映画やイベント参加にかかる料金は経費にできる!注意点を解説

映画鑑賞やイベントに参加する際の費用なども、実は経費にできるということを知らなかった方は多いかもしれません。実はある基準をしっかり守れば、一見仕事には直接関係ないように思える映画代やイベントのチケット代も経費にできるので、今回はその基準について取り上げます。



▼この記事を読んで欲しい人

  • 映画代やイベントの参加費用を経費にしても良いのか心配な方
  • 経費として認められる基準について詳しく知りたい方

▼この記事を読んでわかること

  • 費用が経費として認められる基準
  • 費用を経費に計上するときの注意点
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内容をまとめると

  • 映画代やイベントのチケット代は福利厚生費として経費に計上できる
  • 作品を参考にするため、また研究のために鑑賞した映画代は経費になる
  • 発生費用に妥当性があれば経費に計上できる費用はほかにもたくさんある
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監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

映画代やイベントのチケット代は経費にできる!


一見仕事には直接関係がないように思える、映画代やイベントのチケット代などでも、実は経費として計上することができます。


そのような費用は、

  • 福利厚生費
  • 接待交際費
一般的にこのうちどちらかに当てはまりますが、映画代やイベントのチケット代は「福利厚生費」という勘定科目になります。

ではまず、なぜ映画代が「福利厚生費」として経費に計上できるのか、
  • 経費に計上できる基準を判断する方法
  • 経費にできた具体的な事例
これらの点を見ていきましょう。

経費に計上できるか判断する方法

映画代やイベントのチケット代が経費に計上できるかどうか、それはずばり「仕事(事業)に関連性があるか」が重要です。


まず、映画代やイベント代が「接待交際費」ではなく「福利厚生費」なのは、他者の社員など対外的に行うものではなく、自社の社員に対して発生する費用だからです。


そしてその費用は、基本的にだれか特定の社員や、社長・役員だけに対して行われるものではなく、たとえば「社員旅行」や「忘年会」のように、原則社員全員が対象となるものです。


ポイントをまとめるとここで重要となるのは

  • 事業の成長につながる
  • 社員全員が享受できる
  • 社長や役員を対象としていない
これらの点であり、映画代やイベントのチケット代が発生したとき、それを経費に計上するためには以上の条件をクリアしている必要があります。

誰か特定の社員に、それも個人的感情を含めて行われるものは当然ながら経費にはなりませんし、そもそも社員が社長一人しかいない場合も経費にはなりません。

「事業への関連性」はどのように判断されるかというと、
  • 自社の事業内容とかけ離れていない
  • 映画を見たりイベントに参加した理由を合理的に説明できる
このように、単なる「娯楽で映画を見に行った」のではなく、たとえば「事業として開催するイベントの参考にするため」のように正当な理由がある場合は、経費に計上できます。

映画代やイベントのチケット代などにかかる料金を経費にできる事例

実際に映画代やイベントのチケット代を経費にできた例を見ていきましょう。


アニメ・映画製作関連

映画製作に携わっていた監督が、他の作品を参考にするために映画鑑賞した際の費用が、経費として認められました。


この事例では「映画監督」という事業に直接関係する立場ですが、アニメでも舞台でも、「作品を参考にする」という名目ができる事業であれば経費になりやすいでしょう。



コスプレイヤー・芸能人関連

長年コスプレイヤーとして活動してきた方が個人事業主であったときに、衣装作りの参考にするために見た映画代が、経費にできたようです。


この場合は「福利厚生費」ではありませんが、自分自身の仕事に直接関係ある活動なので、経費にできる可能性は高くなります。


恋愛・映画評判サイト運営

公開される映画のレビューサイトを運営している方が、自身でも評判を確かめるために映画鑑賞に行った際の費用を経費にした例があります。


Webサイト運営にともなってはどのような内容のウェブサイトを運営しているかにもよりますので、全く関連性がないWebサイトを運営している場合は経費にならない可能性があります。

映画やイベントの入館料・入場料を経費にするときの勘定科目


経費にしたい費用の帳簿付けを行う際は、どのような勘定科目を用いるべきでしょうか。


次からは、実際に帳簿に用いる

  1. 取材費
  2. 接待交際費・接待飲食費
  3. 福利厚生費
  4. 教育訓練費
  5. 販売促進費
これらの勘定科目について説明していきます。

①取材費

テレビやインターネット番組、その他ニュースサイトなどさまざまなメディアで情報を掲載するための取材で発生する費用は、「取材費」を用います。


これは「接待費」と混同してしまうことも多いですが、基本的に「取材場所(の確保)代」や「取材中の飲食代」、「取材相手の交通費」など、取材に直接関係あるものであれば「取材費」となります。


たとえば、特定の人物の取材に伴って落ち着いた雰囲気のカフェレストランなどを予約した場合、そこでの食事代も基本的には経費にすることができます。


ただし「基本的には」としたのには理由があり、高級レストランや料亭を利用した場合など、明らかに行き過ぎた費用と判断されると経費として認められない可能性があります。

②交際費接待費

取引先の社員や事業の関係者などを食事の席に招待した際の費用は、「接待交際費」として計上できます。


いわゆる社外への「接待」を行った際に適用されますが、食事代や場所代、テーブルチャージ料などがこれに当たります。


取引先の社員とともに映画を見た、イベントに参加した場合などもこの接待交際費が適用できる場合があります。


交際費と似た勘定科目として「接待飲食費」がありますが、こちらはさらに狭義の意味合いがあり、これは飲食を伴う「接待」時の費用のみが適用となり、お歳暮や映画鑑賞などの費用は対象外です。


ちなみに、この金額が(参加人数一人分で)5,000円以下である場合は接待交際費ではなく、福利厚生費などの勘定科目となります。

③福利厚生費

この記事で最初から取り上げている「福利厚生費」という勘定は、その名のとおり自社社員に対する「福利厚生」を実施した際の発生費用で用いる勘定科目で、業務内容に直接関係しないように見えることも含まれています。


この「福利厚生費」は少し広義であり、本来は

  • 法定福利費:健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料など
  • 法定外福利費:食事代や旅行費用、出張手当や交通費など
さらにこの2つに分類され、いわゆる映画代やイベントのチケット代などは「法定外福利費」となります。

会社がそれを福利厚生だと判断すれば何でも良いわけではなく、
  • 社員全員が享受できる
  • かかった費用に妥当性がある(金額が高すぎない)
これらの条件を満たす必要があります。

たとえば社員旅行は慰安のため基本的に社員全員で行くものですが、(一部例外をのぞき)数人だけで旅行に行った場合は福利厚生費として認められない場合があります。

福利厚生費は基本的に全額を損金算入できますが、上記の条件を満たせない場合は「交際費」や「消耗品費」などの勘定科目となり、一部課税または全額課税対象となってしまう点には注意が必要です。

④教育訓練費

会社の仕事に必要な研修や講義などを受けるために発生した費用は、「教育訓練費」として勘定させることで、経費にできます。


教育訓練費といえるものには、

  • 外部から講師や指導員を招集する費用
  • 講義のために外部の施設や備品を利用・レンタルする費用
  • 講義の際に用いたテキスト・教材などの費用
  • 研修のプログラム作成に関して外部に委託する費用
このような費用が含まれます。

これらはあくまで「仕事に必要な教育」である必要があるため、仕事に直接関係がない、たとえば「マインドフルネス」の研修や「自己啓発セミナー」への参加料などは経費として認められない場合があります。

また、研修に参加するために遠征した場合の食事代や宿泊費などは、教育訓練費には含められず、たいていは「交通費」として勘定します。

⑤販売促進費

最後に挙げるのが「広告宣伝費」と混同しやすい「販売促進費」という勘定項目であり、これは自社の商品やサービスの売上を上げるために用いた費用のことです。


どのような費用が販売促進費になるのかというと、

  • 販売店への商品カタログ制作・配布
  • 商品サンプルやノベルティ生産・配布
  • 割引クーポン制作・配布
  • 展示会や実演販売の開催・参加
このような費用が該当します。

これらの施策は確かに「もっと商品を売るため」に行われるものですが、不特定多数相手ではなく特定の消費者・ユーザーや取引先を対象としています。

ですから、
  • 消費者向けの商品カタログ制作・配布
  • 販促パンフレットやうちわ、カレンダーなどの制作・配布
  • 公式ホームページの制作依頼
  • 商品紹介の動画作成・公開
これら不特定多数に向けて行う販促に伴う費用は、販売促進費ではなく「広告宣伝費」となります。

この2つが曖昧なまま勘定されることも少なくありませんが、確実に経費に落とすためにも、違いを把握しておくべきです。

注意:映画の半券やメールの購入履歴などを残しておく!


映画代やイベントのチケット代などを経費にするために、レシートや半券など、出費を証明できるものを証拠として必ず残しておく必要があります。


これは映画代に限ったことではなく、備品や機材購入なども経費にするために購入履歴やレシートを必ず残しておくのと同じことです。


なぜ証拠を残しておかなければならないのかというと、もし税務調査が入ったときに正当な事由を証明できない費用を経費としているなら「脱税」扱いになったり、悪質な場合は国税局の調査が入ることもあります。


よく「個人的な出費もだいたい経費にできる」と豪語する方がいますが、一度やってしまうと往々にして度が過ぎた「税金対策」はエスカレートしていきます。


いざ税務調査が入ったら、会社の不利益になるどころか信用問題にも発展する可能性があるため、必ず「証拠に残せる」経費だけを計上する、という線引をしておくべきです。

DVDの映画を見るときのレンタル・購入費用も経費にできる!


今回テーマとなっている映画代は「映画館での鑑賞費用」を指していますが、DVDのレンタルや購入に伴う費用も経費にすることが可能です。


それは映画を見ることが「事業に関係あること」であったり「事業の発展に寄与する」のであれば、映画館で見るかどうかは直接的に関係ないからです。


そのほかに、どのような事例でも経費計上できる可能性があるか、次の表をご覧ください。

費用の詳細勘定科目
自社の服の宣伝動画に出演する
モデルが購入したカラーコンタクトの費用
広告宣伝費
自社の公式イベントに出演するコスプレイヤーが
着用する衣装の費用およびクリーニング代
雑費
広告宣伝費
企業所属の配信者が動画撮影のために
新たに借りたレンタルスタジオの利用料
雑費
小説のレビューを掲載するWebサイト運営会社が
新規コンテンツ研究のために購入した有名漫画
新聞図書費

※これらの費用が必ず経費になるとは限りません


このように、意外に経費に計上できる費用は多い反面、一歩間違えると本来経費にはできない費用まで思い込みで計上してしまうおそれもあるので、出費が発生する前に必ずチェックした方が良いでしょう。

映画代やイベントのチケット代の経費化に関するまとめ


今回は映画代やイベントのチケット代を経費にすることについてさまざまな点を取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


税金対策のために行う経費計上は、実はかなり線引が難しいものであり、長年会社を経営している方でもしっかり把握しきれていないことがあります。


しかし、その費用がもつ「仕事(事業)との関連性」を考えるだけで幾分かは経費への線引が楽になるので、今まで経費にできたはずの費用があったかどうかも含めて、セルフチェックしてみてはいかがでしょうか。


費用が経費計上可能かどうかについてお悩みの方はマネーキャリアにご相談ください。マネーキャリアでは税務の悩みに無料で相談可能なため、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。


ほけんROOMではこの記事意外にも役に立つ記事を多数掲載していますので、ぜひそちらもご覧ください。

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