更新日:2023/07/20
英会話は経費にすることができる! 注意点や仕訳例・勘定科目も解説
仕事上、どうしても英会話を学んでおかなければいけない。そういうケースもあるでしょう。ただ、英会話の授業料は馬鹿にはなりませんから、節約方法を探したいところでしょうが、その一つに経費処理があります。そこで、今回は、英会話の費用を経費処理する方法を解説します。
内容をまとめると
- 法人が英会話の授業料の負担をしている場合も個人事業主が支払っている場合も、目的が事業遂行上のためなら、経費にできる
- 従業員には「特別支出控除」が適用される場合があり、税金の大きな控除を受けられる
- 英会話を経費にする場合は、毎年勘定科目を一致させ、私的目的でないことを明示しなければいけない
- 仕分け方の例を見て、実際に英会話を経費にする方法を学び、毎年税金の額を抑える
目次を使って気になるところから読みましょう!
英会話は理由があれば経費にすることができる! 勘定科目は研修費
英会話の学習費用も結構な額になりますが、これを何とかする方法ないものかと考えている人もいるでしょう。
実は、英会話の学習費用は経費になります。
ただ、どうすればいいのかわからないという人も多いはず。
そこで、その方法を解説します。
ポイントは、
- 法人でも個人事業主でも経費になる
- 勘定科目は研修費などにする
- 経費にするためには、英会話学習が事業に必要なためであることを明示する
法人・個人事業主の場合は必要であれば経費になる
英会話をどのような目的で勉強しているでしょうか。
主な目的としては次のようなものがあります。
- 外国人と話したい
- 趣味として
- 仕事で必要
- 留学したい
- 将来のため
従業員は特別支出控除が受けられる
「特別支出控除」という制度があります。
これは、従業員が一定の条件を満たした支出をした場合に経費として認めるというものです。
条件については、国税庁のホームページにある「No.1415 給与所得者の特定支出控除」という箇所で説明がされています。
いくつかのパターンがありますが、その中で英会話と関連があるのが次のような項目です。
費用の種類 | 条件 |
---|---|
研修費 | 職務に欠かせない知識や技術をマスターするための研修を受ける場合の費用 |
資格取得費 | 職務に欠かせない資格を取得する費用 |
4,000,000円×20%+440,000円=1,240,000円
この半分が特定支出控除額の適用判定の基準となる金額になりますから、620,000円です。オンライン英会話も同様に経費になる
英会話を英会話学校で学ぶのではなく、最近は、オンライン英会話を利用して学習している人も多いでしょう。
オンライン英会話なら、学校に行かずに自宅で勉強できますから、とても便利な手段です。
では、このオンライン英会話の授業料を経費として申告できるのでしょうか?
オンライン英会話の勘定項目は、「研修費」に該当します。
ということは、この研修が事業の遂行上欠かせないということであれば、当然経費に計上できます。
仕事の交渉時に必要なのでオンライン英会話で学んでいる、お客様に外国人が多く、オンライン英会話で勉強する必要性が生じたといったケースです。
趣味や個人的な目的での利用でなければ、経費として認められます。
英会話を経費にする際の注意点2つ
英会話の学習費用は、業務上必要なら経費として認められますが、経費に算入するためにはいくつかの注意点があります。
次のような注意点です。
- 勘定科目は毎年同じにする
- 業務目的であることを明示する
① 勘定科目を一貫させる
英会話学習にかかった費用を経費にする場合、どの勘定科目にしたらいいか、迷ったことはありませんか。
いくつかの勘定科目があり、どれがぴったり該当するのか判断ができない場合も。
パターンの例を見てみましょう。
- 福利厚生費
- 研修費
- 教育訓練費
② 私的支出とみなされないように理由を明示する
すでに説明したように、英会話の学習費用は業務上どうしても必要な場合に限って、経費として落とせます。
ということは、私的支出と見なされないように理由を明示しなければいけないということです。
こんな理由ではだめです。
- 年間を通じて、ごくわずかの外国人旅行客と英語で応対するため
- 歯科医が年間数人程度の外国人患者に応対するため
- 仕事で海外に行くかもしれない
- 海外の会議やセミナーに出席するためだけ
- 海外の取引先と商談するため
- 海外の顧客に商品を売って、対応するため
- 多くの外国人顧客に対応するため
英会話の具体的な仕訳例を解説!
英会話の学習費用を経費として組み込む場合は、仕分けの仕方が重要になってくるので、その例を見ておきましょう。
借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|
研修費100,000円 | 事業主借100,000円 | 英会話学校 |
これは、個人用クレジットカードで授業料を支払った場合です。現金払いなら、貸方に「現金」と記入します。
仕分けでは、当期の分だけ必要経費に組み込みます。
したがって、来期分まで英会話学校の授業料をまとめて支払っている場合は、記入の仕方が少し変わります。
借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|
前払金50,000円 | 英会話学校 | |
研修費50,000円 | 事業主借100,000円 | 英会話学校 |
左側には、日付を記入してください。
これで、事業年度またぎになった場合の仕分けになります。
まとめ:英会話は理由があれば、経費にすることができる!
英会話の学習費用をいかに経費にするかについて、いろいろと説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは、
- 法人・個人事業主の場合は、必要に応じて英会話を必要経費にでき、従業員には「特別支出控除」がある
- オンライン英会話も条件が合えば、経費になる
- 英会話を経費にする際に押さえておきたいポイント
▼この記事を読んでほしい人
▼この記事を読んでわかること