更新日:2023/07/20
税理士を変更するときの手順やベストタイミングをわかりやすく解説
税理士を変更したいと感じたとき、何から手をつければ良いのかわからないことがあるでしょう。今回は、税理士を変更するメリット・デメリットやタイミング、変更するときの手順をご紹介します。また、税理士の変更に失敗しないための注意ポイントもお伝えします。
- 現在契約している税理士に不満があり、変更したいと考えている人
- 税理士の変更の際に気をつけるべきことや手順、やるべきことを知りたい人
- 税理士変更のメリットやデメリットについて確認したい人
- 税理士変更の際に確認すべきポイント、見るべき部分について知りたい人
- 税理士の変更を検討すべき事情や基準、見るべきポイント
- 税理士変更に適したタイミングや必要な手続、準備すべき物事
- 税理士を変更することによるメリットやデメリット
- 税理士の変更で失敗しないように気をつけるポイント
- 税理士の変更に伴うセカンドオピニオンの必要性
内容をまとめると
- 税理士の変更は適したタイミングがあるため、タイミングを見計らって行うべき
- 新たな税理士に依頼することで新たな視点の発見になるが、手間などでデメリットも出るため十分に熟考すべき
- 新たな税理士に依頼するときに気をつけるべきポイントを押さえて適した税理士に依頼するとよい
- 税理士変更という大きな事柄はすぐに決めるのではなくセカンドオピニオンで比較検討すべき
- 財務関係のセカンドオピニオンは経験豊富なマネーキャリアにおまかせ
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 税理士を変更するよくある理由
- ①税理士の対応に不満がある
- ②節税対策や決算対策への助言を得られていない
- ③税理士への報酬が高すぎる
- ④会社の経営方針が変わった
- ⑤税理士事務所の体制が変更された
- 税理士の変更を検討する3つのタイミング
- ①法人税申告書の提出直後
- ②税務調査完了し、修正申告書の提出後
- ③確定申告の直前は避ける
- 税理士を変更する3つのメリット
- メリット①節税対策を強化できる
- メリット②報酬の負担を軽減できる
- メリット③今までとは違った視点で意見を得られる
- 税理士を変更する2つのデメリット
- デメリット①新たに信頼関係を築く必要がある
- デメリット②時間とエネルギーを要する
- 税理士を変更するときの手順
- STEP1.現在の契約内容を確認する
- STEP2.新しい税理士への切り替え時期を決める
- STEP3.新たな税理士と契約を結ぶ
- STEP4.現在の税理士へ断りの連絡をする
- STEP5.預けている書類を返却してもらう
- 税理士を変更する際の断り方
- 税理士の変更に失敗しないために気をつけるべき3つのポイント
- ①新しい税理士が自社の業界に精通しているかを確認する
- ②実際に会ってから契約する
- ③税理士に求めることを明確にする
- まとめ:税務関連のセカンドオピニオンならマネーキャリアの無料相談!
目次
税理士を変更するよくある理由
仕事の税務関係をおまかせしたいと税理士と契約している中小企業経営者も多いと思いますが、実際良いと思って税理士と契約したものの、「なにか違う…」と感じているのではないでしょうか?
- 税理士の対応に不満がある
- 節税対策や決算対策への助言を得られていない
- 税理士への報酬が高すぎる
- 会社の経営方針が変わった
- 税理士事務所の体制が変更された
①税理士の対応に不満がある
税理士を変更したい理由として第一に依頼している税理士本人の対応に不満があるというケースが多くあります。
報酬を支払って仕事を以来している以上、満足できる仕事をこなしてほしいものの、依頼した業務の対応に問題があると不満が蓄積してしまいます。
税理士の対応に不満が残るケースとしては
- 税理士のアドバイス通りに書類を作成したものの、税務調査で多くの指摘を受けた
- 思ったように税務処理をすすめてくれない
- 疑問点があるから相談しているにもかかわらず、適切なアドバイスをしてくれない
- 税務相談にのってくれない
②節税対策や決算対策への助言を得られていない
会社を経営していて経営者の頭を悩ませる問題、それが節税対策や決算対策です。
経営者は経営のプロではあるものの、税務関係にはそれほど強くない、苦手意識があるという経営者も多くいます。
その経営者の苦手部分をカバーし、経営をフォローするための存在として税理士と契約しアドバイスを貰っているのです。
会社を経営している以上、納税は義務ですが会社の規模や事業承継などの出来事に応じて数百万、場合によっては数千万円のキャッシュが国に渡ることになってしまうため、できることなら納税額を抑えたいと考える経営者がほとんどです。
通常であれば経営者の心情を理解し、これまでの知識や経験を良いかした費用対効果の高い節税方法や実現可能な対策を提案してくれる、リスクや課題対応について検討してくれるものですが、一方で経営者目線で考えていない税理士も存在します。
残念なことに節税対策に消極的な税理士の場合、適切な処理や書類作成に重きをおいた経営者目線の対応をしてくれない場合があるのです。
「なるべく納税額を抑えたい」「決算対策に不安があるためアドバイスが欲しい」といった経営者側のニーズに答えられない税理士の場合は税理士の変更も視野に入れるべきでしょう。
③税理士への報酬が高すぎる
経営者が苦手とすることが多い税務関係を担っている重要な立ち位置を担っているため報酬を支払うことは当然のことですが毎月、毎年の出費となる費用であるため甘く見てはいけません。
基本的に税理士の報酬については単発の依頼ではない限り月々決まった金額を支払うことになるため、支払額が高く感じる場合は税理士に相談したりプランの変更を検討すべきでしょう。
何でも気軽に話せる税理士、会社の内情や報酬の金額について気軽に話し合える関係であれば問題ありませんが
- 報酬額の減額について相談しにくいと感じてしまう
- 契約している依頼内容やシステム関係上報酬の減額が困難
- 税理士に依頼する業務内容を大幅削減してコストダウンを狙っている
④会社の経営方針が変わった
会社も長年続けていると
- 会社の代表者・経営陣の変更
- 経営方針の大幅な変更
- 会社の経理・税務関係の事務方針が大幅変更・見直しが行われた
などといった「経営方針の変更」もあります。
会社の経営方針が変わるということは、これまでの会社の運営方法や考え方、携わる人々が大きく変わるということを意味しているため、税務関係にも大きな影響を及ぼす可能性が大きいでしょう。
税理士1人ひとり経験や強みは大きく異なり、経験してきたことや学んできたことといったバックボーンも大きく異なることから、経営方針が変わりこれまで同様に税務関係の対応が可能とは限りません。
場合によっては新しい経営方針に沿ったアドバイスが可能な税理士に変更するというのもおすすめです。
例えば、「これまでは納税関係の書類作成が主な業務で依頼していたものの、今後は節税にも目線を向けた税務相談にも力を入れていきたいと考えているため、そのためのサポートが欲しい」と経営者が考えていたとします。
この場合これまでのアドバイスとは大きく異なったものが必要となるため、場合によってはカバーしきれないという事態になりかねませんので会社の経営方針変更を理由に適した税理士にシフトするということもあります。
⑤税理士事務所の体制が変更された
税理士事務所も仕事をしている以上開設当初から何も変わらず何十年ということは考えにくいもので、進化や変更、バージョンアップを繰り返していくものです。
体制変更によって相談しやすくなるという場合には問題ありませんが、体制の変更によって大きく改悪されるケースもなきにしもあらずですので注意が必要なのです。
- 担当税理士との連絡が取りにくくなった
- 業務フローの変更によって相談・利用しにくくなった
- 税理士に依頼できる業務内容が変更になった
- 担当税理士が退職した
税理士の変更を検討する3つのタイミング
税理士の対応が不満、条件の変更や改悪によってこれまで通り業務ができなくなったという問題が出た場合は税理士の変更も検討するでしょう。
税理士の変更をしたい場合でも前触れなく突然「税理士を変更したい」と伝えてしまうのでは、お世話になってきた税理士や税理士事務所との無用なトラブルのもとになります。
税理士の変更を検討する際に適した時期、伝えるタイミングがありますので、検討する場合は参考にして下さい。
- 法人税申告書の提出直後
- 税務調査が完了し、修正申告書を提出した後
- 確定申告の直前は避けるべき
①法人税申告書の提出直後
税理士の変更を依頼するタイミングとして適しているのは税理士の抱えているタスクなども考慮した場合「法人税申告書の提出直後」でしょう。
法人税申告書は顧問税理士が大きく関わる書類であると同時に、提出が1年に1回義務付けられているもの、税理士にとって1年の仕事の区切りとなる書類です。
決算期末日から2ヶ月以内が提出期限の原則ですが、場合によっては申告書の提出の期限を延長していることもあります。
遅くとも決算期末日の後3ヶ月以内には法人税の申告書を提出する義務がありますので、このタイミングで税理士の変更とすると新しい税理士への業務引継ぎもスムーズにできます。
この「法人税申告書の提出直後」がベストタイミングとする理由としては十分な準備期間が確保できるという点にあります。
業務が長い会社や売上が大きい会社の場合は届出書や過去書類といった事務処理関係や書類準備・整理にも時間がかかる傾向があり、さらに税理士に貴重依頼もしていた場合、記帳代行のための書類の受け渡しなども必要となってきます。
このタイミングを逃してしまった場合は依頼する会社側も、依頼される税理士側も負担が大きくなってしまうため、税理士を変更したいとなった場合は「法人税申告書の提出」を目安に考えてみることをおすすめします。
②税務調査完了し、修正申告書の提出後
法人税申告書の提出直後以外にも適したタイミングとしては「修正申告書の提出後」があります。
税務調査とは確定申告や法定調書の内容に誤りがないかをチェックする重要な調査であり、数年に1度、7月から12月までの間に行われる事が多いものです。
多い会社だとしても3年に1度の頻度であり毎年行われるものではなく、1度税務調査を受けた年度分をさらに再調査ということはまずありません。
税務調査が完了、場合によっては修正申告書を提出することになる場合もありますが、これらの一連の流れが終わってすぐに税理士変更をした場合は、次回税務調査は新しい税務担当の税理士が担当した期間のみになりますので、業務量・タイミングともにちょうどいいといえるでしょう。
ポイントとしては修正申告書の提出後という部分です。
税務調査がスムーズに勧めば良いのですが、税務調査の結果で場合によっては修正申告書の作成と提出が必要となることがあります。
税理士の変更後に修正申告書を作成することになった場合、新しく依頼した税理士では事情や内情を知らないためスムーズに物事が進まないということも考えられますので、もしも税理士変更となった場合は最後の最後まで気を抜かず「修正申告書」まで考慮して税理士変更を行いましょう。
③確定申告の直前は避ける
ここまでは税理士変更に適したタイミングを紹介してきましたが、今回は「このタイミングでの税理士変更は避けるべき」というタイミングについて紹介します。
避けるべきタイミングとしては「確定申告直前」でしょう。
税理士として確定申告直前というタイミングは繁忙期であり、数ヶ月前から資料を取り揃えて準備を行っている最重要項目といっても過言ではありません。
また、この1年間の税務処理や税務相談の内容をきちんと把握している税理士は今の税理士しかいないのです。
税理士が一生懸命1年間の税務関係を取りまとめ、書類に起こして確定申告に向けて準備をしている中「税理士変更することにしました」ではあまりにも酷ですし、タイミングが悪いと言わざるを得ません。
税理士にとっても気持ちの整理がつかない、タイミングが悪いばかりではなく、繁忙期であり業務が通常以上に山積みの状態で突然のことを言われることになってしまいます。
これまでお世話になってきた税理士の恩を踏みにじるような迷惑な行為になってしまうため、おすすめできません。
税理士を変更する3つのメリット
これまで税務関係でお世話になっている税理士を切り替えるということは会社にとっても一大決心が必要な事柄でしょう。
長年依頼し、阿吽の呼吸が通じる税理士から一気に別の税理士に変えるということはある意味では勇気のいることかもしれませんが、税理士を変更することで生まれるメリットもあります。
- 節税対策を強化できる
- 報酬の負担を軽減できる
- 今までとは違った視点で意見を得られる
メリット①節税対策を強化できる
税理士の変更に伴って節税対策が強化される可能性もあります。
会社として売上アップのタイミングで事業についての理解が進むこと、売り上げが増えていく頃には事業への理解度も増して「経営者として自分ができることは何か」という問題意識が十分に持てるようになるでしょう。
自分が経営者としてすべきことが見えてきたというタイミングで、会社の事業分野や強み・弱みをきちんと把握できる税理士と「節税」という共通認識を持って税理士契約を結ぶことができた場合、節税対策の強化につながります。
税金は必ず納めなければならないものではありますが、知識の活用や工夫次第によっては納税額を大きく抑えることも可能ですので、「節税」は会社を経営している以上大きな課題となってきます。
新しい税理士と「節税」という共通の目標や共通認識を持ちともに仕事を進めていくことによって節税対策の強化につながり、効果的に取り組むことができます。
メリット②報酬の負担を軽減できる
報酬の負担軽減も大きなメリットと言えます。
長年同じ税理士や税理士事務所に依頼していた場合その報酬を支払うということが当たり前、毎月毎年出ていく必要経費になってしまっているということが考えられますが、一度その報酬は適切かどうか見直してみることも必要でしょう。
月々支払っている税理士への報酬もコストダウンをすることによって年間数万円から数十万円の節約につながります。
税理士報酬で支払い続けていた金額が浮くことで経営に余裕がでてきたり、浮いた分の経費を他の経費や必要な部分に回すことも可能となります。
現時点で契約している税理士と契約した時には適切と判断した場合でも、今の現状や周囲との相場、相談したい内容の変化などによって税理士報酬が見合わなくなってきた、適切とは思えなくなってきたということもなきにしもあらずです。
会社の現状や依頼している税理士の能力、支払っている報酬など全てを勘案し、今の会社の状況や経営に合う税理士に依頼すべきです。
メリット③今までとは違った視点で意見を得られる
新たな税理士に依頼することによって新しい視点で物事が見られるようになるということもメリットと言えるでしょう。
これまでとは大きく異なった視点で税理士からの意見を得られるといういことは大きな強みとなります。
税理士ごとにこれまでの経験や得意とすること、強みや弱みは大きく異なり、業務も多岐にわたります。
税理士も人間ですので1人として同じ考えや経験を持った人はいません。
そのため税理士を変更することによって、今までにない視点や考え方に基づいたアドバイスやサポートが受けられるようになり新鮮なものとなるでしょう。
節税や業務処理フローのスムーズ化、税務処理や会計の見直しなどこれまで長年気づくことができなかった問題や課題が浮き彫りになり、適切かつスムーズな税務処理ができるようになると考えられます。
税理士を変更する2つのデメリット
これまで会社の税務関係を一手に依頼していた税理士から新しい税理士に変更する場合、簡単なことではありません。
メリットばかりではなくデメリットのことも考えた上で変更すべきかどうか考えていく必要があるでしょう。
- 新たに信頼関係を築く必要がある
- 時間とエネルギーを要する
これまで依頼していた税理士とは勝手が大きく異なってくるということ、新たな税理士との関係構築や仕事依頼といった面で時間もエネルギーもかかるということを覚えておきましょう。
税理士は会社の税務関係を任せることになる重要なポジションにつく人であることから、慎重に選ばなければなりません。
新たな税理士に切替える場合に考えられるデメリットは以下の通りです。
デメリット①新たに信頼関係を築く必要がある
新たに税理士に依頼するとなった場合、新しい税理士と新たな信頼関係を築かなくてはならないでしょう。
これまでの継続性が断ち切られることになる、関係が全てリセットされるということから、
これまで長年の経験やコミュニケーションで積み重ねてきた阿吽の呼吸も通じないということが考えられます。
お互いの内情や信頼関係を知り尽くしているという安心感や信頼はなくなりますのでまた1からのスタートとなるでしょう。
1からのスタートとはかなりのエネルギーを使うことになるということは念頭に置いておくべきです。
デメリット②時間とエネルギーを要する
新たな税理士に依頼するにあたってこれまで考慮していなかった税務処理のための時間やエネルギーを必要とするというデメリットが挙げられます。
これまで依頼していた税理士に税務関係の書類やデータを渡しているはずですが、それらの書類の返却が滞ってしまったりするスケジュールのミスやズレも有り得る話です。
また、場合によっては1年分のデータを全て入力し直す必要も出てきますが、データを入力する際の形式が合わないというトラブルも考えられます。
形式が合わなかった場合には、過去の会計データなどをもう一度入力する必要が出てくることから、本来行うことを考慮していなかった多くの事務作業が発生してしまうこともあります。
税理士を変更するときの手順
税理士を変更するとなった場合、人と人との仕事の依頼ですので一方的に「辞めます」というわけにはいきません。
税理士を変更するにあたって必要な踏むべきステップがあります。
- 現在の契約内容を確認する
- 新しい税理士への切り替え時期を決める
- 新たな税理士と契約を結ぶ
- 現在の税理士へ断りの連絡をする
- 預けている書類を返却してもらう
きちんとした手順を踏むことで事務処理漏れやトラブル回避にも繋がりますので、手間となる部分もありますがきちんと最後まで丁寧に行うべきでしょう。
STEP1.現在の契約内容を確認する
現在契約している税理士との契約内容を変更前にあらかじめよく確認しておきましょう。
契約内容確認の理由としては税理士によって契約期間の定めや解約時期のタイミングが決められているというケースもあるためです。
その場合、契約当初交わした契約書などに解約の場合に必要な手続や期限などが明記されているはずです。
この契約内容に合わないタイミングでの解約や変更といった場合には円満解約が叶わないばかりか、違約金を請求される、最悪の場合予定していた日にちまでに解約ができず気まずい思いをするということもありえますので、事前にしっかりと確認しておくべきでしょう。
STEP2.新しい税理士への切り替え時期を決める
仕事を依頼している税理士から新しい税理士に依頼することを本決定とした場合「いつ、新しい税理士に切り替えていくか」という切替のタイミングを決めましょう。
- 税理士との顧問契約を更新するタイミング
- 法人税申告書の提出後
- 税務調査が終わった後
といった切り替えに適しているタイミングがありますので、双方ともに困らない時期に切り替えができるように準備していく必要があります。
タイミングが決まらないことには前に進めないということもありますが、切替えスケジュールが明確にならないため後手後手になってしまうことも有り得るので注意しましょう。
STEP3.新たな税理士と契約を結ぶ
これまで依頼していた税理士に解約したい意向を伝え、解約のための準備をしていきますが、解約する前に新たな税理士の目星を付けて話を通しておくべきでしょう。
そして、解約と同時に新たな税理士との契約を結ぶ準備をしていく必要があります。
なぜなら解約してから新たに税理士を0から探すとなった場合、会社にとって税務関係を担当する税理士が存在しない空白期間が生まれたしまいます。
前もって新たに依頼することとなる税理士に話を通しておき、契約できるようにしましょう。
新たな税理士と契約を結ぶにあたって報酬や相談内容、連絡手段などはあらかじめ確認し契約後のトラブル回避に務めることも大切です。
STEP4.現在の税理士へ断りの連絡をする
現在依頼している税理士に断りの連絡を入れることも大切なことです。
これまでお世話になってきた税理士だからこそ、最後の最後に後ろ足で砂をかけるような真似をしないように誠意を持って対応しなければなりません。
報酬のこと、対応する税理士に問題がある、会社の都合様々な税理士変更の理由はあるにしても日本人は「断る」ということを苦手とする人種です。
どうにか角を立てずに断りを入れたいと考えるものでしょう。
- 会社の方針が変更になった
- 知り合い、もしくは親戚の税理士に依頼することになった
- 知り合いからの紹介があったため
などを理由にすると角を立てずに断りを伝えることができるでしょう。
STEP5.預けている書類を返却してもらう
これまで依頼していた税理士に断りの連絡を入れて承諾されたら、依頼している税理士に預けている税務関係の書類やデータを返してもらう必要があります。
一般的に税理士に渡している書類やデータとしては以下のものが挙げられます。
- 決算書
- 勘定元帳
- 試算表
- 仕訳帳
- 請求書や領収書
- 給与明細など給与管理書類
- 税務相談に関する資料やデータ
税務関係のデータや書類については今の分のみならず過去の分も残しておく義務があるので注意しましょう。
最低でも3~7期分は手元に残しておく必要があるので、受け取りの漏れがないようにリストなどでチェックすることをおすすめします。
税理士を変更する際の断り方
これまでお世話になってきた税理士に継続ができない旨の断りを入れる際にも押さえるべきポイントがあります。
なるべくならば早く伝えるに超したことはありませんが、契約書に記載された解約の時期と方法を守れば、月一回の打ち合わせのタイミングで税理士の変更、継続の不可を申し出ても問題はありません。
後々のトラブル防止のためにも、エビデンスはしっかりと残しておくべきです。
打ち合わせのタイミングなどで口頭で伝えたとしてもその後必ず正式に書面で送る、という方法を取りましょう。
税理士の変更に失敗しないために気をつけるべき3つのポイント
税理士の変更というものはそう何度もできることではありませんので、失敗しないようにしたいものです。
税理士の変更に失敗しないために気をつけるべきポイントとしては
- 新しい税理士が自社の業界に精通しているかを確認する
- 実際に会ってから契約する
- 税理士に求めることを明確にする
①新しい税理士が自社の業界に精通しているかを確認する
新しい税理士が自分の会社の仕事内容や業界に精通しているか事前に確認することは非常に大切なことです。
税理士にも様々な人がいるため、それぞれ得意分野やこれまで扱ってきた内容は異なってきます。
税理士によっては相続は苦手だが税務調査は得意、金融アドバイスは苦手だがクラウド会計やIT化の切り替えは得意など、それぞれ得意不得意があるのです。
新しい税理士を選ぶ際には税理士の得意不得意を事前に調べ、把握した上でピックアップしていくことをおすすめします。
税理士の経歴や得意としている内容についてはホームページやパンフレットなどで確認することができますので、契約する前にあらかじめ確認しておきましょう。
②実際に会ってから契約する
実際に会うことによって見えてくるものがありますので、新たに税理士と契約するとなった場合は実際に会うことをおすすめします。
経営者として日々仕事やタスクに追われているものの、会社の税務関係を任せることになる重要ポジションにあたる人を選ぶというわけですから、自分の目でしっかりと会社の税務を任せるに足りる人かどうかジャッジすることは重要です。
日々の業務に忙しいとは想いますが、契約するまでには最低でも1度は実際に会ってみて会話をすることをおすすめします。
実際に会ったタイミングで税理士の雰囲気や得意とする仕事内容、相性などを確認し、加えて税理士事務所の雰囲気や規模、立地条件なども確認しておくと良いでしょう。
③税理士に求めることを明確にする
税理士に求める事柄をあらかじめ明確にしておくことで税理士選びの指針になることでしょう。
これまで税理士に依頼していたものの、何かしら思うところや不満があって税理士の変更に踏み切ったわけですから、「新しい税理士に求める事」は何かという部分は自分の中ではっきりさせ、共通認識を持っておく必要があります。
- そもそも、なぜ税理士の変更に踏み切ったのか
- 前の税理士のどの部分が不満だったのか
- 報酬や条件で納得しているか
- 税務で強化していきたい部分はどこか
- 税理士に求めるものややってほしいことは何か
まとめ:税務関連のセカンドオピニオンならマネーキャリアの無料相談!
会社の財務関係という責任ある立場の人を変更する場合、なぜ変更する必要があるのか、どの部分に不満を感じているのか自分の中で整理する必要があります。
その上で、新しい税理士と契約を結ぶことのメリットやデメリットを理解し、新しい税理士との契約やこれまでの税理士との契約解除にあたって必要なタスクや書類などを確認していかなければなりません。
財務関係を一手に担うことになる税理士の変更という大きな事柄ですので、会社の今後にも大きく影響してきます。
一時の感情や利害関係のみで決めると後々後悔することになりかねませんので、慎重に検討することも必要ですが、もしもサービス内容や報酬、会社の体制変更などで変更すべきという結論に達した場合は税理士の変更をすべきでしょう。
財務関係は1箇所のみですぐに決断を下すのは早計とも言えます。
1箇所のみですぐに決断を下すのではなく、2箇所以上を比較検討した上で今後のことを考えていくことが必要でしょう。
財務関係のセカンドオピニオンであれば、相談料無料、相談予約から相談までインターネットで気軽に行えるマネーキャリアがおすすめです。
会社にとって重要な決断となることですから、後悔のない決断が必要となりますので、財務関係のセカンドオピニオン経験が抱負なマネーキャリアにお任せ下さい。