地震保険は10年契約できる?地震保険の仕組みやメリットをおさらい!

火災保険は1~10年のなかで契約年数を設定できますが、地震保険は10年契約できず、最長で5年契約までとなっています。地震保険には単体で加入できなかったり補償金額に制限があるなど不自由な点がある一方嬉しい割引制度や保険料控除があるため加入前におさらいしましょう。

地震保険は10年契約できる?

皆さんは、地震保険を契約期間10年で契約できると思いますでしょうか?


東日本大震災など、大地震の発生を受け地震保険の重要性が見直されていますよね。これから新規で加入する方もいれば、既存契約を見直そうとする方もいると思います。


しかしながら、地震保険がどのような保険で、契約期間がどれくらいなのか知らない方も多いでしょう。


そこで今回は、「地震保険の10年契約について、その他地震保険のイロハ」について

  • 地震保険は10年契約できる?(契約年数は?)
  • 火災保険と地震保険の連動性は?
  • そもそも地震保険とは?
以上のことを中心に解説していきます。

地震保険について新規加入や見直しを検討されている方は、是非参考にしてください。

10年払いできない地震保険、最長でも5年契約

火災保険と一緒に契約することの多い地震保険。火災保険で10年契約をする場合、地震保険も同様に10年払いできると思っていないでしょうか?


実は、地震保険は最長でも「5年契約」となっており、10年払いとすることはできません。火災保険と同様に10年以上の契約ではないとおかしいと思われる方も多いと思います。


その理由は後ほどご説明しますが、地震保険は「政府主導」の公的な側面を持っていることが影響しています。


こちらでは、

  • 地震保険の契約年数は?
  • 長期契約はお得?
について解説します。

火災保険に応じて決まる地震保険の契約年数

基本として、地震保険の保険期間は最長で5年となります。しかし、火災保険とセットで地震保険は契約する必要があります



火災保険の保険期間地震保険の保険期間
1年1年
2年~5年1年(自動更新)もしくは2年~5年
2年~10年1年(自動更新)
6年~36年1年(自動更新)もしくは5年(自動更新)


上記の表の通り、火災保険の契約期間に応じて地震保険の保険期間が変わってきます。基本的に年払いの火災保険の場合は、保険期間1年の自動更新となります。

ただし、火災保険が5年、10年以上の長期契約で、かつ一括払いの場合は、地震保険の保険期間が5年の自動更新となります。5年以上の火災保険の場合、契約者の申し出がなければ5年都度に保険料を支払う必要があります。

長期契約は割引率が高い

地震保険は、単年度契約を更新するよりも、長期契約をした方が割引率が高くお得です。長期契約の保険料算出のための長期係数が予め設定されており、割引率を事前に確認することができます。


保険期間長期係数年あたり割引率
2年1.95%
3年2.86.7%
4年3.77.5%
5年4.68%

上記の表の通り、5年にかけて割引率が大きくなっています。できる限り地震保険料を抑えたいと考えている方は、長期一括払いの方がお得になるでしょう。地震保険料は都道府県によって定められています。自身の地域の地震保険料が気になる方は、こちらのリンクで調べることができます。


参考:2019年1月の保険料改定で長期契約がお得に

1966年に施行されスタートした地震保険ですが、定期的に保険料の見直しが行われています。2019年1月に保険料改定があり、全国平均で約3.8%の値上げとなりました。


東日本大震災や熊本大地震など、日本各地で大規模の地震が起きている中、更なる地震リスクに政府が備えた格好です。


具体的には、福島県、茨城県、徳島県、高知県、埼玉県は前回より14%程度保険料が上昇しています。その他、35都県で保険料が上昇しました。


一方で、北海道や大阪府など12道府県で保険料の引き下げがあり、愛知県、三重県、和歌山県では15%ほど下がりました。


また保険料と同時に、長期係数の見直しがありました。

保険期間改定前改定後
2年1.91.9
3年2.752.8
4年3.63.7
5年4.454.6

上記のように係数が増えており、割引率は悪化してしまいました。


ともなると長期契約の方お得感が感じにくくなりそうですが、実際保険料が値上がりしている地域は「今後の地震リスクが高い」と考えられている地域であり、逆に値下がりしている地域は「今後地震保険料が値上がりするリスクが高い」地域であるとも受け取れます。


具体的な金額を見てみますと、保険期間5年で、東京都で一番高い保険料となるロ構造(非耐火)とした場合、建物保険金1,000万円の年間保険料は38,900円です。単純に5年間契約すると、

38,900円×5年=194,500円

となりますが、長期契約で契約すると、
 

38,900円×4.6=178,940円1年あたり35,788円) 

と、5年間で15,560円(1年あたり3,112円)もお得になります。現時点で長期契約を結ぶ方が長期的な支払いでお得になることがわかります。


本来10年以上で契約することができればより享受を受けれそうですが、地震の発生に応じて保険料が設定されていると考えると、10年以上の契約ができないと言えます。

知っておくべき地震保険の基本

ここまで地震保険が10年以上で契約できない要因等を見てきました。政府主導の保険制度のため、10年以上を想定した保険料設定が難しいというのが現実です。


ところで、皆さんは地震保険についてしっかり理解していますでしょうか?実はよく知らないという方もいらっしゃると思いますので、ここでは地震保険のイロハを簡単に解説していきたいと思います。


知っている方も知らない方も見直しを兼ねて参考にして頂ければと思います。

単体で加入できない地震保険

地震保険の特徴としてまず挙げられるものは、単体で加入できない保険であることです。


地震保険は、地震・噴火・津波による災害によって発生した損失を補償する保険です。地震保険に関する法律によって定められているもので、国と保険会社が共同で運営しています。保険適用範囲は建物家財となっています。


通常、自身の住まいには火災保険を加入していると思いますが、地震発生による災害は免責事項となっており補償されません。そのカバーのために、あくまでも火災保険の付帯契約として地震保険は加入します。


地震保険の加入はあくまでも任意ですが、火災保険の契約と付帯でしか加入することができませんので、加入を考えているのであれば既存の火災保険と合わせて見直す必要があります。


また、火災保険が補償対象が建物のみの対象で家財が含まれていない場合は、地震保険でも建物のみにしか加入することができません。あくまでも火災保険の補償対象に限られます。

地震保険の補償範囲と補償金額(制限あり)

地震保険の補償範囲ですが、火災保険の補償金額の50%までが限度となります。何故ならば、地震災害の場合は大多数の被害が想定されるためです。


あくまでも地震災害によって被害にあった方の生活補償が目的ですが、全てを補償していては財源が不足してしまいます。そのため、政府は1回の地震による支払保険金額を11兆7,000億円(2019年4月時点)までと設定しています。これ以上を上回る場合は保険金額が減額されます。


実はこの11兆7,000億円という上限金額ですが、関東大震災級の地震が発生しても総額が超えないように設定されており、東日本大震災の際にも超えることなく保険金が支給されています。


補償金額は、建物は最大5,000万円まで、家財は最大1,000万円までが限度となっています。ただし、保険金額上限が必ず出るわけではなく、損害の条件によって保険金額が変わってきます。

損害状況保険金支払率(イメージ)
全損100%
大半損60%
小半損30%
一部損5%


上記のように、損害の条件によって保険金額が変わります。詳しくはこちらをご覧ください。



保険料は所在地と構造区分で決まる

地震保険の保険料は所在地建物の構造区分で決まります。


都道府県別の地震保険料は以下の通りです。(2019年1月以降:損害保険料率算出機構の資料を参照)

都道府県イ構造ロ構造
岩手県、秋田県、山形県、栃木県、群馬県、富山県、石川県、福井県、長野県、滋賀県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県
7,100円11,600円
北海道、青森県、新潟県、岐阜県、京都府、兵庫県、奈良県7,800円13,500円
福島県8,500円17,000円
宮城県、山梨県、香川県、大分県、宮崎県、沖縄県10,700円19,700円
愛媛県12,000円22,400円
大阪府12,600円22,400円
愛知県、三重県、和歌山県14,400円24,700円
茨城県15,500円32,000円
徳島県、高知県15,500円36,500円
埼玉県17,800円32,000円
千葉県、東京都、神奈川県、静岡県
25,000円38,900円


ちなみに、イ構造とロ構造の違いですが、イ構造は「耐火」の建物を指し、その内耐火マンションを始めコンクリート造りや鉄骨造の建物が該当します。ロ構造は「非耐火」の建物を指しており、木造の建物など、イ構造に該当しないものを指しています。


制限の多い地震保険でも入るメリットはある?

ここまでは、地震保険の概要を説明してきました。しかし、制限が多く地震保険に入るメリットがあるのかと思われた方もいらっしゃると思います。


そこでここからは、

  • 地震保険の加入率は?
  • 地震保険には割引が多い?
  • 地震保険に加入すると控除を受けられる?
上記を見ていき、メリットを探っていきます。地震保険への加入に消極的な方はチェックしてみてください。思っている以上にメリットが見えてくるかもしれません。

地震保険の加入率と保険料相場

損害保険協会が発表している「地震保険 都道府県別付帯率の推移」によると、2018年度の全都道府県の地震保険加入率は65.2%でした。100%の加入には至っていない状況ですが、加入率は年々増加傾向にあります。


10年前の2008年度には45%だった加入率ですが、10年連続で増加しています。特に東日本大震災が起きた翌年の2011年度は前年に比べ5.6%増加しており、関心度が増していると言えます。中でも、東日本大震災で被災した宮城県は10年前の62.9%から86.8%と増加させており、岩手県では38.8%から70.4%へ、福島県は37.1%から74.1%と2県それぞれ10年で加入率が倍になっています。


保険料については、大地震の発生が続いていることから増加傾向にありますが、南海トラフ巨大地震発生が予想される中、引き続き保険料の増加が見込まれます。

割引制度が豊富

保険料の上昇はあるものの、加入率が増加している地震保険。実は加入メリットの一つに割引制度の豊富さが挙げられます。


具体的には以下の表にまとめています。

割引対象建物割引率
建築年割引昭和56年(1981年)6月1日以降に新築された建物10%
耐震等級割引住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する評価方法基準で定められた耐震等級を満たした建物(その他対象あり)等級3・50%、等級2・30%、等級1・10%
(2014年7月以降始期契約)
免震建築物割引住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する評価方法基準で定められた「免震建築物」の基準に適合する建物50%
(2014年7月以降始期契約)
耐震診断割引地方公共団体等による耐震診断または耐震改修の結果、昭和56年(1981年)6月1日に施行された改正建築基準法における耐震基準を満たす建物10%


これらの割引は重複して適用することができませんが、昭和56年6月以降に建てられた建物であれば、基本的に10%の割引が行われます。

年末調整で控除を受けられる

地震保険は年末調整で控除を受けることができます。これも加入メリットの1つです。


税金の過不足を年末調整によって修正しますが、地震保険は最大5万円まで控除することができます。


ただし、申請する場合には加入している保険が「地震保険」なのか「旧長期損害保険」なのかを確認する必要があります。これは保険料控除証明書に記載してありますので確認してください。


  • 「地震保険」の場合は、50,000円までなら全額50,000円以上は50,000円一律
  • 「旧長期損害保険」の場合は、10,000円までは全額控除10,000円超20,000円以下は、「支払った保険料×1/2+5,000円」。 20,000円超は、一律で15,000円
  • 双方契約の場合は、双方の控除額を控除。ただし、上限50,000円まで。
控除に必要な書類は、「地震保険料控除証明書」です。大体10月頃に送られてきますので決して捨てないようにしてください。

まとめ:地震保険は10年契約できない!

いかがでしたでしょうか?ここまで地震保険の10年契約できるかについて解説していきました。地震保険についての理解を深めてもらえるとありがたいです。


今回の記事のポイントは、

  • 地震保険は10年契約できない
  • 火災保険が10年以上の契約でも、地震保険は5年毎の自動更新となる
  • 地震保険は長期払いの方がお得です
  • 地震保険は地域と建物の構造によって保険料が異なる
  • 控除や割引など加入のメリットがある
でした。

火災保険と一緒に加入するためできれば10年以上の契約としたいところですが、5年までとなりますので、その点を踏まえて加入は検討しましょう。

また、日本の地震発生確率の高さを考えると、地震保険は加入しておいた方が良いでしょう。

ほけんROOMでは、他にも地震保険に関する記事や、その他保険に関する記事が多数掲載されていますので、合わせてぜひご覧ください。

ランキング