほども安くなることもありますが、途中で解約すると損してしまうこともありますので、注意が必要です。


また、10年分を一気に支払わなくてはいけないこともあり、負担が大きくなることもあるでしょう。


すぐに引っ越す予定がなくて、余裕があるのならば、長期間の契約を検討するのもよいですね。

賃貸と分譲マンションでは補償範囲が異なる

マンションには賃貸分譲がありますが、火災保険はこれらの違いによって補償の範囲が異なり、保険料相場も変化します。


両者の違いは、誰がそのマンションの部屋の持ち主であるかですね。


賃貸の場合は住んでいる人は所有者ではなく家賃をもらう大家さんが所有者ですし、分譲であれば専有部分として住んでいる人が持ち主になります。


所有者の違いから、火災保険の補償範囲に違いが出ますので、詳しく見ていきましょう。

賃貸マンションの場合

賃貸マンションとはマンションの形状の建物の一画を借り、毎月大家さんに家賃を支払って住むものですから、賃貸マンションの所有者は住人ではありません。

住人は借りている部屋のものを壊したり使えなくしてしまったときには持ち主に現状を回復して返還する義務があり、火災保険に加入するのはもし火災にあったときに持ち主に元の状態にして返せるようにするためです。

賃貸マンションで火災保険に加入するときは、「借家人賠償責任保険」というものに加入します。借りている人の賠償責任を補償するということですね。

もし、火事になって家具や衣服など自分の持ち物に損害が出たときは借家人賠償責任保険で賄うことはできませんので、別途自分で家財の保険に加入する必要があります。

分譲マンションの場合

分譲マンションは、マンションとして建設されている建物の一区画を買い上げ、自分の家として住むものですから、分譲マンションの部屋は住人のものです。

火災保険は自分の持ち物のために掛け、補償されるのは自分の持ち分の範囲ということになり、マンションの専有部分がこれにあたります。

火災の場合は、たとえ隣から出火して自分の家が全焼してしまったとしても、「失火責任法」という法律上、故意や重要な過失がなければ隣の家の人に補償してもらうことはできません。

マンションはその構造上、近いところから出た火事の影響で損害を受ける確率も高くなります。

専有部分に対する保険と、家財に関する保険のどちらも加入しておくことが重要です。

参考:マンションにおける専有部分の共有部分

マンションのどこまでが専有部分で、どこからが共有部分なのかは難しい問題です。部屋の中は専有と分かりますが、玄関のドアや渡り廊下はどうでしょうか。


実は共有なのか専有なのかは、マンションの規約によって異なります。


一般的に玄関のドアやバルコニーなどは共有とされることが多いです。専有部分とすると勝手に改装されて外観が損なわれる可能性も出てくるからでしょう。


渡り廊下などもマンションの住民みんなで使うものなので共有部分ですね。


共有部分に関しては、個人ではなくマンションの管理会社が火災保険をかけることになりますので、分譲であっても自分で火災保険に加入する必要はありません。


専有か共有化によって火災保険に加入しなくてはいけない範囲が変わりますので、加入を検討するときには一度マンションの規約を確認するとよいですね。

マンションでは火災保険加入は義務?

「火災なんてめったに起こらないし、入らなくてもいいかな」とか、「保険料が高いからできれば入りたくないな」なんて思っている人もいるのではないでしょうか。


確かに自分のマンションが火災にあう確率はそんなに高くはないかもしれませんし、何もなければ払い損になるのではないかという考えも頭によぎるかも知れません。


もし火災にあったときに自分でその損害を賄いきれるだけの資産があれば、保険はいらないとも言えますが、多くの場合はなかなか難しいでしょう。


以下で、マンション生活をする上で、火災保険は義務なのかどうか説明していきます。

賃貸マンションでは火災保険加入が義務

賃貸マンションは自分の持ち物ではありません。火災で燃えてしまったときは元の状態に戻す義務があります。


もし借主が保険に入っておらず、資産もないとしたら、大家さんはマンションを直すことができません。


確実に出火したところから補償をしてもらえるようにする必要があるのですね。


そのため、マンションを借りるときには一緒に火災保険に加入することが義務となっています。


マンションに限らず、アパートなどでも賃貸の場合は契約とセットになっていることがほとんどです。

分譲マンションでは火災保険加入は義務ではない

分譲マンションは自分の持ち物なので、壊れたとしても誰かに補償する必要はありません。ですから、火災保険への加入は任意であり、自由です。


しかし、マンションは自宅以外からの出火にも影響されやすいですし、ローンで購入している場合などはマンションが燃えてもローンは無くなりません。


ローン購入の時は、金融機関で火災保険の加入を必須要件にしているところがほとんどです。


火災以外にも落雷や漏水なのど被害にもあいやすいので、なるべくならば火災保険には加入しておいた方がよいでしょう。

参考:地震保険は加入しておいた方がいい

日本は地震の多い国です。マンションは普通の木造一戸建てよりも地震に強いのではないかという感覚を持ちますが、強い地震がきたときにはマンションも倒壊する危険があります。


地震によって自分の専有部分に被害が出たときは自分で直す必要があります。


地震保険は火災保険にセッで加入するもので、火災保険の30~50%の金額を補償してくれます。


地震によって建物が損壊し、生活を立て直すためにはお金が必要です。地震保険ですべての損害を補償するというのは難しいかも知れませんが、当面の生活費として役立つでしょう。


地震保険は、年末調整や確定申告でその保険料を所得から控除することができ、節税効果もありますので、マンションとはいえど、加入を検討しておいたほうがよいでしょう。

保険料を安く抑える方法

火災保険は決して安い金額であるとはいえず、加入をためらってしまう人もいるでしょう。


しかし、もしもに備えるためには不可欠の保険であるともいえるので、是非とも入っておきたいところです。


火災保険は、補償が手厚ければ安心感は増えますが、それだけ保険料も高くなります。


逆に言えば、自分に不要な補償を削ることで保険料の節約ができるのです。


マンションで火災保険に加入するときは、マンションならではの事情を考えて必要な補償といらない補償を選択するとよいでしょう。


賃貸マンションの場合は契約の時点で加入する保険が決められていることが多いですが、分譲マンションならば自分で選ぶことができます。


なるべく保険料を安く抑えられるように工夫して、加入を検討してください。

不要な補償や特約を外す

火災保険にはさまざまな補償がセットになっていることがほとんどです。沢山ついていたほうが安心はできますが、そのせいで保険料を払えなくては意味がなくなってしまいます。


火災保険には、自動でセットされている補償の他に、オプションで選べるものや、外す事のできる特約、補償を絞ることができるプランなどが用意されています。


マンションの高層階なら、雪や洪水の被害にあうことは稀ですし、セキュリティ万全のマンションならば盗難などの被害は少ないかもしれません。


セットでついてくることの多い賠償責任保険は自動車など他の保険に付帯されているかもしれないですよね。


保険会社で見積をとると、おすすめのプランには多くの補償や特約やセットにされている可能性が高いですから、自分に必要な補償を見極めることが必要です。

保険契約期間を10年にするなど長くする

保険の契約期間を長く設定するのも、保険料を節約できるおすすめの方法です。


大抵の火災保険は1ヶ月単位から1年、5年、10年と契約者が契約期間を決められますので、確認してみましょう。


長くすればするほど、割引率も大きくなりますし、更新する手間も省けて、補償が切れてしまうことも防げます。


但し、5年、10年といった長期契約の場合は保険料は一括払いで納めることがほとんどです。必要経費と割り切って先払いできるのであれば、保険料節約として効果的です。

複数の会社で見積もりを取る

火災保険は保険会社ごとに異なった内容を持ち、保険料は一定ではありません。


大まかな掛け金率が同じでも、補償の組み合わせや特約の違いで保険料が変わることもあります。


火災保険を検討するときは、一社だけでなく、なるべく複数の保険会社で見積もりを取るようにするとよいでしょう。


最近ではサイト上で手軽に見積もりがとれるサイトも増えており、自分で必要な補償を選ぶことも簡単にできるようになっていますので、一度試してみてくださいね。

参考:火災保険における家財の評価方法2つを紹介

火災保険には建物の補償と家財の補償があります。


建物の評価はマンション購入時の契約書などを見れば分かりますが、家財の場合、それぞれの家にどれだけものがあるかは全く異なるでしょう。


火災保険に加入するときはどうやって相場を見たらいいのか、困ってしまうかもしれませんね。


家財の火災保険に加入する場合に使われる家財の評価方法には、積算評価方式と簡易評価方式があります。以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。

積算評価方式

積算評価方式とは、家にある家財を一つ一つ書き出し、すべてに価値を付け、足し上げていく方法です。


現物を確認しながらの作業となるので、シンプルですがとても手間がかかります。


家族が多ければそれだけものも増えますし、正確に価値を付けるのもとても難しい作業ですので、あまり現実的ではありません。


そのため、保険会社では次に述べる簡易評価方法によって家財の価値を計算する方法が主流となっています。

簡易評価方式

簡易評価方式では、家族構成や年齢、住居面積によって保険会社が決めた基準に照らし合わせて家財の価値を決める方式です。


ある保険会社の簡易計算表を見てみましょう。

世帯主の年齢単身世帯2人以上
~29歳290万円450万円
30~39歳290万円500万円
40~49歳290万円600万円
50歳以上290万円700万円

2人以上の世帯で、延べ面積をもとにした計算表もあります。

世帯主の年齢延床面積20㎡未満20~30㎡未満
~29歳290万円300万円
30~39歳400万円500万円
40~49歳600万円700万円
50歳以上700万円900万円

他にも同居家族の年齢によって変わるものや、地方によっても異なることもあります。


ざっくりした例ですが、このように保険会社ごとに決められた計算表を使って目安となる家財の評価をし、金額が出た後は、保険会社の人と話し合って、自宅の家財の価値を決めます。


住んでいる場所や家族構成によって平均的な価格が簡単にわかるので、保険会社では簡易評価方式が使用されることが多いです。

まとめ:保険料の相場算出には一括見積りサービスを利用しよう

マンションの火災保険の相場について説明してきましたが、いかがでしたか。


この記事のポイントをまとめると次のようになります。

  • マンションの火災保険料に一定の相場はなく、それぞれの建物の耐火性能や所在地、部屋の大きさや補償期間など基準として総合的に保険料が決定される
  • 賃貸の場合は「借家人賠償責任保険」に加入する。持ち主に対する補償に備えるため、契約と一緒に義務として加入することがほとんど
  • 分譲の場合、火災保険加入は義務ではないが、その後の生活やローンなどを考えるとなるべく加入しておきたい
  • 火災保険には不要な補償や特約が付いていることが多いので、外すことによって保険料を安く抑えることができる
  • 火災保険は保険会社ごとに異なるので、一社ではなく複数の会社で見積もりしてから選ぶようにする

火災保険料に明確な相場はありませんが、同一条件下ならある程度の相場を出すことは可能です。


自宅に掛けるための保険料の相場を算出するには、一括見積りサービスが便利ですので、利用してみてくださいね。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、合わせてご覧ください。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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