地震保険料は築年数によって変わるの?地震保険と時価についても解説

当然ですが地震保険料は、地震の際に倒壊しにくい建物ほど安く、倒壊しやすいほど高くなります。それでは、築年数は地震保険料とどのように関係してくるのでしょうか。この記事では、地震保険の割引と築年数の関係、地震保険と時価の関係を中心に解説します。

地震保険料は築年数によって変わるの?

地震保険の保険料が、築年数によって変わることはご存知ですか?


築年数によって保険料が変わることは知っていても、「築年数が古い場合は地震保険に入ってもよいのか?」「何か不利になることはないか?」と、不安を感じる方もいるかもしれません。


築年数が古い家の場合は、いくつかの点に気をつけないと、地震保険に加入しても満足する補償を受けられず、損をしてしまうかもしれません。


そこで、この記事では「地震保険料と築年数の関係性」について、

  • 地震保険料は築年数で変わる可能性がある
  • 地震保険と時価の関係
  • 地震保険に入るか考えるポイント

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、築年数が古い場合、地震保険に加入すべきか考えるときの参考にしていただけるかと思います。


是非最後までお読みください。


地震保険料は築年数によって変わる可能性がある

地震保険は、国と保険会社が共同で提供しているため、月々の保険料は、どの地震保険でも一律です。


ただし、保険商品ごとに保険料の違いはないのですが、建物の築年数地域によって保険料が変わる場合はあります。


一般的に、地震のリスクが高いといわれる地域では、保険料も高くなってしまいます。


一方で、築年数に関しては、「築年数が古いと地震保険の保険料が高くなる」というわけではありません。


しかし、築年数が古いと保険料の割引制度が利用できないこともあるので、結果的に、新しい家のほうが保険料は安くなるといえるでしょう。

新しい建物に適用される建築年割引

1981年(昭和56年)6月1日以降に建てられた建物は、建築年割引の対象になり、地震保険の保険料が安くなります。


なぜかというと、上記の日に建築基準法が改正され、耐震設計の基準が上がったからです。


つまり、1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物は、以前の建物に比べて丈夫に造られているということです。


そのため、1981年6月1日以降に新築された建物は、地震保険の保険料が安いのです。


丈夫な建物のほうが倒壊のリスクは低いので、保険料は安くて済むというわけですね。


ちなみに、建築年割引の割引率は10%です。

参考:築年数を調べる方法

築年数によって建築年割引が適用されるとはいっても、どうやって築年数を調べたらよいのか分からないという方も多いでしょう。


築年数は、以下の書類などに記載されていることがほとんどです。

  • 建築確認申請書
  • 確認済証(確認通知書)
  • 検査済証
  • 登記簿謄本・全部事項証明書
  • 登記済権利証
  • 不動産売買時の重要事項説明書

また、建築年月日が1981年(昭和56年)6月1日以降である場合は、

  • 火災保険の保険証券
  • 保険契約証
  • 保険契約継続証
  • 異動承認書

で確認できることもあります。

その他の割引について

建築年割引は、地震保険の割引の中で、もっとも簡単に受けられる割引です。


ほかにも、地震保険には3つの割引があります。


ただし、それぞれの割引は重複して利用できないので注意してください。


耐震等級割引

耐震等級割引とは、国が定めた耐震等級にあてはまる建物を対象とした割引です。

  • 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で決められた耐震等級
  • 国土交通省が定める、「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」で決められた耐震等級

上記2つのうち、どちらかにあてはまる建物が割引対象です。


耐震等級は3段階あり、段階が上がるにつれて、割引率も10%、30%、50%と高くなっていきます。


免震建築物割引

免震建築物割引とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で定められた免震建築物の基準に達している建物を対象とした割引です。


免震建築物割引の割引率は50%です。


耐震診断割引

耐震診断割引とは、地方公共団体などによる耐震診断または耐震改修の結果、昭和56年6月1日に施行された改正建築基準法における耐震基準を満たす建物を対象とした割引です。


耐震診断割引の割引率は10%です。

地震保険と時価の関係

ここまで、地震保険の保険料について、

  • 地震保険の保険料は、築年数と地域に左右される
  • 地震保険には4つの割引制度があり、新しい建物のほうが割引対象になりやすい

ということをお伝えしてきました。


では、いざというときに地震保険でもらえる補償金と築年数には、何か関係があるのでしょうか?


ここからは、築年数と補償金額の関係についてご説明していきます。

地震保険金は時価をベースに査定される

実際に地震保険で下りる補償金の額は、時価によって決まります。


時価とは、被害を受けた建物と同等の建物を建築・購入するのに必要な金額から、使用による消耗分を引いた金額のことです。


式で表すと、

時価=同等の建物を再建築・再購入できる金額-消耗分の金額

です。


当然、建物の使用年数が長ければ長いほど「消耗分の金額」が大きくなっていくので、時価は低くなっていきます。


よって、築年数や居住年数が長い場合は、支払われる補償金の額が少なくなってしまう可能性があるということです。


ちなみに、木造の場合は築25年、マンションや戸建ての場合は築60年で、時価が2割ほどになります。


例えば、新築時に1,000万円の木造住宅なら、25年後には200万円ほどの価値にしかならないということです。


このように、築年数が古いと時価が下がるので、普段支払う保険金の額が、万が一のときに下りる補償金の額を超えないか、契約前によく考えましょう。

補足:地震保険は火災保険の30〜50%の間で補償される

地震保険は、火災保険に加入するときに勧められることが多いですよね。


一般的に、地震保険の補償金は、火災保険の補償金の30~50%であることが多いです。


さらに、建物は5,000万円まで、家財は1,000万円までと上限額が決まっています。


火災保険の補償金を高く設定しているのであれば、地震保険の補償金も高くなることが多いです。

地震保険に入るべきか考えるポイント 

では、結局、築年数が古い家を持っている場合、地震保険に加入しておいたほうがよいのでしょうか。


ご説明したとおり、築年数が古い家は割引が適用されないことも多く、補償金も少ない場合が多いです。

  • 建物が1981年(昭和56年)6月1日以前に建てられている
  • 建物の時価が低い

以上2つのいずれかに当てはまる場合は、地震保険に加入しても満足する補償が受けられない可能性もあるので、慎重に加入を検討しましょう。


それでも、いざ地震の被害に遭ってしまったときのことを考えると、地震保険へ加入するに越したことはありません。


ただし、保険料を払うことで生活が厳しくなったり、貯蓄できなくなったりしたら本末転倒です。


保険料を払ってもある程度生活に余裕のある方は、地震に遭ったときの不安が軽減されるので、加入を検討してみてはいかがでしょうか。


地震保険に加入すべきかどうか自分で判断するのが難しかったら、FPなどのプロに相談してみてもよいでしょう。

まとめ:地震保険料と築年数の関係について把握しよう

地震保険料と築年数の関係性について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 地震保険料は築年数で変わる可能性がある
  • 地震保険と時価の関係
  • 地震保険に入るか考えるポイント

です。


地震保険は国と保険会社が共同で運営しているので、地震保険商品によって保険料の差はありませんが、地域や築年数によって金額が変わることもあります。


一般的に、地震のリスクが高い地域では保険料も高くなり、築年数が古い建物ほど、割引制度を利用できる可能性は低くなります。


特に、1981年(昭和56年)6月1日以前に建てられた建物は割引制度を利用できる可能性が非常に低いので、必然的に保険料は高くなってしまうでしょう。


いざというときのことを考えると、地震保険に加入するに越したことはありませんが、築年数の古い建物を所有している場合は、生活費なども考慮したうえで加入を検討しましょう。


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この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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