更新日:2020/04/30
【必読】賃貸の大家さんが入る火災保険料の相場はいくらくらい?
アパート経営を担う大家さんも火災保険に加入する必要があります。そのため、火災保険料の相場はもちろん、火災保険に関する基礎知識も知っておきたいですよね。そこで今回の記事では、火災保険料金の仕組み、そして大家さんが火災保険に入る際に知っておくべきことを解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
アパートの大家さんが入る火災保険料金の相場ってあるの?
新しく部屋を借りようとするときに火災保険に入りますよね。
実は、貸し手である大家さんも火災保険に入っているのです。
保険に入るときに気になるのが、保険料の平均相場でしょう。
アパート経営やマンション経営には色々なリスクがつきものですから、そういったリスクを減らすためにも保険で補償を受けたいところです。
その一方で、平均相場よりも高い保険は入るのは避けたいでしょう。
また、保険は定期的な見直しが必要ですから、見直すときの判断基準としても保険料の平均相場を知りたい人は少なくないでしょう。
そこでこの記事では、
- 物件オーナー用火災保険の保険料の平均的な相場は?
- 大家さんに知っておいてほしい火災保険の基礎知識
- 補償してもらえる内容や付けられる特約
- 保険金を受け取る方法3パターン
結論:アパートなど借家の火災保険料の平均相場を出すのは難しい
まず、大家さんが知っておきたい火災保険の保険料の平均相場について説明します!
結論から言えば、物件オーナー用の火災保険の保険料の平均相場を出すのは難しいのです。
物件のオーナーが持っている借家には様々なタイプがあります。
- 借家がある地域
- 借家の構造
- 借家の大きさ
- 借家となる建物の建物評価額
- 補償してもらえる内容
- 付加する特約
大家さんが知っておくべき火災保険に関する知識
- 物件の大家でも火災保険に入るの?
- 大家さんが入るのは何へ保険をかけてるの?
- 保険料の仕組みって?どうやって決まるの?
- 大家さんの火災保険でカバーできる内容
- 付けられる特約は?
そもそも大家さんも火災保険に入る必要がある
まず、人に貸し出すための物件をローンで買うときには火災保険に入らなければなりません。
この保険に入るメリットは、
- 自然災害で被った被害の補填を受けられる
- 万が一自然災害で近隣に被害を出した場合の損害賠償も補填してもらえる
火災保険の補償対象は「建物」と「家財」
物件オーナー用の保険で補償できるは「物件の建物」と「家具など家財」の2種類です。
新しく部屋を借りるときには「家財保険」に入るのが一般的ですね。
ですが物件のオーナーとしては「物件の建物」へ保険をかけます。
- 建物の破損等で生じたケガや損壊に対する補償
- 自然災害で家賃収入が得られないときの補償
- 事故物件になったときの補償
火災保険会社の保険料の仕組み
この保険料金は会社・商品ごとに変わります。
そのため、保険料を決める仕組みを知っておくことは損をしないためにも大切です。
そこここでは、保険料金の仕組みをわかりやすく解説します!
- 参考純率
- 料率三原則
- 料率区分
- 保険金の支払いに関する数値
- 自然災害に関する数値や予測
- 保険料率は、合理的・妥当で、また不当に差別的であってはならない決まり
- 災害時の損害の大きさや地域ごとに起こりやすい自然災害の違い
必要経費となる付加保険料
- 会社運営に必要な経費
- 従業員の給与
- 代理店への手数料
- 利益
保険料が決まる基準となる要素
実際に払う保険料は、保険をかける建物や立地など色々な要素によって最終的に決まっています。
そこでここで、保険料が決まる基準となる要素を見ていきます。
保険料が決まるのは
- 建物の構造
- 建物の評価額
- 立地
- 補償してもらえる内容
- 契約する期間
建物構造 | どのような建物か |
---|---|
M構造 (マンション構造) | コンクリートマンション・アパート 耐火建築物のマンション・アパート |
T構造 (耐火構造) | コンクリート戸建 耐火建築物の戸建 |
H構造 (その他の構造) | M構造とT構造以外の戸建 (例:木造戸建) |
- 新価:保険をかける建物を建てる(または購入)のに必要な金額
- 時価:保険金を受け取るタイミングでのその建物の金額
新価 | 時価 | |
---|---|---|
メリット | 保険金で万が一の補償がしっかりカバーできる | 保険料が安くなる |
デメリット | 保険料が高くなる | 保険金で万が一の補償がカバーしきれない |
- 地域的に水災への補償は必要か?
- ほかに加入している保険と重複する補償はないか?
火災保険には多くの補償と特約がある
次に補償の内容を詳しく見ていきましょう。
対象になるのは火事だけでないのです。
災害 | たとえばどんなとき? |
---|---|
落雷 | 落雷で壊れたとき |
風災・雹災・雪災 | 台風やひょう、雪などで壊れたとき |
水災 | 洪水で壊れたとき |
災害 | たとえばどんなとき? |
---|---|
火災 | 過失で火事が起きたとき |
破裂・爆発 | 漏れたガスで爆発したとき |
水ぬれ | アパートで水漏れが起きたとき |
盗難 | 泥棒に盗まれたり、進入時に建物を壊されたりしたとき |
破壊・破損 | 自動車など外的要因によって壊れたとき |
騒擾や集団行為の暴力 | デモ行為などで壊されたとき |
このように、身近で起こりうるものからあまり起きにくいものまで広くカバーしてくれます。
自分の目的などに合わせてぴったりな補償を選ぶようにしましょう!
大家さん向けの特約を紹介
自然災害などに対する基本的な補償以外にも、大家さん向け火災保険の特約があります。
特約をつけることで、マンション経営・アパート経営に伴う様々なリスクを減らすことができます。
ここでは、
- 施設賠償責任特約(賃貸建物所有者賠償特約)
- 家賃補償特約
- 家主費用特約
施設賠償責任保険
これは、建物の不具合で入居者や近隣住民にケガ・死亡が生じたときのための特約です。
過去の裁判判決では、バルコニーの手すりの老朽化で手すりが外れてしまい、住人がバルコニーから落下した事故でオーナーが賠償責任を負う判決が下されています。
またそれだけでなく、台風などで建物が破損し、その破損によって他の建物を破壊したり、住民や通りがかりの通行人にケガをさせたりしたときにも、オーナーは賠償責任を負います。
こういったときの補償をしてくれます。
特約のなかには、
- 再発しないようにするための損害防止や緊急措置にかかる金額
- 損害を与えてた相手との示談交渉や訴訟にかかる金額
家賃補償特約
これは、火事や洪水で建物が使えず家賃からの収入が途絶えてしまったときのための特約です。
火事や洪水が起こってしまうと、建物が壊れたりして使えなくなってしまうこともあるでしょう。
火事や洪水が起こっても、火災保険の普通の補償では建物にだけしか保険金がおりません。言いかえれば、空室になった家賃からの収入まではカバーされません。
とはいえ、家賃からの収入が入らなくなるとオーナーは大きな損失になります。
そこでこの特約を付けておくと、このよういったときの家賃からの収入の補償を受けとることができます。
家主費用特約
これは、自分の持っている物件で仮に死亡事故が起こったときのための特約です。
もし死亡事故が起こると、清掃や消臭・脱臭などの原状回復をしなければならなかったり、最悪の場合リフォームが必要になったりするでしょう。
また、一度死亡事故が起こってしまうと、次に借りてくれる人が現れにくくなります。
これを補償をしてくれるのが家主費用特約です。
補償内容は、
- 原状回復にかかった金額
- リフォーム金額
- 事故物件のために空室になってしまった場合の家賃損害
- 事故物件のために家賃割引をする場合の家賃損害
賃貸建物所有者賠償特約
これは賃貸建物の所有者(大家さん)のための特約になります。
「賃貸物件として使っている建物が壊れてしまった」また「賃貸業務をするときにミスをした」というときに起こったケガ・破損が対象です。
これらのケガや破損を賠償するための損害金を補償してくれます。
保険会社によっては「建物管理者賠償責任特約」という名前になっていることもあるようです。
参考:火災保険料受取の3つのパターン
ここからは保険がおりた場合の参考に説明をしていきます。
火災保険がおりて保険金を受け取るとき、受取方は3つのパターンがあります。
なぜなら、保険をかけた物件の評価額(保険価額)は受取のタイミングで変わるからです。
そこで保険金の金額と受取時の保険価額で、保険金の受け取り方が分かれます。
- 全部保険:保険金と保険価額が同じ
- 超過保険:保険金の方が多い
- 一部保険:保険価額の方が多い
全部保険
大家さん用の火災保険の保険金の受け取り方の一つ目が全部保険です。
これは、保険金と保険金の受取タイミングでの物件の評価金額が同じときの受け取り方になります。
色々な災害で被った損害と保険金の金額が同額なので、保険金を全額もらうことで損害を補うことが可能です。
非常にわかりやすい保険金の受け取り方だと言えるでしょう。
超過保険
大家さん用の火災保険の保険金の受け取り方の二つ目が超過保険です。
超過保険とは、保険金よりも保険金の受取タイミングでの物件の保険価額が少ないときの保険金の受け取り方です。
自然災害などで被った損害の金額よりも保険金の金額が高いと、保険金を全て受け取ってしまうと、保険の契約者は利益を得てしまうことになります。
保険は本来、損害を被った分の補償のために加入します。
そのため、超過保険になると多い分は支払われないことが一般的です。
しかし、悪意・重大な過失がない場合、保険料を一部返還してもらうこともあるので、保険会社に確認するようにしましょう。
一部保険
一部保険は注意が必要な受け取り方です。
一部保険とは、保険金よりも保険金の受取タイミングでの物件の保険価額が多いときに起こります。
たとえば、
- 保険価額:4,000万円
- 保険金額:1,000万円(保険価額の1/4)
というのが一部保険です。
注意しなければならないのが、実際に損害を被った金額が保険金でまかなえてしまっても、保険金を全てもらえない点です。
たとえば、先ほどの保険で500万円の損害を被ったとします。
まとめ:大家さんは責任をもって火災保険に加入しましょう
- 保険料の平均相場は出すことが簡単ではない
- 平均相場は物件や補償される内容で変わる
- 保険の料金は純保険料と付加保険料を参考に決まる
- 自然災害やそれ以外の災害への補償がある
- 色々なリスクに備えた特約もある
- 保険金の受け取り方は全部保険・超過保険・一部保険の3種類