地震保険料は築年数によって変わる?保険金と時価額の関係も解説!

地震保険の保険料は築年数によって築年数割引が適用されてお得になります。また保険金額には建物の時価額が関係してきます。しかし、このような地震保険の仕組みを正確に理解している方は少ないです。そこで今回は、築年数・建物時価額と地震保険の関係について詳しく解説します。

地震保険は建物の時価額に応じて補償される?築年数との関係は?


地震保険の補償金額は時価額により査定される

地震保険の補償金額は、実際に地震被害にあった時点での

  • 建物評価額(時価額)
  • 被害の大きさに対する補償割合

の2つを元に金額を算出します。被害の大きさは、以下4段階に分かれていて、

被害の大きさ地震保険金額に対する補償割合(時価が限度)
全損全額
大半損60%
小半損30%
一部損5%

被害状況に比例した保険金が支払われます。ここで、注意すべきポイントは、保険金額が満額もらえるわけではなく、「時価額が支払限度」ということです。時価額は、建物が古くなれば価格も下がっていくものなので、築年数が大きくなればなるほど支払額は減少します。


例えば、

  • 地震保険を1,000万円(建物)、500万円(家財)で加入
  • 約12年後の時価が半減してしまった時点で地震被害にあった
  • 地震被害は修復不可能(全損)の状態である

のようなケースの場合、使用や経年劣化による消耗で建物の価値(時価額)が半減してしているため、時価額が支払上限となります。よって、補償金額は、建物が500万円、家財が250万円です。


全損だからといって、加入時の保険金額(契約金額)が満額もらえることを想定していると、かなり目減りしてしまうのが分かるでしょう。

時価額とは

地震保険における「時価額」とは、保険対象となる建物・家財の現在の価値(評価額)を指します。時価額と同じように使われる用語として、「再調達価格」というものがありますが、

  • 再調達価格:同じような建物・家財を再度建築・購入するとして必要な金額
  • 時価額:再調達価格から、使用や経年劣化による消耗分を除いた金額

の関係性です。


ここで、「使用や経年劣化に伴う消耗分」とは、年数が経てば経つほど消耗が大きくなってしまうので、時価額はだんだんと小さくなっていきます。

地震保険の補償金は時価をベースに査定される!

実際に地震保険で下りる補償金の額は、時価によって決まります。


式で表すと、

時価=同等の建物を再建築・再購入できる金額-消耗分の金額

です。


当然、建物の使用年数が長ければ長いほど「消耗分の金額」が大きくなっていくので、時価は低くなっていきます。


よって、築年数や居住年数が長い場合は、支払われる補償金の額が少なくなってしまう可能性があるということです。


ちなみに、木造の場合は築25年、マンションや戸建ての場合は築60年で、時価が2割ほどになります。


例えば、新築時に1,000万円の木造住宅なら、25年後には200万円ほどの価値にしかならないということです。


このように、築年数が古いと時価が下がるので、普段支払う保険金の額が、万が一のときに下りる補償金の額を超えないか、契約前によく考えましょう。

補足:地震保険は火災保険の30〜50%の間で補償される

地震保険は、火災保険に加入するときに勧められることが多いですよね。


一般的に、地震保険の補償金は、火災保険の補償金の30~50%であることが多いです。


さらに、建物は5,000万円まで、家財は1,000万円までと上限額が決まっています。


火災保険の補償金を高く設定しているのであれば、地震保険の補償金も高くなることが多いです。

地震保険料は築年数によって変わる!地震保険の割引制度

地震保険は、国と保険会社が共同で提供しているため、月々の保険料は、どの地震保険でも一律です。


ただし、保険商品ごとに保険料の違いはないのですが、建物の築年数地域によって保険料が変わる場合はあります。


一般的に、地震のリスクが高いといわれる地域では、保険料も高くなってしまいます。


一方で、築年数に関しては、「築年数が古いと地震保険の保険料が高くなる」というわけではありません。


しかし、築年数が古いと保険料の割引制度が利用できないこともあるので、結果的に、新しい家のほうが保険料は安くなるといえるでしょう。

建築年割引について

建築年割引は地震保険に加入する際に受けられる割引の一つとなります。「昭和56年6月1日以降」に建てれらた家が対象で、割引率は10%となります。


昭和56年6月1日以降では新耐震基準が設けられたため、これ以前の建物よりも地震に強いと判断されるためです。


利用例としては以下のようになります。

  • 新築の家を購入した
  • 築10年(建築年2010年)の中古住宅を購入した


一方、昭和56年5月31日以前に建築された中古物件を購入したなど新耐震基準以前の建物の場合、利用することができないので注意しましょう。


ただし、昭和56年5月31日以前に建築されたものでも、耐震診断や耐震改修を行い、基準を満たすことが証明されれば、「耐震診断割引」が適用されます。割引率は同じ10%です。築年数古い家でも基準を満たせば割引が受けられるのです。

築年数を調べる方法

築年数によって建築年割引が適用されるとはいっても、どうやって築年数を調べたらよいのか分からないという方も多いでしょう。


築年数は、以下の書類などに記載されていることがほとんどです。

  • 建築確認申請書
  • 確認済証(確認通知書)
  • 検査済証
  • 登記簿謄本・全部事項証明書
  • 登記済権利証
  • 不動産売買時の重要事項説明書

また、建築年月日が1981年(昭和56年)6月1日以降である場合は、

  • 火災保険の保険証券
  • 保険契約証
  • 保険契約継続証
  • 異動承認書

で確認できることもあります。

地震保険のその他の割引とは

建築年割引は、地震保険の割引の中で、もっとも簡単に受けられる割引です。


ほかにも、地震保険には3つの割引があります。


ただし、それぞれの割引は重複して利用できないので注意してください。


耐震等級割引

耐震等級割引とは、国が定めた耐震等級にあてはまる建物を対象とした割引です。

  • 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で決められた耐震等級
  • 国土交通省が定める、「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」で決められた耐震等級

上記2つのうち、どちらかにあてはまる建物が割引対象です。


耐震等級は3段階あり、段階が上がるにつれて、割引率も10%、30%、50%と高くなっていきます。


免震建築物割引

免震建築物割引とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で定められた免震建築物の基準に達している建物を対象とした割引です。


免震建築物割引の割引率は50%です。


耐震診断割引

耐震診断割引とは、地方公共団体などによる耐震診断または耐震改修の結果、昭和56年6月1日に施行された改正建築基準法における耐震基準を満たす建物を対象とした割引です。


耐震診断割引の割引率は10%です。

参考①地震保険の保険料が決まるその他の基準

補足情報として、地震保険の保険料算出方法について解説します。地震保険は、損害保険料率算出機構が提供している「基礎料率」を元に、各保険会社が保険料を計算し、契約者に請求する仕組みです。


基礎料率は、以下2項目を軸に決められています。

  • 建物はどのような構造か?
  • 建物がどの地域にあるか?

地震や噴火・津波に対するリスクの高い構造・地域にある建物は、保険料が高くなるように設定し、1年おきに社会情勢などを踏まえて料率を見直しされます。次項以降で各項目について詳しく解説しますので、ぜひチェックしてみてください。

建物構造

地震保険料を計算する要素である建物構造とは、簡単にいうと木造なのか、鉄骨・コンクリート造りなのか、ということです。具体的に地震保険では、

建物構造火災保険での呼び方基準となる建物例
イ構造M構造、T構造鉄骨・コンクリート造
ロ構造H構造木造

という、上記2種類の区分けでよばれています。


火災保険の考え方と同じく、木造建築は鉄骨やコンクリート造と比較すると、木造建築は地震や噴火・津波などの地震保険対象となる災害に対する被災リスクが高いとし、保険料は高く設定されています。


例えば、東京都に存在する建物が、2020年に1年更新、保険金額1,000万円の契約した場合、イ構造とロ構造で年間1万4000円程度の金額差があります。

建物の所在地

住んでいる地域ごとに被災リスクは異なるので、都道府県ごとに基礎保険料率が決められています。今後大きな地震が発生し、大きな被害を受けることが想定されている地域については、保険料率が高めです。


具体的に、最も保険料の安い地域と高い地域を比較すると、


都道府県例保険料目安
(保険期間1年、保険金1000万円、イ構造)
安い地域岩手、秋田、栃木、群馬、富山7,100円
高い地域千葉、東京、神奈川、静岡、埼玉25,000円

となります。年間保険料だと、約3.5倍もの開きがあります。


実際に住んでいる地域や、所有している建物の所在地がどれくらいの保険料になるのかは、各種保険会社のHPや、データ提供元である損害保険料率算出機構の資料を参照してみましょう。

参考②:建物の築年数に関係なく地震保険に加入すべき人とは?

築年数が古い家でも加入できますが、以下のような築年数古い家の場合、十分な補償が受けられない可能性が考えられます。

  • 建物が1981年(昭和56年)6月1日以前に建てられている
  • 建物の時価が低い


それでも、いざ地震の被害に遭ってしまったときのことを考えると、地震保険へ加入するに越したことはありません。


加入の必要性が高い例としては、以下のようになります。

  • 被災した場合、生活再建のための貯蓄があまりない
  • 住宅ローンがある
  • 小さなお子様がいる

このような場合、生活再建のための資金を少しでも多く確保するために、地震保険に加入しておくことをおすすめします。


一方、地震保険への加入の必要性の低い方としては、

  • 被災しても生活再建できるだけの貯蓄がある
  • ローンが残っていない
  • 家の時価が低い

などが挙げられます。


地震保険に加入すべきかどうか自分で判断するのが難しかったら、FPなどのプロに相談してみてもよいでしょう。

まとめ:地震保険と建物時価額・建築年の関係を理解しておこう!

地震保険の保険料や補償金額と築年数の関係や、補償金額算出に使う時価額について解説しました。


この記事のポイントは、

  • 地震保険の補償金額は時価額によって決まる
  • 時価額とは、同じような建物を購入・再建するために必要な金額から使用や経年劣化による消耗分を除いた金額
  • 建物の築年数が長いほど、消耗分が大きくなり補償金額は小さくなる
  • 地震保険料の割引が、築年数の長い建物では使えない可能性もある
  • 築年数を調べるには、建築確認申請書・登記簿謄本等を参照する
  • 貯金が少ない、住宅ローンが残っている、小さい子供を育てている場合などは、築年数が長くても地震保険加入の必要性は高い

でした。


築年数の長い建物に住んでいる方は、特に地震保険への加入を悩まれるでしょう。地震保険は、火災保険でカバーしきれない災害への補償を受けられたり、被災した際にすぐにお金を受け取れたりとメリットも多いものです。


この記事で紹介した内容を参考にしたり、信頼できるFPに相談したりと、比較検討してみましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい記事が多数掲載されていますので、是非ご覧ください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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