英会話は経費にすることができる! 注意点や仕訳例・勘定科目も解説

仕事上、どうしても英会話を学んでおかなければいけない。そういうケースもあるでしょう。ただ、英会話の授業料は馬鹿にはなりませんから、節約方法を探したいところでしょうが、その一つに経費処理があります。そこで、今回は、英会話の費用を経費処理する方法を解説します。



▼この記事を読んでほしい人

  • 事業で使うために英会話を学ぼうという人
  • 英会話の費用を経費で落としたい企業や個人事業主


▼この記事を読んでわかること

  • 事業に必要という理由なら、英会話の費用を経費にできる
  • 英会話を経費にするには、私的理由でないことをはっきりさせる
  • 実際の英会話の仕分け例
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内容をまとめると

  • 法人が英会話の授業料の負担をしている場合も個人事業主が支払っている場合も、目的が事業遂行上のためなら、経費にできる
  • 従業員には「特別支出控除」が適用される場合があり、税金の大きな控除を受けられる
  • 英会話を経費にする場合は、毎年勘定科目を一致させ、私的目的でないことを明示しなければいけない
  • 仕分け方の例を見て、実際に英会話を経費にする方法を学び、毎年税金の額を抑える

英会話は理由があれば経費にすることができる! 勘定科目は研修費


英会話の学習費用も結構な額になりますが、これを何とかする方法ないものかと考えている人もいるでしょう。


実は、英会話の学習費用は経費になります


ただ、どうすればいいのかわからないという人も多いはず。


そこで、その方法を解説します。


ポイントは、

  • 法人でも個人事業主でも経費になる
  • 勘定科目は研修費などにする
  • 経費にするためには、英会話学習が事業に必要なためであることを明示する
などです。

税金の支払いで損をしないために必要な情報ですから、ぜひ最後までお読みください。

法人・個人事業主の場合は必要であれば経費になる

英会話をどのような目的で勉強しているでしょうか。


主な目的としては次のようなものがあります。

  • 外国人と話したい
  • 趣味として
  • 仕事で必要
  • 留学したい
  • 将来のため
いろいろな目的がありますが、このうち経費にできるのは、仕事、つまり事業で必要な場合です

たとえば、外国人のお客様との付き合いが多く、どうしても英会話を学んでおかなければいけないので、英会話学校に通っているなどの場合です。

また、外国から商品を輸入するにあたって、英会話力が求めれているから、学んでいるといったケースもあるでしょう。

このように事業の遂行上、英会話を学習しないと支障が生じるという場合は、経費として認められます。

これは、法人が英会話の授業料を会社負担している場合も個人事業主が自ら授業料を支払っている場合も当てはまります。

従業員は特別支出控除が受けられる

特別支出控除」という制度があります。


これは、従業員が一定の条件を満たした支出をした場合に経費として認めるというものです。


条件については、国税庁のホームページにある「No.1415 給与所得者の特定支出控除」という箇所で説明がされています。


いくつかのパターンがありますが、その中で英会話と関連があるのが次のような項目です。

費用の種類条件
研修費
職務に欠かせない知識や技術をマスターするための研修を受ける場合の費用
資格取得費
職務に欠かせない資格を取得する費用
平成28年からは、特定支出控除額の適用判定の基準となる金額は、一律その年中の給与所得控除額の半分となっています

具体例を示してみましょう。

まず給与所得控除額については、いろいろなパターンがありますが、収入が4,000,000円の人は、次のような計算式なります。

4,000,000円×20%+440,000円=1,240,000円

この半分が特定支出控除額の適用判定の基準となる金額になりますから、620,000円です。

この金額を給与の総額から差し引くことができ、税額が低くなります。

オンライン英会話も同様に経費になる


英会話を英会話学校で学ぶのではなく、最近は、オンライン英会話を利用して学習している人も多いでしょう。


オンライン英会話なら、学校に行かずに自宅で勉強できますから、とても便利な手段です。


では、このオンライン英会話の授業料を経費として申告できるのでしょうか?


オンライン英会話の勘定項目は、「研修費」に該当します。


ということは、この研修が事業の遂行上欠かせないということであれば、当然経費に計上できます。


仕事の交渉時に必要なのでオンライン英会話で学んでいる、お客様に外国人が多く、オンライン英会話で勉強する必要性が生じたといったケースです。


趣味や個人的な目的での利用でなければ、経費として認められます。

英会話を経費にする際の注意点2つ


英会話の学習費用は、業務上必要なら経費として認められますが、経費に算入するためにはいくつかの注意点があります。


次のような注意点です。

  • 勘定科目は毎年同じにする
  • 業務目的であることを明示する
この注意点を守らないと、英会話費用を経費として落とせなくなることもありますから、必ず確認をしておきましょう。

① 勘定科目を一貫させる

英会話学習にかかった費用を経費にする場合、どの勘定科目にしたらいいか、迷ったことはありませんか。


いくつかの勘定科目があり、どれがぴったり該当するのか判断ができない場合も。


パターンの例を見てみましょう。

  1. 福利厚生費
  2. 研修費
  3. 教育訓練費
自分が学んでいる英会話はどれに当てはまるのでしょうか。

この点については、それほど深く考える必要はありません

どの勘定科目になっても、税額に変動がないからです。

ただ、大事なことが一つ。

それは、毎年勘定科目を一貫させることです。

毎年勘定科目を変えると、同じ費用が違う目的で使われているようで、怪しく思われることがあります。

また、何の目的の費用なのかもわかりにくくなります。

② 私的支出とみなされないように理由を明示する

すでに説明したように、英会話の学習費用は業務上どうしても必要な場合に限って、経費として落とせます。


ということは、私的支出と見なされないように理由を明示しなければいけないということです。


こんな理由ではだめです。

  • 年間を通じて、ごくわずかの外国人旅行客と英語で応対するため
  • 歯科医が年間数人程度の外国人患者に応対するため
  • 仕事で海外に行くかもしれない
  • 海外の会議やセミナーに出席するためだけ
このような理由ではなく、もう少ししっかりしたものが必要です。
  • 海外の取引先と商談するため
  • 海外の顧客に商品を売って、対応するため
  • 多くの外国人顧客に対応するため
明示すべき理由は、客観的合理的に見てふさわしいものでないといけません。

そうでない場合は、家事関連費として計算されます。

事業に必要な費用と家事関連費の両方にまたがるように思える場合は、区分を説明できるようにしておかなければいけません

英会話の具体的な仕訳例を解説!


英会話の学習費用を経費として組み込む場合は、仕分けの仕方が重要になってくるので、その例を見ておきましょう。

借方貸方摘要
研修費100,000円事業主借100,000円英会話学校

これは、個人用クレジットカードで授業料を支払った場合です。現金払いなら、貸方に「現金」と記入します。


仕分けでは、当期の分だけ必要経費に組み込みます


したがって、来期分まで英会話学校の授業料をまとめて支払っている場合は、記入の仕方が少し変わります。

借方貸方摘要
前払金50,000円英会話学校
研修費50,000円事業主借100,000円 
英会話学校

左側には、日付を記入してください。


これで、事業年度またぎになった場合の仕分けになります。

まとめ:英会話は理由があれば、経費にすることができる!

英会話の学習費用をいかに経費にするかについて、いろいろと説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 法人・個人事業主の場合は、必要に応じて英会話を必要経費にでき、従業員には「特別支出控除」がある
  • オンライン英会話も条件が合えば、経費になる
  • 英会話を経費にする際に押さえておきたいポイント
でした。

私的な目的、例えば趣味などのために英会話を学んでいる場合は、経費には該当しませんが、事業目的ということなら、十分当てはまります

対象の人はぜひこの制度を利用して、税金の支払い額を抑えましょう。

今回の問題を含めて、法人のお金や税金のことで分からないことがあれば、マネーキャリアをご利用ください。

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