県民共済の地震保険に加入するメリットとは?他の共済や損保と比較

県民共済の地震保険に加入するメリットって?県民共済と民間の損保の違いは?と県民共済の地震保険への加入検討者は思うはず。実は、県民共済の新型火災保険は年末調整で地震保険料控除が出来ないのをご存知ですか?今回は、県民共済の地震保険の特徴を詳しく解説します。

県民共済の地震保険に加入するメリットって?他の共済や損保と比較

最近は日本各地で地震が起き、地震保険に加入する必要性が年々増してきています。


地震保険に関して、民間の保険料は高く、県民共済は安いということをよく耳にしますが、しっかり補償してくれるのでしょうか?


そんな疑問を解決するために今回は、県民共済の地震保険の仕組みや民間の保険との違いについてご説明します。


今回の記事では

  • 県民共済の地震保険に加入するメリット・デメリット
  • JA共済・全労済との違いは?
  • 加入対象(建物・家財)について
  • 県民共済の地震保険は年末調整の控除対象になる?
  • 加入するには?手続き方法

について詳しくご説明します。


ぜひ最後までご覧ください。


県民共済の地震保険に加入するメリット

県民共済の地震のリスクを保障する共済は、新型火災共済です。


これは火災共済ではありますが、さまざまな住宅や家財へのリスクに備える商品で、基本の共済には地震の時にも見舞金が払われるしくみとなっています。


また、地震の備えに見舞金だけでは不安な場合には、地震特約をつけることができます。


地震特約をつけることで、地震が発生し、住宅が半壊、半焼以上の損害に対し、特約をつけていないときの保障は加入額の5%であるところ、プラス加入額の15%が支払われます。


県民共済の新型火災共済のメリットは、主に以下の2つです。

  • 民間の地震保険に比べ、掛け金が割安である
  • 新型火災共済には掛け金に応じて割戻金がある

次にこれらメリットについて詳しくご説明します。

県民共済メリット①民間の地震保険と比較して掛け金が割安

新型火災共済は火災の他に地震や風水害、家財損害に対し、見舞金が一定の範囲内で支払われます。

民間の火災保険でここまでの保障をつけると、掛け金はかなり上がってしまいます。

新型火災共済は木造住宅の場合でも、1000万円の保障額で月々700円で、年間でも8400円です(保障額はあくまで目安です)。

掛け金はお住まいの地域や建物の構造によって差があります。計算式は以下のようになります。

新型火災共加入額×新型火災共済加入額の1万円あたりの掛金=地震特約掛け金

1万円あたりの掛金が地域や構造によって違いがあり、以下のようになっています。
グループ・構造1万円あたりの掛け金(月払い)1万円あたりの掛け金(年払い)
A・木造等0.26253
A・鉄筋コンクリート造0.131251.5
B・木造等0.36754.2
B・鉄筋コンクリート造0.183752.1
C・木造等0.637.2
C・鉄筋コンクリート造0.341253.9
お住まいの地域によってA~Cの地域に分けられ、Aグループは北海道・群馬県・栃木県・岩手県・鹿児島県等、Bグループは茨城県・京都府・大阪府・兵庫県・宮崎県等、Cグループは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・静岡県などが含まれています。

例えば、Aグループに含まれる地域に住んでいて、火災共済掛け金が3,000万円だった場合、

3,000×3=9,000円

が年間の掛金となる計算になります。

詳しくはこちらから掛け金のシミュレーションができます。

また、保険料の支払い方法は年払い月払いの2種類から選ぶことができます。年払いで支払った方が保険料は安くなります。

県民共済メリット②新型火災共済は掛け金に応じて割戻金がある

また、県民共済の大きな特徴として運営母体が非営利組織のため、新型火災共済などで余剰金が出た場合、掛け金に応じて割戻金が発生します。


平成29年度の割戻金は、掛け金の30.20%です。


単純計算をして、前述の木造住宅に1000万円の保障額で年間8400円支払うと、約2537円が割戻されることになります。


これは、民間の保険にはない大きな特徴で掛け金が割安の上割戻金を受け取れるためとてもお得な制度です。(剰余金は、その年の共済金の支払い等により変わるので、必ず同じ水準の割戻金が受け取れるわけではありません。)

県民共済の地震保険に加入するデメリット

そんなお得感がある県民共済の地震保険ではありますが、デメリットもあります。


デメリットをよく理解したうえで契約すると、契約したあとの安心感は格段に違うはずです。


デメリットの主な内容は、以下の3つです。

  • 新型火災共済に加入して地震で支払われる見舞金は高額ではない
  • 民間の地震保険に比べ、新型火災共済の支払限度額は低い
  • 新型火災共済の地震特約は地震保険控除の対象外
次にデメリットについて詳しくご解説します。

県民共済デメリット①見舞金が支払われるが高額ではない

県民共済の新型火災共済の場合、地震の被害には見舞金が支払われることになります。


見舞金は半壊、半焼以上の損害に共済加入額の5%の範囲内で、最高300万円が支払われます。


100万円以上の加入で、住宅の一部を損傷し、20万円以上の損失が出た場合には、一律5万円が支払われます。


地震の災害で支払われる額としては、必ずしも高額とはいえませんが、掛け金が割安なのと、割戻金が毎年受け取れる点を考慮すると金額は妥当です。


県民共済を利用して、地震の保障をもう少し充実したいのであれば、新型火災共済に付加できる地震特約を検討するのも一つの手かもしれません。

県民共済デメリット②民間の地震保険と比較して支払い限度額も低い

県民共済の新型火災共済で地震の際に支払われる見舞金の限度額は最高300万円で、支払額は加入額の5%です。


新型火災共済に地震特約をつけても支払額は基本共済金と合わせて加入額の20%です。


それに対し、民間の地震保険は、

損害の状態支払金額
全壊
保険金額の100%
全半損保険金額の60%
小半損保険金額の30%
一部保険金額の5%

です。


民間の保険と比べてみると、県民共済の方が支払金額は大幅に低いです。

県民共済デメリット③地震保険料は控除の対象外

2007年から民間の地震保険の掛け金は所得税、住民税の控除対象となりましたが、県民共済の新型火災共済は控除の対象外です。


県民共済の新型火災保険は年末調整や確定申告で地震保険として控除の申告ができません。


つまり、地震保険料を払っているのに、所得税、住民税の優遇を受けることができないということになります。


ただし、新型火災共済で、地震特約をつけている期間の地震等の掛け金について控除を受けることができます。(後述で年末調整の申告方法についてご案内します)


参考:県民共済と他の共済(JA共済/全労済)との違い

県民共済と他の共済の地震保険には違いがあるのでしょうか?JA共済全労済で違いを見てみましょう。


大きな違いは支払われる保険金額ではないでしょうか。


県民共済の場合、住宅が半焼・半壊以上の被害を受けた場合、加入額の5%の範囲内で最高300万円まで、とされています。


JA共済の場合、5%以上の損害が出た場合、支払対象となり、支払われる金額は損害額の50%が限度となります。


全労済(国民共済)の場合は他の2つと違い、「新火災共済」に「新自然災害共済」を付帯する必要があります。新自然災害共済には2つのタイプがあり、補償内容はそれぞれ以下のようになっています。

損害大型タイプ標準タイプ
全壊・全焼1,800万円1,200万円
大規模半壊・大規模半焼1,080万円720万円
半壊・半焼900万円600万円
一部懐・一部焼180万円120万円
かなりしっかりとした補償を受けられるのが特徴です。


また、JA共済の地震保険は積立型の保険となっています。満期になると満期返戻金が受け取れるのですが、その分保険料は高くなっているのが特徴です。

県民共済の地震保険の加入対象とは

県民共済で地震保険に当たる新型火災共済は賃貸住宅などでも対象になるのでしょうか。

県民共済の規定による加入対象は、
  • 建物を借りている場合・・家財のみ加入可能
  • 持ち家または同一敷地内の別棟に住んでいる・・住宅、家財ともに加入可能
  • 建物を貸している場合・・住宅のみ加入可能
となっております。

また、申し込みができるのは、所有者または2親等以内で生計をともにする同居の家族です。

「住宅」の加入対象に含まれる物
  • 住宅
  • 畳、建具、その他住宅としての機能上必要な物
  • 電気設備
  • ガス設備
  • 冷暖房設備
  • その他これらに準ずる住宅付属設備
  • 住宅に付属する門、塀、垣、その他の工作物
  • 住宅に付属する物置、納屋
  • その他これらに準ずる付属建物
「家財」の加入対象に含まれる物
  • 現に居住する日本国内の住宅内に所有する動産
以上のようになっています。

持ち家の場合は「住宅」と「家財」の両方

持ち家の場合は加入対象は「住宅」と「家財」の両方となります。


ただし、前述の通り、加入できるのは持ち家の所有者または2親等以内で、生計をともにしている同居の親族となります。


該当の建物の所有者が誰なのかは、権利証、登記識別情報(登記したときに権利証として所有者に渡される場合が多い)または登記簿謄本にて確認ができます。

住宅を貸しているまたは借りている場合はどちらか

住宅を貸している場合は「住宅」のみが加入対象となります。


住宅を貸している場合の「家財」である住宅内の動産は、貸している人の所有する動産ではない場合が多いです。


一方、住宅を借りている場合は「家財」のみが加入対象となります。


こちらも、住宅を借りている人は、居住している住宅の所有者ではないので、住宅は対象にはなりません。

補足:県民共済の地震保険加入時の年末調整について

前述の通り、県民共済の新火災共済は年末調整の時の地震保険の控除の対象ではありませんが、新火災共済に地震特約をつけている期間内は、共済の掛け金で、地震保険料にあたる金額のみ控除が可能です。


ただし、新火災共済の損害保険料の掛け金の金額は控除の対象となりません。


年末に届く県民共済からの共済掛け金払込証明書には、地震保険料控除用として、年末調整に記載する金額が表示されているので、その金額を所定の用紙に記入します。


そのため、掛け金払込証明書をしっかり確認して正しい申告しましょう。

県民共済の地震保険の加入手続きの方法

県民共済の地震保険に加入したい場合、住んでいる、または勤務先がある都道府県の県民共済に加入することができます。場所によっては県民共済が無い場合もあるようなので注意しましょう。


また、店舗空き家別荘など、人が住んでいない建物は加入できません。


県民共済の地震保険の加入方法は以下のようになります。

  • 電話やインターネットで加入申込書を送付・ダウンロードする
  • 加入申込書に必要事項を記入し。押印する
  • 加入申込書を県民共済へ郵送する

保障が開始された後は解約などしない限りは自動更新となります。


新しく組合員となる場合、200円の出資金が必要となります。


簡単に申し込むことができるので、地震保険への加入を考えている場合、県民共済の地震保険も検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ:県民共済の地震保険の仕組みを理解して加入を検討しよう

いかがでしたでしょうか?ここでは県民共済の地震保険について詳しくご紹介しました。


県民共済と民間の比較をするのに掛け金だけ見てもあまり意味が無いことがおわかりいただけたと思います。


今回ご紹介したことは

  • 県民共済の地震保険は掛け金が安く、割戻金があるのがメリット
  • デメリットとしては見舞金が出るが高額ではなく、支払限度額が低いこと
  • 県民共済の地震特約は所得税、住民税の控除対象外
  • 県民共済の地震保険とJA共済・全労済の地震保険では支払われる保険金額に大きな違いがある
  • 加入対象は持ち家の場合は建物と家財、賃貸を借りている場合は家財のみ、貸している場合は建物のみ
  • 加入方法は加入申込書に記入・押印して郵送するだけ

になります。


県民共済の地震保険にはメリット・デメリットがそれぞれあります。どの地震保険を選べばいいのか、自分に合ったものがどれなのかをしっかりと検討することをおすすめします。


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