分譲マンションの火災保険の選び方とは?必要性や失敗しないポイントを解説

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分譲マンションを購入した際、さまざまな災害リスクから守るために加入しておきたいのが火災保険です。しかし、火災保険は補償対象や補償内容、保険金額など決める内容が多く複雑です。今回は、マンションの火災保険について必要性や選び方のポイント、契約時の注意点も添えて解説します。

分譲マンションの火災保険をよく考えないで選ぶのは危険!

火災保険は種類が多く、何を基準に選べばいいのかわからないという方も多いと思います。自分では選べないとあきらめて不動産屋や保険代理店などでおすすめされたまま契約してしまうのは危険です。


なぜなら、災害が起こって損害が出た場合でも、契約によっては補償できないなんてこともあるからです。また、不要な補償をつけてしまい、無駄な保険料を払ってしまうこともあります。


自分にあった火災保険を選ぶには、正しい知識を持っておくことが必要です。


この記事では「分譲マンションの火災保険の選び方」に悩んでいる方にむけて

  • 分譲マンションに火災保険が必要な理由
  • 分譲マンションの火災保険を選ぶ方のポイント
  • 分譲マンションの火災保険料の相場
  • 火災保険を契約する際に注意したいこと
以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、分譲マンションの火災保険の選び方のポイントを理解でき、補償内容をしっかりと理解した上で商品を選ぶことができるでしょう。


ぜひ最後までご覧ください。 


分譲マンションに火災保険の加入が必要な3つの理由

分譲マンションを購入するときに、火災保険について考える方は多いでしょう。


火災保険への加入は義務ではないため、加入するかどうかは自分で決めることができます。


マンションは耐火性に優れているため、火災によって全焼するリスクは低く、「本当に必要なのか?」と思うかもしれません。


しかし結論からいうと、義務でなくても火災保険には加入するのがおすすめです。


加入が必要な理由について3つ解説します。

隣の部屋からの火災でも自己負担になる

火災は自分がどれだけ気をつけて対策していても、隣の部屋などからのもらい火で自宅が燃えてしまうこともあります。


日本には失火責任法という法律があり、火災のに重大な過失がない場合は、被害を受けても損害賠償を請求することができません。 


損害賠償請求ができるのは、しっかり注意していれば火災を防ぐことができたのに、それを怠り火災が起きた場合のみが対象になります。

  

過去に重過失として認められたものをご紹介します。

  • 揚げ物の調理中にガスコンロの火をつけたまま台所を離れて火災が起きた場合
  • 寝たばこが危険なことを知っていて、何も対策をせずに喫煙を続けて火災が起きた場合


しかし重大な過失がない場合は、どれだけ被害を受けても損害賠償することはできないので、火災保険に加入して備えておくことが必要です。

火災以外の災害にも備えることができる

火災保険という名前から火災だけが対象と思われるかも知れませんが、火災以外にも落雷・風災・水漏れ・盗難などさまざまな災害が対象になっています。

火災保険で補償された事例を紹介します。
  • 落雷により家電製品が壊れた
  • 台風による突風で窓ガラスが割れた
  • 上の階から水漏れがあり部屋が水浸しになった
  • マンションの駐輪場に鍵をかけて停めていた自転車が盗まれた
火災保険は、生活をする上で誰にでも起こる可能性があるリスクに備えることができるので大きなメリットがあります。

日本は災害大国と呼ばれるほど自然災害の多い国です。

近年では、豪雨による洪水や土砂崩れなど甚大な被害が出ている災害も増えています。火災保険に加入し、幅広い災害にしっかり備えておきましょう。

住宅ローンの利用は火災保険への加入が必須

分譲マンションの購入は多額の資金が必要になりますので、住宅ローンを利用して購入する方が多くいます。住宅ローンを利用には、基本的に火災保険への加入を金融機関から求められることがほとんどです。


火災保険に加入しないと住宅ローンの利用ができない理由としては、住宅ローンの返済中に災害で家を失った場合、残りのローン返済分を回収するためです。


災害が起こって家に損害が出たとしても、住宅ローンの支払いは続いていきます。


住宅ローンの支払いのほかにも、新しい家や家財を自分の貯金や資産だけで準備する必要があるので、家計にかなりの負担になってしまいます。


火災保険への加入は、住宅ローンを利用する目的だけではなく、自分が後悔しないためにも必要なことです。

分譲マンションの火災保険に失敗しない選び方の4つのポイント

火災保険は種類が多く決める内容も複雑なため、選び方の基準がわかりにくい保険です。

しかし、よく考えずに選んでしまうと後悔することになりかねません。

そこで「分譲マンションの火災保険はどうやって選んだらいいんだろう?」と悩んでいる方に向けて、失敗しないための選び方のポイントを4つ解説します。

選び方のポイント①マンションの補償対象とは?

火災保険に加入するとき、まずは補償対象の選び方について確認しましょう。補償対象は「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」の3種類から決めていきます。


実際にそれぞれの補償対象になるものを紹介していきます。


建物のみ

  • 建物の本体
  • 付属の建物(例:車庫、物置、納屋)
  • 屋外設備(例:門、外灯、ポスト、物干し、TVアンテナ) 
エアコンや浴槽など、部屋の中に設置されているものも「建物」に含まれます。

家財のみ

  • 家具
  • 電化製品(例:テレビ、冷蔵庫など)
  • 衣類
  • 食器
  • 排気量125cc以下の原動機付自転車
  • 通勤通学用定期券 

建物と家財

上記のものがすべて補償対象となります。


「家財」は家の中で日常生活で使用しているものを対象としていますが、通貨や乗車券は含まれません。家財の補償に盗難がセットになっている場合は含まれます。


マンションの場合、補償範囲は専有部分のみとなるため保険料も安くなります。

参考:マンションの専有部分と共用部分とは?

マンションの場合、自分の部屋である専有部分と住んでる方が共有して使用している共用部分があります。火災保険の補償対象となるのは専有部分です。 共用部分については、基本的にマンションの管理組合が加入している火災保険で補償されます。


共用部分は、移動に使用する階段廊下エレベーターや、みんなで共同して使用しているエントランスゴミ置場駐車場などがあります。マンションによっては、集会場や倉庫なども共用部分に定められています。 


部屋の内側と外側に接している玄関のドアでは、内側と外側で専有部分と共用部分が分かれています。ただし、ドアの鍵に関しては外側にも見えていますが、専有部分となります。 


ほかにも判断が難しいものとして、窓やバルコニーがあります。こちらはどちらも共用部分となっています。


専有部分についてはマンションの管理規約に詳しく記載されています。確認してしっかり把握しておきましょう。

選び方のポイント②自分にあった補償内容を選ぶ

次に補償内容の選び方について見ていきましょう。


火災保険は名前から火災だけを補償してくれるものというイメージが強いですが、他にもさまざまな自然災害を補償してくれます。


補償内容にはどのようなものがあるかをご紹介します。

  • 火災、落雷、破裂・爆発 
  • 風災、ひょう災、雪災 
  • 水漏れ、水災、盗難 
  • 騒擾・集団行為等にともなう暴力行為 
  • 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突 
万が一のことを考えると、すべての補償に備えたくなりますが、住んでいる地域によってはそれほど必要のない補償もあります。

どんな補償内容にするかを決めるのは、住んでいる地域やそれぞれのマンションの環境によって違ってきます。


自分で判断するのが難しい場合は、国土交通省が発表しているハザードマップであらかじめ発生しやすい自然災害を調べることで、選び方の参考にするのもよいでしょう。


たとえば、沖縄県なら台風の被害が多く、北海道なら雪災が多いなどの傾向があります。茨城県や佐賀県などは河川の氾濫や防波堤の決壊による水災がよく起こっていることがわかります。


また、マンション周辺環境からどんな災害が想定されるのかを事前に調べておくと、補償内容を選びやすくなります。


選び方のポイントは、リスクの高い災害については補償をつけて、リスクの低い災害については補償を外すことです。

参考:地震保険への加入は必要?

地震によって損害が出た場合、火災保険では補償ができません。


地震保険に加入することで、地震や噴火、それに伴う津波が原因で起こった火災、埋没、損壊、流出などの損害に備えることが可能です。


損害保険料率算出機構によると、2020年度の地震保険の付帯率は68.3%となっており、10年前に比べると約15%増加しています。


日本は全国各地で地震が起こる可能性があり、いつ大きな損害を受けるか想定できません。地震保険に加入しておくことで火災保険では適用されない損害に備えることができます。


地震保険は、火災保険とセットでしか加入することができません。すでに火災保険を契約している方でも、途中から加入することは可能です。


保険金額は火災保険の3割~5割の範囲内で、上限は建物の場合は5,000万円、家財の場合は1,000万円となります。


 たとえば、火災保険の金額が2,000万円とした場合、地震保険では600万円~1,000万円の範囲で設定できます。


地震や噴火による損害は地震保険でしか補償できません。地震保険に加入することで近年増えている大規模地震に備えておきましょう。 

選び方のポイント③保険金額の評価の仕方と限度額に注意する

火災保険の保険金額は、購入したマンションの評価額を目安に決めていきます。


評価額の設定の仕方には「新価」と「時価」の2通りの方法があります。 


新価では、災害によって損害が出てしまった建物をもとの状態に建て直したり、同程度の建物を購入したりするときに必要な金額が保険金から支払われます。 


一方で、時価では経年劣化での価値の減少や居住による消耗分が差し引かれた金額が保険金として支払われます。要するに、現在の価値で評価されてしまい、十分な金額が受け取れない可能性があります。


現在の主流は「新価」ですが、以前に火災保険を契約して「時価」になっている方は契約を見直しましょう。


評価額を新価で設定していても、限度額を間違ってしまうと後悔することになるので注意が必要です。


保険金額の限度額を評価額より高くする(=超過保険)と、評価額を超えた分の保険金は支払われないにもかかわらず、保険料が高くなります。


それに対し、保険金額の上限を評価額より低くする(=一部保険)と、損害額が保険金額を超えたときに、保険金が足りずに残りを自己負担しなければなりません。


保険金額は、評価額の設定を「新価」にして、正しい限度額に設定しましょう。 

選び方のポイント④長期契約することでお得になる

火災保険の保険期間は、1年~最長10年まで選ぶことができます。


保険期間が短いと適切な補償に見直しやすく、1回あたりの保険料の負担が軽くなるというメリットがありますが、総支払金額は増えてしまいます。


保険期間を長くすると更新をする手間を省くことができ、総支払金額も安く抑えることができます。1回の負担が多くなることが問題なければ、長期契約にするとお得になります。


長期契約は保険料が安くなりお得ですが、見直す機会がないという注意点もあります。


長期契約中にライフスタイルの変化で家財が増えたり、資材の高騰で建築費が高くなることで、見直しをしておかないと保険金額が足りなくなることも考えられます。


保険期間の選び方は、長期契約にして補償内容の見直しを適切にすることが大切です。

参考:火災保険と火災共済の違いとは?

建物と家財を補償するという点で、これまでご紹介してきた火災保険と似たような保険に共済保険があります。

共済保険の目的は特定の集まりの人たちで助け合うことが目的となっており、それぞれの組合加入者の中で掛金を出し合う非営利団体です。

火災保険に比べてシンプルで分かりやすい内容で掛金が低いというメリットがあります。掛金が余った場合には返戻金として戻ってくる可能性もあります。
 
しかし、火災保険のように補償内容を細かく選択することができず、補償される金額が少ないというデメリットもあります。 

火災共済には幅広い補償はありませんが、火災に特化した掛金の少ない保険を選びたいという方におすすめです。

分譲マンション契約時の保険料の相場

火災保険に加入する際に気になる大きなポイントは保険料ではないでしょうか。

以下の条件を例にした分譲マンション契約時の保険料の相場をご紹介します。
  • 建物補償額…1,000万円
  • 家財補償額…500万円
  • 補償内容…火災、破損、水災などすべて
  • 契約年数…1年
新築中古
保険料約5,500円~約10,700円約6,300円~約12,000円
地震保険を付帯した場合約13,000円~約27,900円約13,000円~約31,500円
新築と中古を比べても大差はありません

ただ、「頻繁に氾濫している河川に近いエリアに住んでいる」「突風が頻発する地域に住んでいる」など、災害発生のリスクが高い地域ほど、保険料も高くなる傾向があります。

同じような条件でも保険会社によって保険料に数万円の差が出ることもあるので、数社を比較して検討しましょう。

参考:分譲マンションは構造の違いで保険料が異なる

火災保険は、建物の構造によって保険料に違いが出てきます。 


例えば、購入を検討している分譲マンションの建物が燃えやすいか、燃えにくいかを見て、火災のリスクが低いと判断されれば保険料は安くなります。 


保険会社が火災のリスクを判断する基準は「構造級別」です。
構造級別とは、どのような素材の建物なのかを表す指標のことです。


住宅の構造級別は「M構造」「T構造」「H構造」に分けられていおり、マンションはほとんどがM構造のタイプになります。 


耐火性はM構造が強いため、火災のリスクが低いとされるマンションは比較的保険料が安く設定されます。 


構造級別は火災保険の保険料に関係するので、購入前に知っておくことが大切です。


分からない場合は、マンションの仕様書を確認するか施行メーカーに聞くとよいでしょう。

参考:分譲マンションと賃貸で保険料の相場は異なる?

賃貸マンションを契約した場合の火災保険には、建物全体に対する補償が必要ないため分譲マンションに比べて保険料の相場は低いです。


賃貸マンションを契約で必要な保険はおもに以下の3つです。


家財保険

火災や落雷などの自然災害により、自宅の家具や家電が損害を受けたときの補償


借家人賠償責任保険

自分の過失により、部屋に損害が出た際に原状回復するための補償


個人賠償責任保険

他人の物を壊してしまうなどの日常トラブルへの補償


契約年数を1年とした場合の保険料の相場は4,000円~1万円ほどです。


賃貸マンションを契約には、火災保険への加入が条件であることがほとんどですが、自分で保険会社を選ぶことも可能なので、環境に合わせた保険を選びましょう。

保険会社はどこがいい?火災保険を契約時に注意したい3つのこと

火災保険の選び方のポイントを理解できたら、保険会社を選んでいきましょう。


不動産会社や金融機関に相談して紹介された火災保険が、自分の希望や条件に合う商品がとは限りません。


火災保険は保険会社ごとに補償内容も保険料も違ってきます。自分にあった保険会社と契約するために注意したいことを3つ、解説します。

マンションの状況を正確に把握する

選び方のポイントでも解説しましたが、それぞれのマンションの環境によって必要な補償は違ってきます。


マンションの状況を正確に把握しておかないと、本当に必要な補償がわからなかったり、適切な保険金額の設定ができません。


「周辺環境からどういう災害が考えられるか」「構造はどれに分類されているか」「専有部分と共用部分の境界は?」など事前に確認しておくことが必要です。


状況を把握するには、ハザードマップを確認したり、マンションの管理規定を確認するなどの方法があります。自分で調べるのが大変な場合は、不動産会社施工メーカーンションの管理組合に聞いてみるのもいいでしょう。

保険会社ごとの割引制度を利用する

火災保険には保険会社ごとに多種多様な割引制度があります。有効に活用していくことで安い保険料で契約することができます。


具体的にどんな割引制度があるのか、いくつかご紹介します。

  • 新築(築浅)割引:建物を新築してから一定の期間までに契約した場合
  • オール電化割引:オール電化が導入されている場合
  • ホームセキュリティ割引:火災・盗難を24時間監視するシステムを設置している場合
  • ノンスモーカー割引:保険対象の建物に住んでいる方がたばこを吸わない場合
  • WEB申込割引:専用のWEBサイトから手続きした場合

マンションの状況を正確に把握し、条件を満たしている割引制度があればとことん利用していきましょう。

複数の保険会社に見積もりを依頼して比較する

選び方のポイントが理解できたら、保険会社に条件を伝えて見積もりを依頼しましょう。


自分にあった保険会社を選ぶためには、複数の保険会社に見積もりを依頼することが重要です。


なぜなら保険会社ごとに補償内容も異なり、同じ条件の補償内容でも保険料に違いが出てくるからです。


最低でも3社以上の保険会社から見積もりを依頼し、比較・検討していきましょう。


火災保険の無料診断サービスを利用すると、一回だけ条件を入力することで複数の保険会社の見積もりを依頼できます。手間が省けてさまざまな保険会社を比較できるので、積極的に利用しましょう。

まとめ:自分にあった火災保険を選んで、万が一に備えよう!

分譲マンションの火災保険の選び方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?


 今回の記事のポイントは

  • 火災保険は義務ではないが、加入することで万が一のときの備えになる
  • 火災保険の補償内容は地域や周辺環境によって違ってくる
  • 保険金額の設定は新価で建物評価額の上限に注意する
  • 長期契約にすることで火災保険料がお得になる
  • 複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較するのが重要
でした。 


火災保険は選び方を理解し自分にあった保険会社を選ぶことで、万が一損害が出たをしても適切な補償があるので、安心して暮らすことができます。  


選び方のポイントを抑えられたなら、火災保険の無料診断サービスを利用して複数の保険会社を比較し、自分にあった火災保険を見つけましょう。

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